2016年10月1日(土曜日)に第5回秋田県股関節研究会が開催されました。
まずミニレクチャーでは秋田赤十字病院の谷貴行先生から今話題の「大腿骨転子部骨折に対する3本打ちネイル(Two Extra Screw ネイルシステム)の使用経験」についてレクチャー頂きました。Akitaエリア分類についても詳しく説明していただきながら、大腿骨近位部骨折の最新の知見を教えていただきました。
一般演題では、井上純一先生(秋田厚生医療センター)が、新しいデバイスの1つであるHansson Pinlocの使用経験について、長幡樹先生(秋田県立医療療育センター)は運動障害が大腿骨近位部に及ぼす影響について、河野哲也先生(秋田大学)はDAA、OCM、Direct lateralアプローチそれぞれでの静脈血栓塞栓症の発症率の比較について発表していただきました。さらに佐々木研先生(中通総合病院)から、THA術前後の矢状面アライメントについての検討を、奥寺良弥先生(男鹿みなと市民病院)から、THA、BHA後のステム周辺骨折の検討についての発表をいただきました。
そして、最優秀演題賞に輝いたのは僭越ながら私、岩本陽輔(秋田大学)の「楔状テーパー型セメントレスステムAccolade®の短期成績と回旋安定性の検討」という演題でした。
この場をお借りしてご指導いただいた田澤先生、山田先生、木島先生に感謝申し上げます。
特別講演Ⅰでは、能代厚生医療センターの久保田均副会長から、「骨・関節術後感染予防-ガイドラインのウラの裏-」と題してガイドラインを中心に久保田先生が行っている抗菌薬使用法や感染予防法など紹介いただきました。久保田先生らしい非常に内容の濃いお話で、これまでの観念を打ち破るようなお話も多くご講義いただきました。
特別講演Ⅱでは、船橋整形外科病院 人工関節センター長の老沼和弘先生から「仰臥位前方進入法による人工股関節置換術の現状と課題」と題して、現在当科でも木島先生を中心に取り入れているDAAについてこれまでに何千もの症例を執刀されてきた老沼先生の経験やデータ、手術手技に至るまで多くの知見をご講義いただきました。
若手にとってもこれから必要になるアプローチであり、非常に感動いたしました。
第5回の秋田県股関節研究会も,大変有意義な研究会でした.会長の山田晋先生をはじめAHRGの先生方に感謝申し上げます