研究会レポート」カテゴリーアーカイブ

第1回なまはげ運動器セミナー (粕川雄司)

秋田では日々寒さが厳しくなり,ハロウィーンを翌日に控えた10月30日金曜日第1回なまはげ運動器セミナーが開催されました.高齢化が進み運動器治療の重要性がますます高まっているなか,今回のセミナ-では運動器の治療について多方面から学ぶことができました.

一般演題は,平鹿総合病院 小林 志先生より「運動器外傷に対する骨吸収性骨接合材の使用経験」と,秋田赤十字病院 田澤 浩先生より「人工関節周囲骨折」と題して講演いただきました.小林 志先生からは,高齢者にも多くなっている関節周辺の骨折に対し,吸収性の固定材料(スクリュー)を用いた手術の結果や経過について,複数の手術例を提示いただきお話しいただきました.田澤 浩先生からは,高齢者に行われる人工股関節・膝関節置換術後のインプラント周囲骨折に対し,様々な方法で治療された結果についてお話しいただきました.治療に難渋することの多い人工関節術後骨折の治療について勉強することができました.

特別講演は,慶応義塾大学 スポーツ医学総合センター 講師 岩本 潤先生より「骨粗鬆症の病態と薬剤選択」と題して御講演賜りました.骨粗鬆症は,骨が弱くなり骨折しやすくなるため,運動器の障害を引き起こす可能性が非常に高い病態です.岩本 潤先生は,その骨粗鬆症の治療に精通されている御高名な先生です.御講演では,骨代謝の基礎から骨粗鬆症における骨代謝の変化を動画でとてもわかりやすくお話しいただき,さらに複数の種類がある骨粗鬆症治療薬の作用機序や使用法,また適切な使用時期など詳細にわかりやすく解説していただきました.高齢化が進んでいる秋田県でも,骨粗鬆症の治療は非常に重要となっており参加者には大変有意義な御講演でした.遠路はるばる寒くなった秋田までお越しいだだき,ありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.

2015年10月岩本潤先生 (1)

第4回秋田県股関節研究会(木島泰明)

2015年9月19日(土曜日)に第4回秋田県股関節研究会が開催されました。会の冒頭には山田晋会長から、Akita Hip Research Group(AHRG)の取り組みとして臨床・研究・若手教育の3つの側面全てにおいて秋田県における股関節外科の発展と国内外へのアピールとなる業績作成を行っていることがご報告されました。

臨床面では人工股関節置換術後の早期復帰を実現するために新しいアプローチや新しいインプラントの導入を開始しており、研究面では大腿骨近位部骨折に対するAkita分類の有用性を500例近い症例の調査からアピールする準備が出来ていることが示されました。また、特に若手教育に関しては、股関節外科医をしっかり育てるために大学での手術に大学以外の股関節志望の若手に入っていただき、直接指導するシステムを顧問である島田教授の方針として取っているおり、股関節外科を目指す若手全てにそのチャンスを与えることや、今年度中に第1回AHRG股関節鏡&股関節周辺アプローチcadaver training courseを開催することなどについても宣言されました。

続くミニレクチャーでは秋田赤十字病院の人工関節センター長の田澤浩vice-directorから「人工股関節置換術後患者における腰椎前弯角とQOL」についてレクチャー頂き、股関節だけでなく全身のアライメントを考えた治療が今後はさらに重要になってくることを実感させられました。

さらに今年から「AHRGからの耳より情報」という新コーナーが生まれました。これは1年間の股関節関連の新しいトピックスを、その内容に得意な先生からご講義頂くコーナーですが、今回は「大腿骨近位部骨折-元就ミクス3本の矢-」というタイトルで、股関節だけでなく骨折にも精通している能代厚生医療センター整形外科の診療部長、久保田均副会長から大腿骨頸部に3本のスクリューを入れる新しいデバイスについて、実際の症例をお示しいただきながらわかりやすく教えていただきました。Akita分類とこれらの新しいデバイスにより、整形外科医1年目から非常に多く経験するこの大腿骨近位部骨折も、新たなステージを迎えることになりそうです。

一般演題では、鈴木紀夫先生(由利組合病院)が、Charcot関節であっても股関節外科医であればTHAの適応も充分あるのだという力強いリポートを、加茂啓志先生(秋田労災病院)は大腿骨頭骨折という大変な症例をsurgical dislocationというアプローチを用いてみごとに治療されたご経験を、また、尾野祐一先生(秋田県立医療療育センター)はgapのないMRIのペルテス病への有用性をご報告頂きました。毎年、医療療育センターからは小児の股関節疾患の演題を出していただき、大変感謝しております。

