学会賞など」カテゴリーアーカイブ

第45回日本骨形態計測学会(浅香康人)

「ロコモティブシンドロームの対義語」こと浅香です。第45回日本骨形態計測学会が6月26日から28日にかけて大宮ソニックシティで開催されました。

初日には骨形態計測の基礎的な内容に関するハンズオンセミナーが開かれ、当講座からも大学院生が参加させていただき、研究の基本となる部分について詳細に学習させていただきました。2日目以降の口演発表では医学系の研究室以外にも全国の歯科系や工学系の研究室から数多くの演題が持ち寄られ、それぞれ独自の観点から骨に関する研究の成果を発表し合いました。幸運なことに、ここで発表させていただいた私の演題が日本骨形態計測学会若手研究者賞に選出され、表彰状をいただくことができました。

地道に継続してきたことが学術的に認められたと感じ大変嬉しく思いました。これも宮腰教授をはじめとする講座の皆様のご指導の賜物と存じております。今回の受賞を励みに、より一層研究活動に力を入れていきたいと思います。引き続きご指導をいただけますようお願い申し上げます。

海外学会参加報告 in EuSARC 2025(中西真奈美)

2025年6月2日~6月10日にEuSARC 2025に参加してきましたので報告します。

EuSARCはヨーロッパ全域の肉腫(sarcoma)研究者と臨床医からなる「Europe‑wide group of dedicated scientists and clinicians」を指す名称で、2017年からワークショップとして始まり、年1回ヨーロッパの様々な国でEuSARC meetingが開かれています。ヨーロッパの若手肉腫研究者も多く集っているようです。 筆者は大学院の骨代謝グループ(ABONE)所属しており、腫瘍班で肉腫モデルマウスの骨代謝について研究しています。指導医である土江先生から本学会への参加のお話を頂きました。

今年のEuSARCは6月5日~7日にイタリアのベネチアで開催されました。会場は、本島から船で15分ほど離れたところにあるサン・セルヴォーロ島の会議場です。ごく小さな島ですが公園もあり緑豊かで、会議場の建物はベネチア国際大学のキャンパスとして使用されているようです。ひとつの部屋で研究会のように近い距離で集い、3日間みっちりとスケジュールが組まれた学会でした。 演題はポスター採択でしたが、筆者はFlash Talkにも割り当てられていたため、およそ5分間の口頭発表も行いました。英語での研究会・学会発表は初めてでしたので非常に緊張しましたが、聴講者の方々も真剣に聞いてくださり大変嬉しく思いました。無事に終えることができ安心しております。

本会ではいくつかの団体や企業から研究助成金が用意されており、筆者はBone Cancer Research Trust(イギリス肉腫研究の慈善団体)からの渡航助成金であるTravel Grantに選出して頂きました。このような賞を獲得できたのも、ひとえに常日頃から研究の御指導をしてくださる宮腰教授、土江先生ならびにABONEの先生方のおかげと思っております。Poster Awardの受賞とはなりませんでしたが、本会を通して非常に貴重な経験をさせて頂き、誠に感謝申し上げます。

学会以外では、北イタリアを中心にたくさん観光しました。30度を超える日もざらでない真夏日続きでしたが、ミラノ、ベローナ、学会開催地のベネチア、そして土江先生がかつて留学されていたボローニャ・リッツォーリ病院にも足を運びました。中でも印象に残ったのは、ガルダ湖のほとりに位置する世界遺産の都市ペスキエーラ・デル・ガルダです。緑色の湖がとてもきれいな素敵な場所で、癒されました。また、個人的なお気に入りはベネチアンガラスで有名なムラーノ島にあるムラーノガラス美術館です。色とりどりの綺麗なガラス細工や美術品がたくさん飾られており、何時間でも眺めていられると感じました。イタリア飯はどれを食べても美味しく、カルボナーラやペスカトーレなどのパスタは勿論、アマローネワインで煮込んだリゾットや、山盛りの生ハムなど感動の連続でした。アペロールスプリッツや本場の赤ワインも堪能できました。

終わってみればあっという間でしたが、濃い9日間を過ごし、海外学会での発表という貴重な経験をさせて頂きました。医局の皆様には心より御礼申し上げます。まずはしっかりと学位研究を形にし、今回の経験を活かして、臨床の場面でもリサーチマインドを忘れず精進したいと思います。

