投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

テレビ出演告知「クマに対する防御姿勢は有効か?」

石垣佑樹先生、木村竜太先生、宮腰尚久教授が、秋田県と共同研究している「クマに対する防御姿勢は有効か?」が、臨床整形外科7月号に掲載されます。

これに合わせて、

7月3日(木)18:09〜AKT 「LiveNewsあきた」内でインタビューが放映されます。

県内外で、連日クマの目撃が続いています。

自身の安全のためにも、ぜひご覧いただき、いざという時に備えてください。

ヨーロッパ手外科学会(FESSH 2025) 参加報告(佐藤貴洋)

2025年6月25日から28日まで,フィンランド・ヘルシンキにて開催されたヨーロッパ手外科学会(FESSH 2025)に参加してまいりました.北欧の初夏は日が長く,23時を過ぎても空が明るい時間が続いているのが印象的でした(残念ながら緯度が足りず白夜とまではなりませんでした).滞在期間の半分は雨が降り,晴れても気温は上がらず,肌寒さを感じる気候でもありました.

今回の学会には,湯浅悠介先生と一緒に参加いたしました.会場に着いてまず目に入ったのは,日本ではまだ導入されていない医療機器の並ぶ展示ブースでした.CM関節に対するTHAのような人工関節や,遠隔操作のロボット顕微鏡など,日本の学会では見たこともない機器が展示されておりました.そんな中,日本企業であるMitakaも出展しておりました.そのブースでは,Mitakaのマイクロ顕微鏡のほかに,日本製のマイクロ器械も用意されており,実際に血管吻合の体験もさせていただきました.日本人の緻密なものづくりの精神を異国の地で改めて実感する機会となりました.

日本からの参加者も多く見られ,その中でも札幌医科大学の花香恵先生と現地で交流させていただきました.一方で,やはり言語の壁は依然として高くそびえ立っていることを実感しました.講演の内容は聞いても理解できず,今後の課題と感じました.しかし,ワークショップやウェルカムレセプションへ参加し,短時間ながらも異国のドクターたちと直接コミュニケーションを取ることができたのは非常に貴重な経験でした.言葉を越えて共有できる「手」の情熱に,改めて国際学会の意義を感じました.

学会の合間には,フィンランドの観光も楽しむことができました.フィンランド文化の象徴でもある本場のサウナを体験し,世界遺産であるスオメリンナ島を散策し,タンペレ市にあるムーミン美術館も訪れることができました.また,現地の食文化にも触れることができ,ヘルシンキ名物のサーモンスープや,ラップランド地方のトナカイ料理を味わうなど,まさに五感でも北欧を堪能できる滞在となりました.

今回の国際学会の参加は,整形外科専攻医になる前に医局で連れて行ってくださったAAOS以来であり,整形外科医となってからは初めてのものでした.その頃よりは主体性を持って学会参加ができたかなと思っておりますが,言語の未熟さにより,まだまだと感じる部分もありました.やはり,国際学会を通して英語力の大切さを再認識することができました.

今回得られた学びを今後の診療や研究に還元できるよう,引き続き精進してまいります.最後に,長期間の不在になるにもかかわらず快く送り出してくださった相澤俊朗先生,小滝優平先生,いつもご指導頂いている宮腰教授はじめ医局の先生方,AHGメンバーの先生方に深謝申し上げます.

APSS-APPOS-MSS in Malaysia 2025(佐藤千晶)

2025年6月20日~22日,マレーシア・クアラルンプールで開催された学会に,本郷道生教授,尾野祐一先生,佐藤千晶の3名で参加してきました.私たちは今回,ポスター発表という形で日頃の研究成果を報告させていただきました.多くの日本の他大学,海外の先生方と意見交換を行うことができ,大変有意義な経験となりました.

