研究会レポート」カテゴリーアーカイブ

第26回OBMMG(中西真奈美)

2026年1月10日に、新宿パークタワーにて第26回OBMMG(Orthopaedics Bone and Mineral Metabolism Group)が行われました。今年のOBMMGは当学の宮腰教授が会長を務められ、骨代謝班の大学院生も多く参加しました。

一般演題は5題で、当学からは自分が基礎研究の発表をさせて頂きました。先行研究である笠間史仁先生の研究内容も併せて発表させて頂き、持ち時間20分は今までのどの学会よりも長く大変緊張しました。フロアの錚々たる先生方から厳しい質問が来るのではとヒヤヒヤしましたが、理路整然としたアドバイスやご指摘を頂き、自分自身大変勉強になりました。来月秋田にご講演に来て頂く防衛医大の堀内先生からは癌ロコモのタイプに絡めてモデルマウスの設定に関してご指摘を頂き、まさしくその通りだと感じました。今後の後輩たちの研究においても、モデルからしっかり考えなくてはならないと思いました。

ほかの一般演題は北里大、慈恵医大、産業医大、順天堂大からでしたが、どれもレベルが高く圧倒されました。順天堂大の山村先生がご発表されていたSIFKとOAの比較研究では、軟骨下骨やBML病変部位の微細構造から組織学的所見に至るまで詳細に評価されており、清書ではあまり見ることがない内容でしたので、大変勉強になりました。

特別講演では、「整形外科における次世代バイオマテリアルの展開:TiNbSn合金とOCP人工骨の研究と臨床応用」という題で東北大学の森優先生にご講演頂きました。従来のチタン合金の課題を見出し、高強度かつ低いヤング率(ただし熱で変化させることが出来る)を持つ金属として新たに開発し、ステムなどに応用されるとのお話でした。また、OCP人工骨に関してはゼラチンを用いることで扱いやすくなり、複雑な形状の骨欠損部でも隙間が埋まりやすくなるとのことで、とても良い材料と感じました。また、将来的には抗菌薬含有のスペーサーなどにも応用を考えており、化膿性脊椎炎や骨髄炎の治療もできればと仰っており、素晴らしい研究であると感じました。

情報交換会では、東都春日部病院の田中伸哉先生や長崎大の千葉恒先生をはじめレジェンドの先生方とお話をさせて頂き、たくさん刺激をもらいました。また機会があれば、今後もこの会に参加したいと感じました。

今後もリサーチマインドを忘れずに精進していきたいと思います。

第12回柔道医科学研究会(浅香康人)

秋大整形の筋肉代表、浅香です。 第12回柔道医科学研究会および第2回柔道救護担当者講習会が宮城県で開催され、当講座からは柔道部OBの私と木村先生が参加いたしました。

研究会ではシンポジウム「地方での柔道大会運営の現状」において、私から秋田県における柔道競技に対する救護活動の現状について発表をさせていただき、各県の取り組みや今後の課題などを共有する貴重な機会となりました。 全体を通して、柔道に関する様々な問題点や疑問点をテーマにしたユニークな演題が多くあり、大変勉強になりました。

救護講習会では、実際の試合において外傷等が発生した場合の対応について詳細に講義をしていただき、止血等の基本的な処置から脳震盪や頸椎損傷に対する適切な固定・搬送方法まで幅広く知識を深めることができました。

コンタクトスポーツである柔道にはどうしても外傷のリスクがつきものですが、適切な予防策を講じ、また外傷発生時の対応を明確にして入念な準備をしておくことで、選手の皆様が安心して競技に集中できる環境を作ることができるのではないかと改めて感じました。

引き続き我々秋田大学整形外科は県内スポーツに対する様々なサポート活動を行ってまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

第32回東北骨軟部腫瘍研究会(村田昇平)

