第32回東北骨軟部腫瘍研究会(村田昇平)

12月6日、秋田大学整形外科が主幹となって開催された第32回東北骨軟部腫瘍研究会に参加させていただきました。本研究会は、希少がんである肉腫の診療について、東北・新潟・関東圏の先生方が一堂に会して議論する大変貴重な場です。今年も秋田大学をはじめ、岩手医科大学、弘前大学、山形大学、東北大学、福島県立医科大学、新潟大学、東京歯科大学など、多くの施設からご参加をいただきました。

本会の大きな特徴は、整形外科医、放射線科医、病理医が集まり、三領域の視点から同一症例について多角的に議論できる点にあります。今年も提示された症例はいずれも診断や治療方針に難渋する興味深いものばかりで、整形外科医が提示する臨床経過や切除縁、再建法に対し、放射線科医の先生が画像所見を詳細に読み解き、さらに病理医の先生が腫瘍の本質を踏まえた診断を示されることで、診断から治療へ至る過程が深く議論されました。

私は昨年に続き2回目の参加となりましたが、日常診療で整形外科医が判断に迷う点について、放射線科、病理の先生方から明解なコメントをいただける点は、今年も大変勉強になりました。

後半では宮腰教授の座長のもと、秋田大学臨床腫瘍学講座の柴田浩行教授より「骨転移診療を含む進行がん患者に対する薬物療法と支持療法」と題したご講演を賜りました。肉腫に対する化学療法のお話に加え、柴田教授がガイドライン作成ワーキンググループ長として携わられた骨転移診療に関するご解説もあり、非常に示唆に富む内容でした。

夜の懇親会では、各施設の先生方と肉腫診療についてさらに深い意見交換ができ、大変有意義な時間となりました。

研究会の開催・運営にご尽力いただいた土江先生、永澤先生、準備から片付けまで支えてくださった大学院生の先生方、医局の皆さまに心より御礼申し上げます。今回得られた学びを日々の診療へ活かし、明日からの臨床にも全力で取り組んでいきたいと思います。