投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

Global Spine Congress 2024 in Thailand(尾野祐一)

2024/05/16-18にタイ、バンコクで開催されたGlobal spine congress 2024に木村竜太先生と一緒に参加してきました。AO Spineが主催する国際的な脊椎学会で、地元のタイからだけでなく、米国、ヨーロッパ、アジア、南米と世界各国から多くの脊椎外科医が参加していました。今回は、私はe-Poster、木村先生はRapid fire sessionでの発表でした。

Rapid fire sessionとは、2分間で発表し、最後に演者数人と座長でまとめて質疑応答をかわすスタイルで、木村先生は短い持ち時間ながらも時間ぴったりにプレゼンし、座長の質問にもしっかりと回答していました。

本学会では脊椎内視鏡手術に関するsessionが多くありました。演者の傾向をみていくと、韓国や東南アジアの国々で特にBi-portal endoscopic spine surgeryが盛んな印象があり、日本は世界に比較すると遅れをとっているのでは、という危機感を抱きました。いろいろと障壁はありますが、秋田でも世界の潮流にのって脊椎内視鏡手術を導入し普及できればと感じています。

学会期間中には、秋田大学に1か月間ずつ留学に来ていたタイ人のDr.Issara、Dr.Springに会うこともできました。彼らのおかげで、空港からの送迎やおすすめレストランの情報提供など、滞在中のサポートも万全でした。彼らの親切なおもてなしには感謝の気持ちでいっぱいです。また、Dr.Issaraは秋田から戻ってかなりの脊椎手術をこなしているようで、こちらも負けずに頑張らないと、という気持ちにさせられました。

さらに、学会期間中には日本から来ていた他県の脊椎外科医(整形外科、脳神経外科)や他国(タイ、ブラジル、カザフスタン)の脊椎外科医と交流する機会もありました。分野や医局の異なる施設の先生の話を聞けたことは、大変有意義で、交流の幅が広がったことを感じました。

バンコクでは学会だけでなく、観光も楽しむことができました。ワットポーを代表とする美しい寺院やプーパッポンカレーなどのタイ料理の美味しさに触れ、異文化を体感する素晴らしい時間を過ごしました。私は最終日に腸炎を発症して、残念ながらアユタヤ遺跡には行けませんでしたので、そこは次回タイに来たときの楽しみとしてとっておこうと思います。

最後に、不在中の業務を担当していただいた大学脊椎スタッフの皆様には深謝を申し上げるとともに、今回得られた経験を少しでも日々の臨床に活かしていきたいと思います。

学会場前で

プレゼンする木村先生

秋田に留学に来ていたDr.Spring(中央)との一枚

ワットポーの涅槃像

第121回東北整形災害外科学会(森下耀)


2024年5月10-11日に第121回東北整形災害外科学会(東北大学整形外科 相澤俊峰会長)
が仙台国際センターで開催されました。当教室からも数多くの演題が採択され、各分野で
熱いディスカッションが行われ、大盛況の会となりました。
会に先立ち、初日の朝6時から親善野球大会が行われ、新潟大学と対戦しました。初回に
杉村先生の先頭打者ヒットから繋いで、1点を先取。1回の裏に同点に追いつかれるも、東
條先生の安定したピッチングで、3回までは1-1の投手戦となりました。4回裏に新潟打線
に捕まり、途中で大内先生に投手交代。ビッグイニングとなりました。5回表の反撃も及
ばず敗退となりました。宮腰教授、野坂准教授をはじめ、たくさんの先生方に応援に来て
いただき、いい雰囲気の中で楽しく試合をすることができました。野球素人の私個人とし
てはセカンドで幾度もエラーを重ね、チームに大変ご迷惑をおかけしました。エラーを重
ねた私にも教授をはじめとしてたくさんの先生方から優しいお声がけをいただき、気持ち
を切り替えて朝イチのセッションで発表に臨むことができました。発表はノーエラー(?)
で切り抜けることができたと思います。
当教室からは様々な演題が採択されました。中でも医学科6年生の細渕椋太君は一般演題
6「脊椎2」のセッションで、同じく6年生の大久保知修君は「学生セッション」で堂々と
素晴らしい発表をされていました。大久保君は自らエコーを走査し、私自身も足関節、前
距腓靭帯を診察してもらいました。準備からとても頑張っていたのが印象的でした。惜し
くも受賞はなりませんでしたが、最高の準備、発表、質疑応答だったと思います!
前の記事にもありましたが、原田俊太郎先生が東北整形災害外科学会Travelling fellowship
に選出されました。おめでとうございます。
来年の東北整災でも多数の素晴らしい発表ができるように、また野球も必ず勝利をつかみ
取れるように、準備をしていきたいです。今後ともご指導のほど何卒よろしくお願いいた
します。