12月6日、秋田大学整形外科が主幹となって開催された第32回東北骨軟部腫瘍研究会に参加させていただきました。本研究会は、希少がんである肉腫の診療について、東北・新潟・関東圏の先生方が一堂に会して議論する大変貴重な場です。今年も秋田大学をはじめ、岩手医科大学、弘前大学、山形大学、東北大学、福島県立医科大学、新潟大学、東京歯科大学など、多くの施設からご参加をいただきました。

本会の大きな特徴は、整形外科医、放射線科医、病理医が集まり、三領域の視点から同一症例について多角的に議論できる点にあります。今年も提示された症例はいずれも診断や治療方針に難渋する興味深いものばかりで、整形外科医が提示する臨床経過や切除縁、再建法に対し、放射線科医の先生が画像所見を詳細に読み解き、さらに病理医の先生が腫瘍の本質を踏まえた診断を示されることで、診断から治療へ至る過程が深く議論されました。

私は昨年に続き2回目の参加となりましたが、日常診療で整形外科医が判断に迷う点について、放射線科、病理の先生方から明解なコメントをいただける点は、今年も大変勉強になりました。

後半では宮腰教授の座長のもと、秋田大学臨床腫瘍学講座の柴田浩行教授より「骨転移診療を含む進行がん患者に対する薬物療法と支持療法」と題したご講演を賜りました。肉腫に対する化学療法のお話に加え、柴田教授がガイドライン作成ワーキンググループ長として携わられた骨転移診療に関するご解説もあり、非常に示唆に富む内容でした。

夜の懇親会では、各施設の先生方と肉腫診療についてさらに深い意見交換ができ、大変有意義な時間となりました。

研究会の開催・運営にご尽力いただいた土江先生、永澤先生、準備から片付けまで支えてくださった大学院生の先生方、医局の皆さまに心より御礼申し上げます。今回得られた学びを日々の診療へ活かし、明日からの臨床にも全力で取り組んでいきたいと思います。

第16回秋田県足の外科・創外固定研究会(富永健太)

2025年12月6日、秋田県総合保健センターで第16回秋田県足の外科・創外固定研究会が開催されました。

ミニレクチャーでは、市立横手病院の大屋敬太先生より「関節リウマチを伴う変形性足関節症の治療」についてご講演いただきました。RAを背景とした変形性足関節症に対する手術についてイリザロフを併用した軟部組織に愛護的な治療と感染対策についてわかりやすく解説していただきました。続いて、秋田大学医学部整形外科学講座の原田俊太郎先生より「Posterior Pilon Fracture の病態と治療戦略 〜Approachの選択とFixationの要点〜」というテーマでご講演いただきました。骨折型の理解、Modified PMアプローチの有用性、実際の症例提示など明日からの診療に活かせる内容でした。

メーカーセッションでは、市立角館総合病院の青沼宏先生による「誰でも使えるイリザロフ 創外固定器」が行われ、イリザロフの基本構造、組み立て方など基礎から丁寧に解説していただきました。

特別講演では、神戸大学医学部整形外科 関節温存・再建外科部門 特命准教授の神崎至幸先生より「きちんとなおせてますか? 捻挫と変形性足関節症」と題して、足関節捻挫、慢性足関節不安定症、変形性足関節症の治療戦略についてご講演いただきました。スポーツ現場で頻度の高い足関節捻挫の病態から最新の治療法を簡潔に整理していただきました。また変形性足関節症に関しては、StageによってTAA、骨切り、足関節固定と様々な治療法があるなかで豊富なデータをもとに分かりやすく解説していただきました。なかでもTAAに関しては日本一といっても過言ではない神埼先生の手術成績に感銘を受けました。臨床へ応用できる内容が多く1時間があっという間に感じるご講演でした。

開催にあたりご尽力いただいた先生方、スミス・アンド・ネフューの皆様にこの場を借りて感謝申し上げます。

第35回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会(佐藤光)

