月別アーカイブ: 2016年10月

第64回秋田県整形外科医会(飯田純平)

去る10月22日,第64回秋田県整形外科医会が開催されました。

一般演題では今村記念クリニックの田村康樹先生が大腿骨近位部骨折の現状について、Young Doctors Sessionでは秋田赤十字病院の佐藤千晶先生がRh不適合緊急輸血により救命しえた重症外傷の1例についてそれぞれ発表され、優秀演題賞を受賞されました。

 

特別講演では、久留米大学医学部整形外科学講座 白濱正博教授には脆弱性骨盤骨折の診断と治療についてわかりやすくご講演いただきました。

秋田県は高齢化率が非常に高く、軽微な受傷起点による脆弱性骨盤骨折を受傷される患者さんが非常に多いということもあり参加者一同興味深くご拝聴させていただきました。白濱先生は他県で開催された骨折治療学会や骨盤輪・寛骨臼骨折研究会でお目にかかる機会が多々ありましたので、今回秋田県までご足労いただきご講演を聞けたことを大変うれしく思います。

大阪市立大学大学院医学研究科整形外科学講座 中村博亮先生には「腰痛・下肢痛を生じる脊椎疾患の診断とピットフォール」と題し、腰部脊柱管狭窄症の最新のガイドラインや日常診療で遭遇する脊椎転移症例などについて、その見極めや治療方針、画像所見も含め総合的にご講演いただきました。

今回の特別講演で得た知識は高尚かつ、今後の診療にすぐ役立てることができるような素晴らしいものでした。

 

また、最後になりますが一般演題で優秀演題賞を受賞されました田村先生、Young Doctors Sessionで優秀演題昌を受賞されました佐藤千晶先生、大変おめでとうございます。

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整形外科留学だより―イタリア編5:食事 (土江博幸)

前回の留学だよりから気が付けば、はや2か月近く経ってしまった。この間にあった大きなイベントとしては、やはりビザ問題である。当初ビザなし(いわゆる観光ビザ)でイタリアに入国したため、90日以内にEU圏内から脱出しないといけず、9月末に日本に一時帰国。しかしながら苦労の末、学生ビザを入手する事ができ、すぐにイタリアに再入国する事ができたのであった。このイタリアのビザ事情、本当に入手は容易ではない。というか、ぶっちゃけResearchや研修目的ではもはやビザはとれないと思われる。これからイタリアに長期留学を考えているDrがいらっしゃったら少し考え直した方がいいかもしれない。ビザ入手までの戦いの記録は、留学記の最後に記そうかと思うので、ここでは詳細は割愛することに。

日本人が海外留学すると、食事が合わず日本食が恋しくなるとよく聞く。自分も日本に一時帰国する前は若干納豆やトマト味でない和風パスタなどの日本の味が恋しくなった。しかし今回一時帰国後、納豆ごはんを味どうらくとともにどんぶりで食べた後、翌日にはイタリアの食事が恋しくなってしまったのである。特にプロシュートクルード(生ハム)!留学前は家計節約のためトップバリューの生ハムをよく購入していたのだが、イタリアに来てからは現地の生ハムをほぼ毎日食べている。当初はスーパーで買ったものを食べていたが、最近はバルなどでワインとともに生ハム盛り合わせもしょっちゅう頼むようになった。とにかくイタリアの生ハムは安くてうまい。たまたま日本に一時帰国した際にスーパーでPARMAの生ハムが売っていたのだが、ちょっとの量で800円もしたのには驚いた。イタリアのスーパーだと、同じものが3倍くらいの量で4~5ユーロで変えてしまうのである。留学が終わった後やっていけるのかとても心配になった…。

イタリアの食事はチーズなど太りやすそうなイメージがあるのだが、日本に一時帰国した際に体重計に乗ると、3か月で5kgも痩せていた…。確かにズボンのベルトも2穴も変わったし、ジーンズがブカブカになってる気がする。手術でたちっぱなしの時間が多い事や、通勤で毎日計1時間歩くこともあるが、食事も大きく影響している気がする。日本にいるときは、ビール+おかずの後、締めのごはんで満腹になるまで食べていたのだが、こっちに来てからはビールまたはワイン+生ハム、チーズなどでつまむのが主体で、それで満足し、締めのごはんなどはそれほど食べていなかったかもしれない。塩分+アルコールの摂取量は極端に増えたが…。