医局の先生方は現在も、ヨーロッパやマレーシアなど各国で学会活動を行っている最中ですし、留学されている先生もおります。学外の同門の先生方も積極的に海外学会へと足を運ばれています。研修医の先生や学生の皆様、興味がある・話を聞きたいなどありましたらいつでもご連絡ください。お待ちしております。

学会場にて。

ベローナのアレーナ(左)とペスキエーラ(右)

ムラーノガラス美術館

整形外科単科病院 Rizzoli病院(左)  右は医局研究棟。

美味しいイタリア料理をみんなで頂きました

第68回 日本手外科学会学術集会 / 千馬誠悦先生が学会功労賞を受賞されました(中西真奈美)

2025年4月10日、11日に第68回日本手外科学会学術集会が開催されました。会場はパシフィコ横浜ノース、会長は横浜労災病院の三上容司先生です。 学会テーマは「Well-beingな手外科」で、近年注目の多いメノポハンドに関するセミナーやシンポジウム、義手や手外科に関する社会生活などに関するシンポジウムが開かれておりました。また、漫画「テノゲカ」の原作者である詩石灯先生と、漫画家の新井隆広先生とともに語らう会も企画されておりました。

整佑会同門からはおよそ7名の先生方が参加され、口演やオンデマンドポスターなどで各々の研究・症例発表を行いました。また、今回は市立横手病院から、冨岡先生と一緒にOTの柴田秀衡先生が参加して下さいました。以前は医師会病院で脳卒中のリハビリテーションを中心に、そして現在は冨岡先生に御指導を受けながら手外科領域のリハビリテーションを行われているとのことで、今回積極的に学会へ足を運んで頂いたとのことです。 同門会にもご参加いただき、ドクターとハンドセラピストという垣根を越えて、お互い勉強になりつつ楽しく親睦を深められたと感じました。

同門会会場では偶然にも、学会にいらしていた弘前大学整形外科の先生方にお会いしました。ご挨拶させて頂きつつ、同門の垣根を越えて語らい、楽しい時間を過ごさせて頂きました。 弘前大学の先生方、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

また、今回の学会では千馬誠悦先生が学会功労賞を受賞されました。長年、手外科医として診療にあたられただけでなく、日本手外科学会の進歩・発展・教育研修等に多大な貢献・寄与のあった先生に送られるまさに名誉ある賞です。長らく秋田の手外科を支えてきた千馬先生だからこその受賞であると感じております。われわれ後輩も、千馬先生の背中を追いかけてさらに精進していかなければと思います。千馬先生、この度は本当におめでとうございます。

来年の日手会は福岡で開催されます。今年よりも多くの演題を出し、秋田県手外科グループ皆で現地に集えるよう、頑張ってまいります。

学会功労賞を受賞された千馬誠悦先生

弘前大学の先生方と。

共同研究している秋田大学理工学部森雪乃さんが日本機会学会三浦賞を受賞

当科と共同研究をしている秋田大学理工学部システムデザイン工学科機械工学コースの森雪乃さんが股関節の有限要素解析の研究と複数の論文の審査の結果、日本機械学会三浦賞を受賞されました。

・World Journal of Engineering and Technology Vol.12 No.3, August 2024
Finite Element Analysis of Coronal Shear Fractures of the Femoral Neck: Displacement of the Femoral Head and Effect of Osteosynthetic Implants
Yukino Mori, Hiroaki Kijima, Mei Terashi, Takehiro Iwami, Naohisa Miyakoshi

・大腿骨頸部基部剪断骨折における骨密度治療の目標値を検討するための有限要素解析
森 雪乃, 木島 泰明, 寺師 芽衣, 巖見 武裕, 宮腰 尚久
臨床バイオメカニクス(1884-5274)45巻 Page112-120(2024.10)

「三浦賞」は、大学院機械工学系修了者で、人格・学業ともに最も優秀であると認められた学生に対して贈られる賞です。

森さん、誠におめでとうございます。

第58回日本側彎症学会学術集会(若林玲奈)

