2019年5月30日第12回秋田県整形外科リウマチセミナーが開催されました。
一般演題では、雄勝中央病院の青沼宏先生より、「AORAレジストリーにおけるエタネルセプトの検討」と題してご講演いただきました。秋田県における関節リウマチ患者のデータをまとめたAORAレジストリーを元にエタネルセプトの有用性をお示しいただきました。
エタネルセプトの導入によって、プレドニゾロンが減量・中止することができる症例が増えている傾向にあるとご教示いただきました。また、秋田厚生医療センターの小西奈津雄先生より、「関節リウマチと人工膝関節置換術の変遷」と題してご講演いただきました。自験例を元に関節リウマチに対するTKAの変遷についてご提示いただきました。以前は関節リウマチに対するTKAでは、PS型インプラント、セメント固定、膝蓋骨置換が多かったのですが、生物学的製剤の普及などで関節リウマチのコントロールが良好になり、CS型、セメントレス固定、膝蓋骨非置換の傾向が強くなったとご教示いただきました。
特別講演では、横浜市立大学附属市民総合医療センターの持田勇一先生より、「関節リウマチの薬物・手術療法の最新トピックス」と題してご講演いただきました。関節リウマチ診療における地域医療のあり方、関節リウマチ診療における手術の傾向、手術方法での工夫などをご教授いただきました。横浜市立大学附属市民総合医療センターでは、紹介状を工夫したり、リウマチホットラインを設置したりして、紹介しやすい環境を作っているとのことでした。また、自験例を元にしたデータをお示しいただき、足趾や手指などの手術件数が増加している傾向やTKAにおいては骨棘形成などOA変化もみられる傾向など関節リウマチの手術の変化についてご教示いただきました。
どのご講演も明日からの診療に活かすことのできる内容ばかりで非常に有意義な機会となりました。今後の診療に積極的に活かしていきたいと思います。最後になりましたが、ご講演いただきました先生方、ご参加いただきました方々、大変ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。