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関節機能改善トピックスセミナー in AKITA(村田昇平)

7月となり,今年もいよいよ夏本番の足音が聞こえる時期となって参りました.スポーツを行うに気持ちの良い季節となり,今年は東京オリンピックも開催予定であります.そんな運動シーズンにぴったりな「関節機能改善トピックスセミナー in AKITA」が令和3年7月1日にオンライン開催されました.

一般演題では宮腰尚久准教授の座長のものと,秋田大学,齊藤英知先生より「前十字靭帯不全による2次性変形性膝関節症に対するアプローチ」と題してご講演いただきました.先生の非常に豊富な経験から導き出された,ACL不全の膝OAに対する骨切り術の治療戦略,実際に手術を行う上でのテクニカルなポイントをご教示いただきました.膝関節手術において,関節温存,関節機能改善の観点から,近年,骨切り術への関心が年々高まってきております.実際の臨床の場では手術適応などの決定に難渋することも多いですが,齊藤先生の明瞭なお話は,膝治療に携わるものとして,とても勉強になりました.

特別講演では秋田県立療育機構理事長,島田洋一先生の座長にて,愛知医科大学整形外科学講座教授,出家正隆先生より「変形性関節症治療の話題」と題してご講演を賜りました.出家先生のご講演では,運動療法,PRP療法,ヒアルロン酸の関節注射,装具療法,TKA手術の適応など,保存治療から手術治療まで,「膝関節機能改善」に関するありとあらゆる話題をご教示いただきました.どの話題も素晴らしかったですが,私は,秋田ではまだあまり馴染みのないPRP療法の実際や,装具療法による半月板移動量の変化に関する研究について,特に興味深く拝聴させていただきました.公演後はフロアからも質問が殺到し,非常に盛り上がっておりました.関節機能改善のために,明日からの診療,研究に実践できるお話をたくさんしていただき,大変感銘を受けました.

膝関節機能低下により痛みなどのトラブルを抱えた症例は,整形外科の臨床の場では日々遭遇します.「関節機能改善トピックスセミナー in AKITA」では,関節機能を回復させるための多くのことを教えていただきました.今回,学んだ内容を活かして,今後の診療,研究に邁進していきたいと思います.