研究会レポート」カテゴリーアーカイブ

第39回 東日本手外科研究会 (湯浅悠介)

2025年2月22日、第39回東日本手外科研究会が札幌で開催されました。本研究会の会長は、日頃からご指導いただいております札幌医大の射場浩介先生ということもあり、多くのAHGメンバーが参加しました。

千馬誠悦先生は特別企画「手から見た他分野の疾患」の座長をされ、白幡毅士先生は「長期間見過ごされた外傷性母指CM関節不安定症の1例」、佐藤貴洋先生は「橈骨遠位端骨折の発生に関する因子の検討」、小滝優平先生は「外傷手術後の母指IP関節伸展拘縮に対する創外固定器による関節授動術の有用性」、湯浅悠介は「橈骨遠位端骨折Fernandez分類Type 4に対して肘頭骨軟骨移植を行った1例」というタイトルで発表を行いました。

また、ランチョンセミナーでは宮腰尚久教授が座長をされ、帝京大学ちば総合医療センターの井上大輔教授が「日常診療に潜む低ホスファターゼ症~手外科の先生に知って頂きたい希少疾患~」というタイトルでご講演をしていただきました。低ホスファターゼ症は易骨折性であり、普段骨折を診療している整形外科医が、その違和感に気付き、ALPを測定することの必要性、重要性を学びました。

冬の北海道での開催でしたが、無事に飛行機も飛び、本研究会テーマ「次の一手 新しい知見を求めて」の通り、多くの新しい知識を勉強することができました。今後も積極的な学会参加はもちろん、学会発表も行い、そして様々な先生方とディスカッションすることで、医師として、手外科医として成長していきたいと思います。

第32回秋田県スポーツ医学研究会(富永健太)

2025年2月15日に第32回秋田県スポーツ医学研究会がWeb開催されました。

まずシンポジウム1として木村竜太先生より「肢体不自由者のスポーツ―登山編―」をご講演いただきました。

木村先生が取り組んでいる肢体不自由者のサポート活動をご紹介いただき、その多様性にとても驚かされました。ご講演の中で山岳ナースが秋田県内に1人だけというお話がありましたがパラスポーツ医も県内に5人だけでありメディカル面でのサポート体制は今後まだまだ伸びしろがある分野だと感じました。自分も現在パラスポーツ医講習を受講中であり今後何かお手伝いができればと思います。

シンポジウム2は筆者の研究内容を紹介させていただきました。今後論文化し、さらに研究として発展させていければと思います。

特別講演Ⅰとして東京慈恵会医科大学葛飾医療センター整形外科 教授 窪田誠先生に「足のスポーツ障害・外傷―Windlass Mechanismと足部の諸問題を中心に」というテーマでご講演いただきました。

足部疾患はなかなかマニアックな部分も多く難しい部分がありますがとてもわかりやすくご講演いただき知識を整理することができました。

なかでも強剛母趾やフライバーグ病と内側縦アーチの関連はこれまで意識したことがなかった部分であり今後目が離せない研究分野だと感じました。

特別講演Ⅱとして秋田大学大学院医学系研究科医学専攻 病態制御医学系 精神科学講座 教授 三島和夫先生に「運動、アスリート、そして睡眠の深い関係」というテーマでご講演いただきました。

アスリートにとって重要な“睡眠”について様々なトピックを交えてご紹介いただきましたが、怪我との関連やムズムズ脚症候群、女性アスリート特有の問題などどれもとても興味深い内容でした。特にNBA選手を対象とした研究で夜間にSNS投稿をすると翌日のパフォーマンスが低下するというものはアスリートに睡眠の大切さを伝えるのにとてもよいものだと感じました。

整形外科医だけではなく内科の先生方もご参加いただけるこの会はとても貴重な交流の機会だと思います。

今後さらに発展させていけるように自分も尽力できればと思います。 共催いただいた秋田県医師会・久光製薬株式会社様、ご後援いただいた秋田県スポーツ協会の皆様にもこの場を借りて深謝いたします。

第46回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会(河原木剛)

