研究会レポート」カテゴリーアーカイブ

第37回 東北骨代謝・骨粗鬆症研究会 (粕川雄司)

 

2016年2月6日仙台市で第37回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会が開催されました.この研究会はとても歴史のある会で,佐藤光三名誉教授が創設メンバーのお一人となっています. 今回は宮腰尚久准教授が当番世話人をされ,A-BONEからは田村康樹先生,堀川 明先生,野坂光司先生,粕川雄司が発表しました.田村康樹先生は「エディロール投与例における血中Ca/P値およびeGFRの変動と血管石灰化との関連について」,堀川 明先生は「骨粗鬆症治療におけるイバンドロネートとアレンドロネート静注製剤の使用経験」,野坂光司先生は「Charoot関節に対するLIPUSとTeriparatide併用の有効性」と,「難治性骨折における骨質マーカーの意義」の2題,粕川は「3年以上のビスホスホネート製剤治療による骨代謝マーカーの推移」の発表を行いました.15題の一般演題中5題がA-BONEからの発表となりました.そのなかで野坂光司先生の「難治性骨折における骨質マーカーの意義」が臨床系の優秀演題賞を受賞されました.野坂先生,受賞おめでとうございます.宮腰尚久准教授は「骨粗鬆症性脊椎病変の病態と治療戦略」と題したミニレクチャーをご講演されました.この研究会では基礎系の先生方や,外科,産婦人科,小児科,歯科などの臨床系の先生方が参加しているので,脊椎の骨折や変形などの脊椎病変の病態や治療法についてわかりやすく詳細にお話しされました.

特別講演では東京医科歯科大学大学院 細胞生理学分野 教授 竹田 秀先生より「臓器ネットワークからみた骨粗鬆症の病態と治療」のご講演がありました.骨と他臓器の密接な関連について最新の知見をお話しいただきました.今後骨疾患の病態解明や治療に様々な要素の理解が必要になると感じました.

また来年も研究会で発表できるように頑張りたいと思います.お疲れ様でした.

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ついに開催! 第1回秋田足の外科グループ秋田イリザロフ法グループ合同論文合宿(野坂光司)

12月19日,第1回秋田足の外科グループ(AFG)秋田イリザロフ法グループ(AIMG)合同論文合宿を開催することができました.我々のグループは秋田市外のメンバーが多く,これまではメール会議がメインでしたが,今回多数のメンバーが参加してくれました.ASG,A-BONE,ASAKGに遅れはとりましたが,今後,メンバー各自が高い志を持ち,学会研究会で発表した内容は,どんな小さくても論文化していくことを誓い合いました.

今後の症例登録とリサーチの意見を交換,最新論文の抄読会,柏倉先生によるミニレクチャーなど盛りだくさんの内容を1時間で終わらせ,すぐに論文作成に移りました.最後まで頑張ったメンバーからは,仲良しグループでは終わらないぞという強い意志を感じました.

土曜日にもかかわらず,頻繁にカンファランス室に顔を出してくださった島田教授には心より感謝いたします.それが我々グループへの教授の期待の大きさか,信用のなさかは不明ではありますが,メンバーもその都度集中し直せました.

AFG,AIMGからバンバン論文が発表されるよう,今後も継続的に行っていきたいと思います.

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2015青森県足の外科研究会(野坂光司)

11月28日青森県足の外科研究会に行ってまいりました。主にMATILDA法と足の外科領域の難治症例について講演いたしましたが、このような貴重な機会を与えて下さった石橋恭之教授には心から御礼申し上げます。弘前大学さんは日本でも非常に早い時期からIlizarov創外固定とMicro Surgeryを融合させていたところで、最近また大学でもIlizarovを行うようになってきているとのでした。情報交換会でも、県内のたくさんの、やる気に目を輝かせたヤングドクターから質問を受け、自分も元気をもらうことができました。石橋恭之教授からは、以前は藤哲名誉教授と多くのIlizarovを行っていたという懐かしいお話をお聞きいたしました。もう一つの特別講演は、奈良県総合医療センター杉本和也先生で、次の日本足の外科学会会長という大変御高名な先生で、私自身もとても勉強になるお話でした。

