月別アーカイブ: 2026年2月

第59回日本リハビリテーション医学会東北地方会(木村竜太)

2026年2月21日(土)に、第59回日本リハビリテーション医学会東北地方会を秋田大学本道40周年記念会館講堂にて、当科の粕川雄司先生が主催しました。

リハビリテーション医学会の東北地方会は年2回開催されます。

一般演題では、リハビリテーションで困った症例や、薬剤による稀な副反応からリハビリテーションに難渋した症例など示唆に富む報告が続きました。

秋田県からは、大曲厚生医療センターの間杉健輔先生がアキレス腱断裂の予後予測について、また秋田赤十字病院理学療法士の嵯峨ももこ先生から早期BKPとリハビリテーションについて、同作業療法士の齊藤行篤先生から頸髄損傷早期手術とリハビリテーションについてご発表いただきました。

生涯研修講演Ⅰは、秋田県立医療療育センター副センター長の三澤晶子先生から「小児脊椎疾患に対するリハビリテーション治療のポイント」と題してご講演いただきました。小児整形外科医として、また側弯症のスペシャリストとして考えていらっしゃるリハビリテーションについて、実際の症例をもとにお話しいただきました。

生涯研修講演Ⅱは、筑波大学整形外科講師の三浦絋世先生から「臨床に生体信号反応式運動機能改善装置をどう活かすか?多様な運動器疾患に対する臨床研究の成果と展望」と題してご講演いただきました。HALのこれまでの臨床成績をもとにその有効性をお伝えいただくとともに、首下がりやロコモーティブシンドロームに対する取り組みから、今後の更なる可能性を感じました。秋田大学整形外科でも今後HALの臨床使用に取り組んでまいります。

会の終わりにはささやかな懇親会の場を設けました。

秋田県、そして東北のリハビリテーションの発展のため当科も引き続き精進してまいります。

第33回秋田県スポーツ医学研究会(木村竜太)

2026年2月14日(土)に、秋田拠点センターALVEで、第33回秋田県スポーツ医学研究会を開催いたしました。

本研究会は整形外科だけでなく、内科や産婦人科などさまざまな科の先生方が集まる貴重な場です。

今回はシンポジウム「秋田のスポーツを強くする 多職種提言」として

能代厚生医療センター整形外科の塚本泰朗先生(医師)、秋田大学理学療法学講座の齊藤明先生(理学療法士)、城東スポーツ整形クリニックの長嶋智子先生(管理栄養士)、秋田大学医学部医学科3年の根井望さん(トレーナー)から、それぞれの活動ならびに今後の展望をお話しいただきました。

特別講演は、秋田大学ご出身で、国立スポーツ科学センター 主任研究員の半谷美夏先生に「アスリートをサポートする上で注意するべきあれこれ」と題して、これまでトップアスリートをサポートしてこられたご経験をお話しいただきました。

今回久しぶりの現地開催として、医師だけでなく理学療法士やトレーナー、管理栄養士の方など参加職種も拡大し、当日は80名のご参加をいただきました。

研究会終了後の懇親会でも、熱いスポーツ談義が続きました。

医学から秋田のスポーツを支えることに情熱を持つ方が多くいることを実感した会でした。

今後も当研究会から多くの情報発信ができるように取り組んでまいります。

第9回秋田県骨と腫瘍セミナー(中西真奈美)

2026年2月12日、秋田拠点センターALVEにて第9回秋田県骨と腫瘍セミナーが開催されました。

今年の一般演題は、当講座の土江博幸講師の座長のもと、先日学位審査を終えたばかりの河原木剛先生(能代厚生医療センター)、渡辺学先生(秋田労災病院)のお二人がそれぞれ学位研究の内容でご発表されました。

河原木先生の「テリパラチド製剤が転移性骨腫瘍に及ぼす影響の検討」においては、現在転移性骨腫瘍患者への使用が禁忌となっているテリパラチド製剤が、乳癌モデルマウスの骨転移巣にどのような影響を及ぼす可能性があるかについて勉強できました。マウスでの週3回投与、すなわちヒト換算でだいたい週1回投与にあたるテリパラチド投与は腫瘍増殖には影響しない可能性が示唆され、投与回数や用量を今後さらに検討していくことで、将来的に骨転移のある担癌患者の骨粗鬆症治療をより良いものにできるという展望が見出されました。

渡辺先生の「転移性骨腫瘍に対するゾレドロン酸投与タイミングの違いに対する効果」のご発表では、骨転移患者の骨関連事象(SRE)の治療で使用されるゾレドロン酸を、担癌患者においてどのフェーズで開始するのが適切であるか、それを乳癌モデルマウスで検討したという内容でした。マウスにおいては腫瘍移植をする前からゾレドロン酸の投与を開始することで、転移巣における骨破壊の抑制や休眠する腫瘍細胞の増加に寄与する可能性が示唆されました。渡辺先生が述べていたように経口ビスホスホネート製剤で同様の結果が示唆されれば、非常に臨床のニーズに即した基礎研究となると感じました。