本学会では,北海道大学の鐙邦芳名誉教授による椎体間固定および脊柱変形矯正に関する歴史的な考察が特に印象的でした.脊椎手術の歩みを深く振り返る内容であり,現代の治療戦略における基礎を改めて認識することができました。

また,今回の学会長であるProf. Kwan Mun Keong にご挨拶させていただく機会を頂きました。当病院の奥山名誉院長と学会長とは旧知の間柄とのことで、記念に一緒に写真も撮っていただきました.

今回,私にとってアジアの国際学会参加は初めての経験でした.会場,発表ではAI技術や手術支援ロボットの最新の活用例などが多数紹介されており,アジア全体の技術発展のスピードと熱量に大きな刺激を受けました.

今後もこのような国際学会への参加を通じて,秋田大学整形外科として最新の知見を学んでいくと同時に,地域医療の発展にも繋げていければと考えております。

日本が誇るレジェンド、鎧先生と。

APSS学会長のProf. Kwan Mun Keong と。

第45回日本骨形態計測学会(浅香康人)

「ロコモティブシンドロームの対義語」こと浅香です。第45回日本骨形態計測学会が6月26日から28日にかけて大宮ソニックシティで開催されました。

初日には骨形態計測の基礎的な内容に関するハンズオンセミナーが開かれ、当講座からも大学院生が参加させていただき、研究の基本となる部分について詳細に学習させていただきました。2日目以降の口演発表では医学系の研究室以外にも全国の歯科系や工学系の研究室から数多くの演題が持ち寄られ、それぞれ独自の観点から骨に関する研究の成果を発表し合いました。幸運なことに、ここで発表させていただいた私の演題が日本骨形態計測学会若手研究者賞に選出され、表彰状をいただくことができました。

地道に継続してきたことが学術的に認められたと感じ大変嬉しく思いました。これも宮腰教授をはじめとする講座の皆様のご指導の賜物と存じております。今回の受賞を励みに、より一層研究活動に力を入れていきたいと思います。引き続きご指導をいただけますようお願い申し上げます。

ISAKOS 2025参加報告(石垣佑樹)

2025年6月8〜11日にかけてドイツのミュンヘンでISAKOS:International Society of Arthroscopy, Knee Surgery and Orthopaedic Sports Medicineが開催されました。秋田からは能代厚生医療センターの塚本泰朗先生、河原木剛先生、大曲厚生医療センターの高橋靖博先生、大学から筆者の計4人が参加させていただきました。また、ISAKOS参加後には、現在フランスはボルドーに留学されている赤川学先生のところへ訪問させていただき、手術見学などをさせていただきました。とても充実した時間を過ごすことができました。旅行記ということで、ミュンヘンやボルドーで過ごした時間を簡単にご紹介させていただこうかと思います。

・Day1

羽田からミュンヘンへのフライトでしたが、搭乗待ちをしていると各大学の先生が同じ便の搭乗待ちをされていました。当教室からは4人の参加でしたが、他大学は10人以上参加しているところもあり、秋田との違いに驚かされました。フライトは某国の上空は飛行できないということで北極上空を飛行しなければならず、以前よりは長いフライト時間となっているようでした。日本にいると気にも留めていなかった国際情景を感じました。ミュンヘン到着後はAirbnbで借りたアパートへ。素敵なアパートを借りることができました。皆様も海外学会参加時にはご利用してみてはいかがでしょうか?また、到着後はホフブロイハウスへ!ミュンヘンの観光といえばまずはここのビールを飲みに行くようです。とても広いフロアで、音楽を聴きながら現地の人も陽気にビールを飲んでいました。サイズにも驚きましたが、現地で飲むビールは最高に美味しかったです。料理もビールが進む料理でした。

・Day2

この日はISAKOS会場へ!会場ではいろいろな言語が飛び交っており、国際学会ということを実感しました。秋田からは塚本泰朗先生の演題が採択されていましたがその他は演題がなく、他大学のように秋田から多くの演題が採択されるように研究を頑張ろう、とモチベーションになりました。また、この日はちょうどUEFAネーションズリーグの決勝がミュンヘンで開催されており、試合観戦に行って来ました。筆者は数回しかサッカー観戦をしたことがありませんが、規模の違いに圧倒されました。スペインとポルトガルの試合でしたが、各国のサポーターの熱気は凄く、試合もPKまでもつれ込んだ名勝負でした!一生に一度かもしれない経験をすることができました。