石橋教授には主任教授としての責務はじめいろいろなお話を伺うことができて、大変有意義でした。その中で脊椎のみならず関節、外傷あらゆる分野をしっかり組織作りされている島田教授の統率力の偉大さを称えていただき、非常に嬉しく思いました。

秋田イリザロフ法グループAIMG、秋田足の外科グループAFGともに益々頑張っていかなければ、とパワーをもらえた貴重な一日でした。

 

 

第5回秋田県骨粗鬆症学術セミナー (鈴木 真純)

第5回となりました秋田県骨粗鬆症学術セミナーですが、週真ん中の平日にも関わらず多くの先生にご参加頂き有り難うございました。一般演題に斉藤公男先生・瀬川豊人先生を、そして特別講演には浜松医科大学整形外科 准教授 星野裕信先生を御招きして御講演して頂くこととなりました。

初めに、斉藤公男先生の「骨粗鬆症患者における骨密度と脊柱・下肢アライメント」に関する御講演です。骨粗鬆症と脊椎・下肢関節アライメントとの関連に関する報告は多く散見されますが、先生ご自身の研究患者におけるデータの解析ということで非常に興味深いものでした。特に、膝OA進行期とBMDに正の相関を認めたという結果も色々と原理を考えさせられました。また、非常に難しいと思われますが、脊椎アライメント破綻⇔下肢アライメント破綻は単純な原因結果関係ではなく、今後こうした研究報告を重ねて発展させてゆく事が重要であると思いました。次いで、瀬川豊人先生の「壮年期の骨折患者における血中ビタミンC濃度の検討」の御講演です。比較的若年で、骨脆弱性が関与する骨折患者と、通常のhigh energy 外傷による骨折患者とで、血中ビタミン濃度やその他骨脆弱性に関与する因子の有無について比較されたご報告でした。骨脆弱性とビタミンCとの関連は過去の報告からも明らかですが、改めて県内施設実際の臨床データとして確認したというもので、今後ビタミンC補充などの治療介入で後々の結果が楽しみでもあるご報告でした。

そして、星野裕信先生による「運動器検診を利用した骨粗鬆症評価から治療介入へ」の御講演です。御講演の中でありましたが、秋田県でも声高に言われておりますが骨折患者への積極的な骨粗鬆症検査治療介入に関して、達成率が27%程度であるというのは有名な報告ですが、実際知りながらもなかなか改善してゆくが難しい問題であると思います。今回の御講演では、星野先生が行っている愛知県東栄町という地区での運動器検診(TOEI study)で得られた貴重なデータを中心にその点を中心にお話を頂きました。同様に秋田大学でも毎年阿仁地区を中心に脊椎検診を行っており、今後の発展のために非常に勉強になる内容でした。具体的に、検診に参加された町民の全脊椎, 下肢全長の単純X-rayを施行されておりそうした体制が整っているということや、2年間での骨折率や再骨折率(各々12%, 14%)などのお話は非常に興味深い内容でした。その他、現在controversialな内容である長期Bisphosphonate使用者のdrug holiday(ほぼ統一見解とする報告はなされてきておりますが)・PTH治療終了後の継続治療についての新しい報告から、病診連携に関する事まで幅広い内容のお話も頂きました。

最後になりますが、平日にも関わらず秋田に来て頂いた星野裕信先生、そして県内関連病院の先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。conv0001

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第1回なまはげ運動器セミナー (粕川雄司)

秋田では日々寒さが厳しくなり,ハロウィーンを翌日に控えた10月30日金曜日第1回なまはげ運動器セミナーが開催されました.高齢化が進み運動器治療の重要性がますます高まっているなか,今回のセミナ-では運動器の治療について多方面から学ぶことができました.