2024年11月1日〜2日に福岡国際会議場にて日本側彎症学会が開催されました。秋田からは本郷教授、三澤先生、工藤先生、若林が参加しました。

本学会のご発表の他、本郷教授、三澤先生は座長を務められ、工藤先生は本学会の前日、10月31日に同会場で開催されたSRS Worldwide Courseにおいて、Addressing complex Risk Casesセッションのパネリストとしてご登壇され、SRS講師陣と活発にグローバルなご答弁をされておりました。

若林は昨年度の投稿論文がJournal of Spine ResearchのBest Paper賞を拝受し、授賞式に参加して参りました。大変栄誉ある賞を受賞できましたのも、ご指導いただきました先生方・ご査読いただきました先生方のおかげと存じ、心より感謝申し上げます。

遠藤博之先生が「瑞宝双光章」を受章されました

このたび、整佑会会員の遠藤博之先生が、令和6年5月1日付で、地方自治において顕著な功績を挙げられた方に贈られる「瑞宝双光章」を受章されましたことを、謹んでご報告申し上げます。


遠藤博之先生は、本県の障害児療育の基盤を築かれ、その後、長年にわたりご尽力されました。
遠藤博之先生のさらなるご活躍とご健勝をお祈り申し上げます。

第42回日本骨代謝学会学術集会・2024年度JBMM論文賞を受賞して(佐藤千晶)

2024年6月29日~7月2日,沖縄県那覇市の那覇文化芸術劇場なはーとで,東京大学大学院医学系研究科 病因・病理学専攻免疫学講座教授の高柳 広会長のもと,第42回日本骨代謝学会学術集会が開催されました.

秋田大学からは宮腰教授のランチョンセミナーをはじめとして,A-bone先生方から大学院2年目の森下先生まで早くも演題を発表されており,改めて秋田大学A-bone groupの勢いを感じる学会でした.

今回の学会中に私の学位論文である「Teriparatide and aerobic exercise improve bone, skeletal muscle, and fat parameters in ovariectomized and tail-suspended rats」が2024年度のJBMM論文賞をいただくことができました.この賞は,過去二年間の間にJBMMに掲載された論文の中で最も引用数が多い論文にいただける大変名誉な賞で,身に余る光栄を感じております.

加齢による筋骨格系変化として,近年骨粗鬆症と筋量が減少するサルコペニアが合併した“Osteosarcopenia”が問題となっています.今回はラットに対して卵巣切除を行い骨粗鬆症とし,尾部懸垂を行うことで非荷重肢となるサルコペニアを再現したOsteosarcopenia動物モデルにテリパラチドと運動療法を併用することで骨密度,骨強度,骨構造の改善だけではなく,体脂肪率,骨髄内脂肪に対しても改善が得られることを報告させていただきました. このような賞をいただくことができたのは,宮腰尚久教授,粕川雄司准教授をはじめとする多くの先生方,研究室スタッフ先生方のご指導のおかげであり,この場をお借りして深謝いたします.これを励みに今後も臨床と研究に取り組んでいきたいと思います.

第44回日本骨形態計測学会若手研究者賞受賞(富永健太)

2024年6月21日〜23日、福島県福島市コラッセふくしまで、福島県立医科大学 腎臓高血圧内科学講座、先端地域生活習慣病治療学講座 主任教授/運動器骨代謝学講座 教授・風間順一郎会長、福島県立医科大学 整形外科学講座 主任教授 松本嘉寛副会長、当講座教授の宮腰尚久副会長のもと、第44回日本骨形態計測学会が開催されました。

秋田大学からは全国最多7演題の発表があり、会長の風間教授からどの演題もとても素晴らしい発表だったとお褒めの言葉をいただきました。秋田大学の骨代謝研究の優れた実力を全国にアピールする大きな機会になったのではないかと思います。

今回私は学位論文のテーマである「アデニン誘発型慢性腎臓病(CKD)モデルラットにおける脛骨近位骨切り部の骨癒合の検討」という演題で発表し、幸運にも若手研究者賞をいただくことができました。これまでに当教室では粕川雄司准教授(ゴールドリボン賞)、野坂光司准教授(学会賞、ゴールドリボン賞、若手研究者賞)、藤井昌先生、赤川学先生、湯浅悠介先生が受賞されている賞とのことで身に余る光栄です。

