学会賞など」カテゴリーアーカイブ

若林玲奈先生「第56回日本側彎症学会ショートシンポジウム優秀賞」受賞

この度、秋田県立医療療育センターの若林玲奈先生が、「第56回日本側彎症学会ショートシンポジウム優秀賞」を受賞されました。

受賞演題は、「思春期特発性側彎症におけるRisser 4症例のCobb角進行と関連因子の検討(Curve progression and related factors in patients of adolescent idiopathic scoliosis with Risser 4)」です。

この研究は、思春期特発性側彎症において、装具適応外とされる骨成熟度がRisser 4の症例であっても約2割でカーブが進行することを突き止め、その関連因子を検討するとともに今後の予防策を提唱した優れた研究です。

若林玲奈先生の益々のご活躍をお祈りいたします。

第31回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会 若手リウマチ医奨励賞受賞者セッション 優秀賞受賞報告 (五十嵐駿)

2022年1月15日に行われた第31回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会の若手リウマチ医奨励賞受賞者セッションで私の演題が優秀賞に選出されました。

私の演題は「関節リウマチ患者における残存症状とロコモ25スコアおよびロコモ度との関連」であり、近年のトピックスである関節リウマチ患者の残存症状(薬剤による治療が十分行われているのにも関わらず残存してしまう痛みや倦怠感など)と、ロコモティブシンドロームの評価方法であるロコも25の点数や進行度との関連を調査したものです。

関節リウマチ患者はロコモティブシンドロームの原因疾患の一つでありますが、今回の研究により残存症状を認めるリウマチ患者はロコモティブシンドロームの合併が多く、リハビリテーションの介入が効果的となる可能性を提示致しました。

今後高齢化により高齢リウマチ患者に対する治療方針や、ロコモティブシンドロームへの取り組みの必要性は増していくと考えられます。そのような背景のもと本研究を開始し、その成果が由緒ある本学会において評価されたことは至上の喜びです。

宮腰教授をはじめ、AORAの先生方のご指導とご協力により私が代表して受賞できた賞だと思います。この場を借り、改めて皆様に感謝申し上げます。

今後はさらに研究を続け、その成果を論文として世に送り出すために今後も頑張ります。今後ともご指導何卒よろしくお願いいたします。

第38回日本骨形態計測学会若手研究者賞受賞(湯浅悠介)

この度、6月21日~23日に大阪市立大学稲葉雅章会長のもと開催された日本骨形態計測学会で若手研究者賞をいただきました。発表演題は学位論文のテーマである「卵巣摘出ラットにおける選択的エストロゲン受容体モジュレーターと低強度有酸素運動の骨と脂肪に対する効果」でした。閉経後は骨強度が低下するほか、脂質異常症もきたすことが知られております。その脂質からも骨粗鬆症は惹起されるため、双方に効果のあるSERMと運動療法を組み合わせ、骨と脂肪への効果を検討いたしました。このような賞をいただくことができたのは、日々カンファレンスにて島田洋一教授、宮腰尚久准教授、粕川雄司講師をはじめとする諸先生方からご指導いただけたためと感じております。また、実験も当然ながら一人では成し得ることはできず、A-BONEの先生方、実験助手さんに支えていただきながら進めることができました。本当にありがとうございました。今後も研究を進め、実験結果をしっかりと世界に発信できるよう、まとめていきたいと思います。

第38回日本骨形態計測学会(阿部和伸)

第38回日本骨形態計測学会が6月21日~23日の3日間、大阪国際交流センターにおいて開催されました。近年、分子生物学、細胞生物学において骨代謝の機序、骨粗鬆症を含む代謝性骨疾患の病態の理解は飛躍的に進歩しています。しかし、分子生物学的手法による病態研究でも、その発現を組織レベルや器官レベルで観察し、さらに骨形態計測法による定量的計測によってよりその変化が把握できます。したがって、骨形態計測法は私たち研究者にとって非常に重要かつ必須の研究方法の一つであるといえます。

 