さらに、奥寺良弥先生(由利組合病院)が、股関節のHill-Sachs lesionとも言うべき非常に貴重な症例をなんと3D-printerを用いた立体モデルを用いることでその発症メカニズムが一目瞭然にわかる!という、まさに目から鱗が落ちるような症例報告を、佐々木研先生(秋田大学)は近年AHRGだけでなく全国的に使われているwedged taperタイプの我が国での先駆けであるAccolade TMZFステムのついに出た中期成績を惜しげもなく披露してくださいました。そして、最優秀演題賞に輝いたのはAHRGメンバー最若手の河野哲也先生(秋田大学)の「人工股関節全置換術後の作業活動は何をいつ再開できるか」という演題でした。秋田の高齢者に実際にインタヴューまでおこなったプレゼンテーションのおかげで我々AHRGが苦労して集めたデータを非常に強いインパクトでアピールしてくださいました。

特別講演Ⅰでは、わたくし、木島泰明が、フランスの股関節外科を紹介しながら、股関節の臨床や研究の魅力をみなさまにお伝えしたいという一心でプレゼンテーションさせて頂きました。若手の先生だけでなく、きっと股関節以外がご専門の先生にも楽しんで聞いていただける1時間になったのではないかと自負しております。

そしてメインイベント、特別講演Ⅱでは、大阪大学大学院医学系研究科 運動器医工学治療学 教授の菅野伸彦先生から「人工股関節全置換術で満足度を高めるためには」と題して、股関節専門医でも知らなかった興味深いTHAの歴史から、THAの満足度をさらに高めるための、非常に多岐にわたり、かつ「ほんまもん」のデータから導き出される「ほんまもん」の結論をご提示いただき、心から感動するとともに、菅野教授が今年開催されます第42回日本股関節学会学術集会が非常に楽しみになるご講演でした。

研究会終了後の情報交換会などでも、菅野教授からは、「それ、ほんまか?」の精神で臨床もリサーチもされていることをお聞きし、我々AHRGもそれに負けないように秋田ならではのスタイルで臨床・研究・若手教育のすべての側面で県内外・国内外に存在感をしめせるように頑張ろう、とメンバー全員が志を新たにした次第です。

この度は、第4回秋田県股関節研究会にご参加いただき、また、このご報告を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

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第1回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会を開催して (秋田大学大学院整形外科 齊藤英知)

2015年8月29日に記念すべき第1回の秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会( Akita Orthopedic Society for Knee, Arthroscopy, and Sports Medicine: AKAS)が開催されました。AKASの核組織として、研究、教育、臨床の実践を行っていくAkita Sports Arthroscopy Knee Groupが存在します。このASAKGでは40歳以下の中堅から若手整形外科医が中心となり、シニアドクターに助言を頂きながら、全国や世界に情報を発信していこうという気概とエネルギー満ち溢れたグループと認識しています。そのような秋田を背負う若手が中心となっていくこ第1回AKASに世界を代表するお二人の特別講師をお迎えできたことは大変幸せなことです。

特別講演は豪華2講演で、一つ目は、広島大学大学院医歯学薬保健学研究院整形外科准教授の安達伸生先生による「関節軟骨再生医療 – 現状と未来 -」、もう一つは、医療社団法人 悠仁会 羊ヶ丘病院 病院長の岡村健司先生による「肩関節鏡視下手術の実際 – 腱板、脱臼のトピックス」と題しまして、素晴らしいご講演を頂きました。この場をお借りしまして、両先生には大変お忙しい中、秋田まで来ていただきましてご講演いただいたことに感謝申し上げます。

安達伸夫先生のご講演は、いま話題の軟骨再生医療の最前線の内容でした。いよいよ秋田でも軟骨再生医療を秋田大学と中通病院で2015年8月より開始致しました。この軟骨再生技術は、膝関節外科医にとっては、夢の治療であり、待ちに待った治療法です。この方法の導入により、軟骨損傷による変形性膝関節症の治療成績が飛躍的に向上すると期待しております。懇親会では安達先生から手術におけるさまざまなTrickやpit fallなど、多くの知見を直接ご教示頂きました。明日からの診療にすぐに使える生きた知識たちです。本当に有難うございました。