第35回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会が福島県郡山で11月22日、23日の2日間で開催されました。北海道・東北地区から整形外科だけでなく、内科領域の先生方まで多くの方が参加され非常に盛況でした。今回小林志先生は座長を、当科からは5題の演題が採択されました。また、宮腰尚久教授が若手・医学生セッションの審査員を務められ、その若手・医学生セッションでは秋田大学第3内科の先生が最優秀賞を受賞し、大変すばらしい成績でした。

普段の診療では内科の先生方と交流する機会は少ないですが、今回の学会に参加し、リウマチ診療に対する考え方や治療方針など多くのことを学ぶことができました。また、整形外科のお話も多く、すぐに実践できる内容もあり、今後の診療に取り入れていきたいと思います。当科から参加された先生方にとっても非常に有意義な学会であったと思います。

数年後には秋田開催も控えているため、今後も精進して参ります!

第14回秋田県股関節研究会(阿部寛道)

2025年11月8日(土)、第14回秋田県股関節研究会がホテルメトロポリタン秋田で開催されました。

秋田県股関節研究会会長の木島泰明先生からの毎年恒例の開会挨拶、活動報告から始まり、特別講演1では「股関節研究会でしか聞けない”再手術”を防ぐ方法」と題して、森下耀先生、筆者(阿部寛道)から発表させていただきました。

私からは「ステム周囲骨折を防ぐには!?」というテーマでお話しさせていただきました。Akita Hip Research Groupの貴重なデータからセメントレスステムにおけるステム周囲骨密度変化についてステム機種ごとの違いの研究報告、そしてステム周囲骨折の頻度の解析を行い、術後早期ステム周囲骨折のリスクについての報告と最新の論文からより良いステム選択について紹介させていただきました。ステムデザインを考慮したステム選択をすること、最適な骨粗鬆症治療介入が重要と考えます。

森下先生からは「カットアウトを防ぐには!?」というテーマで、AHRG、そして札幌医大との多施設研究のビッグデータから、エリア分類Type1-2,1-2-3(-4)の大腿骨近位部骨折に対する治療として、髄内釘による固定だと良好な整復位を得られたとしてもカットアウト率が高く、人工物置換が望ましいことを示していただきました。また「カットスルー」の概念についてもお話いただき、非常に勉強になるご講演でした。

特別講演2では横浜市立大学整形外科准教授崔 賢民先生より「股関節感染性疾患の病態と治療~神経障害性疼痛治療も踏まえて~」と題してご講演を賜りました。 人工関節外科医にとって最も治療に苦慮する感染に対する治療について、最新の知見を踏まえながらご教示いただきました。人工関節における細菌感染の基礎的なお話からDAIRの適応、Repeat DAIRやDouble DAIRといった概念、MICではなくMBEC(最小バイオフィルム破壊濃度)がPJIにおいては重要であることなど、非常にたくさんの知識が詰まったご講演でした。今後の感染治療に役立ていければと思います。

会の終了後には、崔先生を囲み、焼肉・お酒を楽しみながら親睦を深めました。超スペシャルゲストの小西薫子先生にも参加いただき大変盛り上がりました。崔先生にはぜひまた秋田へお越しいただければと思います。

研究会に先立ち行われた秋田県股関節研究会幹事会にて、藤井昌先生の副会長ご就任、久田朱里先生の幹事ご就任が決定いたしました。お二人の今後の益々の活躍を願っております。

第82回秋田県整形外科医会

2025年10月18日、ANAクラウンプラザホテルにて第82回秋田県整形外科医会が開催されました。

今回の県医会は教育研修講演のみという試みで、一般演題やシンポジウム等はありませんでした。しかし、いずれの教育研修講演も1時間があっという間に感じるほど充実した内容であり、非常にたくさんのことを学べた会となりました。