学会に先立ち、「骨形態計測ハンズオンセミナー2018ベーシックコース」が同会場で開催されました。これには私を含む当教室の若手研究者4名が参加し、動物実験の計画から実施、検体の採取、固定、標本作成、骨形態計測による評価まで、一連の流れに沿って基礎から学びました。ハンズオンでは実際に標本を作製する手順を確認したり、標本を観察し、どこで骨が作られ、どこで溶かされているかといった組織レベルの計測を実際に行ったりしました。セミナー終了後には修了証書をいただき、私たちが今後行っていく研究の大きな糧となったと感じた次第です。

 

本学会では、当教室の宮腰尚久准教授が学会2日目のシンポジウム「骨折防止のためのトータルケア-サルコペニア・フレイルの観点から-」の中でご講演されました。「サルコペニアと転倒に対する運動療法」という演題で、転倒の危険因子から転倒予防、骨折予防のための運動療法について当教室の研究を交えて非常にわかりやすくご紹介されていました。会場からも活発な質疑応答が繰り広げられ、全国的な関心の高さを感じました。

 

2日目終了後には全員懇親会が開催され、その会で若手研究者賞の表彰があり、当教室若手のホープである湯浅悠介先生が受賞されました。湯浅先生の行っている研究は、「卵巣摘出ラットにおける選択的エストロゲン受容体モジュレーターと低強度有酸素運動の骨と脂肪に対する効果」というもので、骨粗鬆症治療として薬剤と運動を組み合わせ、骨だけでなく脂肪との関連も観察した大変有用な研究です。受賞おめでとうございます。

 

私たち整形外科医にとって、骨粗鬆症をはじめとする運動器疾患の治療はADLの低下や健康寿命の短縮を防ぐために非常に重要です。そして臨床で用いられる治療はすべて、本学会で報告されているような基礎研究の上に成り立っています。本学会でそのことを再認識し、患者さんのADL向上、健康寿命延伸のため今後も研究に邁進していこうと決意を新たにしました。

第38回 東北骨代謝・骨粗鬆症研究会(粕川雄司)

2017年2月4日仙台サンプラザにて第38回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会が開催されました.この研究会は,佐藤光三名誉教授が創設メンバーのお一人となっている歴史ある研究会です.今回A-BONEから,宮腰尚久准教授が福島県立医科大学 甲状腺内分泌学 鈴木眞一先生のミニレクチャーの座長をお務めになり,田村康樹先生,堀川 明先生,佐々木寛先生が発表しました.田村康樹先生は「エディロール投与例における血中カルシウムおよびeGFR値の変動と併用薬との関連んついて」,堀川 明先生は「経年的に調査した経口と注射製剤の骨粗鬆症治療薬の使用割合の推移と要因」,佐々木寛先生は「骨粗鬆症患者における血中25(OH)ビタミンD濃度と重心動揺との関係」の発表を行いました.また,秋田労災病院から奥山幸一郎先生が主導している臨床研究の結果について,中央検査部の長岐ゆいさんから「北緯40度地域における勤労者の血中25(OH)D濃度と腰痛およびQOLの関連について」と題した御発表がありました.数多くの素晴らしいご演題の中から,今回堀川 明先生が臨床系の最優秀演題賞を受賞されました.五十嵐記念病院での1000例を超える症例を対象に,経口と注射の骨粗鬆症治療薬の使用割合とその継続率について詳細に検討した内容でした.堀川 明先生,受賞おめでとうございます.

特別講演では帝京大学ちば総合医療センター 第三内科 教授 岡崎 亮先生より「ビタミンDの多面的作用」と題し,近年その様々な効果が知られているビタミンDの基礎から骨やその他各臓器疾患に対する様々な効果についての御講演がありました.ビタミンDの基礎から臨床での効果について大変勉強になりました.

今後も基礎から臨床までの骨・骨粗鬆症についての研究を継続していければと感じました.今後ともよろしくお願い致します.

