股関節学会に参加してきました(木島 泰明)

第41回日本股関節学会学術集会が、2014年10月31日から11月1日まで、新宿の京王プラザホテルで行われました。本学会にはAkita Hip Research Group(AHRG)から、小西副会長、田澤vice-director、鈴木紀夫先生、木島の4名が参加しました。股関節学会の会員数は2700名に上るそうですが、本学術集会も初日の昼の時点で医師だけでも800名以上の参加とのことで、大変盛況な学会でした。

小西副会長によると、以前の股関節学会は骨切り術が主体だったのとことでしたが、今ではやはり変形性股関節症に対するTHAの演題が多数を占めていました。特に進行期・末期股関節症に対する関節温存手術のパネルディスカッションではRAOの演題はなく、大腿骨の外反骨切りを併用したChiari骨盤骨切り術と鏡視下デブリドマンのみでした。しかし、前・初期の股関節症に対してはRAOや臼蓋棚形成術が選択されるという発表が多いです。

一方で、最近はfemoroacetabular impingement(FAI)や股関節鏡の演題が大変増えています。JOSKASなどの関節鏡やスポーツの学会では、股関節鏡の手技や成績に関する発表が多いのに対し、股関節学会ではFAIや関節唇損傷の病態や発生機序などについての考察がなされる発表が多い印象でした。特にFAIに関しては、その定義や診断基準を世界的に決定していこうという大きなプロジェクトが動いており、それに向けたシンポジウムも組まれていました。

秋田からは小西副会長がTHAのアプローチの違いによる成績の違いを発表され、木島がAHRGを代表して、AHRG全施設で行ったTHA術後満足度調査の発表と、秋田大学を代表して変形性股関節症の痛みの要因に対する調査の発表を行いました。来年の股関節学会は2015年10月30日と31日に大阪で行われます。来年は駅伝大会に重ならないので、ぜひAHRG全員での参加を目指したいと思います。

AHRG-meeting-in

学会初日前夜に行われたAHRG meeting in六本木