フランスで手術を学んでいて驚いたことのひとつは、日帰り手術がとても多いことです。フランスに限らず欧米では day surgery が当たり前のようで、THAやTKAもほとんどが日帰りで行われているそうです。再置換術の患者さんでも1~2泊で退院することが多いと聞きました。さすがに手術当日は車いすで帰るのかと思っていましたが、実際にはほとんどの患者さんが自分の足で歩いて退院していくのを見て本当に驚きました。日本ではTKAでも2~3週間ほど入院するのが一般的なので、その違いにはやはり驚かされます。もちろん医療制度や地理的な条件、リハビリ体制の違いもあるので、どちらが良いとは一概には言えませんが、DVTや筋力低下の予防という点では、早期離床を促し短い入院期間を目指すスタイルには理にかなった面があるのかなと感じました。
Slavici先生とは、2024年3月に私と秋田労災病院の佐藤千晶先生がドイツでの研修に参加した際にご縁があり、そのつながりから秋田県脊椎脊椎病研究会(2025年3月1日に開催予定)に講師としてお招きすることとなりました。今回のイブニングセミナーでも講演をお願いし、貴重なお話をいただきました。講演テーマは「The Oncological Patient in the German Healthcare System」です。講演では、ドイツにおける転移性脊椎腫瘍の治療戦略について詳しく解説いただきました。実際にSlavici先生が手がけた症例も複数紹介され、特に積極的な外科手術のアプローチには大変感銘を受けました。
学会中いくつかのセッションを聴講させていただきましたが、1番印象に残っているのは、Debate sessionの「TKA MA or KA-TKAを語る」です。MA派とKA派の先生がそれぞれの立場から、それぞれの考えをぶつけ合う討論を繰り広げており、自分の信念を持って日々の診療に臨まれていることを感じました。筆者はTKAの症例数も少なく公平な立場でDebateを聞くことができましたが、よりよい治療成績につながるようにお互いが切磋琢磨できればいいのではないかと思いました。