2025年2月1日(土)、仙台で開催された 第46回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会 に参加してきました。

今年も東北各地の施設から、基礎研究から臨床に至るまで20を超える発表がありました。私自身は昨年に続き、今回が2回目の参加でした。昨年は初めての基礎研究会ということもあり、発表内容の理解に苦戦する場面が多かったのですが、今年はスムーズに内容を把握できるようになり、この1年での成長をひとり感じておりました。

また、今回は大学院での基礎研究の成果を発表する機会もいただきました。大変ありがたいことに、昨年に続き優秀演題賞を受賞することができました。日々ご指導いただいた教室の先生方には心から感謝申し上げます。

特別講演 では、東都春日部病院の田中伸哉先生より、「骨と副甲状腺ホルモンの生理的役割と骨折抑制」についてご講演いただきました。骨代謝や骨粗鬆症治療薬のメカニズムを非常に分かりやすく解説していただき、改めて病態を深く理解することの重要性を実感しました。これにより、どの症例にどの薬剤を選択すべきかをより明確に考えられるようになり、大変勉強になりました。

研究会の最後には、他施設の先生方との意見交換会がありました。昨年は初対面の先生が多く緊張してしまい、十分な交流ができませんでしたが、この1年間で基礎系の研究会や学会に積極的に参加した結果、多くの先生方に顔を覚えていただき、今年はより深い交流を持つことができました。

この4月からは大学を離れ、市中病院での勤務に戻りますが、大学院で培った知識や経験を生かし、臨床と研究の両面で引き続き頑張っていきたいと思います。

東北MIST研究会 開催報告(木村竜太)

この度、令和7年1月26日に仙台市で第18回東北MIST研究会を当番世話人として開催いたしました。

秋田から、奥山幸一郎先生、小林孝先生、佐々木寛先生、工藤大輔先生、尾野祐一先生、飯田純平先生、佐藤千晶先生、阿部和伸先生、井上純一先生、東海林諒先生、笠間史仁先生、岡本憲人先生、渡辺学先生、長岡佑樹先生、小紫友也先生、間杉健輔先生、橋本総先生、原田拓海先生にご参加いただき、会を盛り上げていただきました。

今回は前日に懇親会を、当日の朝に脊椎エコーのハンズオンを開催しました。

懇親会の様子

懇親会は予想を上回るご参加をいただき、会場の制限からお断りをさせていただく方が出てしまい大変申し訳ございませんでした。

ハンズオン

笠間先生にショートレクチャーを行なっていただき、ハンズオン講師として、尾野先生、阿部先生、東海林先生、笠間先生、岡本先生にそれぞれのブースで指導を行っていただきました。

研修医の先生からベテランの先生まで多くの先生に参加いただき、興味の高さを実感しました。

懇親会、ハンズオンともに満足度が高かったというご感想をいただけ、併催してよかったと思っております。

研究会は56名にご参加いただき、盛会に終えることができました。

一般演題は10演題をご発表いただき、Best Presentation Awardは、日本海総合病院の片山れな先生「椎間板性腰痛に対する内視鏡治療」が受賞されました。多くの質問で会を盛り上げていただいたBest Discusser Awardは、弘前大学の小山一茂先生が受賞されました。 

誠におめでとうございます。

特別講演は北須磨病院の土方保和先生に「徹底解説!AIを活用した令和の論文の書き方-骨粗鬆症治療とMISTをテーマに-」と題してご講演いただきました。臨床疫学の考え方をわかりやすく教えていただきながら、AIを活用することで臨床医でもできる効率的な研究方法を学ぶことができました。この経験をもとにぜひ東北MISTとしての研究を発信していきたいと思います。

今回からメインスポンサーがいないこともあり、手探りで準備をはじめた会でしたが、皆様のご協力のおかげでとても有意義な研究会にすることができました。改めまして御礼申し上げます。

この東北MIST研究会は、秋田は故石河紀之先生が基礎を築いてこられました。私も10年前に石河先生に東北MIST研究会に連れてきていただいたことが、脊椎外科医としてのスタートでした。