 

今週で奈良医大の塚本先生が自分と同様にビザ取得のため、日本に一時帰国する事となった。塚本先生はまたしばらくしたら戻ってこられるが、奥様、2人のお子さんはビザが取得できず、3か月しないと再びイタリアに入国できないのである。何度か家族間で食事もし、お近づきになることができたので少し残念。このような機会があるのも留学の良い経験だと感じた。ここで食事風景の写真でも載せようと思ったのだが、いつもワインやビールを飲み、自分はいい気分になるためか写真を撮っておらず、食事写真が1枚も無い事に気が付いた…。今度は是非ご家族で秋田に遊びに来てください!その時は写真も撮りますので…。

 

 

※ハムつながりではあるが、今週末は家の近くのマッジョーレ広場で、年に1度のハム祭りが行われた。ボローニャのご当地ハムはMortadellaという、生ハムというよりは加工ハムみたいなやつである。広場では、たくさんの屋台がでており、Mortadellaのパニーニや焼きハム、ビール、ワインなどが食べれたり、ミスMortadellaみたいな女性が立っていたり、お持ち帰り用販売コーナーでは複数のハム業者が試食を出し、気に入ったものをカウンターで言えば、その場で大きな塊を切って売ってくれるというシステムである。通常ハムは薄切りで食べるので、受付で「Fetta? 」と聞かれ、当然スライスの意味かと思い、それでお願いしたら、結構な厚切りの状態でパックに入れられてしまった…。後で調べたら、Fettaは通常のスライス(日本的には厚切りか)で、Fettinaが薄切りのようである。それまでの客はみなFettinaだったのになんでうちらだけ…。イタリア語の難しさをまた実感したのであった…。

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盛り合わせの1例。ワインがよく合う。

 

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スーパーで買った安い生ハムとプチトマト。少し暗く映ってしまいおいしそうに見えないかもしれないが実際はうまいです。1パックにこの倍以上の量の生ハムが入って2.5ユーロ程。安すぎ。

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マッジョーレ広場の会場、屋台が色々出てます。この日は最終日のため、もはや商品が無くなった屋台もあり、ちょっと寂しめ。

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ハム販売エリア。たまたま人が少ない時に撮影したが、試食が出た時は人がうじゃうじゃとなり道が通れなくなる。

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注文すると各業者のでかい塊ハムを取り出し、おじさんがその場でスライスしてくれる。レジに並んでいるときに、妻とともに奥のおじさんを見ていたら、笑顔でナイフを研ぐポーズをサービスしてくれた。やるぜ、おじさん。

第32回日本義肢装具学会学術集会  (木村竜太)

2016年10月15〜16日、札幌で日本義肢装具学会が行われました。松永准教授、益谷先生、水谷先生、千田先生、畠山先生、高橋先生、AMAGメンバー秋田大学理工学部の八木君、小松君、木村が参加して参りました。

発表は松永准教授「FESサイクリング」、水谷先生「卓上上肢リハビリロボット」、八木君「3Dプリンタ手関節装具」、木村「歩行リハビリロボット」について行いました。手関節装具はかなり注目を浴びており、私は「ロボットリハを市中病院でも早く取り入れられるように、大学病院などの皆様にはぜひ頑張って欲しい」と激励のコメントをいただきました。大学という存在の大きさを改めて感じ、より精進しようと思います。

 

本学会は義肢装具士の方が多いことから、少し目線の異なる発表が多く、特に義肢がどのような開発工夫がされているか等の事例はなかなか聞くことができない内容で興味深く、特に今回はリオパラリンピックでサポートした選手の活躍の報告が多くありました。テレビでしか知らないパラリンピックの裏側には、オリンピックにも負けないドラマがあり、メディカルサポートの程度によって選手の成績も左右されることを学びました。

