研究会レポート」カテゴリーアーカイブ

第9回秋田脊椎脊髄病セミナーブログ(飯田純平)

去る平成28年6月2日,ホテルメトロポリタン秋田で,第9回秋田脊椎脊髄病セミナーが開催されました.

 

セミナーでは大学院の尾野祐一先生が,脊椎ドックにおける頸椎・腰椎X線所見についてご講演いただき,秋田厚生医療センターの菊池一馬先生が成人脊柱変形におけるLLIFについてわかりやすくご講演してくださいました.

 

特別講演では京都大学大学院医学研究科 運動器機能再建学講座特定教授 藤林俊介先生にご講演をいただきました.

先生にとり初めての来秋ということですが,初めて飼った犬が「秋田犬」,ご祖母が「秋田美人」,最も多く口に出した県名「アキタ(秋田県で開発した整形外科の手術器具)」ということで,ご縁を持つことができて大変うれしく思いました.

 

講演ではTLIFからLLIFやOLIFに至る歴史から,脊椎固定術後の経過におけるNegative/Positive Cyst Signなどにつき大変わかりやすく教えていただきました.また,いままでに計1万本のPedicle Screwを刺入されたという見事な手術手技,合併症やその対策といった実臨床のお話から,基礎研究の範疇でもある3Dプリンターを用いたオーダーメイドの椎体間スペーサーの開発・作成に至るまでご講演いただきました.

また,先生ご自身も自らが開発されたBioactive Ti Deviceを用いてTLIFを受けたということでした.ユーモア溢れるお話も交えながら,大変勉強になるご講演でありました.

藤林先生の今後のさらなるご発展をお祈りしております.このたびは本当にありがとうございました.また,ぜひ秋田にいらしてください

第8回秋田県小児整形外科研究会(岩本陽輔)

6/4 にぎわい交流館AUにて第8回秋田県小児整形外科研究会が行われました。

当日はAUの外では秋田の食と文化の祭典が行われており、太鼓や笛の音が鳴り響く中、祭りの熱感に負けず劣らずの討論が行われました。

一般演題は鈴木先生、瀬川先生、村田先生、阿部先生、柴田先生、伊藤先生の発表がありました。

最優秀演題賞は市立角館総合病院の村田先生が受賞されました。

小講義では秋田医療療育センターの三澤晶子先生より側弯症検診についての流れや側弯症の基本的な診察のポイントなどを講義していただきました。

市立秋田総合病院の柏倉剛先生より今年から行われるようになった秋田県における七項目の運動器検診の流れやフォローの方法などについてご講義いただきました。

また、特別講演では国立成育医療研究センターの高山真一郎先生より「先天異常手における母指の再建」について代表的な疾患を母指のポジショニングや機能面から再建のポイントや手術法などをご教授いただきました。

第63回 秋田県整形外科医会  (益谷法光)

2016年5月7日に第63回整形外科医会が開催されました。

10年目以下のyoung doctor’s session10演題とsenior doctorによる一般演題8演題の2部構成で行われる本会は近年では「日整会に演題を通すよりも県医会で賞を獲る方が難しい」とも言われており、非常に白熱したdiscussionが交わされました。

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教育研修講演は愛知医科大学出家正隆教授より「変形性膝関節症に対する治療-動作解析からの検討-」についてご講演を賜りました。

秋田大学でも動作解析を利用した研究が幾つも行われておりますが、下肢アライメント異常と膝OAの関係についての研究など非常に参考になる内容でした。膝痛と体重の関係やサポーターの効果など日常外来でよく聞かれる内容について非常にわかりやすくお話しを賜り、早速明日からの診療に役立てようと思いました。

また名古屋大学石黒直樹教授より「RA領域における臨床研究の実際-他施設臨床研究から-」についてご講演を賜りました。複雑なRA治療についてわかりやすくお話しいただきました。様々なコホート研究の紹介もあり、RA他施設研究は秋田大学ではAORA Groupが中心となって行っておりますが今後の臨床研究のデザインなどで非常に役立ったと思います。

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最優秀演題賞はyoung doctor’s sessionからは木村竜太先生の「先天性膝関節脱臼の治療成績」が、一般演題からは野坂光司先生の「Joint distractionを併用した遠位脛骨斜め骨切り術(Distal tibial oblique osteotomy:DTOO)」 が受賞されました。どの発表も明日からの日常診療に役立つ内容であり、今後もさらにレベルの高い演題を出せるように研鑽を重ねていこうと思いました。