その時発表した頚椎神経根ブロックの演題をこのようにハンズオンとして東北に広げられたこと、MISTのつながりを秋田の若手に繋げられたこと、1つ石河先生に感謝を伝えられたのかなと思っております。本当にありがとうございました。

今後もMISTはじめ、秋田の脊椎外科の発展に向けて精進してまいります。

第17回秋田県手外科研究会(小滝優平)

2024年6月1日㈯、秋田温泉さとみで第17回秋田県手外科研究会が執り行われました。

千馬誠悦先生が今年度で秋田県手外科研究会の会長を御勇退されますので、千馬先生が会長の下では最後の秋田県手外科研究会となりました。この場をお借りして長年秋田県の手外科の発展にご尽力いただいた千馬先生に深謝いたします。今後ともご指導何卒よろしくお願い申し上げます。

一般演題として5演題発表され、各発表の質疑応答では多数質問が上がり非常に活発な討論がなされました。

ミニレクチャーとして中通総合病院の斉藤光先生より「ばね指の保存治療と手術治療について」とう題目でご講演頂きました。日常診療で多く見られるばね指のケナコルト注射の適応や実際の手術の方法、稀に合併するPIP関節屈曲拘縮の対応など日々の診療にすぐ活用できる情報をレクチャー頂きました。

特別講演では国立病院機構 仙台医療センター形成外科手外科 東北ハンドサージャリーセンター代表 東北大学大学院医学系研究科形成外科学 臨床教授 鳥谷部荘八先生より『60分で「体験する」切断指接着の全て~基本から応用、発展、そして野望に至るまで~』をお話していただきました。

秋田大学を卒業した鳥谷部先生が日本屈指の手外科医になられた経歴と、大変素晴らしい症例の数々をご教授いただきました。文字通り体験したような感覚になるほど、刺激的で心に火が付くようなご講演でした。今後とも秋田県の手外科へのご指導を賜れますと幸甚に存じます。

来年度からは白幡毅士先生新会長の下、我々若手も秋田県手外科研究会の発展のために邁進していく所存です。今後とも皆様のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

第9回秋田・関西医大合同カンファランス(岡本憲人)

第9回秋田・関西医大合同カンファランスが開催されました。

本会は阿部栄二先生と関西医大の齋藤貴徳教授の発案で始まった会とのことであり、秋田大学にとっては関西医大の脊椎手術手技を学ぶ非常に貴重な機会となっています。

初日は症例検討会が行われ、秋田からは木村竜太先生、東海林諒先生、小林孝先生がそれぞれ症例提示を行い、関西医大からは非常に貴重な症例や脊椎手術支援ロボットの使用経験を報告して頂きました。学会や研究会とは異なり、かなりフランクかつディープな質疑応答が行われ、とても勉強になりました。その後宮腰教授、齋藤教授からそれぞれレクチャーを頂きました。

2日目には実際に関西医大の手術を見学させて頂きました。洗練された手術手技の数々で、術中にも気をつけているポイントなどを解説していただきました。中でも手術時間の短さには非常に驚きました。手術時間短縮も低侵襲という点で重要だと改めて考えさせられました。

夜には懇親会も開催して頂き、若手の先生方と話す機会も得られ非常に有意義でした。

快く歓迎して頂いた関西医大の先生方には心より御礼申し上げます。是非また勉強させて頂きたいです。

MIST学会、入会しようと思います!

第31回秋田県スポーツ医学研究会がWEB開催されました(野坂光司)

2月17日 第 31 回秋田県スポーツ医学研究会がWEB開催されました.

シンポジウムは3つの演題をご講演いただきました.「秋田県中学生強化指定選手のメディカルチェック」 を当講座の木島泰明先生 から,「秋田県女性アスリートへのアンケート調査」 を秋田大学産婦人科 小野寺洋平先生 から,「障がい者スポーツを含む市民スポーツを支えるスポーツドクターとしての社会実験」を当講座の 木村竜太先生から報告してもらいました.どの活動も現場に飛び込んで得られた内容で,非常に素晴らしい内容でした.