特別講演は、当講座の宮腰尚久教授の座長のもと、防衛医科大学校整形外科学講座の堀内圭輔教授より賜りました。「がん治療と骨転移による骨代謝異常」と題され、まさしく我々ABONE腫瘍グループの研究にも非常に関連性の高い内容で、興味深い話を沢山聴くことができました。

癌治療関連骨減少(CTIBL)について、ホルモン療法や放射線療法では性腺機能が障害されることで骨代謝に影響が出ることは想像に難くないが、抗腫瘍薬とくに抗癌剤による骨代謝への影響はまだ解明されていない部分が多いのではないかという観点から、ドキソルビシンやエリブリンにおける骨吸収および骨形成を調べられたり、骨転移巣における骨形態計測の結果から、骨転移(特に溶骨性の骨転移)では局所の骨代謝回転が亢進しているのではないかというお話があり、非常に勉強になりました。また、前立腺癌骨転移に代表される造骨性の骨転移では、単なる骨硬化として捉えるのではなく、層板骨とならない線維骨が増えることから易骨折性を引き起こすのではないかというお話もあり、非常に示唆に富んだ内容でありました。

後半はインパクトファクター(IF)についてのお話もして頂き、IFがアカデミアにおいて重要視されることになった背景や歴史から、近年の論文投稿に関してIF以外に着目すべき点についても堀内教授の御意見を伺うことができ、1時間があっという間に過ぎ去りました。機会があれば是非また、色々なお話を伺いたいと思いました。

本研究会で学んだことを活かして、今後のABONE研究をより発展させていきたいと思います。

ご講演および座長の労を賜りました先生方、誠にありがとうございました。

第40回東日本手外科研究会(中西真奈美)

2026年2月11日、宮城県の仙台国際センターにて第40回東日本手外科研究会が開催されました。会長は仙台医療センターの鳥谷部荘八先生で、研究会のテーマは「体験する手外科~知と体験の架け橋~」です。千馬先生会長のもと秋田で開催した第37回研究会から3年ぶりに東北での開催となりました。

秋田からはAHGメンバーの先生方に加え、今回が学会発表初という専攻医の原田拓海先生にも参加して頂きました。第1中手骨骨折に対するICHI Fixatorの有用性に関する口演でしたが、初めてとは思えないほど堂々と発表されている姿が印象的で、質疑応答も的確に答えており、完璧でした!

シンポジウム「歴代会長のライフワークを体験してみる」では、千馬先生が「遅咲きの手外科医」と題して講演されました。新潟手の外科研究所で研鑽を重ねた日々と、秋田に戻られてから現在に至るまでの苦労、業績の数々…普段顔を合わせてもなかなかお聞きできない内容を新鮮な思いで聴くことが出来ました。

自分は今回、「手指スプリント短時間作製法」というハンズオンセミナーに参加致しました。常葉大学作業療法学科教授である奥村修也先生が講師を務められ、熱可塑性樹脂を用いた母指対立スプリントとマレット指スプリントの作製方法を学びました。デモンストレーションで奥村先生はササッと作ってみせるのですが、いざ自分で作るとピタッとフィットさせるように作製するのがなかなか難しく、作業療法士の先生方の日頃の苦労を体感致しました。医師自ら作製できるようになることも重要と感じました。

盛況の中研究会は無事に終了し、AHGの先生方も座長に口演にと各所でご活躍され、とても良い会であったと思います。 来年の第41回研究会は東京で開催予定となっています。現地の熱いディスカッションに参加できるよう、明日から再び研鑽を重ねていきたいと思います。

第47回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会 優秀賞受賞(森下耀)

2026年1月31日(土)、仙台で開催された「第47回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会」に参加しました。

今年も東北各地の施設から、基礎研究から臨床に至るまで計23題の演題発表がありました。私は本研究会に2年連続2回目の参加となります。例年通り、超ミクロな世界からマクロな世界までハイレベルな研究が多く、初学者の私にはついていくのが精一杯でしたが、昨年より理解が深まり、多くを学ぶことができました。各セッションでは熱い議論が交わされ、質疑応答の鋭さにも圧倒されました。

今回は、自分の基礎研究の集大成を発表する機会となり、大変ありがたいことに優秀演題賞を受賞いたしました。日々ご指導いただいた宮腰教授、粕川先生、ならびに教室の先生方に心より感謝申し上げます。

特別講演では、大阪大学の中野貴由教授より、「骨質指標としての骨基質配向性と骨粗鬆症をはじめとする骨疾患による変化」についてご講演いただきました。骨は骨密度や骨質のみならず、配向性を含む三次元的な構造にも着目する必要があることを学び、臨床だけでは得にくい視点を得ることができました。自身の基礎研究にも当てはめて考えることができ、今後の研究の発展につながる大きなヒントになりました。

臨床と研究の両面で引き続き研鑽してまいります。