岡村健司先生の肩関節の関節鏡手術件数は、数千件あり、環太平洋ナンバー1と言われております。肩関節脱臼の関節鏡手術治療や関節鏡視下腱板修復術の実際と最先端の知識と技術を提示して頂きました。我々は、ASAKGのworking groupとしてShoulder and elbow working groupを持っております。構成員は、嘉川貴之先生(市立大森病院)と大内賢太郎先生(市立横手病院)でしたが、今回さらに、杉村祐介先生(南秋田整形外科)を新たに迎え、9月末には、羊ヶ丘病院で直接、岡村健司先生よりご指導を賜ります。より高い技術と知識を吸収してきてもらい、秋田県の肩肘関節疾患で苦しまれている多くの患者さんをよくして頂きたいと考えております。

第1回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会1一般演題は、ASAKGメンバーがひとり一演題キャンペーンを張り、全員がレベルの高い発表をして頂きました。塚本泰朗先生(大森病院)、赤川学先生(大学病院)、杉村祐介先生(南秋田整形)、佐藤千恵先生(大学病院)、藤井昌先生(大学病院)、大内賢太郎先生(市立横手病院)、瀬川豊人先生(町立羽後病院)、佐々木香奈先生(中通総合病院)、冨手貴教先生(北秋田市民病院)、冨岡立先生(市立横手病院)の先生がたから素晴らしい発表を頂きました。また、ミニレクチャーでは、斉藤公男先生(市立角館総合病院)から最新の動作解析、歩行解析による臨床の疑問を裏付ける発表が行われました。われわれは、この動作解析に関しては、島田洋一教授のご専門でもあり、ASAKGでもそれを活かすべく、Motion analysis working groupを立ち上げました。そのリーダーである斉藤公男先生は、大学院の博士号もその動作解析で取得しており、今後の世界レベルでの活躍が期待されます。

第1回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会2第1回AKASを無事、大盛況のうちに終わることができ、まずは一安心ですが、われわれは、若い組織ですので、Keep goingの精神で、謙虚に、一歩ずつ実践を重ねて参りたいと考えております。

感謝の言葉でブログを締めくくりたいと思います。

「ありがとうございました。」

羊ケ丘病院 研修だより (水谷 嵩)

島田教授のご高配で7月から2カ月の間、羊ケ丘病院で研修をさせていただいております。そろそろ札幌生活も終わりですが、夏の北海道という時期的にも恵まれた2か月間を振り返りたいと思います。

 

最も長い時間過ごしたのは外来で、主に新患外来を担当していました。手術が必要な患者さんには出来るだけ早く予定を組むことができたり、なかなかよくならずいろいろな施設を回って来た人にはリハビリで積極的な治療を行うなど、選ばれる側の民間の医療施設として患者さんに出来るだけ質の高い医療を提供する お手伝い ができたのは秋田に帰っても役立つ収穫だったと思います。時間があるときは倉先生や岡村先生の外来を見学させていただき、日本でトップランカーの先生方の、疾患や治療の考え方や治療に対する姿勢などを学ぶことが出来ました。肩の診察が今まで苦手だった自分としては、肩の診察を岡村先生直々に(ご自身の肩を貸していただきました(笑))ご指導いただけたのが大変勉強になりました。

 

手術は主に倉先生の膝、足といった下肢の手術と、岡村先生の肩の関節鏡手術の助手として入らせていただきました。秋田ではなかなか見ることができない手術も多く、手術に入れる日は毎日が刺激的でした。

 

秋田大学整形外科同様に多くの部活動が盛んな羊ケ丘病院ですが、自分も河野先生の流れのまま水泳とノルディックウォーキングに参加させていただきました。(水泳は1-2回程度でしたが…)ノルディックウォーキングは岡村院長は羊ケ丘公式競技と宣言し、倉理事長は術後患者さんを集めてイベントを開催するなどかなり気合の入った活動で、夏の朝6時から病院周辺をウォーキングするのは大変気持ちがよかったです。また、英会話講座も参加し、こちらは少人数グループ制のアットホームな雰囲気でした。水泳は大会に登録、参加するほど本気度の高い活動で、小樽塩谷の海水浴場まで車で移動し遠泳の練習、そのあとにBBQというイベントにもご一緒させていただきました。まさか北海道にきて雨の中海で泳ぐ経験をすることになるとは思ってもみませんでしたが、夕方から晴れておいしいBBQを楽しむことができました。

 