第17回日仏整形外科学会学術集会(木島泰明)

2016年11月25-26日の2日間、ラヴィール岡山と香川県直島のベネッセハウスにて、第17回日仏整形外科学会学術集会が開催されています。秋田からは木島泰明が参加致しております。

我が国において医学は、明治以降のドイツ医学、第二次大戦後のアメリカ医学を主流として発展してきましたが フランスは近代整形外科発祥の国であり、古くから大きな業績が見られ、Orthopédieという言葉が誕生したのもフランスであり、アングロサクソン系のものとは異なった天才的な独創性がある事は世界的に認められています。一度フランス医学を経験したものにとって、その独特の考え方は深く感銘を受けることから、かつてフランスに留学経験を持つ先生方が提唱して1987年に第1回の日仏整形外科学会が神戸にて、七川歓次先生(滋賀医科大学整形外科)を会長に行われました。

現在、日仏整形外科学会の会長は、金子和夫・順天堂大学教授ですが、今回の学会長は、藤原憲太先生(大阪医科大学)と青木清先生(旭川荘療育・医療センター、岡山大学)の御両名です。

第一日目はラヴィール岡山にて、帰朝報告や股関節・脊椎の教育研修講演、小児やハンド、股関節の一般演題の発表もワインの試飲をしながら和やかな雰囲気で行われました。参加されている先生方の専門領域としては、股関節が多いですが、次いで多いのは脊椎、肩、膝、小児、手外科でした。同会場でのウエルカムパーティーでも岡山ならではの料理を満喫することが出来ました。

二日目は朝、岡山をバスで出発し、直島入りをします。直島はアートの島として日本よりも海外での知名度が高く、3年に一度行われる瀬戸内国際芸術祭の中心です。直島では、DDH・膝・スポーツの教育研修講演や脊椎・膝の一般演題だけではなく、今後の国際留学や交流のヒントとなるような国際人4人による「地球人シンポジウム」なども企画されており、通常の学会とは違った、とても楽しい雰囲気で進行していきます。

一昨年、第1回から第7回までの学術集会の会長を務められ、初代のこの会の会長でもあった滋賀医科大学名誉教授の七川歓次先生が亡くなられました。この先生のお名前を残そうということで、今年の学術集会における帰朝報告の中で最も印象に残った帰朝報告が七川歓次賞(最優秀帰朝報告賞)として表彰されることとなりました。そういうこともあり、今年はなんと12演題もの帰朝報告がエントリーされましたが、参加者全員の投票によって決定された栄えある第一回七川歓次賞に私、木島泰明が選ばれました!これもひとえに私にフランス留学を薦めて頂いた島田教授をはじめ、留守中大変ご迷惑をおかけするにもかかわらず快く留学に行かせていただいた同門の先生方のおかげです。本当にどうもありがとうございました。

日仏整形外科学会学術集会(SOFJO: Société Franco-Japonaise d’Orthopédie)は2年に1回の開催で、毎回、日本の各地で行われますが、このほかに日仏整形外科合同会議(AFJO: Association France-Japon d’Orthopédie)も2年に1回開催されており、SOFJOとAFJOが交互に行われるので、毎年、日仏の整形外科医の交流の場が持たれています。AFJOは日本開催とフランス開催が交互に行われており、昨年のAFJOはフランスのサンマロという世界遺産モン・サン・ミシェルの近くで開催されました。そして来年のAFJOは船橋整形外科の老沼和弘先生と千葉大学の高橋和久教授を会長に世界遺産・日光東照宮社務所にて開催されます。2017年5月12-13日の2日間です。SOFJOもAFJOも、全国の先生やフランスの整形外科医と(フランス語ではなく)英語でディスカッションができる貴重な場です。英語でのプレゼンやディスカッションは場数(ばかず)が大事だと思うので、フランス整形外科に興味を持ってくれた先生、ぜひ一緒に参加しましょう。

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第41回日本足の外科学会に参加して (雄勝中央病院 柴田暢介)

2016年11月17~18日, 奈良県の奈良春日野国際フォーラム甍にて第41回日本足の外科学会が開催されました. 秋田からはAFGメンバーの柏倉先生, 野坂先生, 千田先生, 冨岡先生, そして私の5人で参加して参りました.