一般演題は,平鹿総合病院 小林 志先生より「運動器外傷に対する骨吸収性骨接合材の使用経験」と,秋田赤十字病院 田澤 浩先生より「人工関節周囲骨折」と題して講演いただきました.小林 志先生からは,高齢者にも多くなっている関節周辺の骨折に対し,吸収性の固定材料(スクリュー)を用いた手術の結果や経過について,複数の手術例を提示いただきお話しいただきました.田澤 浩先生からは,高齢者に行われる人工股関節・膝関節置換術後のインプラント周囲骨折に対し,様々な方法で治療された結果についてお話しいただきました.治療に難渋することの多い人工関節術後骨折の治療について勉強することができました.

特別講演は,慶応義塾大学 スポーツ医学総合センター 講師 岩本 潤先生より「骨粗鬆症の病態と薬剤選択」と題して御講演賜りました.骨粗鬆症は,骨が弱くなり骨折しやすくなるため,運動器の障害を引き起こす可能性が非常に高い病態です.岩本 潤先生は,その骨粗鬆症の治療に精通されている御高名な先生です.御講演では,骨代謝の基礎から骨粗鬆症における骨代謝の変化を動画でとてもわかりやすくお話しいただき,さらに複数の種類がある骨粗鬆症治療薬の作用機序や使用法,また適切な使用時期など詳細にわかりやすく解説していただきました.高齢化が進んでいる秋田県でも,骨粗鬆症の治療は非常に重要となっており参加者には大変有意義な御講演でした.遠路はるばる寒くなった秋田までお越しいだだき,ありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.

2015年10月岩本潤先生 (1)

第4回秋田県股関節研究会(木島泰明)

2015年9月19日(土曜日)に第4回秋田県股関節研究会が開催されました。会の冒頭には山田晋会長から、Akita Hip Research Group(AHRG)の取り組みとして臨床・研究・若手教育の3つの側面全てにおいて秋田県における股関節外科の発展と国内外へのアピールとなる業績作成を行っていることがご報告されました。

臨床面では人工股関節置換術後の早期復帰を実現するために新しいアプローチや新しいインプラントの導入を開始しており、研究面では大腿骨近位部骨折に対するAkita分類の有用性を500例近い症例の調査からアピールする準備が出来ていることが示されました。また、特に若手教育に関しては、股関節外科医をしっかり育てるために大学での手術に大学以外の股関節志望の若手に入っていただき、直接指導するシステムを顧問である島田教授の方針として取っているおり、股関節外科を目指す若手全てにそのチャンスを与えることや、今年度中に第1回AHRG股関節鏡&股関節周辺アプローチcadaver training courseを開催することなどについても宣言されました。

続くミニレクチャーでは秋田赤十字病院の人工関節センター長の田澤浩vice-directorから「人工股関節置換術後患者における腰椎前弯角とQOL」についてレクチャー頂き、股関節だけでなく全身のアライメントを考えた治療が今後はさらに重要になってくることを実感させられました。

さらに今年から「AHRGからの耳より情報」という新コーナーが生まれました。これは1年間の股関節関連の新しいトピックスを、その内容に得意な先生からご講義頂くコーナーですが、今回は「大腿骨近位部骨折-元就ミクス3本の矢-」というタイトルで、股関節だけでなく骨折にも精通している能代厚生医療センター整形外科の診療部長、久保田均副会長から大腿骨頸部に3本のスクリューを入れる新しいデバイスについて、実際の症例をお示しいただきながらわかりやすく教えていただきました。Akita分類とこれらの新しいデバイスにより、整形外科医1年目から非常に多く経験するこの大腿骨近位部骨折も、新たなステージを迎えることになりそうです。

一般演題では、鈴木紀夫先生(由利組合病院)が、Charcot関節であっても股関節外科医であればTHAの適応も充分あるのだという力強いリポートを、加茂啓志先生(秋田労災病院)は大腿骨頭骨折という大変な症例をsurgical dislocationというアプローチを用いてみごとに治療されたご経験を、また、尾野祐一先生(秋田県立医療療育センター)はgapのないMRIのペルテス病への有用性をご報告頂きました。毎年、医療療育センターからは小児の股関節疾患の演題を出していただき、大変感謝しております。