・Day3

この日はキリストの生誕祭ということで、ドイツの祝日に当たる日でした。法律でデパートやスーパーなどのショッピングができる施設は休業が義務付けられており、カフェやレストランの営業のみでした。他の大学の先生と食事をご一緒する機会があり、臨床や留学のことなど色々とお話を聞かせていただきました。やはり食事はビールと肉料理がメイン。そろそろドイツ料理に飽きてくる頃でした…笑

・Day4

この日はボルドーへ移動。ボルドーの最初の印象はとにかく暑い!ワインの名産地ですが、美味しい葡萄の栽培に適した気候なのかと思いました。空港内にはワインのボトルのモニュメントなどもあり、ワインの街なのだと感じました。天気も良く、街並みはよく想像するヨーロッパそのもので、人口は約26万人とのどかな街でした。 赤川先生と半年ぶりに再会を果たしましたが、お元気そうで安心しました。この日は、赤川先生の留学先のボスであるRiviere先生と食事をご一緒する機会を頂きました。Kinematic Alignmentに関して大変著名な先生ですが、気さくな先生でした。臨床のことだけでなく、ご自身のFellow shipの経験、研究のことなど教えていただきました。日本とは全く違った文化で驚くことかりでした。

・Day5

 この日は赤川先生の留学先であるClinique du SportでCharles Rivière先生の手術を見学をさせていただきました。早朝から手術を開始しており、この日はUKA、TKA×2の3件の手術でしたが、お昼過ぎには手術が終了していました。手術時の文化の違いはあるかもしれませんが、働き方改革が進む日本においては見習うべきところも多いのではないかと感じました。手術手技も洗練されており、今回学んだことを日本に帰ってから実践していきたいと思います。

・Day6

ヨーロッパ滞在の最終日。14時頃の便で帰国するため朝から観光をしました。ボルドーで一番大きな市場いきましたが、チーズを販売している店が多かったです。フランスではチーズを食事の時にワインと一緒に楽しむようでした。また、この地域では、牡蠣の養殖がされており、朝から牡蠣を食べることができました。日本の牡蠣を養殖しているとか。牡蠣とワインを楽しんでから帰国しました。

手短に書くつもりが、紹介したいことがたくさんあり長くなってしまいました。1週間の滞在でしたが、大変充実しておりあっという間に時間が過ぎてしまいました。今回の国際学会や海外の施設見学を通じて、国内のみでなく国外へも視野を広げることが重要だと感じました。1週間と短い時間でしたが、モチベーションアップに繋がりました。 自分もまだまだ若手の分類だと思っておりますが、膝分野に興味を持ってくれている若手の先生もお誘いして、国内・国際学会への登録演題を増やしてASAKGを盛り上げていきたいと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

海外学会参加報告 in EuSARC 2025(中西真奈美)

2025年6月2日~6月10日にEuSARC 2025に参加してきましたので報告します。

EuSARCはヨーロッパ全域の肉腫(sarcoma)研究者と臨床医からなる「Europe‑wide group of dedicated scientists and clinicians」を指す名称で、2017年からワークショップとして始まり、年1回ヨーロッパの様々な国でEuSARC meetingが開かれています。ヨーロッパの若手肉腫研究者も多く集っているようです。 筆者は大学院の骨代謝グループ(ABONE)所属しており、腫瘍班で肉腫モデルマウスの骨代謝について研究しています。指導医である土江先生から本学会への参加のお話を頂きました。

