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第68回 日本手外科学会学術集会 / 千馬誠悦先生が学会功労賞を受賞されました(中西真奈美)

2025年4月10日、11日に第68回日本手外科学会学術集会が開催されました。会場はパシフィコ横浜ノース、会長は横浜労災病院の三上容司先生です。 学会テーマは「Well-beingな手外科」で、近年注目の多いメノポハンドに関するセミナーやシンポジウム、義手や手外科に関する社会生活などに関するシンポジウムが開かれておりました。また、漫画「テノゲカ」の原作者である詩石灯先生と、漫画家の新井隆広先生とともに語らう会も企画されておりました。

整佑会同門からはおよそ7名の先生方が参加され、口演やオンデマンドポスターなどで各々の研究・症例発表を行いました。また、今回は市立横手病院から、冨岡先生と一緒にOTの柴田秀衡先生が参加して下さいました。以前は医師会病院で脳卒中のリハビリテーションを中心に、そして現在は冨岡先生に御指導を受けながら手外科領域のリハビリテーションを行われているとのことで、今回積極的に学会へ足を運んで頂いたとのことです。 同門会にもご参加いただき、ドクターとハンドセラピストという垣根を越えて、お互い勉強になりつつ楽しく親睦を深められたと感じました。

同門会会場では偶然にも、学会にいらしていた弘前大学整形外科の先生方にお会いしました。ご挨拶させて頂きつつ、同門の垣根を越えて語らい、楽しい時間を過ごさせて頂きました。 弘前大学の先生方、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

また、今回の学会では千馬誠悦先生が学会功労賞を受賞されました。長年、手外科医として診療にあたられただけでなく、日本手外科学会の進歩・発展・教育研修等に多大な貢献・寄与のあった先生に送られるまさに名誉ある賞です。長らく秋田の手外科を支えてきた千馬先生だからこその受賞であると感じております。われわれ後輩も、千馬先生の背中を追いかけてさらに精進していかなければと思います。千馬先生、この度は本当におめでとうございます。

来年の日手会は福岡で開催されます。今年よりも多くの演題を出し、秋田県手外科グループ皆で現地に集えるよう、頑張ってまいります。

学会功労賞を受賞された千馬誠悦先生

弘前大学の先生方と。

第37回日本肘関節学会学術集会(中西真奈美)

2025年3月14〜15日に第37回日本肘関節学会学術集会が開催されました。会場は岡山市、会長は岡山済生会総合病院の今谷潤也先生です。 「肘関節外科の最適解」というテーマのもと、肘周辺難治性骨折や小児顆上骨折、モンテジア骨折のディスカッションなど、各所で白熱したディベートが展開されておりました。

整佑会同門からはおよそ7名の先生方が参加され、1日目午後のポスターセッションにて、白幡先生や湯浅先生が肘周辺の筋腱障害や神経障害に関する演題で発表されました。 その日の夜には同門会を行うことができました。千馬会長はじめ、水野記念病院で勤務されている飯田聖先生にもお越し頂くことができ、同門の話に花を咲かせました。

2日目は、筆者は朝から肘エコーのハンズオンセミナーに参加しました。キャノンメディカルシステムズ主催で、同社のエコー機器を使用させて頂きましたが、とても明瞭に神経や軟骨面を描出でき感動しました。 OCDだけでなく、普段エコーをあてることのない肘内障での見え方などを講義で教えて頂き、非常に勉強になりました。明日からの外来診療に活きる充実した内容でした。

今谷潤也先生の会長講演では、これまでの肘関節外科医としての歩みや、師匠や弟子を含む様々な人との出会いによりライフワークが形作られていったことをお話しされておりました。「他流試合」がいかに大事かという点も強調されており、胸に響くご講演でありました。

来月には、横浜で日本手外科学会学術集会が開催されます。見識を深めつつ、また同門の先生が現地に集えることを楽しみにしながら、本学会で学んだことを活かして日々の診療にあたっていきたいと思います。

第55回人工関節学会 (石垣佑樹)