教育研修講演(1)は、秋田大学理学療法学講座の本郷道生教授の座長のもと、国際医療福祉大学整形外科の八木満教授にご講演頂きました。「成人脊柱変形治療の現状と展望」ということで、八木教授が手術されてきた患者さんの満足度や日本人特有の生活への影響、そしてAIなどの先進技術がどのように整形外科分野に関わってくるのかなど、非常に多彩な分野にわたりご講演頂きました。リアルハプティクスの技術を用いたドリルの開発なども非常に興味深いものでした。

教育研修講演(2)は、秋田大学整形外科学講座の宮腰尚久教授の座長のもと、NTT東日本関東病院院長の大江隆史先生にご講演頂きました。「高年齢労働者のロコモ対策と骨粗鬆症」という題で、団塊ジュニア世代からシニア世代までにわたる労働災害と骨粗鬆症とのつながりについて熱くご講演頂きました。60歳以上の「高年齢労働者」に骨脆弱性やロコモを背景とした転倒が起こりやすく、労働災害として問題になっているとのことで、働いている=(イコール)活動量が多いから大丈夫、というわけではないのだと実感しました。その世代が健康に勤労を続けられるように、我々整形外科医もアプローチしていく必要があると感じました。

本会終了後に情報交換会も設けられ、普段はなかなかゆっくりと話すことのできない各病院の上級医の先生方とコミュニケーションをとることができ、若手整形外科医にとっても貴重な場であったと思います。

本会にご参加いただきました皆様、誠にありがとうございました。次回は半年後、一般演題やシンポジウムなど、どのような形式になるか楽しみです!

第2回北東北手外科研究会(中西真奈美)

2025年10月11日、秋田拠点センターALVEにて第2回北東北手外科研究会が行われました。岩手医大の佐藤光太朗先生に呼びかけて頂き昨年始まったこの北東北手外科研究会ですが、第1回は藤哲先生を特別講師に迎え、盛岡で行われました。今年は各県の先生方に秋田までお越しいただき、セラピストの方々にもご参加頂いて、盛況の中第2回を行うことができました。千葉から伊藤博紀先生にも御参加いただきました、伊藤先生ありがとうございます!

一般演題は6題、秋田からは小滝優平先生と齋藤光先生にご発表頂きました。それぞれ母指IP関節拘縮に対する創外固定器による授動術、橈骨遠位端骨折に伴う軟部組織腫脹に対する治打撲一方の効果、という内容でしたが、いずれも一般臨床に活きるお話でした。青森、岩手の先生方からも様々な質問や御意見を頂き、とても活発な議論が行われました。そのほか青森、岩手の先生方からご発表頂いた一般演題も、どれも勉強になるお話ばかりでした。岩手医大の村上賢也先生による手根管開放後の母指対立運動機能評価のお話では、角速度センサーを用いることで、計測が検者間でややばらつきそうな母指橈側・掌側外転角度を他覚的に計測できる可能性があると知りました。また、八戸平和病院の鈴木雅博先生による橈骨遠位端骨折のピンニングを再検討したお話では、掌側プレート固定が一般的となっている今、粗鬆骨への対応や低侵襲性を必要とされる症例に、ピンニングの選択肢を改めて考えるべきだなと感じました。

特別講演は、当学の白幡毅士先生の座長のもと、岩手医大 特任准教授の佐藤光太朗先生に「日常使える手の外科診療ー難治性骨折治療含めてー」との題でご講演を頂きました。内視鏡的手根管開放術については、膝用の4mm鏡を使用し横手根靭帯の上の層にスコープを挿入する手法をお話頂きました。浮腫みや腫れのある神経のほうが術後に早く症状が取れやすいという結果が意外に感じました。また、TFCCに関するお話でもそうでしたが、ご講演を通して印象的だったのはキャダバーを用いた解剖研究を常に臨床に役立てておられるのだという点です。解剖学的視点・研究結果から、清書に示されるTFCC再建の骨孔の位置が本当に正しいのかという臨床的疑問を解決し、新たな骨孔作製法で手術をトライする、といった姿は、臨床医の目指すべき姿だと感じました。我々も見習わなければいけないと思いました。

研究会の後は、懇親会の場を設けさせていただき、若手からベテランの先生方までが集って、とても有意義な情報交換ができたのではないかと思います。青森、岩手の先生方、遠くから秋田にお越しいただき誠にありがとうございました!来年の青森での開催も、多くの先生方やセラピストの皆さんが集まれればと思います!

