月別アーカイブ: 2025年10月

第82回秋田県整形外科医会

2025年10月18日、ANAクラウンプラザホテルにて第82回秋田県整形外科医会が開催されました。

今回の県医会は教育研修講演のみという試みで、一般演題やシンポジウム等はありませんでした。しかし、いずれの教育研修講演も1時間があっという間に感じるほど充実した内容であり、非常にたくさんのことを学べた会となりました。

教育研修講演(1)は、秋田大学理学療法学講座の本郷道生教授の座長のもと、国際医療福祉大学整形外科の八木満教授にご講演頂きました。「成人脊柱変形治療の現状と展望」ということで、八木教授が手術されてきた患者さんの満足度や日本人特有の生活への影響、そしてAIなどの先進技術がどのように整形外科分野に関わってくるのかなど、非常に多彩な分野にわたりご講演頂きました。リアルハプティクスの技術を用いたドリルの開発なども非常に興味深いものでした。

教育研修講演(2)は、秋田大学整形外科学講座の宮腰尚久教授の座長のもと、NTT東日本関東病院院長の大江隆史先生にご講演頂きました。「高年齢労働者のロコモ対策と骨粗鬆症」という題で、団塊ジュニア世代からシニア世代までにわたる労働災害と骨粗鬆症とのつながりについて熱くご講演頂きました。60歳以上の「高年齢労働者」に骨脆弱性やロコモを背景とした転倒が起こりやすく、労働災害として問題になっているとのことで、働いている=(イコール)活動量が多いから大丈夫、というわけではないのだと実感しました。その世代が健康に勤労を続けられるように、我々整形外科医もアプローチしていく必要があると感じました。

本会終了後に情報交換会も設けられ、普段はなかなかゆっくりと話すことのできない各病院の上級医の先生方とコミュニケーションをとることができ、若手整形外科医にとっても貴重な場であったと思います。

本会にご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。次回は半年後、一般演題やシンポジウムなど、どのような形式になるか楽しみです!

第40回 日本整形外科学会基礎学術集会(浅香康人)

サルコペニアの対義語こと浅香です。

第40回日本整形外科学会基礎学術集会が青森市で開催されました。 全国各地から個性が光る演題が多く集められ、外の肌寒い空気とは裏腹に会場内は熱く討論が繰り広げられて熱気を帯びていました。

初日の全体懇親会では青森の地元アイドルのりんご娘の皆さん、そして元メンバーのタレント王林さんがゲストとして出席され、会場を大いに盛り上げてくれました。当講座の森下先生もステージに上がる一幕もあり、良い思い出になりました。

二日目の早朝には青森ベイブリッジを含む海沿いのコースを走るFun Runイベントが開催されました。道中は弘前大学の皆さんが声援を送ってくださり、美しい朝の海を眺めながらひんやりとした清々しい空気を吸い、とても気持ちよく走ることができました。

他大学の非常にハイレベルなプレゼンテーションを目の当たりにし、大変良い刺激を受けました。我々も負けじと、臨床も研究もより高いレベルを目指して頑張っていきたいと思います。

第33回日本腰痛学会 参加報告(尾野祐一)

2025年10月10日〜11日に富山県で開催された第33回日本腰痛学会に参加いたしました。本学会は整形外科医のみならず、理学療法士をはじめとする多職種の参加・発表が多く、腰痛に対して多角的な視点から評価・治療を行った研究が数多く発表されていました。これらの講演を通じて、日常診療に直結する多くの学びを得ることができ、早速明日からの診療に活かしていきたいと感じました。

このたび、私のポスター発表が優秀ポスターアワードセッションにおいて最優秀賞を受賞いたしました。研究遂行にあたりご指導・ご協力を賜りました関係各位に、心より感謝申し上げます。

また、2028年には本学の宮腰尚久教授が本会の学会長を務められる予定です。今後に向けて、秋田における腰痛研究をさらに発展・活性化させていきたいと強く感じました。

第2回北東北手外科研究会(中西真奈美)

2025年10月11日、秋田拠点センターALVEにて第2回北東北手外科研究会が行われました。岩手医大の佐藤光太朗先生に呼びかけて頂き昨年始まったこの北東北手外科研究会ですが、第1回は藤哲先生を特別講師に迎え、盛岡で行われました。今年は各県の先生方に秋田までお越しいただき、セラピストの方々にもご参加頂いて、盛況の中第2回を行うことができました。千葉から伊藤博紀先生にも御参加いただきました、伊藤先生ありがとうございます!