 

日本は義肢装具分野で世界トップクラスですが、日進月歩、東京パラリンピックまでにより進んだ世界になると思われます。次々回は主催でもあり、我々も今回以上の報告ができるよう引き続き研究を行ってまいります。%e7%be%a9%e8%82%a2%e8%a3%85%e5%85%b7

18th Asia Pacific League of Associations for Rheumatology Congress (APLAR 2016)  (市立角館総合病院 青沼 宏)

18th Asia Pacific League of Associations for Rheumatology Congress (APLAR 2016)に参加しました

 

今年もAPLARに参加しました。今年は上海でした。柏倉隊長、櫻場先生、私の3名参加です。特に、柏倉先生は忙しい外来の合間に残った夏休みを利用して駆けつけてくださいました(深夜便を利用して0泊の強行スケジュールで)。

上海はとてもとても蒸し暑く、ホテルと会場の移動はうんざりしましたが、暑さにめげず毎日涼しい学会会場に足を運び、ポスター展示を見たり講演を聴講したりしました。スポンサーブースでは、聞いたことのない漢方のコマーシャルがされていて中国らしさを感じました。あと、会場で来年のAPLARの案内が出ていました。来年はドバイです!

発表の合間をぬって世界で2番目に高層ビルの上海タワーに上りましたが、雨のため景色はまったくみえず。来年、ブルジュ・ハリファでリベンジです。上海のラーメン(蘇州麺)と小籠包はおいしかったです。夜には3人で青島ビールと上海蟹で発表の労をねぎらいました。

3泊4日のスケジュールで、あっという間のAPLARでしたが、EULARやACRとは一味違った雰囲気を味わうことができました。若手の先生方、来年はぜひ一緒にドバイに行きましょう。

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第31回日本整形外科学会基礎学術集会 (水谷 嵩)

2016年10月13日と14日の二日間、福岡で日本整形外科学会基礎学術集会が開催されました。秋田からは宮腰尚久准教授、松永俊樹准教授、本郷道生先生、粕川雄司先生、木島泰明先生、千田秀一先生、工藤大輔先生、佐々木研先生、佐藤千恵先生、鈴木真純先生、河野哲也先生、赤川学先生と私が参加してきました。

今回秋田大学関連からの発表は口演が7題、ポスター発表が5題と昨年度の倍以上の多くの演題が採択され、我々大学院生も発表の機会を得ることが出来ました。宮腰准教授と松永准教授も座長として円滑な進行をされておられました。

他施設からの発表も興味深いものが多く、動物実験から動作解析、基礎的な内容から比較的臨床的な内容まで様々な研究のテーマで発表がされており、どの講演を聞くか目移りするくらいでした。個人的に興味があった腰痛や椎間板変性、慢性疼痛などの発表も聴講してきました。

私が聴講した中で、多くの人を集めていたのはiPS細胞に代表される再生医療のセッションでした。各施設で企業と協力し治験を進めている分野ですが、適応の選択や安全性などの面で課題が多いようです。企業との連携の難しさや、薬事認可に対して日本と欧米との違いもあるとのことで、大変勉強になるお話を聞くことが出来ました。

また、秋田大学とも関連のある札幌医大の脊髄損傷に対する間葉系細胞の経静脈的移植療法の研究の発表では、AIS Cの脊髄損傷の方が移植翌日から機能改善が見られ、最終的に走ることもできるようになるなど驚くような効果が発表されていました。まだ治験段階ですが今後臨床応用につながることを期待したいと思います。

全国から様々な基礎研究の発表が集まる学会ということもあり、普段以上にアカデミズムを味わうことが出来ました。今後の研究にも生かしていくよう精進したいと思います。このような機会をいただき島田教授、宮腰准教授、松永俊樹准教授、AMAGメンバーの皆様には御礼を申し上げます。

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第43回臨床バイオメカニクス学会(赤川学)

