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日本四肢再建・創外固定学会 若手研究者賞受賞のご報告(三田基樹)

この度,私の論文”Open tibial shaft fracture in a boy with autism spectrum disorder treated using a ring external fixator: A case report” Trauma Case Rep2021につきまして,日本四肢再建・創外固定学会の若手研究者賞を頂くことが出来ましたのでご報告させていただきます.

この受賞は宮腰尚久教授,野坂光司先生,AIMGの皆様初め秋田大学整形外科医局の皆様に日々ご指導いただいたからこそ叶ったものであり,非常に嬉しく思います.この場をお借りして皆様に心より感謝申し上げます.

本論文は,自閉症を有する6歳男児の脛骨骨幹部開放骨折Gustilo1に対し,Ilizarov創外固定を用いて加療したケースレポートになります.一般に,小児脛骨骨幹部骨折の手術加療は成長板の温存が重要になりますので弾性髄内釘が用いられます.弾性髄内釘は低侵襲で有用な手術ではありますが,免荷期間が必要となります.本症例は自閉症の既往があることから安静が保てない可能性があった為,即全荷重可能なIlizarov創外固定を選択致しました.その結果,安静度制限を設ける必要も無く良好な経過を辿ることが出来ました.以上より自閉症などにより安静を保てない可能性のある小児脛骨骨幹部骨折にIlizarov創外固定は有用である,と考えられました.

 Ilizarov創外固定の強固な固定力により早期に除痛が得られた事が,患者様の離床に加え精神的な安定に繋がった,と強く感じた症例でした.

 今後も目の前の患者様一例一例に全力で取り組み,より良い治療を提供できる外科医を目指して参りたいと思います.また,その成果をoutputする場として積極的な学会発表・論文執筆に繋げて参りたいと思います.若輩者ではございますが,精進して参りますので今後ともご指導ご鞭撻の程何卒よろしくお願い申し上げます.

第43回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会 基礎部門優秀賞選出の喜び(五十嵐駿)

東北骨代謝・骨粗鬆症研究会は昨年より昨今の新型コロナウイルスの情勢を踏まえ完全オンライン開催となっておりましたが、今年の参加者は100人を超え、専門の科を跨いだ質疑応答や議論によりオンラインにも関わらず例年以上の盛り上がりとなりました。

当教室では自分と原田俊太郎先生と野坂光司講師から、関連病院では秋田労災病院の奥山幸一郎院長、中通総合病院の湯浅悠介先生、由利組合総合病院の三田基樹先生からの発表がありました。

ミニレクチャーでは、新潟リハビリテーション病院整形外科の山本智章先生から、日本における骨形態計測学の歴史と基礎についてご講演頂き、私を含めた大学院生には特にためになるレクチャーとなりました。

特別講演では、りんくう総合医療センター腎臓内科主任部長兼血液浄化センター長の重松 隆先生から「慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常と骨粗鬆症の接点」という題でご講演頂きました。慢性腎臓病患者に対する骨粗鬆症治療で注意すべき点や、今後の展望などについて詳細にご講演頂き大変勉強させて頂きました。

また、私個人としては現在大学院で研究している内容に直接的にリンクすることであり大変有意義な時間でした。

そして今回、私の演題である「アデニン誘発型慢性腎臓病モデルラットにおけるエテルカルセチドとテリパラチドの骨に対する効果」が一般演題基礎部門で優秀賞に選出されました。

近年、高齢化とともに慢性腎臓病患者や透析患者は増加しています。本研究では、慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)や二次性副甲状腺機能亢進症に対する治療薬であるカルシウム受容体作動薬のエテルカルセチドと、骨粗鬆症治療薬であるテリパラチドとの併用効果を、ラットを用いた動物実験で検討しました。慢性腎臓病患者では、ステージが進行期に至ると骨粗鬆症治療に使用できる薬剤が制限されるといった問題点があり、高齢者に多く骨折リスクの高い慢性腎臓病患者に対して十分な骨粗鬆症治療ができないこと、治療の選択肢が限定されていることは今後の課題と言えます。

本研究は現在使用の制限のあるCKD患者に対するテリパラチドの効果を検討し、今後の慢性腎臓病患者や透析患者に対する骨粗鬆症治療の選択肢に新しい可能性を提案することを目的としております。

そのような背景のもと本研究を開始し、その成果が由緒ある本学会において評価されたことは至上の喜びです。

また、今回本教室の野坂光司講師も臨床部門で優秀賞に選出されております。大変おめでとうございます。骨代謝を専門とされる宮腰尚久教授の新体制が始まったばかりの当教室において、大変喜ばしいニュースとなったのではないでしょうか。