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第52回秋田県脊椎脊髄病研究会 (木村竜太)

3月12日、第52回秋田県脊椎脊髄病研究会が開かれました。

まず、「研修医・若手整形外科医へむけた脊椎外科基礎講座」として、はじめに畠山雄二先生から「神経診察・理学所見の取り方」、実臨床でまず若手が覚えなければいけない点を詳細に、わかりやすくご説明いただきました。SHR(Scapulohumeral reflex)などは、実際の患者さんの動画を見ることで理解が深まりました。

次に「脊椎前方アプローチの解剖と術中の注意点」として頚椎を石川慶紀先生、胸椎を本郷道生先生、腰椎を粕川雄司先生にお話いただきました。現在改めてその必要性が認識されている前方アプローチですが、リスクのイメージが先立つところが難点と思われます。これらに対する対策を、解剖を含め詳細にお話いただきました。

ミニレクチャーは佐々木寛先生「化膿性脊椎炎の動向」です。高齢者の増加とともに、極めて一般的な疾患となっていますが、診断から治療まで系統だってレクチャーいただきました。保存療法が第一選択であることからも、整形外科医もより抗生剤の使用方法について学ぶ必要があると感じました。

一般演題は4題の発表がありました。その中から最優秀演題として斎藤光先生の「腰椎椎体感固定術における術中トラネキサム酸投与の有用性について」が選ばれました。斎藤先生は初期研修医ながら、質問にも適切に返答されており、堂々たる受賞でした。

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特別講演1が大阪市立大学大学院医学研究科整形外科学准教授の寺井秀富先生「Midcervical central cord syndromeの病態と治療」です。初めて聞く疾患概念でしたが、その患者像を聞くと、今まで見た患者さんの中にも当てはまる方が複数いたように思います。1995年に初めて報告されたものですが、高齢化に伴い患者数が増加、今後は頸髄症の重要な一部と捉える必要性を感じました。前方固定術で不安定性を除くことで、良好な成績が得られるため、確実な診断、治療を行いたいです。

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特別講演2が和歌山労災病院脊椎センター長の安藤宗治先生「術中脊髄機能モニタリングの必要性と留意点」です。安藤先生は脊髄モニタリングの第一人者であり、秋田大学からも多数の医師が研修させていただいております。今回は各モニタリングの詳細な原理や方法を、実際の症例を交えながらご教示いただき、そしてmultimodalityの必要性を最後に述べていらっしゃいました。脊椎外科の発展とともに、高度脊柱変形に対する手術治療も積極的に行われる反面、その術後合併症の低減は課題の一つです。脊髄モニタリングは術後麻痺を回避するために必須の手段と考えます。より安全で確実な治療のためにも秋田県内での使用を増やしてまいります。

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第37回 東北骨代謝・骨粗鬆症研究会 (粕川雄司)

 

2016年2月6日仙台市で第37回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会が開催されました.この研究会はとても歴史のある会で,佐藤光三名誉教授が創設メンバーのお一人となっています. 今回は宮腰尚久准教授が当番世話人をされ,A-BONEからは田村康樹先生,堀川 明先生,野坂光司先生,粕川雄司が発表しました.田村康樹先生は「エディロール投与例における血中Ca/P値およびeGFRの変動と血管石灰化との関連について」,堀川 明先生は「骨粗鬆症治療におけるイバンドロネートとアレンドロネート静注製剤の使用経験」,野坂光司先生は「Charoot関節に対するLIPUSとTeriparatide併用の有効性」と,「難治性骨折における骨質マーカーの意義」の2題,粕川は「3年以上のビスホスホネート製剤治療による骨代謝マーカーの推移」の発表を行いました.15題の一般演題中5題がA-BONEからの発表となりました.そのなかで野坂光司先生の「難治性骨折における骨質マーカーの意義」が臨床系の優秀演題賞を受賞されました.野坂先生,受賞おめでとうございます.宮腰尚久准教授は「骨粗鬆症性脊椎病変の病態と治療戦略」と題したミニレクチャーをご講演されました.この研究会では基礎系の先生方や,外科,産婦人科,小児科,歯科などの臨床系の先生方が参加しているので,脊椎の骨折や変形などの脊椎病変の病態や治療法についてわかりやすく詳細にお話しされました.