2016年10月8〜9日、札幌で行われた第43回臨床バイオメカニクス学会に参加してきました。180以上の演題数の中、秋田大学からは、整形外科・リハビリ・理工学部併せて9演題の発表がありました。

初日には、島田教授の特別研修講演があり、「医工連携によるバイオメカニクスの臨床応用」と題して、秋田大学におけるAMAGの活動が紹介され、全国に先駆けた医工連携のシステムと、それによる多くのAMAGの研究成果について御講演いただきました。

一般演題では、ASAKGから骨切り関連のバイオメカニクスの演題を発表し、同様に変形性膝関節症のバイオメカニクスに力を入れている新潟大学と熱いdiscussionができました。

今回は理工学部からも発表があり、収穫は大きかったと思います。バイオメカは、病因や症状、そして日ごろ行っている手術などの治療のメカニズムを知るための非常に良いツールであり、今後ますます研鑽をつんで行かなければならない分野だと強く感じました。2年後の主催に向けて、今後もさらに頑張っていきたいと思います。img_3079 img_3085

第5回秋田県股関節研究会(岩本陽輔)

2016年10月1日(土曜日)に第5回秋田県股関節研究会が開催されました。

 

まずミニレクチャーでは秋田赤十字病院の谷貴行先生から今話題の「大腿骨転子部骨折に対する3本打ちネイル(Two Extra Screw ネイルシステム)の使用経験」についてレクチャー頂きました。Akitaエリア分類についても詳しく説明していただきながら、大腿骨近位部骨折の最新の知見を教えていただきました。

 

一般演題では、井上純一先生(秋田厚生医療センター)が、新しいデバイスの1つであるHansson Pinlocの使用経験について、長幡樹先生(秋田県立医療療育センター)は運動障害が大腿骨近位部に及ぼす影響について、河野哲也先生(秋田大学)はDAA、OCM、Direct lateralアプローチそれぞれでの静脈血栓塞栓症の発症率の比較について発表していただきました。さらに佐々木研先生(中通総合病院)から、THA術前後の矢状面アライメントについての検討を、奥寺良弥先生(男鹿みなと市民病院)から、THA、BHA後のステム周辺骨折の検討についての発表をいただきました。

そして、最優秀演題賞に輝いたのは僭越ながら私、岩本陽輔(秋田大学)の「楔状テーパー型セメントレスステムAccolade®の短期成績と回旋安定性の検討」という演題でした。

この場をお借りしてご指導いただいた田澤先生、山田先生、木島先生に感謝申し上げます。

 

 

特別講演Ⅰでは、能代厚生医療センターの久保田均副会長から、「骨・関節術後感染予防-ガイドラインのウラの裏-」と題してガイドラインを中心に久保田先生が行っている抗菌薬使用法や感染予防法など紹介いただきました。久保田先生らしい非常に内容の濃いお話で、これまでの観念を打ち破るようなお話も多くご講義いただきました。

 

特別講演Ⅱでは、船橋整形外科病院 人工関節センター長の老沼和弘先生から「仰臥位前方進入法による人工股関節置換術の現状と課題」と題して、現在当科でも木島先生を中心に取り入れているDAAについてこれまでに何千もの症例を執刀されてきた老沼先生の経験やデータ、手術手技に至るまで多くの知見をご講義いただきました。

若手にとってもこれから必要になるアプローチであり、非常に感動いたしました。

 

第5回の秋田県股関節研究会も,大変有意義な研究会でした.会長の山田晋先生をはじめAHRGの先生方に感謝申し上げます

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European Orthopaedic Research Society (EORS), 24th annual meeting, in Bolognaに参加して(鈴木真純)

2016/9/14〜16、イタリア・ボローニャで開催されましたヨーロッパ整形基礎学会の参加報告です。主催する施設が土江博幸先生の留学されている、Instituto Ortopedico Rizzoli(リッツォーリ整形外科研究所)ということで演題登録の機会を頂き、採択されましたので今回の参加へと至りました。学会ホームペジからモダンなデザインで、会場写真も歴史に満ちあふれた風景で参加がとても楽しみでした。