倉先生には、研修中研究会発表と論文作成についてご指導いただきました。倉先生の御高配により第18回北海道下肢と足部疾患研究会で貴重な手術症例の発表の機会をいただき、大阪南医療センターの橋本淳先生の特別公演を拝聴することも出来ました。

 

今回の研修では、民間施設の先生方が患者さんに選ばれるため、信頼されるためにどのような思いで日常の診療に携わっているかを実際の目で見ることが出来たのが最も大きな収穫でした。秋田に戻っても羊ヶ丘病院で学ばせてもらったことを生かしていきたいと思います。

 

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日本足の外科学会で来ていた野坂光司先生のワークショップにお邪魔しました

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小樽塩谷で海泳ぎからのBBQ 直前まで雨の中泳いでました

岡村健司先生とリハビリスタッフの皆さん

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北海道下肢と足部疾患研究会で橋本淳先生と倉秀次先生

 

第4回野球肘研究会夏合宿 in 福島に参加して  (齊藤英知)

この度、2015.8.8(土)に福島市で行われた第4回野球肘研究会夏合宿 in 福島に参加して参りました。秋田県からは、私が座長を務めたセッションもありましたし、秋田労災病院の関展寿先生がcase discussionの発表がありました。また、Akita Sports Arthroscopy Knee Group (ASAKG)からは、市立大森病院から嘉川貴之先生、市立横手病院から大内賢太郎先生、南秋田整形外科から杉村祐介先生が参加しました。今回のテーマは、「野球肘の診断とリハビリテーション」ということで、最新の動作解析の紹介から、数多くのプロ野球選手を診療されている菅谷啓之先生、山崎哲也先生のご講演や、岩堀祐介先生、古島弘三先生、島村安則先生など野球肘領域では日本のトップが肩を並べてご講演を頂きました。また、数多くのプロ野球選手の診療にあたっているPTの先生方のさまざまな手技療法の世界も垣間見ることができ、開始9時、終了19時と長時間にわたる合宿でしたが、非常に有意義で得るものの多い時間となりました。また、懇親会でも日本のTOPの先生がたと多くのお話をすることができ、感謝しております。本会を務めていただいた、福島県立医大の大歳憲一先生、本当にありがとうございました。さて、第5回野球肘研究会夏合宿は、2016.7.23(土)に秋田市アルヴェで行われます。私が当番幹事となりました。みなさまもご参加して頂きまして、最新の野球肘や投球障害の知見を得て頂けますことを心よりお願い申しあげます。積極的なご参加を心よりお待ち申しあげます。

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骨粗鬆症と糖尿病を考える会  (粕川雄司)

平成27年6月18日木曜日「骨粗鬆症と糖尿病を考える会」が開催されました.高齢化が急速に進んでいる今日,高齢者の方々が自立して生活できる“健康寿命”を維持することは,寝たきりや介護を必要とする方々を減らすためにとても大切になっています.その点で骨粗鬆症と糖尿病は,それぞれ関連し高齢者の日常生活動作を悪化させるため,その予防と対策は健康寿命を維持するためにとても重要になっています.

最近,糖尿病と骨粗鬆症やロコモティブシンドロームに関する研究・論文が少しずつ増えており,今後糖尿病と運動器疾患についての理解を深めていき,その治療にあたることが重要なことだと認識しました.

特別講演では,秋田大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝・老年内科学講座 教授 山田祐一郎先生より「糖尿病と骨粗鬆症」についての御講演をいただきました.糖尿病と骨粗鬆症の関連について,基礎的なことから詳細に御講演いただき,また新しい糖尿病治療薬であるインクレチンの骨代謝・骨粗鬆症に対する効果についてのお話しは,大変勉強になりました.

今後,さらによりよい診療を行っていけるように,それぞれの疾患についての理解をさらに深めていきたいと感じました.当日は,たくさんの方々にご参加いただきありがとうございました.?????????? ??????????