今年のEuSARCは6月5日~7日にイタリアのベネチアで開催されました。会場は、本島から船で15分ほど離れたところにあるサン・セルヴォーロ島の会議場です。ごく小さな島ですが公園もあり緑豊かで、会議場の建物はベネチア国際大学のキャンパスとして使用されているようです。ひとつの部屋で研究会のように近い距離で集い、3日間みっちりとスケジュールが組まれた学会でした。 演題はポスター採択でしたが、筆者はFlash Talkにも割り当てられていたため、およそ5分間の口頭発表も行いました。英語での研究会・学会発表は初めてでしたので非常に緊張しましたが、聴講者の方々も真剣に聞いてくださり大変嬉しく思いました。無事に終えることができ安心しております。

本会ではいくつかの団体や企業から研究助成金が用意されており、筆者はBone Cancer Research Trust(イギリス肉腫研究の慈善団体)からの渡航助成金であるTravel Grantに選出して頂きました。このような賞を獲得できたのも、ひとえに常日頃から研究の御指導をしてくださる宮腰教授、土江先生ならびにABONEの先生方のおかげと思っております。Poster Awardの受賞とはなりませんでしたが、本会を通して非常に貴重な経験をさせて頂き、誠に感謝申し上げます。

学会以外では、北イタリアを中心にたくさん観光しました。30度を超える日もざらでない真夏日続きでしたが、ミラノ、ベローナ、学会開催地のベネチア、そして土江先生がかつて留学されていたボローニャ・リッツォーリ病院にも足を運びました。中でも印象に残ったのは、ガルダ湖のほとりに位置する世界遺産の都市ペスキエーラ・デル・ガルダです。緑色の湖がとてもきれいな素敵な場所で、癒されました。また、個人的なお気に入りはベネチアンガラスで有名なムラーノ島にあるムラーノガラス美術館です。色とりどりの綺麗なガラス細工や美術品がたくさん飾られており、何時間でも眺めていられると感じました。イタリア飯はどれを食べても美味しく、カルボナーラやペスカトーレなどのパスタは勿論、アマローネワインで煮込んだリゾットや、山盛りの生ハムなど感動の連続でした。アペロールスプリッツや本場の赤ワインも堪能できました。

終わってみればあっという間でしたが、濃い9日間を過ごし、海外学会での発表という貴重な経験をさせて頂きました。医局の皆様には心より御礼申し上げます。まずはしっかりと学位研究を形にし、今回の経験を活かして、臨床の場面でもリサーチマインドを忘れず精進したいと思います。

医局の先生方は現在も、ヨーロッパやマレーシアなど各国で学会活動を行っている最中ですし、留学されている先生もおります。学外の同門の先生方も積極的に海外学会へと足を運ばれています。研修医の先生や学生の皆様、興味がある・話を聞きたいなどありましたらいつでもご連絡ください。お待ちしております。

学会場にて。

ベローナのアレーナ(左)とペスキエーラ(右)

ムラーノガラス美術館

整形外科単科病院 Rizzoli病院(左)  右は医局研究棟。

美味しいイタリア料理をみんなで頂きました

留学だより(赤川学)

だいぶ間があいてしまいましたが、無事に過ごしています。

最近はPFに関連して、膝蓋骨置換の要否や二期的置換、関連する因子などを考えることが多く、忙しくも充実した日々を過ごしています。

こちらは3月末にサマータイムとなり、時間が1時間進みました。日本ではあまり馴染みのないサマータイムですが、もともとは明るい時間を長くすることで電気などのエネルギーの節約、屋外での活動を増やし経済活動を活発にすることなどを目的としていたようです。確かに最近はサマータイムのせいもあり、21時をすぎてもまだ外は明るく、たくさんの人が出歩いています。

ボルドーにはMiroir d’eau(ミロワール・ドー)という世界最大級の水鏡があります。冬は凍結防止のために水が止まっていたのですが、5月に入ってから水が出るようになりました。ネットには美しい夜景が水面に反射した画像がたくさんありますが、今は日が長く、夜景がうつった写真をとるのは難しい季節です。日中はミストが出たり、子供たちが水遊びをしたりして、これまた水面に景色がうつった写真をとるのが難しいのですが、なんとかとった写真を載せました。写真をとるのはあまり得意ではありませんが、それでもブルス広場といわれる美しい建築と融合された景色はなかなかに見ごたえがあります。