と、ここまでは良かったのですが、出発当日まず秋田空港で羽田行きの搭乗手続きの際に職員から衝撃の出来事を聞かされました。経由地であるフランスのシャルル・ド・ゴール空港において、ちょうど学会期間中に管制部門でのストライキ発生との知らせでした。同様のことが過去にもあったようで、基本的には全便欠航なんてことにはならないようですが、不安は膨らむ一方でした。トムハンクス主演の、某国の旅行者が諸事情から国に帰れなくなり空港にしばらく住み着くという映画がありましたがそのシーンが頭をよぎりました。各方面に問い合わせてみましたが、行ってみないとどうなるか分からないとのこと。とりあえず出発。羽田国際線の方では特に問題なくフランスには飛ぶよう。そしてフランス着。午前4時着ということもあり空港内は閑散としていました。問題のボローニャに向けての乗り継ぎでしたが、空港職員に訪ねてみましたが全く問題なく予定通りフライトするとのこと。電光掲示板で他の便も見てみるが、ほぼ問題なく運航しているようだ。こんなもんなのだろうか。と、不安だけあおられながら特に影響なく無事ボローニャ空港に到着しました。空港ではすでに、土江先生が迎えに来てくださっており、慣れた感じですぐにバスまで案内してくださりホテルまでの道順まで分かりやすくレクチャーしてくださいました。すっかり伊達男になっておられるのを感じました。ボローニャはフィレンツェ、ローマ等などと比べれば観光地と呼ぶにはマイナーな土地ということもあり、地元の人々の活気と歴史的建造物にあふれた素晴らしい雰囲気でした。しかも夜も至る所にバーのオープンテラスが開かれており、22時過ぎても普通に女子供が闊歩しており、実際治安もまずまず良いとの事でした(もちろん日本よりは悪いです)。昼過ぎについたため、土江先生に昼食をごちそうになりましたが、シンプルなマルゲリータや生ハム、チーズはとても美味でした。「わりと普通だよー」とおっしゃる土江先生、すっかり伊達男だなとまた思いました。その晩は、過去にリッツォーリに短期留学されていたという筑波大学整形外科講師 船山徹 先生、今回の会でoral presentation に採択されているJA茨城 県北医療センター 塚西敏則 先生、そして現在土江先生と同様に留学しておられる奈良県立医大骨軟部腫瘍専門 塚本真治 先生達とお食事する機会を作って頂きました。素晴らしい実績をお持ちの先生達のなかで大変恐縮な思いでしたが、気さくに色々話しを聞いてくださり、留学の話など色々と盛り上がり楽しい会となりました。

さて翌日肝心の学会ですが、ASBMR や日整会の規模とはやや小さめな感じで、リッツォーリのresearch center (基礎研究棟みたいなものか)の廊下の一角にポスター展示場所が設けられているという状態でした。(基礎研究学会でしたが、普通に臨床研究の発表も多々ありました(TKA後のopioidの使用頻度の比較〜〜など・・・)。しかし、敷地はとても広く、敷地内で輸送迎バスや車が運行しておりました。研究所含め敷地内の建物もやはり歴史情緒あふれており、発表が終わった後に土江先生に病院内を案内頂きましたが、昔の関節鏡や義肢、側彎用のブレースなど博物館レベルの物が展示されていました。歴史的情緒にあふれた雰囲気だけ見れば、とても現役で最先端レベルの研究を行っている施設には見えませんでしたが、日本にはないギャップでとても興味深かったです。

初イタリアが学会ということで不安しかありませんでしたが、買ったばかりのカメラを紛失した以外は、素晴らしい貴重な経験となりました。発表ご指導頂きました宮腰准教授はじめとするA-BONEメンバーにこの場を御借りして御礼申し上げます。

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第65回東日本整形災害外科学会 バスケットボール(3on3)大会(岩本陽輔)

平成28年9月22〜23日に箱根で開催された第65回東日本整形災害外科学会スポーツ親善プログラムバスケットボール(3on3)大会に整祐会公認クラブであるAkita Northern Bisons が参加してまいりました。