今回受賞できたのは、宮腰教授をはじめ、骨代謝グループの先生方のご指導と、大学院生、実験助手の工藤さん、実験に関わる全ての方々のご協力のおかげであります。皆様を代表して頂いた賞であり、この場をお借りして改めて皆様に深く感謝申し上げます。今後はさらに研究を続け、その成果を国内外での学会発表や、論文として世に送り出すために今後も精進して参ります。今後ともご指導の程何卒よろしくお願い申し上げます。

整形外科書道部部長、齊藤英知先生の作品が「第44回瀾の会書展」に展示されました(2022年1月21―23日アトリオン2F美術展示室)

2021年10月から宮腰尚久先生が秋田大学大学院整形外科学教室の教授にご就任され、秋田大学整形外科学教室開闢以来、初の文化部である「書道部」が設立されることになりました。この度、初代部長に選出されました齊藤英知です。書道部の活動指針として「本書道部の目的は、文化的な活動「書」を通じて人間の尊重と人格の形成を育み、整形外科への学生の勧誘とその育成すること」と定めました。

なぜ、書道を始めようと決心したかといえば、現在47歳となるまでスポーツと運動器疾患に関わる診療を行って参りましたが、何か芸術的素養も研鑽したいという思いを以前からずっと抱いておりました。そこで、以前からご縁がありました長沼雅彦先生(秋田大学名誉教授、書道、現秋田県書道連盟理事長)に2021年9月より師事することに致しました。

書の練習は、週1回、お手本を頂き、週末の時間のある時に集中して書くことしかできませんでしたが、この度、初めての作品を本書展に展示して頂けたということで非常に嬉しく、また、普段とは違った達成感を得ることができました。

展示していただいた作品は2点です。いずれも長沼雅彦名誉教授にお手本を頂き書き上げました。

作品解説

作品1 「池春芳竹合庭午落花閑」いけはるにしてほうそうがっしていごにしてらっかかんなり(池のほとりは春めいて芳しい草葉は繁り、ちょうど昼下がりに花が静かに散り落ちている)

明代の易恒という詩人の作品のようです。フォントは隷書といって後漢の時代に形作られた書体で、波磔 (はたく)と言って、波のようにうねって見える線が特徴で、一文字一波磔というルールがあります。

作品2 「人盡楽」ひとたのしみをつくす(この3文字の意味は、人それぞれ感じることは異なると思いましたが、私は、コロナ禍の閉塞した世の中で、この2年間、いろいろと不自由で我慢する生活を強いられてきた中で、唯一、自分が楽しいと思えることを行い盡すことで、自らの魂が自ずと救われる、という意味に捉えました。)

作品の制作・出展後の感想

何か作品を作るにはある一定の情熱(エネルギー)が必要でした。書にむかっている間は、たとえ数時間でも集中し無になることができました。多忙ではありましたが、生活に一定の潤いや豊かさを与えてくれました。そのことがまた周囲に人々に活力をあたえたように思えました。書展をわざわざ見に来てくれた医学部の学生さんもいたと伺いました。ぜひ整形外科(書道部)を選択して欲しいところです。次回の出品は4月と10月を予定しております。部員はいつも募集中です。最後に、一言付け加えますと、秋田県の習字教育では、書友社という会社から毎月出版されている「書友」という雑誌があり、退職された教職員の先生方が制作し、この本を元に現役の教員が小・中学生に教育されてきました。自分もよくこの雑誌をみて育ちました。雑誌「書友」では、優秀作品が写真付きで掲載され、同級生なのにすごく上手な字を書く人がいるんだなと思った記憶があります。10級からはじまり、昇段していきます。10段まで昇段すると最後は「天」「地」「人」の位があり、「天」は最上級者のみが与えられる「書友」誌上最優秀の証でもあります。宮腰尚久教授は「天」まで至ったと伺い知りました。宮腰尚久教授は、秋田大学整形外科書道部の顧問でもあります。年末の書道練習会では、40年ぶりに筆をとり、一発勝負の書とのことでしたが、その運筆を見てシビれました。(齊藤英知)

第83回JABO研修会(野坂光司)

第83回JABO(Japanese Association for Biological Osteosynthesis)研修会が,オンライン開催されました.テーマは創外固定法で,講師として参加しました.代表世話人は,当講座から多くの先生が国内留学でお世話になった,獨協医科大学埼玉医療センター 整形外科 救命センター 講師 杉本一郎先生でした.全国から300人以上の参加者が集い,それぞれの分野のエキスパートの講演後,活発な議論が繰り広げられました.私は足関節周囲骨折に対する創外固定のコツとピットフォールについて講演しました.今後の超高齢化社会において,リング型創外固定でなければできない治療は多数出てくることが,多くの講演で述べられていました.また秋田大学整形外科はリング型創外固定が豊富にあり,前組からボルトナットの設置など,術前トレーニングがし放題で,恵まれた環境にあることは特筆すべき長所と思います.秋田大学および関連病院からも多くの先生が参加されておりました.今後も創外固定の分野でしっかり頑張っていきたいと感じた1日でした.