特別講演では東京医科歯科大学大学院 細胞生理学分野 教授 竹田 秀先生より「臓器ネットワークからみた骨粗鬆症の病態と治療」のご講演がありました.骨と他臓器の密接な関連について最新の知見をお話しいただきました.今後骨疾患の病態解明や治療に様々な要素の理解が必要になると感じました.

また来年も研究会で発表できるように頑張りたいと思います.お疲れ様でした.

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ついに開催! 第1回秋田足の外科グループ秋田イリザロフ法グループ合同論文合宿(野坂光司)

12月19日,第1回秋田足の外科グループ(AFG)秋田イリザロフ法グループ(AIMG)合同論文合宿を開催することができました.我々のグループは秋田市外のメンバーが多く,これまではメール会議がメインでしたが,今回多数のメンバーが参加してくれました.ASG,A-BONE,ASAKGに遅れはとりましたが,今後,メンバー各自が高い志を持ち,学会研究会で発表した内容は,どんな小さくても論文化していくことを誓い合いました.

今後の症例登録とリサーチの意見を交換,最新論文の抄読会,柏倉先生によるミニレクチャーなど盛りだくさんの内容を1時間で終わらせ,すぐに論文作成に移りました.最後まで頑張ったメンバーからは,仲良しグループでは終わらないぞという強い意志を感じました.

土曜日にもかかわらず,頻繁にカンファランス室に顔を出してくださった島田教授には心より感謝いたします.それが我々グループへの教授の期待の大きさか,信用のなさかは不明ではありますが,メンバーもその都度集中し直せました.

AFG,AIMGからバンバン論文が発表されるよう,今後も継続的に行っていきたいと思います.

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2015青森県足の外科研究会(野坂光司)

11月28日青森県足の外科研究会に行ってまいりました。主にMATILDA法と足の外科領域の難治症例について講演いたしましたが、このような貴重な機会を与えて下さった石橋恭之教授には心から御礼申し上げます。弘前大学さんは日本でも非常に早い時期からIlizarov創外固定とMicro Surgeryを融合させていたところで、最近また大学でもIlizarovを行うようになってきているとのでした。情報交換会でも、県内のたくさんの、やる気に目を輝かせたヤングドクターから質問を受け、自分も元気をもらうことができました。石橋恭之教授からは、以前は藤哲名誉教授と多くのIlizarovを行っていたという懐かしいお話をお聞きいたしました。もう一つの特別講演は、奈良県総合医療センター杉本和也先生で、次の日本足の外科学会会長という大変御高名な先生で、私自身もとても勉強になるお話でした。

石橋教授には主任教授としての責務はじめいろいろなお話を伺うことができて、大変有意義でした。その中で脊椎のみならず関節、外傷あらゆる分野をしっかり組織作りされている島田教授の統率力の偉大さを称えていただき、非常に嬉しく思いました。

秋田イリザロフ法グループAIMG、秋田足の外科グループAFGともに益々頑張っていかなければ、とパワーをもらえた貴重な一日でした。

 

 

第5回秋田県骨粗鬆症学術セミナー (鈴木 真純)

第5回となりました秋田県骨粗鬆症学術セミナーですが、週真ん中の平日にも関わらず多くの先生にご参加頂き有り難うございました。一般演題に斉藤公男先生・瀬川豊人先生を、そして特別講演には浜松医科大学整形外科 准教授 星野裕信先生を御招きして御講演して頂くこととなりました。

初めに、斉藤公男先生の「骨粗鬆症患者における骨密度と脊柱・下肢アライメント」に関する御講演です。骨粗鬆症と脊椎・下肢関節アライメントとの関連に関する報告は多く散見されますが、先生ご自身の研究患者におけるデータの解析ということで非常に興味深いものでした。特に、膝OA進行期とBMDに正の相関を認めたという結果も色々と原理を考えさせられました。また、非常に難しいと思われますが、脊椎アライメント破綻⇔下肢アライメント破綻は単純な原因結果関係ではなく、今後こうした研究報告を重ねて発展させてゆく事が重要であると思いました。次いで、瀬川豊人先生の「壮年期の骨折患者における血中ビタミンC濃度の検討」の御講演です。比較的若年で、骨脆弱性が関与する骨折患者と、通常のhigh energy 外傷による骨折患者とで、血中ビタミン濃度やその他骨脆弱性に関与する因子の有無について比較されたご報告でした。骨脆弱性とビタミンCとの関連は過去の報告からも明らかですが、改めて県内施設実際の臨床データとして確認したというもので、今後ビタミンC補充などの治療介入で後々の結果が楽しみでもあるご報告でした。