先日、秋田から塚本先生、高橋靖博先生、河原木先生、石垣先生の4人がボルドーまで来てくれました。リビエール先生の手術を共に見学し、夜は秋田の近況を聞いたり、ASAKGの今後について皆で語りました。遠いボルドーまでわざわざ来てくれた皆に本当に感謝しています。

私の留学もまもなく終わりとなります。半年間はあっという間でしたが、本当にたくさんのことを学ぶことができました。リビエール先生には手術や研究だけでなく、休日にもたくさんのアクティビティに誘ってもらい、ボルドーの文化をたくさん教えてもらいました。違う言語・文化の土地で過ごした経験は本当に大きく、一回りも二回りも成長できた気がします。

このようなかけがえのない経験ができたのも、医局の先生方、そして家族の支えのおかげです。心から感謝し、帰国後も頑張っていきたいと思います。

あまりきれいな写真ではありませんが、水面に反射した建物が見えるでしょうか。日中は子供たちが元気に遊んでいます。

Loic先生と。Robotを使用したKA techniqueをたくさん教えていただいました。

左からRivière先生、私、もう1人のFellowのRoberto、機械出し看護師のJackson。最高のチームでした。

第122回東北整形災害外科学会(森下耀)

2025年6月6日〜7日にかけて、第122回東北整形災害外科学会(会長:新潟大学整形外科 川島寛之先生)が、朱鷺メッセ(新潟市)にて開催されました。当教室からも多数の演題が採択され、各セッションでは活発な議論が交わされ、盛況のうちに幕を閉じました。

初日の朝6時からは恒例の親善野球大会が開催され、今回は東北大学との対戦となりました。序盤に2点を先制するも、終盤に追いつかれ、延長戦の末、惜しくも敗戦となりました。

大内先生・泉先生の好投、杉村先生・阿部和伸先生・東條先生の好守が光る好ゲームとなりました。惜しくも勝利には届きませんでしたが、来年こそは初勝利を目指したいと思います。

宮腰教授をはじめ、多くの先生方に応援にお越しいただき、晴天のもと、和やかな雰囲気の中で試合を楽しむことができました。 私自身はセカンドで途中出場しましたが、今年もエラーでチームにご迷惑をおかけしてしまいました。

学会では、当教室から多彩な演題が採択されました。中でも、医学科6年生の武藏聖治君は学生セッションにて「特発性側弯症術後成績の男女間比較」と題して発表を行いました。事前準備から当日の質疑応答に至るまで非常に丁寧かつ堂々としており、多くの先生方から高い評価をいただきました。惜しくも受賞は逃しましたが、その完成度の高さに、感銘を受けました。

また、当教室の久田朱里先生が、東北整形災害外科学会 Travelling Fellowship に選出されました。心よりお祝い申し上げます。

来年の第123回大会に向けて、さらに充実した発表と、念願の野球勝利を目指して準備を進めてまいります。 今後とも変わらぬご指導・ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

第3回書友展 日本酒ラベル企画応募(中西真奈美)

2025年6月14日(土)に医局カンファレンス室にて、第3回書友展の日本酒ラベル企画に応募するための書道企画を行いました。昨年は銘酒「一白水成」でしたが、今年は同じ福禄寿酒造の日本酒「桜名月」のラベルがお題となっています。桜名月は、井川町の農業生産法人ローカルフレッシュが栽培した酒米「秋田酒こまち」を初めて採用したお酒とのことで、ラジオ番組「ハナキン桜庭編集部」のアナウンサーらの名前からとって命名され、井川町を盛り上げるための日本酒であると紹介されています。

14日当日は、ほかのセミナー等が重なったこともあってか、宮腰教授、石垣先生、筆者の3人だけの参加となりましたが、黙々と集中し時に語らいながら書に向き合うことができました。桜がうまく書けない、名がうまくいかない、3文字のバランスが難しいなどなど…書いてみて意外と難しいお題であることに気が付きました。最後にはお仕事をしていらした粕川先生を引っ張り出し(笑)、素敵な桜名月をしたためて頂きました。来て頂いた先生方、お忙しい所本当にありがとうございました!

