第1回なまはげ運動器セミナー (粕川雄司)

秋田では日々寒さが厳しくなり,ハロウィーンを翌日に控えた10月30日金曜日第1回なまはげ運動器セミナーが開催されました.高齢化が進み運動器治療の重要性がますます高まっているなか,今回のセミナ-では運動器の治療について多方面から学ぶことができました.

一般演題は,平鹿総合病院 小林 志先生より「運動器外傷に対する骨吸収性骨接合材の使用経験」と,秋田赤十字病院 田澤 浩先生より「人工関節周囲骨折」と題して講演いただきました.小林 志先生からは,高齢者にも多くなっている関節周辺の骨折に対し,吸収性の固定材料(スクリュー)を用いた手術の結果や経過について,複数の手術例を提示いただきお話しいただきました.田澤 浩先生からは,高齢者に行われる人工股関節・膝関節置換術後のインプラント周囲骨折に対し,様々な方法で治療された結果についてお話しいただきました.治療に難渋することの多い人工関節術後骨折の治療について勉強することができました.

特別講演は,慶応義塾大学 スポーツ医学総合センター 講師 岩本 潤先生より「骨粗鬆症の病態と薬剤選択」と題して御講演賜りました.骨粗鬆症は,骨が弱くなり骨折しやすくなるため,運動器の障害を引き起こす可能性が非常に高い病態です.岩本 潤先生は,その骨粗鬆症の治療に精通されている御高名な先生です.御講演では,骨代謝の基礎から骨粗鬆症における骨代謝の変化を動画でとてもわかりやすくお話しいただき,さらに複数の種類がある骨粗鬆症治療薬の作用機序や使用法,また適切な使用時期など詳細にわかりやすく解説していただきました.高齢化が進んでいる秋田県でも,骨粗鬆症の治療は非常に重要となっており参加者には大変有意義な御講演でした.遠路はるばる寒くなった秋田までお越しいだだき,ありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.

2015年10月岩本潤先生 (1)