そして、星野裕信先生による「運動器検診を利用した骨粗鬆症評価から治療介入へ」の御講演です。御講演の中でありましたが、秋田県でも声高に言われておりますが骨折患者への積極的な骨粗鬆症検査治療介入に関して、達成率が27%程度であるというのは有名な報告ですが、実際知りながらもなかなか改善してゆくが難しい問題であると思います。今回の御講演では、星野先生が行っている愛知県東栄町という地区での運動器検診(TOEI study)で得られた貴重なデータを中心にその点を中心にお話を頂きました。同様に秋田大学でも毎年阿仁地区を中心に脊椎検診を行っており、今後の発展のために非常に勉強になる内容でした。具体的に、検診に参加された町民の全脊椎, 下肢全長の単純X-rayを施行されておりそうした体制が整っているということや、2年間での骨折率や再骨折率(各々12%, 14%)などのお話は非常に興味深い内容でした。その他、現在controversialな内容である長期Bisphosphonate使用者のdrug holiday(ほぼ統一見解とする報告はなされてきておりますが)・PTH治療終了後の継続治療についての新しい報告から、病診連携に関する事まで幅広い内容のお話も頂きました。

最後になりますが、平日にも関わらず秋田に来て頂いた星野裕信先生、そして県内関連病院の先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。conv0001

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第1回なまはげ運動器セミナー (粕川雄司)

秋田では日々寒さが厳しくなり,ハロウィーンを翌日に控えた10月30日金曜日第1回なまはげ運動器セミナーが開催されました.高齢化が進み運動器治療の重要性がますます高まっているなか,今回のセミナ-では運動器の治療について多方面から学ぶことができました.

一般演題は,平鹿総合病院 小林 志先生より「運動器外傷に対する骨吸収性骨接合材の使用経験」と,秋田赤十字病院 田澤 浩先生より「人工関節周囲骨折」と題して講演いただきました.小林 志先生からは,高齢者にも多くなっている関節周辺の骨折に対し,吸収性の固定材料(スクリュー)を用いた手術の結果や経過について,複数の手術例を提示いただきお話しいただきました.田澤 浩先生からは,高齢者に行われる人工股関節・膝関節置換術後のインプラント周囲骨折に対し,様々な方法で治療された結果についてお話しいただきました.治療に難渋することの多い人工関節術後骨折の治療について勉強することができました.

特別講演は,慶応義塾大学 スポーツ医学総合センター 講師 岩本 潤先生より「骨粗鬆症の病態と薬剤選択」と題して御講演賜りました.骨粗鬆症は,骨が弱くなり骨折しやすくなるため,運動器の障害を引き起こす可能性が非常に高い病態です.岩本 潤先生は,その骨粗鬆症の治療に精通されている御高名な先生です.御講演では,骨代謝の基礎から骨粗鬆症における骨代謝の変化を動画でとてもわかりやすくお話しいただき,さらに複数の種類がある骨粗鬆症治療薬の作用機序や使用法,また適切な使用時期など詳細にわかりやすく解説していただきました.高齢化が進んでいる秋田県でも,骨粗鬆症の治療は非常に重要となっており参加者には大変有意義な御講演でした.遠路はるばる寒くなった秋田までお越しいだだき,ありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.