東北整形災害外科学会Travelling fellowship選出のご報告(原田俊太郎)


宮腰尚久教授、ならびに坂本仁先生をはじめとした秋田県立医療療育センターの先生
方にご指導頂き、東北整形災害外科学会誌に投稿した論文「独歩獲得に向けた脳性麻
痺児における段階的手術の経験」が評価され、この度、東北整形災害外科学会の
Travelling Fellowとして海外学会に参加させていただける貴重な機会を頂きました。今
回、このような非常に貴重な機会を頂くことができたのも、宮腰教授をはじめとして
秋田大学整形外科の先生方のご指導があったからこそと思います。今後ともご指導ご
鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

第67回日本手外科学会学術集会 in 奈良(中西真奈美)

2024年4月25日,26日と2日間にわたり,奈良県にあるコンベンションセンター・JWマリオットホテルにて第67回日本手外科学会学術集会(会長:面川庄平先生,奈良県立医科大学 手の外科講座 教授)が開催されました.秋田からは8名が参加し,演題も5つ採択され非常に充実した学会となりました.

なんといっても,会場の奈良コンベンションセンターがとても綺麗で開放感あふれる建物であり,向かいにはカフェスペースもあったりと,会期中は非常にゆったりとした気持ちで過ごすことができました.4年前に竣工したばかりの奈良県最大の会議場ホールとのことでした.

両日にわたりハンズオンセミナーが開かれ,筆者は2つ参加することができました.1日目はArthrex Japanによる関節鏡を主軸としたセミナーで手根管への小径内視鏡操作やDRUJ関節鏡に触れ,2日目はJ&J ETHICON主催の創閉鎖・縫合に関するセミナーで真皮縫合の基礎と極意を学びました.いずれも時間を忘れるような楽しい内容で,かつ臨床に活きる実践的なものでした.

ランチョンセミナーも各種大盛況で,特に上腕骨外側上顆炎に対する新しい治療法とされるTENEX(低侵襲超音波吸引器)に関するセミナーは,お弁当が全然足りない程に人気で秋田の先生方も多く聴講されておりました.

また,器械展示場も非常に充実しておりました.インプラントはもちろんのこと,小径手関節鏡ナノスコープや各種最新ルーペ,指輪型の指節間関節固定具など,興味深いものばかりで没頭してしまい,隙間時間も充実した時間を過ごすことができました.

1日目の夜には久々に秋田ハンドグループの先生方が顔を揃えて同門会を開催することができました.普段は他病院におる先生方や久しぶりにお会いする先生方と,コロナ窩でなかなか実現できなかった期間の分も含めて楽しく杯を交わすことができ,筆者自身大変嬉しく思いました.

2日目に発表のあった先生方も無事に終了し,鹿を見に行く暇がないくらいみっちりと充実した学会となりました.

来年はパシフィコ横浜ノースで開催予定です.今回いらっしゃることができなかった先生方も交え,再び秋田ハンドグループの先生方が現地で一堂に会せると良いなと思います.

最若手である筆者も,今回学んだことを活かし,先生方に恥じぬよう日々精進して参ります.

第53回日本脊椎脊髄病学会学術集会(渡辺学)

2024年4月18日から20日までパシフィコ横浜で開催された第53回日本脊椎脊髄病学会学術
集会に参加してきました。今回は東海大学医学部外科学系整形外科学教授 渡辺雅彦会長
のもと開かれました。
秋田からは16演題の発表がありました。複数の学会会場で繰り広げられており全部を聞く
ことはできませんでしたが、どの会場でも活発なディスカッションが繰り広げられていま
した。AIを用いた研究や発表などもたくさんあり大変勉強になりました。今後の研究や臨
床へ少しでも応用していければと思います。
また口演以外にも機械展示会場にも足をはこびました。AO spineブースで入会をし、いろ
いろな機械の説明を聞いたりとこちらも勉強になりました。
現在秋田大学整形外科へタイから留学中であるDr.Bossも本学会に参加しておりました。
英語セッションも多数あり国際的な学会である事を強く認識しました。
また会期中に現地で同門会も開催されました。多くの先生方と交流できました。
今回の学会で正式に2029年のJSSRの会長が宮腰尚久教授に決定しました。
秋田の整形を存分にアピールしていけるよう今後さらに頑張っていきたいと思います!

