第17回東北整形災害外科学会Traveling Fellowship帰朝報告(原田俊太郎)

2024年10月26日〜27日に台湾台北で開催の2024 Annual Meeting of Taiwan Orthopaedic Association:TOAに参加,その後10月28日〜11月1日の日程でNational Taiwan University Hospitalで人工関節・スポーツ・外傷手術の見学をして参りました.TOAでは日本からも多くの著名な先生方がInvited lecturerとして参加されており,日本の最新の研究,手術,治療についてご講演されていました.一般演題は主に外傷のセッションに参加させていただきましたが,現在日本でも注目されている骨折リエゾンサービス(Fracture Liaison Service:FLS)と似た脆弱性骨折に対する二次骨折予防に関する演題が多くみられ,現在の医療界が抱えている問題は万国共通なのだと感じました.学会2日目の夜には全体懇親会に参加させていただきました.プロの歌手やダンサーの方々の圧巻のパフォーマンスは素晴らしく,さらに各国の参加者の方々が会中常にカラオケで歌を披露するという常に大盛り上がりの懇親会でした.当然我々日本組も歌を披露し,会場は大盛り上がりでした.

TOAの翌週からは,新潟大学前田圭祐先生,久保田解先生とともにNational Taiwan University Hospitalの人工関節・スポーツ・外傷手術の見学に参加しました.National Taiwan University Hospitalは病床数2400床を誇る台湾有数の巨大病院です.手術室も20部屋以上ありそのうち整形外科専用手術室が10室あるなどその規模の大きさに驚きました.Wang教授,Chang先生,Tseng先生には大変お世話になり,大変温かく受け入れてくださいました.肩甲骨骨折の骨接合術から始まり,腱板修復術・ACL再建術・リバース型人工肩関節置換術など多岐にわたる手術を間近で見学させていただけたことは大変貴重な経験でした.肩甲骨骨折の骨接合に関しては恥ずかしながら初めて実際の手術を拝見することができ感動いたしました.自身が執刀する際の良いイメージ構築ができたと思います.

病院見学期間中は見学終了後に台北市内の観光にも連れて行っていただきました.夜市は平日にも関わらず多くの人で賑わっていてその活気に圧倒されました.台湾の文化でもある屋台での食事はどれも個性的で味も大変美味しく今でも記憶に残っています.また手術中に聞けなかった手術のコツや,台湾の医療制度,教育などについても伺うことができました.他県のfellowの先生方とも交流を深めることができ,自分と同年代の先生が今どんな手術をやり,どのような悩みを抱えているかなどを聞けたことも自分にとっては大変よい刺激になりました.今回できたこの縁をこれからも大切にしていきたいと思います.途中大型台風が上陸し国全体が公式の休日となるTyphoon holidayを経験するなどハプニングもありましたが本当に充実した1週間でした.今回のTraveling Fellowshipで得られた経験は今後の整形外科医人生においてかけがえのないものになると確信しております.

 最後となりますが,この場をお借りして,このような大変貴重な機会を与えていただいた国分名誉教授はじめ,宮腰教授,医局の先生方に深謝申し上げます.