さらに、奥寺良弥先生(由利組合病院)が、股関節のHill-Sachs lesionとも言うべき非常に貴重な症例をなんと3D-printerを用いた立体モデルを用いることでその発症メカニズムが一目瞭然にわかる!という、まさに目から鱗が落ちるような症例報告を、佐々木研先生(秋田大学)は近年AHRGだけでなく全国的に使われているwedged taperタイプの我が国での先駆けであるAccolade TMZFステムのついに出た中期成績を惜しげもなく披露してくださいました。そして、最優秀演題賞に輝いたのはAHRGメンバー最若手の河野哲也先生(秋田大学)の「人工股関節全置換術後の作業活動は何をいつ再開できるか」という演題でした。秋田の高齢者に実際にインタヴューまでおこなったプレゼンテーションのおかげで我々AHRGが苦労して集めたデータを非常に強いインパクトでアピールしてくださいました。

特別講演Ⅰでは、わたくし、木島泰明が、フランスの股関節外科を紹介しながら、股関節の臨床や研究の魅力をみなさまにお伝えしたいという一心でプレゼンテーションさせて頂きました。若手の先生だけでなく、きっと股関節以外がご専門の先生にも楽しんで聞いていただける1時間になったのではないかと自負しております。

そしてメインイベント、特別講演Ⅱでは、大阪大学大学院医学系研究科 運動器医工学治療学 教授の菅野伸彦先生から「人工股関節全置換術で満足度を高めるためには」と題して、股関節専門医でも知らなかった興味深いTHAの歴史から、THAの満足度をさらに高めるための、非常に多岐にわたり、かつ「ほんまもん」のデータから導き出される「ほんまもん」の結論をご提示いただき、心から感動するとともに、菅野教授が今年開催されます第42回日本股関節学会学術集会が非常に楽しみになるご講演でした。

研究会終了後の情報交換会などでも、菅野教授からは、「それ、ほんまか?」の精神で臨床もリサーチもされていることをお聞きし、我々AHRGもそれに負けないように秋田ならではのスタイルで臨床・研究・若手教育のすべての側面で県内外・国内外に存在感をしめせるように頑張ろう、とメンバー全員が志を新たにした次第です。

この度は、第4回秋田県股関節研究会にご参加いただき、また、このご報告を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

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第1回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会を開催して (秋田大学大学院整形外科 齊藤英知)

2015年8月29日に記念すべき第1回の秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会( Akita Orthopedic Society for Knee, Arthroscopy, and Sports Medicine: AKAS)が開催されました。AKASの核組織として、研究、教育、臨床の実践を行っていくAkita Sports Arthroscopy Knee Groupが存在します。このASAKGでは40歳以下の中堅から若手整形外科医が中心となり、シニアドクターに助言を頂きながら、全国や世界に情報を発信していこうという気概とエネルギー満ち溢れたグループと認識しています。そのような秋田を背負う若手が中心となっていくこ第1回AKASに世界を代表するお二人の特別講師をお迎えできたことは大変幸せなことです。

特別講演は豪華2講演で、一つ目は、広島大学大学院医歯学薬保健学研究院整形外科准教授の安達伸生先生による「関節軟骨再生医療 – 現状と未来 -」、もう一つは、医療社団法人 悠仁会 羊ヶ丘病院 病院長の岡村健司先生による「肩関節鏡視下手術の実際 – 腱板、脱臼のトピックス」と題しまして、素晴らしいご講演を頂きました。この場をお借りしまして、両先生には大変お忙しい中、秋田まで来ていただきましてご講演いただいたことに感謝申し上げます。

安達伸夫先生のご講演は、いま話題の軟骨再生医療の最前線の内容でした。いよいよ秋田でも軟骨再生医療を秋田大学と中通病院で2015年8月より開始致しました。この軟骨再生技術は、膝関節外科医にとっては、夢の治療であり、待ちに待った治療法です。この方法の導入により、軟骨損傷による変形性膝関節症の治療成績が飛躍的に向上すると期待しております。懇親会では安達先生から手術におけるさまざまなTrickやpit fallなど、多くの知見を直接ご教示頂きました。明日からの診療にすぐに使える生きた知識たちです。本当に有難うございました。