今大会は1チーム4人ということもあり、2チームの参加となりました。参加メンバーはAチーム 藤井昌(市立秋田総合病院)、赤川学(秋田大学)、岩本陽輔(秋田大学)、齊藤光(能代厚生医療センター),Bチーム 冨岡立(横手市立病院)、塚本泰朗(市立大森病院)、東海林諒(由利組合病院 研修医)、原田俊太郎(由利組合病院 研修医)と、ベテランから若手にかけて多岐にわたるメンバーで大会に臨みました。

初日は予選トーナメント形式の2試合が行われました。惜しくもBチームは予選敗退してしまいましたが、冨岡先生の巧みなジャンプシュートや、東海林先生のフィジカルプレイ、原田選手の3Pシュートなど随所に光るプレーが見られました。

Aチームは無事に予選を通過し,翌日の決勝リーグへと進みました。

初戦の相手は日整会でも苦戦を強いられた慶応大学でした。日整会の敗戦で火が付いた慶応はかなり手ごわく、息のつく間もない接戦となりました。藤井先生、齊藤先生のシュート、岩本の決死のディフェンスで試合は引き分けとなりました。

2戦目は筑波大学でした。初戦に引き分けた秋田大学は得失点差で8点差以上をつけて勝たなければ優勝できない厳しい状況となりました。

しかし、赤川先生、藤井先生の3P、齊藤先生の切れのあるカットインなどが面白いように決まり、最終的には9点差で勝利をおさめることができました。

日整会に続き、東日本整形災害外科学会でも初代王者となることができました。

今年のBISONSは郡市対抗バスケットボール大会も2大会ぶりの優勝を果たし、まさに絶頂期に達しております。

島田教授はじめ応援に来ていただいた先生方、また関連病院の先生方、誠にありがとうございました。今後もよい結果を届けられるよう精進してまいります。

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第2回なまはげ運動器セミナー(木村竜太)

H28年9月28日、第2回なまはげ運動器セミナーが開催されました。

一般講演では中通総合病院の佐々木香奈先生から「膝関節軟骨損傷に対する自家培養軟骨移植の小経験−自家培養軟骨移植と感染対策−」について、術式の詳細から施行症例の経過をご説明いただきました。秋田県内のJACCを用いた手術件数はこれまで5件となり、初期の例はsecond lookも行われています。整形外科領域でも再生医療は日々進歩しており、今後の治療成績に期待されます。

市立横手病院の冨岡立先生からは「当院に於ける骨粗鬆症骨折及び外傷骨折の治療の現状と問題」と題してお話しいただきました。かなり厳しい人工関節周辺骨折や開放骨折の症例などをご提示いただきましたが、その素晴らしい治療成績から秋田県の骨折治療のレベルの高さを示していただきました。今後は遊離皮弁も組み合わせた治療が秋田県内の整形外科医で完結できる取り組みも始まっており、より一層の治療レベル向上が期待されます。

 

特別講演では京都府立医科大学リハビリテーション医学病院教授の三上靖夫先生に「スポーツによる脊椎脊髄損傷」についてご講演いただきました。三上先生は柔道5段で、現在も柔道の指導に携わられています。講演会に先立って行われた柔道交流会では、華麗な動き、投げ技を見せていただき、また招待選手としてご参加いただいた弘前大学佐々木英嗣先生(5段)とは整形外科医日本トップクラスの試合を披露いただきました。ご講演ではスポーツによる脊髄損傷の疫学データから、ラグビー、柔道などコンタクトスポーツのリスクを説明いただきました。またなかなか一般的には浸透していない、柔道により起こりうる外傷を、実際の受傷時の動画を使用して解説いただきました。これは実地で長年取り組まれている三上先生にしか出来ないご講演で、多くの先生方がその動画に興味を持っておられました。現在柔道においても医科学委員会が本格的に始動しており、三上先生はその中心としてご活躍されています。秋田でも疫学データなどを集め、障害予防含め、医療サイドからのサポートを強化して参りたいと思います。

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