第7回秋田県小児整形外科研究会  (益谷法光)

6月20日に第7回小児整形外科研究会が開催されました。一般演題7題と、能代厚生医療センター伊藤博紀科長から「小児ばね指に遭遇した時の対応と治療」について小講義をしていただきました。保存療法と手術療法について熱い議論が展開され、今後の治療方針や疾患に対する考え方などをもう一度見直していく機会となったと思います。

また、神奈川県立こども医療センター町田治郎教授より「当センターでの小児股関節・足部疾患に対する治療」という内容で特別講演をいただきました。股関節脱臼からペルテス病まで幅広い分野について若手の先生をはじめとして活発な議論がかわされました。小児整形外科という分野は日常の一般整形病院ではなかなか長期的に治療・診察する機会のない分野ではありますが、専門施設に紹介したのちにどのような治療がなされているのかなど、子供達の長い人生に対して真摯に取り組んでいる姿をお話しいただき個人的にも身の引き締まる思いを抱きました。

蛇足ではありますが、一般演題では私が最優秀演題賞をいただくことになりました。河野先生に続き、「不毛の学年」といわれながら二人目の受賞であります。我々の学年もそろそろ芽が出てきたのではないかと思います。

このような発表の機会を与えてくれて、渾身のご指導を賜りました坂本仁先生や遠藤理事長をはじめとする療育センタースタッフドクターの皆様と、日頃から我々若手育成のために御尽力いただいております島田洋一教授に感謝致します。

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2015年6月13日土曜日 第8回秋田県手外科研究会 (粕川雄司)

第8回を迎えた秋田県手外科研究会が6月13日第一会館本館で開催されました.今回もハンズオンセミナーでエコー下上肢神経ブロックの実際が行われました.千馬誠悦先生,成田裕一郎先生,伊藤博紀先生,白幡毅士先生,富岡 立先生より,講義と4台のエコーを用いての実習を行っていただきました.鎖骨上(斜角筋間)と腋窩での神経ブロックについてわかりやすくご指導いただきました.参加した先生方は,各自でエコーを当てながら実際に神経を確認し,こんにゃくでエコー下に針を刺す実際を練習することができ大変勉強になりました.また,御協力いただきました方々に御礼申し上げます.

続いて一般演題では,6名の若手の先生方より発表いただきました.すべての演題が興味深い内容でしたが,そのなかで市立大森病院の塚本泰朗先生の「前腕コンパートメント症候群を合併した尺骨鉤状突起骨折の1例」が,最優秀演題賞に選ばれました.塚本先生が経験された緊急の患者さんの対応について,詳細に報告・検討されました.最優秀演題賞,おめでとうございます.

ミニレクチャーは,能代厚生医療センターの伊藤博紀先生より「橈骨遠位端骨折に対する治療戦略」のご講演をいただきました.日常診療でよく経験する骨折について,その治療方法まで詳細にお話しいただき,大変勉強になりました.

特別講演では,国際医療福祉大学 教授 中村俊康先生より「手関節TFCC損傷の診断と治療」の御講演をいただきました.TFCCの解剖から診断,また関節鏡下での手術の実際について非常にわかりやすく御講義いただき, TFCCについて理解が深まりました.誠にありがとうございました.今後とも,よろしくお願い申し上げます.

 

第8回の秋田県手外科研究会も,大変有意義な研究会でした.会長の千馬誠悦先生,また成田裕一郎先生をはじめ幹事の先生方に感謝申し上げます.??????????????????????????????? ???????????????????????????????

第50回秋田県脊椎脊髄病研究会 (粕川雄司)

2015年3月7日土曜日 秋田市にぎわい交流館AU

2015年3月7日土曜日第50回秋田県脊椎脊髄病研究会が,にぎわい交流館AUで開催されました.50回を記念して会のオープニングにあたり,工藤大輔先生と鈴木真純先生から50回記念映像を披露していただきました.

特別講演1は,浜松医科大学整形外科学 教授 松山幸弘先生より「高齢者脊柱変形矯正術-何を目指すのか?-」と題して御講演いただきました.近年,高齢化がすすみ脊柱変形に対する治療として変形矯正術が行われるようになっています.御講演では,数多くの矯正手術症例を御提示いただきながら,手術治療戦略について世界の趨勢から浜松医科大学での方針などについて詳細にお話しいただきました.秋田県でも高齢者の脊柱変形に対する手術が行われており,参加者にとって大変有意義で勉強になる御講演でした.

続いて,「脊椎脊髄外科10年の進歩」のシンポジウムを行いました.当番幹事の宮腰尚久准教授が座長で,Akita Spine Group (ASG)で活躍されている6名の先生方にシンポジストとして御講演いただきました。秋田厚生医療センターの小林 孝先生に腰椎後方進入椎体間固定術(PLIF)について,秋田厚生医療センターの阿部利樹先生に成人脊柱変形について,秋田赤十字病院の鈴木哲哉先生に骨粗鬆症性椎体圧潰について,秋田大学の本郷道生講師に脊柱側弯症について,秋田大学の石川慶紀先生に頚椎手術について,秋田労災病院の木戸忠人先生に脊髄手術について,それぞれの手術の詳細や秋田における手術の変遷などについて御講演いただきました.さまざまな治療・手術法の歴史と詳細を勉強する大変よい機会となりました.