岡村健司先生の肩関節の関節鏡手術件数は、数千件あり、環太平洋ナンバー1と言われております。肩関節脱臼の関節鏡手術治療や関節鏡視下腱板修復術の実際と最先端の知識と技術を提示して頂きました。我々は、ASAKGのworking groupとしてShoulder and elbow working groupを持っております。構成員は、嘉川貴之先生(市立大森病院)と大内賢太郎先生(市立横手病院)でしたが、今回さらに、杉村祐介先生(南秋田整形外科)を新たに迎え、9月末には、羊ヶ丘病院で直接、岡村健司先生よりご指導を賜ります。より高い技術と知識を吸収してきてもらい、秋田県の肩肘関節疾患で苦しまれている多くの患者さんをよくして頂きたいと考えております。

第1回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会1一般演題は、ASAKGメンバーがひとり一演題キャンペーンを張り、全員がレベルの高い発表をして頂きました。塚本泰朗先生(大森病院)、赤川学先生(大学病院)、杉村祐介先生(南秋田整形)、佐藤千恵先生(大学病院)、藤井昌先生(大学病院)、大内賢太郎先生(市立横手病院)、瀬川豊人先生(町立羽後病院)、佐々木香奈先生(中通総合病院)、冨手貴教先生(北秋田市民病院)、冨岡立先生(市立横手病院)の先生がたから素晴らしい発表を頂きました。また、ミニレクチャーでは、斉藤公男先生(市立角館総合病院)から最新の動作解析、歩行解析による臨床の疑問を裏付ける発表が行われました。われわれは、この動作解析に関しては、島田洋一教授のご専門でもあり、ASAKGでもそれを活かすべく、Motion analysis working groupを立ち上げました。そのリーダーである斉藤公男先生は、大学院の博士号もその動作解析で取得しており、今後の世界レベルでの活躍が期待されます。

第1回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会2第1回AKASを無事、大盛況のうちに終わることができ、まずは一安心ですが、われわれは、若い組織ですので、Keep goingの精神で、謙虚に、一歩ずつ実践を重ねて参りたいと考えております。

感謝の言葉でブログを締めくくりたいと思います。

「ありがとうございました。」

羊ケ丘病院 研修だより (水谷 嵩)

島田教授のご高配で7月から2カ月の間、羊ケ丘病院で研修をさせていただいております。そろそろ札幌生活も終わりですが、夏の北海道という時期的にも恵まれた2か月間を振り返りたいと思います。

 

最も長い時間過ごしたのは外来で、主に新患外来を担当していました。手術が必要な患者さんには出来るだけ早く予定を組むことができたり、なかなかよくならずいろいろな施設を回って来た人にはリハビリで積極的な治療を行うなど、選ばれる側の民間の医療施設として患者さんに出来るだけ質の高い医療を提供する お手伝い ができたのは秋田に帰っても役立つ収穫だったと思います。時間があるときは倉先生や岡村先生の外来を見学させていただき、日本でトップランカーの先生方の、疾患や治療の考え方や治療に対する姿勢などを学ぶことが出来ました。肩の診察が今まで苦手だった自分としては、肩の診察を岡村先生直々に(ご自身の肩を貸していただきました(笑))ご指導いただけたのが大変勉強になりました。

 

手術は主に倉先生の膝、足といった下肢の手術と、岡村先生の肩の関節鏡手術の助手として入らせていただきました。秋田ではなかなか見ることができない手術も多く、手術に入れる日は毎日が刺激的でした。

 

秋田大学整形外科同様に多くの部活動が盛んな羊ケ丘病院ですが、自分も河野先生の流れのまま水泳とノルディックウォーキングに参加させていただきました。(水泳は1-2回程度でしたが…)ノルディックウォーキングは岡村院長は羊ケ丘公式競技と宣言し、倉理事長は術後患者さんを集めてイベントを開催するなどかなり気合の入った活動で、夏の朝6時から病院周辺をウォーキングするのは大変気持ちがよかったです。また、英会話講座も参加し、こちらは少人数グループ制のアットホームな雰囲気でした。水泳は大会に登録、参加するほど本気度の高い活動で、小樽塩谷の海水浴場まで車で移動し遠泳の練習、そのあとにBBQというイベントにもご一緒させていただきました。まさか北海道にきて雨の中海で泳ぐ経験をすることになるとは思ってもみませんでしたが、夕方から晴れておいしいBBQを楽しむことができました。