(全体写真を撮り忘れてしまいました!筆者の拙い自撮りで申し訳ありません…)

第14回 秋田・札幌整形外科合同セミナー(中西真奈美)

2025年9月6日(土)、ホテルメトロポリタン秋田にて第14回秋田札幌整形外科合同セミナーが開催されました。札幌医科大学では別セミナーと重なってしまったと伺いましたが、それでも多くの先生方に秋田まで足を運んでいただき、誠にありがとうございました。

一般演題Ⅰは秋田大学本郷道生教授を座長に、札幌医科大学の藤本秀太郎先生、杉憲助教にご発表頂きました。藤本先生は「骨脆弱性時代における脊椎治療の選択肢 -全内視鏡下脊椎手術の長所と今後の課題-」ということで、椎間孔狭窄・神経根症に対して積極的に行っている内視鏡治療に関して、素晴らしい成績と今後の展望をお話頂きました。杉先生からは、「札幌医大における肩関節鏡手術の30年〜創始から現在まで〜」ということで、国内の関節鏡、そして札幌医科大学の関節鏡の歴史と変遷を交えお話頂き、大変勉強になることばかりでした。

一般演題Ⅱは札幌医科大学の森田智慶先生を座長に、能代厚生医療センターの塚本泰朗先生と市立横手病院の大内賢太郎先生にご発表頂きました。塚本先生は「膝周囲骨切り術に関する慣性センサを用いた運動力学解析〜single level osteotomy vs double level osteotomy~」ということで、非常に専門性の高い内容でしたが、膝周囲骨切りにおいて大腿骨・脛骨の変形および骨切りレベルと、術後の歩行動作との関連性についてお話頂きました。大内先生はオンラインでのご参加でしたが、「鏡視下腱板修復術後疼痛に対する斜角筋間ブロックとデキサメタゾン静脈注射併用の効果」と題し肩関節手術で問題となる強い術後疼痛に対して、斜角筋間ブロックに併用する3.3㎎ステロイド静注が効果的であったとご発表頂きました。

教育研修講演Ⅰは、秋田大学の宮腰尚久教授の座長の元、札幌医科大学の小助川維摩講師にご講演頂きました。「当院での股関節疾患治療の歴史と変遷」という題で、前半はおもにTHAステムの変遷やARMD症例のお話、後半は寛骨臼および大腿骨の骨切りをメインにしたお話でした。札幌医大の症例数の多さや安定した成績はもちろんのこと、術中写真も豊富に盛り込まれ、若手医師にとっても大変勉強になるご講演でした。

教育研修講演Ⅱは、札幌医科大学の寺本篤史教授の座長の元、平鹿総合病院の千田秀一先生にご講演頂きました。「足部疾患の外科的治療戦略:骨粗鬆症症例に対する工夫」と題し、外反母趾手術およびエコーを用いたアキレス腱の経皮的縫合術をメインにお話頂き、後半はAITFL再建についてもお話頂きました。千田先生は札幌羊ヶ丘病院に研修に行かれ足の外科を学んだとのことで、特に外反母趾手術はその時に教えて頂いた手術法を現在も踏襲し、良好な成績を維持されているとのお話でした。

研究会の後は、情報交換会および懇親会の場が用意され、秋田大学と札幌医科大学間の交流がより深められたことと思います。札幌の先生方、ぜひまた秋田にいらしていただければ幸いです。