英知部長には事前に完成した作品を頂いており、さすがの書でありましたが、我々の作品と合わせて今年もまた「秋田大学整形外科書道部」として出品したいと思います。今年こそはめざせ最優秀賞!四合瓶ラベル!ですね(^▽^)

第18回 秋田県手外科研究会(中西真奈美)

2025年5月31日(土)に第18回秋田県手外科研究会が開催されました。秋田さとみ温泉にて例年開かれていたこの会ですが、今年は秋田拠点センターALVEにて執り行われました。同門の先生方だけでなくハンドセラピストの方々にも多く足を運んでいただき、広い会場が埋まるほどの盛況でした。

会に先立ち行われた幹事会では、近年AHG/AFTTGとしての学会活動や論文執筆が増えてきていることが取り上げられ、若手の自分もその一員となるよう頑張らねばと感じました。

一般演題では白幡毅士会長の座長のもと、5演題の発表がありどれも活発な議論がなされました。齋藤先生の肘頭骨折TBWのバックアウトについての検討では、リングピンを使用すべきとの御意見も確かに道理にかなうものと存じますが、安価でどんな病院にも必ず置いてあるK-wireを使用し、いかなる手術法でどんな工夫をするとBack outを防ぐことに繋がるのかという検討内容も非常に興味深いと自身は感じました。加賀先生の陳旧性スワンネック指のお話では、普段外来でよく見る掌側板損傷の成れの果てにこのような病態に発展する場合もあるのだと実感しました。

ミニレクチャーでは、秋田赤十字病院の湯本聡先生より「四肢主要血管損傷の治療経験」として、現在までに経験してこられた四肢重度外傷の症例の数々や初期治療医にどういったことが求められるかについて熱くご講演頂きました。本会の幹事会では湯本先生より退会の御挨拶がございましたが、湯本先生は本当に長い間ずっと秋田県の重症外傷治療を支えてこられ、今現在もなお第一線で御活躍されております。湯本先生と一緒に勤務し外傷治療を学んできた若手整形外科医は多いですし、これからも我々に引き続き御指導を頂きたいと強く思っております。

特別講演では、四谷メディカルキューブ 手の外科・マイクロサージャリーセンター長 平瀬雄一先生に「Orthoplastic hand surgeryのすすめ」と題してご講演いただきました。Orthoplasticとは、おもに(重度)四肢外傷に対して、皮膚軟部組織再建と骨折治療・骨関節再建の両方を行う外科分野のことを指します。平瀬先生はそこへ到達する道を登山に例えられ、Orthoplastic山に登るにはOrthopedic山からもPlastic山からも登れるが、お互いの分野をよく理解することが大事だと仰いました。 ご存じの方も多いと思いますが、平瀬先生はかの有名な著書「やさしい皮弁」「やさしいマイクロサージャリー」の著者であります。やさしい皮弁の最初のページには、聞くだけでなく、見て行動してはじめて理解ができるのだという意の孔子の言葉が書かれています。その言葉の通り、講演のスライドには実際の症例写真や手術動画が非常に多く盛り込まれており、神業の数々にただただ圧倒されました。個人的には、wrap-around flapの手技で1趾だけでなく2趾からも連続したflapをあげ1本の指を再建する手技や、爪床移植により爪の一つまでこだわって再建するところに、flap surgeonならびにOrthoplastic surgeonとしての流儀や、患者様への思いを感じました。

講師を囲む会では、秋田の日本酒を飲みながら、AHGの先生方が皆こぞって平瀬先生に質問をし、本会では聞ききれなかったことを余すことなく教えて頂きました。平瀬先生本当にありがとうございました。

今回の研究会で学んだPlastic surgeryの考え方、tipsを活かして、AHG/AFTTGの一員としてこれからも頑張っていきたいと思います。本会がご参加いただいた先生方の日常診療の一助となりましたら幸いです。