特別講演1は,広島大学大学院医学科学研究科 人工関節・生体材料学講座 准教授 中佐智幸先生から「足関節のスポーツ障害 ~距骨骨軟骨損傷・慢性足関節不安定症を中心に~」をご講演いただきました.足関節はスポーツ障害を多く認め,特に足関節捻挫の発生率は高く,そのうち20-40%は慢性足関節不安定症になるといわれていること,慢性足関節不安定症では,痛み・不安定性のためスポーツ活動の継続が困難になることもあること,また軟骨・骨軟骨損傷も合併することも多いこと,スポーツ活動の継続あるいは変形性足関節症への進行を防ぐため,これらの疾患を適切に治療することが重要であることをわかりやすく講演いただきました.

特別講演2は, 秋田大学大学院医学系研究科代謝・内分泌内科学講座 教授 脇裕典先生から「肥満症診療の動向と最新の治療戦略」をご講演いただきました.肥満は様々な健康障害の上流に位置しており,肥満と肥満に関連ないし起因する健康障害を合併する場合に肥満症と言い,医学的に減量が勧められること,肥満は,遺伝的要因,環境要因,社会的要因などが合わさって生じること,最近,秋田県内で減量・代謝改善手術が可能になったほか,約30年ぶりの肥満症を適応症とする新たな薬物療法の登場など,治療の選択肢が拡がっていること,また、全身の糖・脂質・エネルギー代謝に重要な役割を果たす脂肪細胞のエピゲノム解析で見出した肥満を制御する転写因子NFIAに関する知見や,運動療法支援のアプリ開発などの試みなどをご講演いただきました.

全国から多くの視聴者に参加していただき,非常に活発な議論が繰り広げられました.ご講演いただきました先生方,関係各位には心より御礼申し上げます.

第44回秋田県リハビリテーション研究会(佐藤光)

第44回秋田県リハビリテーション研究会が秋田大学医学部付属病院で10月21日に開催されました。コロナ規制の緩和により対面での研究会の開催が可能となり、多くの先生方やコメディカルの皆様の参加があり、盛り上がりを見せました。

一般演題は医師や理学療法士・作業療法士など様々な職種から9つの演題がありました.対面の利を活かした活発な討議も行われ、非常に充実した研究会であったと思います。

特別講演は2023年4月に秋田大学大学院理学療法学講座の教授に就任された本郷道生先生から「脊柱変形のリハビリテーション-小児から高齢者まで-」という題でご講演いただきました。小児の特発性側弯症から高齢者のいわゆる腰曲がりまで、保存療法・運動療法・手術等わかりやすく、また自験例と多くのエビデンスを踏まえてお話いただきました。明日からの診療にすぐに使えることも多々あり、非常に勉強になるご講演でした。

最後に、運営・開催に携わった先生方の皆様に深く感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

第12回秋田県股関節研究会(阿部寛道)

2023年10月14日(土)、第12回秋田県股関節研究会が秋田温泉さとみで開催されました。近年はオンラインのみでの開催となっておりましたが、久しぶりの現地(+zoomのハイブリッド)開催となりました。

秋田県股関節研究会会長 木島泰明先生よりご挨拶

まずミニレクチャーとして、市立秋田総合病院の藤井昌先生より「謎の股関節痛に潜む関節外病変の影 -あなたが選ぶシン・おはよう股関節!アンコール:グランプリ作品」と題してご講演いただきました。変形がなくても股関節の痛みを訴える患者さんの場合、何を考える必要があるか、理学所見、画像所見、超音波ガイド下ブロックの効果など効果を総合的に判断することが重要であることがよくわかり、日頃の診療で使える知識を得ることができました。