CKDは続発性骨粗鬆症を引き起こし骨強度の低下や、骨折リスクの上昇をきたすことは明らかになっておりますが、骨癒合について検討したものはありませんでした。当教室でこれまでに多くの先生方が行っているラットの脛骨近位骨切りをCKDモデルラットに行い、骨切り後早期で骨癒合が遷延することが明らかとなりました。このような賞をいただくことができたのは宮腰尚久教授、粕川雄司准教授をはじめとする多くの先生方、研究室スタッフの御指導のおかげであると感じております。この場をお借りして深謝いたします。

今回は副賞として福島の郷土玩具である「赤べこ」をいただきました。

400年程前、会津地方に大地震が起こり、会津柳津円蔵寺虚空蔵堂が倒壊しました。その後、険しい崖の上に再建されることになり、木材運搬に使役された牛が険しい道のりのため数多く倒れましたが、最後まで働き通した牛が赤い色をしていたという言い伝えにあやかり、「忍耐強く壮健であれ」という願いを込めて張り子の赤ベコが作られるようになったとのことです。

大学院での実験・研究は時に忍耐強さを求められます。またこのような賞をいただけるように今後も赤べこに込められた不屈の精神で精進してまいります。引き続き御指導御鞭撻を何卒よろしくお願い申し上げます。

東北整形災害外科学会Travelling fellowship選出のご報告(原田俊太郎)


宮腰尚久教授、ならびに坂本仁先生をはじめとした秋田県立医療療育センターの先生
方にご指導頂き、東北整形災害外科学会誌に投稿した論文「独歩獲得に向けた脳性麻
痺児における段階的手術の経験」が評価され、この度、東北整形災害外科学会の
Travelling Fellowとして海外学会に参加させていただける貴重な機会を頂きました。今
回、このような非常に貴重な機会を頂くことができたのも、宮腰教授をはじめとして
秋田大学整形外科の先生方のご指導があったからこそと思います。今後ともご指導ご
鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

令和5年度整佑会総会・第19回整佑会特別講演会/秋田大学整形外科忘年会(森下耀/中西真奈美)

2023年12月9日、令和5年度整佑会総会、第19回整佑会特別講演会、秋田大学整形外科大忘年会が行われました。忘年会は2019年以来4年ぶりの開催となりました。ご多忙の中、ご出席いただいた方々に感謝申し上げます。

整佑会総会では、秋田厚生医療センターの原田俊太郎先生、雄勝中央病院の村田昇平先生が整佑会奨励賞を受賞され、受賞記念講演をしていただきました。
その後、整佑会特別講演会が開催されました。まず、秋田大学の白幡毅士先生より、「手外科と外傷整形外科の二刀流」と題してご講演いただきました。手外科と重度外傷についての実際をお話していただきました。手術はもちろんですが、リハビリにも情熱を注がれており、若手への教育にも精力的で、胸が熱くなる発表でした。次に秋田県立医療療育センター三澤晶子先生から「女性整形外科医としての歩み〜小児・側弯症診療までの道のり」と題してご講演いただきました。先生の今までの歴史と秋田県における側弯症治療・取り組みの変遷をご教授していただきました。第一線で働く女性整形外科お話もいただき、秋田大学では女性整形外科医が増えてきていますので、大変参考になりました。

最後に、秋田大学整形外科大忘年会が行われました。関連病院院長先生や多数のご来賓の先生方のご出席を賜り、リハビリスタッフや病棟看護師も多くご出席いただきました。はじめに宮腰尚久教授、1病棟8階内山文子師長からご挨拶をいただきました。整佑会長の渡部英敏先生の乾杯の音頭で忘年会が開宴しました。今年は医局活性化大賞、スポーツ大賞、文化藝術大賞の表彰がありました。医局活性化大賞は中通総合病院、大曲厚生医療センター、市立横手病院が受賞されました。スポーツ大賞はボディビルの浅香康人先生、文化藝術大賞は書道の齊藤英知先生が受賞されました。おめでとうございます。部活動の活動報告動画や浅香先生のボディビルパフォーマンス、ビンゴ大会などがあり、盛大な忘年会となりました。最後には本郷道生教授の乾杯で中締めをし、忘年会の幕を閉じました。今年も100名を超える多くの先生方にご出席、ご協力いただき、4年ぶりの忘年会を無事開催することができました。改めて、幹事一同心より感謝申し上げます。

来年もよりよい一年となるよう邁進してまいりますので、引き続きご指導の程よろしくお願いいたします。