2025年2月21〜22日の2日間に渡り、名ポートメッセなごやにて岐阜大学大学院医学系研究科整形外科学教室の秋山治彦先生会長の元、第55回日本人工関節学会が開催されました。学会のテーマは「セレンディピティのすヽめ」でしたが、これからの臨床や研究につながる出会いがあった方も多かったのではないでしょうか。

学会中いくつかのセッションを聴講させていただきましたが、1番印象に残っているのは、Debate sessionの「TKA MA or KA-TKAを語る」です。MA派とKA派の先生がそれぞれの立場から、それぞれの考えをぶつけ合う討論を繰り広げており、自分の信念を持って日々の診療に臨まれていることを感じました。筆者はTKAの症例数も少なく公平な立場でDebateを聞くことができましたが、よりよい治療成績につながるようにお互いが切磋琢磨できればいいのではないかと思いました。

1日目の夜には当教室の関節Groupの学会参加者が集い、人工関節学会2025大ジョイントミーティングin名古屋が開催されました。今年も大曲から多くの研修医の先生がご参加していただいたこともあり、16名の先生方にお集まりいただき、大いに盛り上がりました。若手からベテランの先生まで参加されており、とても楽しい会となりました!

来年度は2月26〜27日の日程で、グランキューブ大阪(大阪国際会議場)で開催されます。来年は演題を出せるように、日々の診療や研究を行っていきたいと思います。

第39回 東日本手外科研究会 (湯浅悠介)

2025年2月22日、第39回東日本手外科研究会が札幌で開催されました。本研究会の会長は、日頃からご指導いただいております札幌医大の射場浩介先生ということもあり、多くのAHGメンバーが参加しました。

千馬誠悦先生は特別企画「手から見た他分野の疾患」の座長をされ、白幡毅士先生は「長期間見過ごされた外傷性母指CM関節不安定症の1例」、佐藤貴洋先生は「橈骨遠位端骨折の発生に関する因子の検討」、小滝優平先生は「外傷手術後の母指IP関節伸展拘縮に対する創外固定器による関節授動術の有用性」、湯浅悠介は「橈骨遠位端骨折Fernandez分類Type 4に対して肘頭骨軟骨移植を行った1例」というタイトルで発表を行いました。

また、ランチョンセミナーでは宮腰尚久教授が座長をされ、帝京大学ちば総合医療センターの井上大輔教授が「日常診療に潜む低ホスファターゼ症~手外科の先生に知って頂きたい希少疾患~」というタイトルでご講演をしていただきました。低ホスファターゼ症は易骨折性であり、普段骨折を診療している整形外科医が、その違和感に気付き、ALPを測定することの必要性、重要性を学びました。

冬の北海道での開催でしたが、無事に飛行機も飛び、本研究会テーマ「次の一手 新しい知見を求めて」の通り、多くの新しい知識を勉強することができました。今後も積極的な学会参加はもちろん、学会発表も行い、そして様々な先生方とディスカッションすることで、医師として、手外科医として成長していきたいと思います。

第27回日本低侵襲脊椎外科学会学術集会(木村竜太)

2024年11月21日、22日に大阪市中央公会堂で第27回日本低侵襲脊椎外科学会学術集会(JASMISS)が開催されました。
毎年秋田と交流いただいている、関西医科大学整形外科学講座の齋藤貴徳教授が会長ということで、秋田から菊池一馬先生(由利組合総合病院)と私が参加しました。

会場は中之島の中にある歴史のある建造物(東京駅を設計した辰野金吾も建築顧問)で、どこか東京駅にも似た建築に感じました。そして厳かな気持ちで学会に臨むことができました。

JASMISSは脊椎内視鏡の学会、というイメージがありましたが、今回は除圧と固定の融合をテーマに、内視鏡下の固定やUEB/A-FESSなどのセッションが多くありました。脊椎内視鏡の流れを体感できました。

学会はホスピタリティに溢れており、551のアイスキャンディーが食べ放題だったり、懇親会では吉本興業から3組の漫才(スマイル、女と男、モンスターエンジン。生で神々の遊びが見られました)があったりと、とても楽しみながら学ぶことができました。

関西医科大学の先生方、本当にありがとうございました。

第73回東日本整形災害外科学会参加報告(東條元旗)

