第32回秋田県スポーツ医学研究会(富永健太)

2025年2月15日に第32回秋田県スポーツ医学研究会がWeb開催されました。

まずシンポジウム1として木村竜太先生より「肢体不自由者のスポーツ―登山編―」をご講演いただきました。

木村先生が取り組んでいる肢体不自由者のサポート活動をご紹介いただき、その多様性にとても驚かされました。ご講演の中で山岳ナースが秋田県内に1人だけというお話がありましたがパラスポーツ医も県内に5人だけでありメディカル面でのサポート体制は今後まだまだ伸びしろがある分野だと感じました。自分も現在パラスポーツ医講習を受講中であり今後何かお手伝いができればと思います。

シンポジウム2は筆者の研究内容を紹介させていただきました。今後論文化し、さらに研究として発展させていければと思います。

特別講演Ⅰとして東京慈恵会医科大学葛飾医療センター整形外科 教授 窪田誠先生に「足のスポーツ障害・外傷―Windlass Mechanismと足部の諸問題を中心に」というテーマでご講演いただきました。

足部疾患はなかなかマニアックな部分も多く難しい部分がありますがとてもわかりやすくご講演いただき知識を整理することができました。

なかでも強剛母趾やフライバーグ病と内側縦アーチの関連はこれまで意識したことがなかった部分であり今後目が離せない研究分野だと感じました。

特別講演Ⅱとして秋田大学大学院医学系研究科医学専攻 病態制御医学系 精神科学講座 教授 三島和夫先生に「運動、アスリート、そして睡眠の深い関係」というテーマでご講演いただきました。

アスリートにとって重要な“睡眠”について様々なトピックを交えてご紹介いただきましたが、怪我との関連やムズムズ脚症候群、女性アスリート特有の問題などどれもとても興味深い内容でした。特にNBA選手を対象とした研究で夜間にSNS投稿をすると翌日のパフォーマンスが低下するというものはアスリートに睡眠の大切さを伝えるのにとてもよいものだと感じました。

整形外科医だけではなく内科の先生方もご参加いただけるこの会はとても貴重な交流の機会だと思います。

今後さらに発展させていけるように自分も尽力できればと思います。 共催いただいた秋田県医師会・久光製薬株式会社様、ご後援いただいた秋田県スポーツ協会の皆様にもこの場を借りて深謝いたします。