2018年12月6日7日、大阪国際交流センターにて第45回マイクロサージャリー学会が開催されました。今年は大阪掖済会病院副院長、静岡理工科大学手微小外科先端医工学講座主任教授の五谷寛之会長が「創新と融合」をテーマに掲げ、学会では様々な分野におけるマイクロサージャリーの発表がありました。
教育研修講演「創外固定とマイクロサージャリーの融合」では、島田洋一教授と松下隆教授のお二方がご講演されました。松下教授は、Ilizarov創外固定を用いた仮骨延長法、骨成熟を促すためのダイナマイゼーション、偽関節部・変形癒合部におけるChipping法の有用性について、具体的な症例を提示していただきながらご講演されました。マイクロサージャリー学会に参加しながら、Ilizarov創外固定の有用性を再認識するという有意義な時間を過ごさせていただきました。島田教授は、秋田で取り組んでいるマイクロサージャリーとIlizarov創外固定の融合についてご講演されました。同じ骨欠損であっても、マイクロサージャリーでの治療がBestか、Ilizarov創外固定での治療がBestかは症例ごとに違い、整形外科医はどちらの治療も選択できるように鍛錬を積む必要がある。術者が得意とする技術を用いて治療するのではなく、その患者にとってなにがBestな治療かを考え選択することが重要であると、お話しされました。日々の鍛錬を怠らず、Bestな治療を提供できるよう邁進していこうと改めて感じました。
シンポジウムは四肢重度外傷やReopeによる皮弁救済時の工夫、長管骨骨欠損などをテーマに開かれました。野坂光司先生は「長管骨骨欠損、仮骨延長VS血管柄付き骨移植」のシンポジストとして招かれ、「Ilizarov創外固定によるdistraction osteogenesisの意義」と題しご講演されました。
秋田は今後も、マイクロサージャリーとIlizarov創外固定の融合をテーマに様々な難治外傷例に取り組んでいきます。未熟者ではございますが、私も秋田における外傷学の発展へ貢献できるよう努めていきたいと思います。