第73回東日本整形災害外科学会参加報告(東條元旗)

令和6年9月27日、28日にザ・プリンス箱根芦ノ湖にて開催された東日本整形災害外科学会に初めて現地参加させていただきました。当教室からは宮腰教授、本郷教授、粕川准教授、野坂准教授をはじめ多くの先生が参加しておりました。東日本整形災害外科学会といえば駅伝大会と言うことで秋田大学も昨年に引き続きエントリーをしておりました。惜しくも優勝とはなりませんでしたが16チーム中6位と上位入賞となりました。ランナーの皆さん、早い時間から本当にお疲れ様でした!

各セッションは一般演題・アウォードセッション共に非常に盛り上がっておりましたが特に若手優秀演題アウォードセッションは表彰されると言うこともあり、演題内容・発表・質問がどれも気合の入った内容となっておりとても見応えのあるセッションだったなと感じました。今回は残念ながら当大学からの受賞はありませんでしたが、応募条件は「35歳以下の未専門医」とのことでしたので自分も含め若手の先生は受賞を1つの目標にして学会に参加するのもアリなのではないでしょうか?

そして教育研修講演会2では当教室の宮腰尚久教授が「整形外科の観点から臨床上の問題を解決するための骨組織学研究」という内容でご講演されました。私は自分の発表の時間と重なってしまい拝聴することは叶いませんでしたが、宮腰教授は講演の中で来る2026年第75回東日本整形外科学科(秋田開催)について触れ、秋田の魅力を存分にアピールされたと伺っております。2018年開催以来8年ぶりの秋田開催ということで秋田の魅力・秋田大学整形外科の魅力を伝えられると思うととても楽しみですね!

第12回 Japan Association of Spine surgeons with Ambition(JASA)(渡辺学)

2024年8月3日から4日まで金沢で開催された第12回Japan Association of Spine surgeons with Ambition(JASA)に参加してきました。秋田からは木村先生と自分が参加してきました。

先輩方からディスカッションがとにかくすごいと噂だけ聞いていたのですが、実際に目の当たりにするとびっくりしました。数人の発表が終わり質疑応答の時間となるやいなや数十人の先生が一斉にマイクに向かって動き出し質問をしておりました。質問の時間が惜しいから枕詞などは不要で簡潔に質問をし、的確な回答の応酬が行われておりました。少しでも出遅れると質問できないというまさに熱意ある脊椎外科医の集まりでした。

特別講演では富山大学の川口善治教授、金沢医科大学の川原範夫先生からお話をいただきました。川口教授からは「地方から世界への情報発信-世界から見たら日本はどこも同じです-」というテーマで主に研究に関してのお話がありました。日本のどこにいても素晴らしい研究を行うことができるという事で大変引き込まれるご講演でした。

川原先生からは「整形外科40年の歩み」という事で主にTESのお話がありました。自分はまだTESを見たことがなく、椎体がごろっと取れてくる様は衝撃的でした。

本学会は今まで参加した中でも一番熱意に満ち溢れているように思われました。秋田の整形も同じくらい刺激的に盛り上がっていけるよう少しでも貢献したいと思います。

第61回日本リハビリテーション医学会@渋谷(木村竜太)

第61回日本リハビリテーション医学会が、東京都渋谷駅周辺で開催されました。

大きな学会としてはとても珍しい都心部開催で、会長の安保雅博教授(東京慈恵会医科大学リハビリテーション科)をはじめとした慈恵会医科大学リハビリテーション科の皆様のお力を感じました。

学会中は何度もスクランブル交差点を行き来し、ハチ公像にも何度も会いました。

今回の学会では、リハビリテーション学会のnext generationの先生方が多くご講演されていました。

秋田大学からは工藤大輔先生が、粕川雄司先生の座長で、教育講演をされました。

脊髄損傷の疫学から、われわれが取り組んでいるリハビリテーションロボットの内容までお話いただきました。会場は満席+立ち見の方もたくさんいらっしゃる大盛況でした。

また、秋田大学整形外科がずっとお世話になっております、UCSFの長尾正人先生も参加されており、今のサンフランシスコの状態を伺うことができました。(長尾先生のHPはこちらです https://masato-nagao.com/ja)今年は秋田大学から学生も留学をしており、今後も交流を続けていきたいです。

