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留学だより (赤川学)

この度貴重な留学の機会をいただき,2025年1月からフランス・ボルドーのClinique du Sportという病院で研修させていただいています.Clinique du SportのCharles Rivière先生はKinematic alignment に代表されるPersonalized arthroplastyの分野で非常に多くの業績がある先生です.このクリニックの人工関節グループにはRivière先生を含め6名の整形外科医がいて,TKA,UKA,THAあわせて年間1200件以上の人工関節置換術を行っています.

Rivière先生は1日に約5~7件程度の手術を行い,手術室は朝7時30分から稼働,それでも17時前後にはほとんどの手術が終わっていることが多いです.驚くべきはその回転の早さで,この5~7件の手術がたった1つの手術室だけで行われます.すべてのスタッフが素早く入れ替えを行い,効率を極めた見事な流れで次々に手術が行われていきます.手術では軟部組織バランス・Gapの考え方,RevisionやComplexな症例に対する対処方法など学ぶことが多く非常に充実した毎日を過ごしています.

準備も兼ねて12月末からボルドー入りしたのですが,仕事はじめがなんと1月2日からでした.日本のように「三が日はお休み」というわけではなく,いきなり仕事で驚きましたが,一方でフランスにはクリスマス休暇というものがあり,クリスマスから年末にかけて長い休みがあるようです.欧米のキリスト教文化圏ではクリスマス休暇は一般的なようで,早速文化の違いを感じる出来事でした.

ボルドーは世界遺産にも登録されている街で,その景観はとても美しいです.あいにく冬の期間は雨が多く,2日に1回程度は雨が降っていますが,それでも美しいと感じます.治安も良く,週末にはマルシェ(青空市場)やブロカント(蚤の市)が開催され賑わっています.フランスでは日曜日にはスーパーを含めた多くの店が閉まっていることが多く,とても驚きました.土曜日までに食料を含めて買い物を済ませておく必要があります.文化の違いに驚きつつもその働き方や生活の違いがとても面白いところです.ワインの名産地として有名ですが,私はワインの知識に乏しく,まだまだ勉強中です.近くにはLa Cité du Vinというワイン博物館があるのでそのうち行ってみたいと思います.

こちらでの生活やフランスの文化についてまた報告させていただきます.à bientôt

こちらが手術棟。手術室に窓があり自然光が入ります。フランスでは割とふつうだとか。

こちらは外来兼オフィス。

ボルドー市街にある国立歌劇場(グラン・テアトル)。1780年に建てられた歴史的建造物でもありますが、現在もオペラやバレーなどが行われているようです。

カイヨ門という有名な門。様々な色にライトアップされてきれいです。