2021年12月11日に秋田大学整形外科学講座同門会であります、令和3年度整佑会総会および第17回整佑会特別講演会がオンラインで開催されました.毎年この後に大忘年会が開かれているのですが,昨今のコロナ渦で2年連続のオンライン開催となりました.
早く収束し盛大に開かれる日を心待ちにしております.
今回は総会の中で新入会員お二人の御挨拶がありました.
現在整形外科1年で町立羽後病院での後期研修を頑張っている中西真奈美先生と,現在市立秋田総合病院で研修されている久田朱里先生でした.久田先生はすでに整佑会への入会をしている石垣先生と同期で来年度から整形外科1年目となります.今後もより一層の活躍を期待しております.お二人から今後の抱負を聞かせて頂きました.
これからも一緒に頑張っていきましょう!
第21回整佑会奨励賞は秋田労災病院佐藤千晶先生と,市立角館総合病院三浦隆徳先生が受賞されました.
佐藤千晶先生からは「卵巣摘出,尾部懸垂ラットにおけるテリパラチドと有酸素運動の骨,筋肉と,脂肪に対する効果」,三浦隆徳先生からは「Association between global sagittal malalignment and increasing hip joint contact force, analyzed by a novel musculoskeletal modeling system」という内容で御講演頂き,いずれも臨床へと直結しうる研究内容でした.お二人とも大学院で御研究された内容が実を結んだ結果で,素晴らしい御発表でした.大学院の後輩として先輩方の御活躍はとても誇らしく思い,また自分達の研究の励みにもなります.本当におめでとうございます.
そして,特別講演会では秋田大学整形外科木島泰明先生と,大曲厚生医療センター阿部利樹先生からご講演をいただきました.
まず,木島泰明先生のプレゼンテーションは「シン・察所見から考えるコ(゛)関節の痛みーPain-demicに備えてー」という題名で,題名からキャッチーな印象ですが,内容構成もキャッチ―で,ウィットに富んだ引き込まれるプレゼンテーションでした.内容も木島先生が専門にされている股関節以外に,肩痛,膝痛,腰痛まで痛みの原因に関する御研究の足跡を披露頂きました.AHRGを代表する研究であるAkita Area分類や,さらにはシン・Area分類に関してはその研究に行き着くまでの経緯も披露頂きました.ご自分の研究だけでなくAHRGメンバーの研究もご紹介頂き,木島先生のプレゼンテーション約20分に先生自身の足跡だけでなくAHRGメンバーの功績も詰め込まれており非常に有意義な内容でした.そして,来るPain-demicに備えて我々も身を引き締めて準備していきたいと思います.木島先生,流石です!!
続いて,阿部利樹先生からは「脊椎外科医として思うこと」と題して経験豊富な利樹先生が,これまでどういったことを考えて臨床をなされ,現在どういったことをお考えなのかお話頂きました.まず,PLIFという脊椎外科医以外では尻込みしてしまうような手術も,実は脊椎外科の基本であり,むしろPLIFをできる〇〇外科医を目指そうという画期的な考え方でした.実際阿部利樹先生とともに働いている脊椎外科以外の先生方でもPLIFを執刀されており,非常に教育的な姿勢がわかりました.また骨粗鬆症性椎体骨折に対する手術に関しては,これまで先生が数々のご経験をされ様々お考えになられていたことから,現在のBKPという手術に辿り着いたその道筋をお話頂きました.BKPはそれだけ価値のある手術であることを再確認できました.最後に先生が大曲厚生医療センター整形外科の新体制として赴任され,その手腕から現在は県内屈指の整形外科チームへと成長させた,その素晴らしいご功績の裏側をご教示頂きました.今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます.
オンライン開催ではありましたが出席者は100人を超え,素晴らしい会となりました.次回こそは,現地ができることを祈っております.