野坂光司講師インタビュー(医学知見探求サービス Quotomy 第1話)

野坂光司講師のインタビューが、医学知見探求サービス Quotomyに掲載されました。

3話構成の第1話です。ぜひご一読ください。

(記事を読むためにはログイン登録が必要になります。

医師限定ですので、医籍番号・番号取得年月日をご準備ください。)

https://quotomy.com/originals/interviews/18

島田洋一名誉教授インタビュー(医学知見探求サービス Quotomy 第1話)

島田洋一名誉教授のインタビューが、医学知見探求サービス Quotomyに掲載されました。

3話構成の第1話です。ぜひご一読ください。

(記事を読むためにはログイン登録が必要になります。

医師限定ですので、医籍番号・番号取得年月日をご準備ください。)

https://quotomy.com/originals/interviews/16

第50回日本脊椎脊髄病学会学術集会で島田洋一名誉教授が歴代会長講演を行いました

2021年4月22日〜24日、国立京都国際会館で第50回日本脊椎脊髄病学会学術集会が大阪医科薬科大学根尾昌志会長のもと開催されました。

厳しい社会情勢ですが、現地とオンラインのハイブリッドの開催となりました。

 

今回は第50回記念ということもあり、

テーマは「レジェンドを知る、レジェンドを創る」です。

島田洋一名誉教授がレジェンドのお一人として、「歴代会長講演 バトンをつなぐ:麻痺とリハビリテーション」でご講演(オンライン)されました。

 

「脊髄再生医療に向けたリハビリテーション先端機器の開発と臨床応用」と題してのご講演で、札幌医科大学の押切勉先生にそのバトンがつながれました。

 

秋田大学整形外科では札幌医科大学で開発された再生医療等製品「ステミラック注」を投与した後のリハビリテーションとして、リハビリテーションロボットの開発を行っております。

現実の治療となった再生医療が、よりよい効果を出せるリハビリテーションの構築を目指し、そのバトンを私共も繋ぎ続けてまいります。

 

阿部栄二先生(秋田厚生医療センター名誉院長)古希のお祝い(木村竜太)

秋田県の脊椎外科の礎を築かれ、今もトップランナーとしてご活躍されている、

秋田厚生医療センター名誉院長の阿部栄二先生の古希のお祝いを行いました。

 

本来は昨年の秋田県脊椎脊髄病研究会で大々的に行う予定でしたが、この情勢のため延期となり、

3月25日、70歳のお誕生日にお祝いの品を贈呈いたしました。

 

古希の紫色に染められた脊椎インプラントは、阿部先生が作ってこられたインプラントです。

 

現在取り組まれている成人脊柱変形に対する治療に用いるT9-S2 AIのlong fusionモデルを作成しました。

頭側から初期モデル、二代目、三代目と歴史が並んでおります。

 

阿部先生のこれからのご健康とさらなるご活躍を祈念するとともに、

我々後輩も、偉大な先輩を超えられるよう精進してまいります。

 

 

2nd International Knee Dayを終えて(齊藤英知)

2021年3月18日から19日にかけて行われた第2回国際膝の日(2nd International Knee Day)に参加し講演して参りましたのでご報告です。このコロナに見舞われた昨今、学会や研究会の開催様式も移動の自粛に合わせてすっかりと様変わりし、このインターネット環境の発展に伴ったオンライン形式で、自宅や職場にいながら海外の最先端の情報を共有できる時代になってきました。今回は、その恩恵にあやかり(本当は主催地であるドイツのベルリンに移動し、ホテルに宿泊し、博物館巡りでもしながら講演する・・・・・)、職場から手術の合間に2時間の参加となりました。
経緯はといえば、この会議は各国の学会が協力をしていて、日本整形外科スポーツ医学会(JOSSM)もInternational Partnerとなっており、コラボレーションの一環としてJOSSMセッションが設けられ本学会に所属の先生方が参加してきました。座長は神戸大学の黒田良祐教授が務められ、講演は、金沢大学の中瀬順介先生、高知大学の池内昌弘教授、東京医科歯科大学の古賀英之教授、自分と最後に黒田良祐教授が担当しました。どの演題も素晴らしい日本を代表する内容で、世界に日本のレベルの高さとオリジナリティをアピールできたと感じました。その中でも自分の発表は、秋田大学に赴任してから10年で膝周囲こつ切り術を施行数が400膝を超えましたので、前十字靭帯損傷後の変形性膝関節症の手術療法について我々の手術成績をお話致しました。その内容については、近日中に論文になりますので、また、その時にお話することに致します。
ワクチン接種もいよいよ始まり、人の往来、交流がまた自由にできる日が早く訪れることを期待してます。

 

 

 

 

 

 

https://www.knee-day.com/program