月別アーカイブ: 2025年3月

タイからのSpine Fellow Program 修了(尾野祐一)

2025年3月、定期的に交流を行っているタイ、バンコクにあるRamathibodi Hospital, Mahidol UniversityからPheeraphon Yiamphiphatthana(ニックネームはPhee)が約1か月間、脊椎手術見学に来ました。

秋田大学医学部附属病院、秋田厚生医療センター、市立横手病院、北秋田市民病院に行き、秋田のさまざまな脊椎手術を体験してもらい、Dr.Pheeも非常に満足していました。

研修修了日には宮腰教授から修了証と記念ネクタイの贈呈がありました。代わりにDr.Pheeからは金色の像のぬいぐるみをいただきました。

国際交流として英会話の練習にもなり、我々としても非常に有意義な交流となっています。

引き続きタイとの交流を続けていきタイです!

留学だより3(赤川学)

気づけばボルドーでの留学生活も早くも折り返し地点に差し掛かりました。こちらでは暖かい日が続いていて、街のあちこちで桜の花がきれいに咲いています。

フランスで手術を学んでいて驚いたことのひとつは、日帰り手術がとても多いことです。フランスに限らず欧米では day surgery が当たり前のようで、THAやTKAもほとんどが日帰りで行われているそうです。再置換術の患者さんでも1~2泊で退院することが多いと聞きました。さすがに手術当日は車いすで帰るのかと思っていましたが、実際にはほとんどの患者さんが自分の足で歩いて退院していくのを見て本当に驚きました。日本ではTKAでも2~3週間ほど入院するのが一般的なので、その違いにはやはり驚かされます。もちろん医療制度や地理的な条件、リハビリ体制の違いもあるので、どちらが良いとは一概には言えませんが、DVTや筋力低下の予防という点では、早期離床を促し短い入院期間を目指すスタイルには理にかなった面があるのかなと感じました。

話は変わりますが、フランスではラグビーがとても人気です。つい最近まで「Six Nations」という、イングランド、フランス、アイルランド、イタリア、スコットランド、ウェールズの6か国が競う国際大会が開催されており、今年はなんとフランス代表が見事に優勝しました。最終戦のスコットランド戦のときは、街中のスポーツバーが人でいっぱいになり、大盛り上がりでした。またボルドーには「Union Bordeaux Bègles(UBB)」というプロチームがあり、もともとラグビー熱の高い地域でもあります。先日、そのUBBの試合を観に行く機会があったのですが、約3万人の観客による迫力ある応援にすっかり圧倒されました。日本代表のテビタ・タタフ選手もこのチームに所属しており、現地のファンから熱い声援を受けている様子を見て、日本人としてとても嬉しく感じました。 フランスでの生活を通して日々新しい気づきや刺激をもらっています。残りの期間も一日一日を大切にしながらたくさんのことを吸収していきたいと思います。à bientôt

桜の花がきれいに咲いています。

UBBの試合直前の様子。スタジアムはほぼ満員で大盛り上がり。試合はUBBの快勝でした。

会場でもらったお菓子の中にマスコットキャラクターの小さなおもちゃが入っていました。

第10回 秋田・関西医科大学合同カンファランス(渡辺学)

3月16日に秋田大学医学部付属病院の40周年記念会館で第10回秋田・関西医科大学合同カンファランスが開催されました。秋田からは秋田厚生医療センターの長岡先生、秋田大学の木村先生、中通総合病院の鈴木先生、城東整形の阿部先生が症例を提示し素晴らしい発表をしておりました。関西医大からも研修医の先生をはじめとても興味深い発表を多くの先生にしていただき質疑応答が盛り上がっておりました。OLIF51などまだ見たこともない手術手技に関する発表もありとても勉強になりました。

夜には懇親会を開催していただき若手の先生方と交流させていただきました。関西医大のお話をいろいろ教えていただき勉強に行きたいなと思いました。

17日には秋田厚生医療センターで手術を見学していただきました。

来年はおそらく関西医大で開催されると思うので次回はぜひ現地へ行き手術見学したいと思いました。 関西医大の先生方、今後ともよろしくお願いいたします!

第37回日本肘関節学会学術集会(中西真奈美)

2025年3月14〜15日に第37回日本肘関節学会学術集会が開催されました。会場は岡山市、会長は岡山済生会総合病院の今谷潤也先生です。 「肘関節外科の最適解」というテーマのもと、肘周辺難治性骨折や小児顆上骨折、モンテジア骨折のディスカッションなど、各所で白熱したディベートが展開されておりました。

整佑会同門からはおよそ7名の先生方が参加され、1日目午後のポスターセッションにて、白幡先生や湯浅先生が肘周辺の筋腱障害や神経障害に関する演題で発表されました。 その日の夜には同門会を行うことができました。千馬会長はじめ、水野記念病院で勤務されている飯田聖先生にもお越し頂くことができ、同門の話に花を咲かせました。

2日目は、筆者は朝から肘エコーのハンズオンセミナーに参加しました。キャノンメディカルシステムズ主催で、同社のエコー機器を使用させて頂きましたが、とても明瞭に神経や軟骨面を描出でき感動しました。 OCDだけでなく、普段エコーをあてることのない肘内障での見え方などを講義で教えて頂き、非常に勉強になりました。明日からの外来診療に活きる充実した内容でした。

今谷潤也先生の会長講演では、これまでの肘関節外科医としての歩みや、師匠や弟子を含む様々な人との出会いによりライフワークが形作られていったことをお話しされておりました。「他流試合」がいかに大事かという点も強調されており、胸に響くご講演でありました。