「第68回日本リウマチ学会総会・学術集会」(佐藤光)

第68回日本リウマチ学会総会・学術集会が2024年4月18日~20日に神戸コンベンションセンターで開催され、AORAからも多くの演題発表があり大盛況でした。今回は10年目以下の先生も多数参加され、AORAに新しい風が吹いていると感じました。本年度から北秋田市民病院で勤務されている佐藤貴洋先生も本学会に参加し、学会期間中に日本リウマチ学会へ入会し、新たにAORAメンバーに仲間入り致しました!今後とも宜しくお願い致します。また、今回は医師だけでなくコメディカルの皆様にも多く参加いただきました。秋田労災病院・中通総合病院から看護師・薬剤師・MSWの方々が参加され、関節リウマチに対する治療をチームで行うことの大切さや難しさなど、実際に交流してみて実感することができ、今後もコメディカルとの交流が必要だと感じました。

そしてポスターセッションではAORA Directorであり、平鹿総合病院副院長の小林志先生が「高齢RA患者(75歳以上)のMTX療法の調査」で秀逸ポスターに選出されました!誠におめでとうございます!

来年度の日本リウマチ学会総会・学術集会でも多くの演題を出すとともに、コメディカルの方々との交流をもっと増やしてAORAの活動を盛り上げていきたいと思います。

最後になりますが、日々ご指導頂いております宮腰尚久教授はじめAORAメンバーの先生方、不在の期間に業務を代行して下さいました先生方に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

第3回日本 Knee Osteotomy and Joint Preservation 研究会(村田昇平)

2024年4月19日,20日に香川県のレクザムホールで、竹内良平会長(横浜石心会病院,関節外科センター長)のもと、第3回日本 Knee Osteotomy and Joint Preservation 研究会が開催されました。

秋田からは塚本泰明先生と村田が参加、発表をさせていただいてきました。

学会上では膝周囲骨切り術、半月板修復、軟骨再生などの最新の知見が熱く議論されていました。また今回は国際的にはUKAも関節温存手術の仲間であると考えられているとして、骨切り対UKAのガチンコでの議論も行われており大変興味深く拝聴してまいりました。

塚本先生は全国の高名な先生たちと会場でご挨拶、discussionをされており、秋田県膝グループにとって本当に頼もしい存在であると思いました。

また学会の隙間時間では香川名物の讃岐うどんをいただいたり、小豆島へ渡り,海沿いを自転車で散策したりしてまいりました。塚本先生、非常に楽しい時間をありがとうございました。

来年は札幌で開催される予定とのことです。

秋田からより多くの先生方と参加できるように精進してまいります。

図1.学会場入口にて,筆者と塚本先生。

図2.小豆島,エンジェルロード。非常にきれいな場所でした。

図3.エンジェルロードで鐘を鳴らす塚本先生。非常にきれいな音色でした。

図4. パネルに顔をはめる筆者と塚本先生。

イリザロフハンズオンセミナーを開催しました(湯浅悠介)

                                  

4月6日にALVEでイリザロフハンズオンセミナーが開催されました。今回は県外からも多くの先生方にご応募いただき、20名を超す先生方にご参加いただきました。 

はじめに野坂光司先生からイリザロフ創外固定の基本的な組み方、ワイヤーの刺入方法、そして実際の症例を提示してイリザロフ創外固定の有用性についてご説明いただきました(写真1、2)。次にデモンストレーションとして野坂先生に、一時的イリザロフ創外固定を模擬骨に立てていただきました。ワイヤー操作などの手技をみることができ、手術をより具体的にイメージすることができました。また、講義だけでは伝わらない実践的な手術時の細かい注意点も教えていただきました(写真3、4)。最後にハンズオンとして、各テーブルで模擬骨に対してイリザロフ創外固定を立てました。想定する疾患は「重傷骨粗鬆症を有する下腿骨骨折」でした。受講された先生方は協力し合い、近位骨片へ2つ、遠位骨片へ2つリングが装着されるようにイリザロフ創外固定器を組み立て、ワイヤーを次々と刺入していました。イリザロフ創外固定は初めてという先生もいらっしゃいましたが、すぐにコツを掴み、最後にはワイヤー刺入はもちろんのこと、近接するワイヤーのリングへの固定も非常にスムーズに行っておりました(写真5、6)。最後に、十分なワイヤー本数で模擬骨を固定した後、骨折を想定して模擬骨を切りました。骨折部を押したり、荷重ストレスをかけたりしてもびくともしない様子を見て、イリザロフ創外固定の持つ固定力の高さを実感していただきました(写真7)。