ただ、サンフランシスコの物価の高さは洒落にはならなそうでした。

今回の学会で改めてリハビリテーションが社会と医療をつなぐ存在になっていることを実感しました。

今後も研鑽を積み、秋田に最新のリハビリテーションを届けられるようにしていきたいと思います。

21st edition of the ESSKA Congress inMilan (村田昇平)

2024年5月8日~10日にイタリア、ミラノでEuropean Society for Sports Traumatology,
Knee Surgery and Arthroscopy(ESSKA)の学術集会が開催されました。秋田からは赤川
学先生、塚本泰明先生、村田が参加、発表をさせていただいてきました。
本学会は膝関節だけではなく関節鏡やスポーツ整形に携わる世界中のドクターが集まる学
会で、秋田大学整形外科の臨床グループとしてはASAKGが担当する分野の世界最高峰の学
会です。
学会で最新の知見を勉強させていただきながら、隙間時間ではミラノの都市を観光、ラン
ニング、自転車で爆走したり(半日で16km歩く日もありました・・・)、ベネチアを観
光するなどして教養を深めさせていただきました。
多くのことを勉強させていただきましたが、私がこの期間中に学会以外で心に強く残って
いるのは隙間の時間で膝についてのdiscussionを深めている赤川先生、塚本先生のお姿で
す。お二人の知識や熱量に圧倒され、後輩としてとても頼もしく感じ、また、自分たちも
頑張らねばと刺激をいただきました。
久しぶりの海外研修でしたが、整形外科医としても、一人の日本人としても多くの経験を
することができた旅でした。来年以降秋田からより多くの先生方と参加できたらと思いま
す。
学会に参加する機会をいただき本当にありがとうございました。今後ともご指導の程を何
卒よろしくお願い申し上げます。

第121回東北整形災害外科学会(森下耀)


2024年5月10-11日に第121回東北整形災害外科学会(東北大学整形外科 相澤俊峰会長)
が仙台国際センターで開催されました。当教室からも数多くの演題が採択され、各分野で
熱いディスカッションが行われ、大盛況の会となりました。
会に先立ち、初日の朝6時から親善野球大会が行われ、新潟大学と対戦しました。初回に
杉村先生の先頭打者ヒットから繋いで、1点を先取。1回の裏に同点に追いつかれるも、東
條先生の安定したピッチングで、3回までは1-1の投手戦となりました。4回裏に新潟打線
に捕まり、途中で大内先生に投手交代。ビッグイニングとなりました。5回表の反撃も及
ばず敗退となりました。宮腰教授、野坂准教授をはじめ、たくさんの先生方に応援に来て
いただき、いい雰囲気の中で楽しく試合をすることができました。野球素人の私個人とし
てはセカンドで幾度もエラーを重ね、チームに大変ご迷惑をおかけしました。エラーを重
ねた私にも教授をはじめとしてたくさんの先生方から優しいお声がけをいただき、気持ち
を切り替えて朝イチのセッションで発表に臨むことができました。発表はノーエラー(?)
で切り抜けることができたと思います。
当教室からは様々な演題が採択されました。中でも医学科6年生の細渕椋太君は一般演題
6「脊椎2」のセッションで、同じく6年生の大久保知修君は「学生セッション」で堂々と
素晴らしい発表をされていました。大久保君は自らエコーを走査し、私自身も足関節、前
距腓靭帯を診察してもらいました。準備からとても頑張っていたのが印象的でした。惜し
くも受賞はなりませんでしたが、最高の準備、発表、質疑応答だったと思います!
前の記事にもありましたが、原田俊太郎先生が東北整形災害外科学会Travelling fellowship
に選出されました。おめでとうございます。
来年の東北整災でも多数の素晴らしい発表ができるように、また野球も必ず勝利をつかみ
取れるように、準備をしていきたいです。今後ともご指導のほど何卒よろしくお願いいた
します。