来月には、横浜で日本手外科学会学術集会が開催されます。見識を深めつつ、また同門の先生が現地に集えることを楽しみにしながら、本学会で学んだことを活かして日々の診療にあたっていきたいと思います。

第62回秋田県脊椎脊髄病研究会(渡辺学)

2025年3月1日秋田市にぎわい交流館AUで午前中にハンズオンセミナー、午後に第62回秋田県脊椎脊髄病研究会が開催されました。今回の当番幹事は秋田労災病院の佐藤千晶先生でした。

ハンズオンセミナーは例年通りメーカーの方々へ協力いただきドライボーンを用いたスクリュー刺入を経験させていただきました。実際に入れたことのあるスクリューも多いですが講師の先生方へ質問しながら手を動かしているとTipsなど聞けて勉強になりました。そろそろ講師側に回るのかなと思うと緊張します! また今年はFESSもありました。実際にはあまり触れる機会がなかったですが、小さい傷で手術ができるため今後必要な手技になるかなと思いました。

午後の研究会ではまずは秋田労災病院の奥山院長先生から高齢者の脊椎手術後せん妄の検討という事でレクチャーいただきました。全国No1の高齢化率を誇る秋田県では特に必要な内容であり勉強になりました。一般演題では若手の先生を中心にたくさんの演題発表がありました。質疑応答も活発に行われており興味深かったです。

特別講演にはドイツのオッフェンバッハにあるSana ClinicからAndrei Slavici先生に来ていただきご講演をいただきました。以前尾野先生と幹事の千晶先生が勉強に行ったことのある病院の先生で、とても若いですがたくさんの手術経験のある先生でした。脊椎の腫瘍性病変へのセメントスクリューを用いた症例がたくさんありました。

今回最優秀演題賞には秋田赤十字病院の間杉先生が選ばれました。難しいOVFに対して治療を行った1例でしたが術後症状の改善ときれいなレントゲン画像が得られており素晴らしい治療だと思いました。また今回からベストディスカッサー賞が新たに創立され、栄えある第1回目のベストディスカッサー賞には秋田労災病院の奥山先生が選ばれました!

今年も昨年と同様に講師を囲う会が開催されました。少し若手が多い印象でしたがとてもたのしく交流ができました。ご講演いただいた先生方、本会開催に当たりご尽力いただきました方々に心より感謝申し上げます。

国際交流イブニングセミナー (尾野祐一)

2025年2月28日、秋田大学医学部40周年記念講堂にて、秋田大学整形外科と秋田大学医学部国際交流委員会の共催により、「国際交流イブニングセミナー」が開催されました。 今回の講師は、ドイツのSana Clinic Offenbachに勤務するAndrei Slavici先生で、整形外科の中でも特に脊椎・脊椎腫瘍を専門とされている医師です。

Slavici先生とは、2024年3月に私と秋田労災病院の佐藤千晶先生がドイツでの研修に参加した際にご縁があり、そのつながりから秋田県脊椎脊椎病研究会(2025年3月1日に開催予定)に講師としてお招きすることとなりました。今回のイブニングセミナーでも講演をお願いし、貴重なお話をいただきました。講演テーマは「The Oncological Patient in the German Healthcare System」です。講演では、ドイツにおける転移性脊椎腫瘍の治療戦略について詳しく解説いただきました。実際にSlavici先生が手がけた症例も複数紹介され、特に積極的な外科手術のアプローチには大変感銘を受けました。

また、講演後の懇親会では、ドイツでの脊椎手術の実際の様子や、脊椎外科医の日常についてお話を伺うことができました。Slavici先生は非常に気さくで、私のつたない英語にも丁寧に耳を傾けてくださいました。脊椎外科に対する真摯な姿勢が伝わり、非常に刺激を受けました。年齢が私とほぼ同じでありながらも、すでに豊富な手術経験を積まれている姿に触れ、改めて自らも研鑽を積まなければならないと強く感じました。

今回のセミナーを通じて、国際的な視点から整形外科医療を学ぶ機会を得られたことを大変嬉しく思います。今後もこうした交流の機会を大切にし、最新の知見を日々の診療に活かしていきたいと考えています。

第55回人工関節学会 (石垣佑樹)

2025年2月21〜22日の2日間に渡り、名ポートメッセなごやにて岐阜大学大学院医学系研究科整形外科学教室の秋山治彦先生会長の元、第55回日本人工関節学会が開催されました。学会のテーマは「セレンディピティのすヽめ」でしたが、これからの臨床や研究につながる出会いがあった方も多かったのではないでしょうか。

学会中いくつかのセッションを聴講させていただきましたが、1番印象に残っているのは、Debate sessionの「TKA MA or KA-TKAを語る」です。MA派とKA派の先生がそれぞれの立場から、それぞれの考えをぶつけ合う討論を繰り広げており、自分の信念を持って日々の診療に臨まれていることを感じました。筆者はTKAの症例数も少なく公平な立場でDebateを聞くことができましたが、よりよい治療成績につながるようにお互いが切磋琢磨できればいいのではないかと思いました。

1日目の夜には当教室の関節Groupの学会参加者が集い、人工関節学会2025大ジョイントミーティングin名古屋が開催されました。今年も大曲から多くの研修医の先生がご参加していただいたこともあり、16名の先生方にお集まりいただき、大いに盛り上がりました。若手からベテランの先生まで参加されており、とても楽しい会となりました!

来年度は2月26〜27日の日程で、グランキューブ大阪(大阪国際会議場)で開催されます。来年は演題を出せるように、日々の診療や研究を行っていきたいと思います。