来年は9月末に札幌で、本会が開催される予定です。札幌医科大学の皆様、今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

宮腰尚久教授

藤本秀太郎先生(左)、杉憲助教(右)

塚本泰朗先生 (大内賢太郎先生はWebにて。)

小助川維摩講師(左)、千田秀一先生(右)

寺本篤史教授

第18回 秋田県手外科研究会(中西真奈美)

2025年5月31日(土)に第18回秋田県手外科研究会が開催されました。秋田さとみ温泉にて例年開かれていたこの会ですが、今年は秋田拠点センターALVEにて執り行われました。同門の先生方だけでなくハンドセラピストの方々にも多く足を運んでいただき、広い会場が埋まるほどの盛況でした。

会に先立ち行われた幹事会では、近年AHG/AFTTGとしての学会活動や論文執筆が増えてきていることが取り上げられ、若手の自分もその一員となるよう頑張らねばと感じました。

一般演題では白幡毅士会長の座長のもと、5演題の発表がありどれも活発な議論がなされました。齋藤先生の肘頭骨折TBWのバックアウトについての検討では、リングピンを使用すべきとの御意見も確かに道理にかなうものと存じますが、安価でどんな病院にも必ず置いてあるK-wireを使用し、いかなる手術法でどんな工夫をするとBack outを防ぐことに繋がるのかという検討内容も非常に興味深いと自身は感じました。加賀先生の陳旧性スワンネック指のお話では、普段外来でよく見る掌側板損傷の成れの果てにこのような病態に発展する場合もあるのだと実感しました。

ミニレクチャーでは、秋田赤十字病院の湯本聡先生より「四肢主要血管損傷の治療経験」として、現在までに経験してこられた四肢重度外傷の症例の数々や初期治療医にどういったことが求められるかについて熱くご講演頂きました。本会の幹事会では湯本先生より退会の御挨拶がございましたが、湯本先生は本当に長い間ずっと秋田県の重症外傷治療を支えてこられ、今現在もなお第一線で御活躍されております。湯本先生と一緒に勤務し外傷治療を学んできた若手整形外科医は多いですし、これからも我々に引き続き御指導を頂きたいと強く思っております。

特別講演では、四谷メディカルキューブ 手の外科・マイクロサージャリーセンター長 平瀬雄一先生に「Orthoplastic hand surgeryのすすめ」と題してご講演いただきました。Orthoplasticとは、おもに(重度)四肢外傷に対して、皮膚軟部組織再建と骨折治療・骨関節再建の両方を行う外科分野のことを指します。平瀬先生はそこへ到達する道を登山に例えられ、Orthoplastic山に登るにはOrthopedic山からもPlastic山からも登れるが、お互いの分野をよく理解することが大事だと仰いました。 ご存じの方も多いと思いますが、平瀬先生はかの有名な著書「やさしい皮弁」「やさしいマイクロサージャリー」の著者であります。やさしい皮弁の最初のページには、聞くだけでなく、見て行動してはじめて理解ができるのだという意の孔子の言葉が書かれています。その言葉の通り、講演のスライドには実際の症例写真や手術動画が非常に多く盛り込まれており、神業の数々にただただ圧倒されました。個人的には、wrap-around flapの手技で1趾だけでなく2趾からも連続したflapをあげ1本の指を再建する手技や、爪床移植により爪の一つまでこだわって再建するところに、flap surgeonならびにOrthoplastic surgeonとしての流儀や、患者様への思いを感じました。

講師を囲む会では、秋田の日本酒を飲みながら、AHGの先生方が皆こぞって平瀬先生に質問をし、本会では聞ききれなかったことを余すことなく教えて頂きました。平瀬先生本当にありがとうございました。

今回の研究会で学んだPlastic surgeryの考え方、tipsを活かして、AHG/AFTTGの一員としてこれからも頑張っていきたいと思います。本会がご参加いただいた先生方の日常診療の一助となりましたら幸いです。