 コロナ後は県内の整形外科の先生を中心としたハンズオンが再開されておりましたが、今回は県外からの受講も募り、非常に多くの先生方にご参加をいただき、盛会となりました。全国にはまだイリザロフ創外固定を触ったこともない先生がいらっしゃるかと思いますので、ぜひ次回はそのような先生方にご参加いただけたらと思っておいます。優れたデバイスであるイリザロフ創外固定がもっと身近なものになってほしいと願っています。

写真1、2

写真3、4

写真5、6

写真7

Buddhachinaraj病院(タイ)研修報告(湯浅悠介)

私は2024年3月16日~31日の約2週間、タイのピサヌロークにあるBuddhachinaraj病院へ研修に行ってまいりました。この海外研修は、以前秋田大学整形外科へ研修にいらしていたBuddhachinaraj病院のアーチット先生へ齊藤英知先生が直接ご連絡していただき、実現したものになります。私自身、海外へ独りで行った経験はなく、また英語も苦手であるため、出発前から非常に不安に思っておりました。しかしタイ到着後、それは杞憂であったことがすぐにわかりました。Buddhachinaraj病院のどの先生も非常に優しく、私の拙い英語をいつも理解しようとしてくださいました。私の初めての海外研修は、そんな幸せな環境の中スタートしました。(写真1)

私は主にスラサック先生、アーチット先生という外傷治療のスペシャリストの先生方につき、手術見学、勉強をさせてもらいました。その素晴らしい手術技術を間近で見せていただきながら、手術のポイントをリアルタイムでレクチャーしていただきました。また、以前から疑問に感じていたことや手術見学をして疑問に思ったことを質問し、有意義なディスカッションをすることもできました。その他にも、日本とは違うタイ医療の現状や、英語で話すことの重要性、英語論文を書くために大切なことなど様々なことを教えていただきました。(写真2)

Buddhachinaraj病院の先生方は、常に私を気にかけてくださり、食事は毎食ご用意いただくか、レストランへ連れていってくださいました。タイ料理は基本的に辛いのですが、どれもおいしく、毎日食べても飽きがきませんでした。結局、一度も日本食が恋しくなることはありませんでした。休日は観光地の案内もしていただき、病院の名前の由来となっているBuddhachinarajを見に行くことができました。また、タイで最も有名なスポーツ、ムエタイも経験することができました。(写真3、4、5)

すべてが私にとっては初めてで、人生観が変わるような貴重な経験をさせていただきました。海外研修の機会をつくっていただいた齊藤英知先生、海外研修へ行くことを快く後押ししてくださいました宮腰尚久教授、長期不在中、日常業務をご対応くださいました中通総合病院整形外科の先生方にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。

今後も秋田から世界へ何度も飛び出していき、挑戦していきたいと思います。

写真1:Buddhachinaraj病院前

写真2:右がスラサック先生、左がアーチット先生、中央が筆者

写真3:歓迎会を開いていただきました。

写真4:Buddhachinarajの前にて

写真5:ムエタイ体験

Dr. Sorasekが1ヶ月の脊椎フェローシップを修了しました

2024年3月の1ヶ月間、タイのRamathibodi HospitalからDr. Sorasek Asawathavornvanichが脊椎フェローシップとして秋田で研修を行いました。

4人目のタイからのフェローです。

現在脊椎1年目のDr. Sorasekですが、いつもニコニコした笑顔でみんなに癒しを与えてくれました。

秋田大学と秋田厚生医療センターを中心に、北秋田市民病院や市立横手病院などで約30件の脊椎手術に参加いただきました。

手術以外にも、森吉山の樹氷や男鹿、秋田のお酒や温泉なども楽しんでくれました。

また5月には一緒にGlobal Spine Congress @Bangkokでのプレゼンテーションもあるため、

国際学会での交流も楽しみです。

今後も秋田大学整形外科では、Ramathibodi Hospital, Mahidol Universityと交流を続けて参ります。