第42回日本臨床バイオメカニクス学会(木島泰明)

2015年11月13日から14日の2日間、東京・お茶の水のソラシティ・カンファレンスセンターにて、第42回日本臨床バイオメカニクス学会が開催されました。学会長は東京医科歯科大学大学院運動器外科学教授の宗田大先生です。学会場のすぐそばに東京医科歯科大学、そしてそのすぐ隣に順天堂大学が見え、東京ならではの会場です。

この学会のテーマはバイオメカニクス(生体力学)ですが、”臨床”バイオメカニクスですので、生体力学的な手法で実際の患者さんに役立てられる技術や知識についてのたくさんの演題発表やご講演を拝聴することができました。

今回の学会長のご専門も膝関節ですが、理事長も史野根生先生であり、やはり膝の演題が多い印象ではありましたが、「圧迫性脊髄症のバイオメカニクス」や「骨折外科医によるバイオメカニクス研究」などのシンポジウム、手術支援ロボットや股関節・肩関節の解剖学の教育研修講演などもありました。

方法論としてはポイントクラスター法による動作解析や有限要素モデルによる応力解析などのスタディが多く、特に個人的には有限要素解析に関して興味深く勉強させてもらいました。どのような骨折、どのような骨形態には、どのような内固定材料、どのような人工関節デザインを用いるべきかといった、ある意味、究極の質問に対する答えもバイオメカニクス研究の中から出てくるのかもしれません。

そのような非常に価値ある本学会が2018年、島田洋一会長のもと、秋田市で開催されます。その準備も兼ねて、山田晋講師、野坂光司先生、そして木島が今回の学会に参加させて頂きました。

またAkita Sports, Arthroscopy, and Knee Groupの動作解析ワーキンググループリーダーの斉藤公男先生が、我々の行っている中学生アスリートに対するメディカルチェックにおける強化指定中学生の動作解析についてご発表されました。このワーキンググループから赤川学先生もバイオメカニクスについて勉強するために本学会に参加されていました。この学会においても秋田大学整形外科メンバーの今後の大活躍が予感されます。来年はぜひみなさんも参加してみませんか?DSC00645