一般演題は6題、秋田からは小滝優平先生と齋藤光先生にご発表頂きました。それぞれ母指IP関節拘縮に対する創外固定器による授動術、橈骨遠位端骨折に伴う軟部組織腫脹に対する治打撲一方の効果、という内容でしたが、いずれも一般臨床に活きるお話でした。青森、岩手の先生方からも様々な質問や御意見を頂き、とても活発な議論が行われました。そのほか青森、岩手の先生方からご発表頂いた一般演題も、どれも勉強になるお話ばかりでした。岩手医大の村上賢也先生による手根管開放後の母指対立運動機能評価のお話では、角速度センサーを用いることで、計測が検者間でややばらつきそうな母指橈側・掌側外転角度を他覚的に計測できる可能性があると知りました。また、八戸平和病院の鈴木雅博先生による橈骨遠位端骨折のピンニングを再検討したお話では、掌側プレート固定が一般的となっている今、粗鬆骨への対応や低侵襲性を必要とされる症例に、ピンニングの選択肢を改めて考えるべきだなと感じました。

特別講演は、当学の白幡毅士先生の座長のもと、岩手医大 特任准教授の佐藤光太朗先生に「日常使える手の外科診療ー難治性骨折治療含めてー」との題でご講演を頂きました。内視鏡的手根管開放術については、膝用の4mm鏡を使用し横手根靭帯の上の層にスコープを挿入する手法をお話頂きました。浮腫みや腫れのある神経のほうが術後に早く症状が取れやすいという結果が意外に感じました。また、TFCCに関するお話でもそうでしたが、ご講演を通して印象的だったのはキャダバーを用いた解剖研究を常に臨床に役立てておられるのだという点です。解剖学的視点・研究結果から、清書に示されるTFCC再建の骨孔の位置が本当に正しいのかという臨床的疑問を解決し、新たな骨孔作製法で手術をトライする、といった姿は、臨床医の目指すべき姿だと感じました。我々も見習わなければいけないと思いました。

研究会の後は、懇親会の場を設けさせていただき、若手からベテランの先生方までが集って、とても有意義な情報交換ができたのではないかと思います。青森、岩手の先生方、遠くから秋田にお越しいただき誠にありがとうございました!来年の青森での開催も、多くの先生方やセラピストの皆さんが集まれればと思います!

(全体写真を撮り忘れてしまいました!筆者の拙い自撮りで申し訳ありません…)

縫合実習を行いました!

2025年10月10日金曜日に、当学のシミュレーションセンターで学生・研修医・若手整形外科医を対象とした縫合実習を行いました。湯浅先生、原田先生、木村先生の御指導の下、皮膚や筋膜のモデルを用いて筋膜縫合や埋没縫合、表層縫合など様々な縫合法を皆さんに学んでいただきました。

学生さん、研修医の先生方にははじめは苦戦する様子も見られましたが、整形外科医師の丁寧な指導の下、みなスムーズな縫合ができるようになっていました!学生さん達は、県内の様々な実習先の病院で外科系の先生方から縫合を学んでいるようで、すでに基盤が出来上がっている人もおり、素晴らしいなと感じました!

若手整形外科の先生方には、様々な縫合糸を用いたややアドバンストな筋膜縫合や皮下縫合もやっていただきました。きっと各々の病院の臨床にも活きることでしょう!

最後は懇親会を行い、とても有意義な情報交換の場を提供できたと思っております。こうした学生さんや研修医の先生方との交流を、今後も続けて行けたらと思っております。

来てくれた学生さん・研修医の先生方、ご協力いただいた先生方、誠にありがとうございました!

第74回東日本整形災害外科学会

2025年9月24日〜25日、仙台国際センターにて第74回東日本整形災害外科学会が開催されました。(大会長:東北大学大学院医学系研究科 医科学専攻 外科病態学講座 相澤俊峰教授)

秋田大学からはポスター発表4題、口演9題と多数の演題が採択されました。スポンサードセミナーでは、木村竜太先生による「骨粗鬆症性椎体骨折の治療から脊椎を好きになる」、赤川学先生による「Kinematic alignment UKAの理論と実際 〜大腿骨First Cut techniqueが目指すこと〜」のご講演をいただき、非常に充実した学会期間となりました。また、岩本陽輔先生がポスター賞に選出されるという嬉しい報告もありました。若手・中堅世代の活躍は秋田大学整形外科の新たな時代を感じさせるものであり、同期である私自身も負けていられないと強く刺激を受けました。

全体懇親会では、女子プロレスのレセプションがあり、そのパワフルな迫力ある試合を間近で観ることができました。教授同士の闘う姿?!にも、会場は大いに盛り上がっておりました。

スポーツイベントでは、秋田大学として駅伝・フットサルの両競技に参加しました。どちらも朝6時前後の同時開催であったため、応援団は “はしご”となりました。 駅伝では、大屋敬太先生をキャプテンに、木島泰明講師から専攻医の先生まで幅広い学年が参加されました。7位の結果でしたが、懸命に襷をつなぐ5人の姿から非常に刺激を受けました。

フットサルでは、森下耀先生をキャプテンとして日頃から練習を重ね、第2戦では帝京大学に勝利し、多数の先生方が活躍する白熱した試合となりました。森下キャプテン後初の得点・初勝利をあげることができました。惜しくも決勝には進めませんでしたが、チームとして非常に盛り上がる試合ができ、非常に楽しい時間を過ごすことができました。

次回の第75回東日本整形災害外科学会は当教室の宮腰尚久教授が会長を務め、2026年9月3日、4日に秋田市で開催される予定です。より充実した学会となるよう教室一丸となって準備を進めてまいります。

~~~ 尾野祐一先生、秋山美穂子先生よりご執筆いただきました。 ~~~