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第4回秋田県股関節研究会(木島泰明)

2015年9月19日(土曜日)に第4回秋田県股関節研究会が開催されました。会の冒頭には山田晋会長から、Akita Hip Research Group(AHRG)の取り組みとして臨床・研究・若手教育の3つの側面全てにおいて秋田県における股関節外科の発展と国内外へのアピールとなる業績作成を行っていることがご報告されました。

臨床面では人工股関節置換術後の早期復帰を実現するために新しいアプローチや新しいインプラントの導入を開始しており、研究面では大腿骨近位部骨折に対するAkita分類の有用性を500例近い症例の調査からアピールする準備が出来ていることが示されました。また、特に若手教育に関しては、股関節外科医をしっかり育てるために大学での手術に大学以外の股関節志望の若手に入っていただき、直接指導するシステムを顧問である島田教授の方針として取っているおり、股関節外科を目指す若手全てにそのチャンスを与えることや、今年度中に第1回AHRG股関節鏡&股関節周辺アプローチcadaver training courseを開催することなどについても宣言されました。

続くミニレクチャーでは秋田赤十字病院の人工関節センター長の田澤浩vice-directorから「人工股関節置換術後患者における腰椎前弯角とQOL」についてレクチャー頂き、股関節だけでなく全身のアライメントを考えた治療が今後はさらに重要になってくることを実感させられました。

さらに今年から「AHRGからの耳より情報」という新コーナーが生まれました。これは1年間の股関節関連の新しいトピックスを、その内容に得意な先生からご講義頂くコーナーですが、今回は「大腿骨近位部骨折-元就ミクス3本の矢-」というタイトルで、股関節だけでなく骨折にも精通している能代厚生医療センター整形外科の診療部長、久保田均副会長から大腿骨頸部に3本のスクリューを入れる新しいデバイスについて、実際の症例をお示しいただきながらわかりやすく教えていただきました。Akita分類とこれらの新しいデバイスにより、整形外科医1年目から非常に多く経験するこの大腿骨近位部骨折も、新たなステージを迎えることになりそうです。

一般演題では、鈴木紀夫先生(由利組合病院)が、Charcot関節であっても股関節外科医であればTHAの適応も充分あるのだという力強いリポートを、加茂啓志先生(秋田労災病院)は大腿骨頭骨折という大変な症例をsurgical dislocationというアプローチを用いてみごとに治療されたご経験を、また、尾野祐一先生(秋田県立医療療育センター)はgapのないMRIのペルテス病への有用性をご報告頂きました。毎年、医療療育センターからは小児の股関節疾患の演題を出していただき、大変感謝しております。

さらに、奥寺良弥先生(由利組合病院)が、股関節のHill-Sachs lesionとも言うべき非常に貴重な症例をなんと3D-printerを用いた立体モデルを用いることでその発症メカニズムが一目瞭然にわかる!という、まさに目から鱗が落ちるような症例報告を、佐々木研先生(秋田大学)は近年AHRGだけでなく全国的に使われているwedged taperタイプの我が国での先駆けであるAccolade TMZFステムのついに出た中期成績を惜しげもなく披露してくださいました。そして、最優秀演題賞に輝いたのはAHRGメンバー最若手の河野哲也先生(秋田大学)の「人工股関節全置換術後の作業活動は何をいつ再開できるか」という演題でした。秋田の高齢者に実際にインタヴューまでおこなったプレゼンテーションのおかげで我々AHRGが苦労して集めたデータを非常に強いインパクトでアピールしてくださいました。

特別講演Ⅰでは、わたくし、木島泰明が、フランスの股関節外科を紹介しながら、股関節の臨床や研究の魅力をみなさまにお伝えしたいという一心でプレゼンテーションさせて頂きました。若手の先生だけでなく、きっと股関節以外がご専門の先生にも楽しんで聞いていただける1時間になったのではないかと自負しております。

そしてメインイベント、特別講演Ⅱでは、大阪大学大学院医学系研究科 運動器医工学治療学 教授の菅野伸彦先生から「人工股関節全置換術で満足度を高めるためには」と題して、股関節専門医でも知らなかった興味深いTHAの歴史から、THAの満足度をさらに高めるための、非常に多岐にわたり、かつ「ほんまもん」のデータから導き出される「ほんまもん」の結論をご提示いただき、心から感動するとともに、菅野教授が今年開催されます第42回日本股関節学会学術集会が非常に楽しみになるご講演でした。

研究会終了後の情報交換会などでも、菅野教授からは、「それ、ほんまか?」の精神で臨床もリサーチもされていることをお聞きし、我々AHRGもそれに負けないように秋田ならではのスタイルで臨床・研究・若手教育のすべての側面で県内外・国内外に存在感をしめせるように頑張ろう、とメンバー全員が志を新たにした次第です。

この度は、第4回秋田県股関節研究会にご参加いただき、また、このご報告を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

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