秋田厚生医療センター 病院長 阿部栄二先生より,「秋田県における脊椎脊髄外科の歴史」と題して基調講演をいただきました.座長の秋田労災病院第二整形外科 部長 奥山幸一郎先生から,労災病院で阿部栄二先生が行った伝説の手術の術記事をご紹介いただきました.阿部栄二先生がゼロからはじめられた秋田県における脊椎脊髄外科治療の歴史,その当時の先生のお考えや,新たな手術を数多く取り入れられ、さらにその手術を発展させてこられた技術や行動力など,若い先生方にとっても大変刺激になる御講演でした.今後,脊椎疾患の治療・手術に際し,ますます勉強してしっかり仕事をしていかなくてはいけないと改めて感じました.

最後に,医療法人元氣会 札幌整形外科 副院長 鐙 邦芳先生より「頚椎変形の矯正手術」と題した特別講演をいただきました.日本だけではなく世界の非常に難治な頚椎変形に対する手術治療について,数多くの御経験をお話し頂きました.普段なかなか経験することがない頚椎変形の治療を,世界にまで発展された先生のお仕事に大変感銘を受けました.頚椎手術で世界でも御高名な鐙 邦芳先生の御講演を拝聴することができ,大変有意義でした.

1994年第1回の秋田県脊椎外科懇話会が開催され,それから20年が経過して今回第50回の研究会が開催されました.その間,御講演いただきました数多くの先生方,サポート頂きました数多くの方々,誠にありがとうございました.また,当日ご参加いただいた先生方,ありがとうございました.今後,秋田県脊椎脊髄外科研究会とASGがますます発展できるように頑張っていきたいと思います.DSC00039 (1024x681) DSC00088 (2) (1024x684) DSC00115 (2) (1024x684) DSC00126 (2) (1024x684) DSC00149 (2) (1024x684) DSC00155 (2) (1024x684) DSC00162 (2) (1024x684)

粕川雄司

第22回秋田県スポーツ医学研究会の報告(佐々木研)

2015年2月7日,秋田ビューホテルにおいて,第22回秋田県スポーツ医学研究会が行なわれました.この研究会は,整形外科に関わらず内科の先生方も多く御参加される会となっております.今回から,一般演題というこれまでの形式を変え,すべてレクチャー形式となりました.

レクチャーは4演題でした.1題目は,秋田大学内分泌・代謝・老年内科学講座の成田琢磨准教授による,スポーツと栄養,内分泌疾患との関連についてわかりやすい御講演でした.2題目は,当教室大学院生の佐々木研先生による,エコーで診断できるスポーツ外傷と障害について,エコー画像や動画を交えたレクチャーでした.3題目は,当教室リハビリテーション科助教の齊藤英知先生より,スポーツ選手の膝の怪我について,特に外科的治療についてのお話でした.4題目は,秋田大学血液・腎臓・膠原病内科学講座の高橋直人教授より,スポーツ貧血と予防について,実際の秋田県中学生強化選手の血液データを交えた御講演でした.

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続いて,特別レクチャーは2演題でした.1題目は当教室の島田洋一教授より,日本パラプレジア学会で作成された脊損予防のビデオの上映をして頂きました.続く2題目は,当教室大学院生の藤井昌先生がバスケットボールのユニフォームと馬の被り物姿で登場し,会場を大いに沸かせました.藤井先生は現役アスリート整形外科医として,当教室バスケ部ノーザンバイソンズのこれまでの輝かしい成績の数々と,プロバスケチーム秋田ノーザンハピネッツとの関わりについて,ド派手なプレゼンがありました.

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そして最後に,会の目玉である特別講演では,なんと今年はあの大林素子さんが御講演されました.現在もスポーツ番組やバラエティで大活躍の大林さんは,話の巧みさから吉本に最も近いスポーツキャスターと言われています.そんな明るい大林さんも,現役時代は膝の半月板損傷で苦しんでいた時期があったそうです.膝の治療を乗り越える術,メンタルケアの大切さなどについてお話されました.やはり本物の大林さんは近くでみると迫力があり,とてもお綺麗な方でした.

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秋田大学大学院 佐々木研