藤井昌先生

特別講演Iでは「股関節研究会でしか聞けない股関節の診方の話」というテーマのもと、前半は秋田労災病院 三浦隆徳先生より、「“大腿神経ブロック”だけではないブロック注射と効果の比較」と題してご講演いただきました。股関節手術の際の神経ブロックは、大腿神経ブロックだけではなく、最近ではPENGブロックという方法が用いられており、三浦先生が共著者として参加した、「ネットワークメタアナリシス」という手法で用いたPENGブロックの有用性の関する研究を紹介いただき、他のブロックと比べ鎮痛効果や患者満足度の優位性を示すことを提示いただきました。
後半は秋田県立医療療育センター 河野哲也先生より、「こどもの股関節疾患の診方 -他科の先生や保護者の皆様へ上手にお伝えするために-」と題してご講演いただきました。4月から療育センターに赴任された河野先生より、開排制限や歩容異常など、小児の患者さんの鑑別、診察方法を大変わかりやすく教えていただき、非常に勉強になりました。特にご家族への説明の仕方については、日常診療ですぐに実践できる、とても参考になる内容でした。

特別講演Ⅱでは静岡赤十字病院四肢関節再建センター センター長 西脇 徹先生をお招きし、「骨盤骨切り術 -股関節外科医の英知の結晶/股関節の疼痛」と題して大変貴重なご講演を賜りました。疼痛については、報酬系の効果や侵害受容刺激のメカニズムなど、アニメーションを用いながらわかりやすくご教示いただきました。また、骨盤骨切り術という大変難しい分野の海外・日本における手術方法の歴史の変遷や、実際に西脇先生がSPOを行った症例の中で、数ヶ月のうちに競技復帰している例についても提示いただき、大変感銘を受けました。“より低侵襲に、より安全に”という目的で、数十年の間に手術方法が改良されていった歴史を考えると、今後もますます発展していく分野なのだろうと思いました。

今年の秋田県股関節研究会も大変勉強になる素晴らしい会でした。
本研究会会長である木島泰明先生の開会の挨拶内で、森下耀先生、久田朱里先生、私がAkita Hip Research Groupへ加入したことについて紹介いただきました。今後、秋田県の股関節分野の発展に少しでも力になれればと思います。今後ともご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。

第78回秋田県整形外科医会(河原木 剛)

令和5年10月7日(土)、第78回秋田県整形外科医会が秋田県総合保健センターで開催されました。今回も現地とウェブのハイブリッド開催で、専門医取得前の医師によるResident Award Sessionと、専門医取得後の若手医師によるYoung Specialist Award Sessionで多くの演題発表がありました。最優秀演題賞は、それぞれ中通総合病院の岩渕圭一郎先生、秋田厚生医療センターの原田俊太郎先生が受賞されました。大変おめでとうございます。岩渕先生からは、手の舟状骨骨折は、骨折型に応じて適切な手術アプローチを選択することで、とても良好な治療成績が得られることを報告していただきました。大変素晴らしい術後成績で感銘を受けました。原田先生からは、従来であれば切断されていた足部の重度骨軟部感染に対し、デブリードマンとCLAPを併用することで下肢を温存できた症例について発表していただきました。CLAPの有用性のほか、CLAP使用における留意点や、デブリードマンの重要性についても改めてお話いただきました。また、他の演題も大変勉強になるものばかりでした。

特別講演1は、昭和大学横浜市北部病院 副院長/整形外科教授の川崎恵吉先生より、高齢者に多い上肢骨折の治療戦略や手術治療のピットフォールを、骨粗鬆症治療に絡めて教えていただきました。自分自身今まで触れる機会がなかった人工肘関節についてもご講演いただき、超高齢の骨接合が困難な上腕骨通顆骨折に対しては、人工肘関節置換術が有用な治療選択肢となりうることを教えていただきました。

特別講演2では、東京医科歯科大学 運動器外科学教授の古賀英之先生より、半月板損傷の外科的治療の発展についてご講演いただきました。半月板損傷の基本的な事項から、治療の変遷、最新の治療戦略について、理論を交えながら詳細に教えていただきました。まるで教科書のような、あるいはそれ以上にまとまったプレゼンテーションで、手術動画も大変分かりやすく、目から鱗が落ちるような講演でした。

総じて、今回もとても勉強になる会でした。準備、企画、運営をしていただいた木島泰明先生をはじめ、会の運営に携わっていただいたスタッフの皆様、ありがとうございました。