 

倉先生には、研修中研究会発表と論文作成についてご指導いただきました。倉先生の御高配により第18回北海道下肢と足部疾患研究会で貴重な手術症例の発表の機会をいただき、大阪南医療センターの橋本淳先生の特別公演を拝聴することも出来ました。

 

今回の研修では、民間施設の先生方が患者さんに選ばれるため、信頼されるためにどのような思いで日常の診療に携わっているかを実際の目で見ることが出来たのが最も大きな収穫でした。秋田に戻っても羊ヶ丘病院で学ばせてもらったことを生かしていきたいと思います。

 

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日本足の外科学会で来ていた野坂光司先生のワークショップにお邪魔しました

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小樽塩谷で海泳ぎからのBBQ 直前まで雨の中泳いでました

岡村健司先生とリハビリスタッフの皆さん

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北海道下肢と足部疾患研究会で橋本淳先生と倉秀次先生

 

第4回野球肘研究会夏合宿 in 福島に参加して  (齊藤英知)

この度、2015.8.8(土)に福島市で行われた第4回野球肘研究会夏合宿 in 福島に参加して参りました。秋田県からは、私が座長を務めたセッションもありましたし、秋田労災病院の関展寿先生がcase discussionの発表がありました。また、Akita Sports Arthroscopy Knee Group (ASAKG)からは、市立大森病院から嘉川貴之先生、市立横手病院から大内賢太郎先生、南秋田整形外科から杉村祐介先生が参加しました。今回のテーマは、「野球肘の診断とリハビリテーション」ということで、最新の動作解析の紹介から、数多くのプロ野球選手を診療されている菅谷啓之先生、山崎哲也先生のご講演や、岩堀祐介先生、古島弘三先生、島村安則先生など野球肘領域では日本のトップが肩を並べてご講演を頂きました。また、数多くのプロ野球選手の診療にあたっているPTの先生方のさまざまな手技療法の世界も垣間見ることができ、開始9時、終了19時と長時間にわたる合宿でしたが、非常に有意義で得るものの多い時間となりました。また、懇親会でも日本のTOPの先生がたと多くのお話をすることができ、感謝しております。本会を務めていただいた、福島県立医大の大歳憲一先生、本当にありがとうございました。さて、第5回野球肘研究会夏合宿は、2016.7.23(土)に秋田市アルヴェで行われます。私が当番幹事となりました。みなさまもご参加して頂きまして、最新の野球肘や投球障害の知見を得て頂けますことを心よりお願い申しあげます。積極的なご参加を心よりお待ち申しあげます。

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骨粗鬆症と糖尿病を考える会  (粕川雄司)

平成27年6月18日木曜日「骨粗鬆症と糖尿病を考える会」が開催されました.高齢化が急速に進んでいる今日,高齢者の方々が自立して生活できる“健康寿命”を維持することは,寝たきりや介護を必要とする方々を減らすためにとても大切になっています.その点で骨粗鬆症と糖尿病は,それぞれ関連し高齢者の日常生活動作を悪化させるため,その予防と対策は健康寿命を維持するためにとても重要になっています.

最近,糖尿病と骨粗鬆症やロコモティブシンドロームに関する研究・論文が少しずつ増えており,今後糖尿病と運動器疾患についての理解を深めていき,その治療にあたることが重要なことだと認識しました.

特別講演では,秋田大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝・老年内科学講座 教授 山田祐一郎先生より「糖尿病と骨粗鬆症」についての御講演をいただきました.糖尿病と骨粗鬆症の関連について,基礎的なことから詳細に御講演いただき,また新しい糖尿病治療薬であるインクレチンの骨代謝・骨粗鬆症に対する効果についてのお話しは,大変勉強になりました.

今後,さらによりよい診療を行っていけるように,それぞれの疾患についての理解をさらに深めていきたいと感じました.当日は,たくさんの方々にご参加いただきありがとうございました.?????????? ??????????