基調講演では, 秋田にイリザロフを教えていただいた現理事長の大関覚教授が, 「日本足の外科学会の未来に向けた今日の取り組み」という演題で, まだまだ会員数の少ない足の外科学会をどう盛り上げていくかということに関してご講演されました. また特別講演では, 国際足の外科学会(IFFAS)の初代理事長で, 奈良県立医科大学の名誉教授でいらっしゃる高倉義典先生が, 「日本足の外科学会が国際交流ではたした役割と今後の展開」という演題で, 日本と国際足の外科学会の歴史と今後についてご講演いただきました. 恥ずかしながらIFFASの初代理事長が日本人の先生であったことをこのときはじめて知り, 誇らしく思いました.

そして今回, 秋田からの発表では, 千田秀一先生が優秀ポスター賞を受賞されました! タイトルは「超音波を用いた足関節鏡 anterolateral portal の解剖学的位置関係」で, 今ホットな話題を扱った臨床にもすぐ生かせる素晴らしいご発表でした. 秋田大学初の快挙です. 本当におめでとうございました. また, 野坂光司先生も今までの輝かしいご業績により, 今回新たに学会の評議員になられました. おめでとうございました.

今回の千田先生の受賞を機にこれからも足の外科を盛り上げていきたいと思います.

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東北整形災害外科学会トラベリングフェロー in 韓国 (河野哲也)

 2016/10/18から2016/10/29まで参加させていただきました、東北整形災害外科学会トラベリングフェローin韓国のご報告をさせていただきます。

今回は、過去に受賞された他大学の先生を含め、秋田大学は工藤大輔先生と私の2名、東北大学1名、新潟大学2名、山形大学1名と総勢6名での参加となりました。

10/19から10/22には、仁川にて日整会(JOA)総会にあたる、第60回韓国整形外科学会(The 60th Anniversary Congress of the Korean Orthopaedic Association)に参加しました。学会はKorean sessionとEnglish sessionに分かれEnglish sessionを中心に拝聴しましたが、どのsessionでも活発な討論がかわされ驚きました。また、今回は第60回記念大会ということで、日本の各病院から著名な先生が招かれ、Invited Lectureとして多数のご講演を拝聴することができました。また、記念セレモニーでは、仙台西多賀病院脊椎脊髄疾患研究センター長 国分正一先生より「JOAとKOA交流の歴史」についてご講演があり、その歴史は古く、かつ強いつながりを初めて知ることができました。

10/22ソウルへ移動し10/24から10/28には、Clinical attachmentとして、私はKyung Hee University Hospital at Gangdong、工藤先生はSamsung Medical Centerにて手術を中心に見学させていただきました。Kyung Hee Universtiy Hospital at Gandongは、ソウル市の東に位置する800床ほどの病院です。脊椎センターがあり、成人脊柱変形に対する手術を多く行っている病院ですが、周辺地域の外傷患者も多く受け入れる病院です。そのため手術は毎朝8時入室、毎日整形外科だけでも10例以上の手術が行われており、同年代のレジデント医師が休む間なく働いている姿が印象的でした。手術室には昼食が準備されていましたが、当たり前のようにキムチがあり、カップラーメンは辛ラーメンと、さすが韓国!という光景でした。

今回のトラベリングフェローで国内外の先生と交流を深められた事は大変貴重な財産となりました。誠にありがとうございました。

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第37回東北骨代謝骨粗鬆症研究会優秀演題賞の報告(野坂光司)

このたび,2月6日に仙台にて開催されました第37回東北骨代謝骨粗鬆症研究会優秀演題賞を受賞いたしました(演題名『難治性骨折における骨質マーカーの意義:野坂光司 宮腰尚久 山田  晋 本郷道生 永澤博幸 粕川雄司 齊藤英知 木島泰明 土江博幸 島田洋一』).この会は佐藤光三名誉教授が会の立ち上げから携わっており,我々秋田大学整形外科学教室にとって大変縁の深い学会です.留学から戻り,今回久しぶりに参加させていただきましたが,大変勉強になりました.

発表内容は,早急に論文化すると宣言しますので,ということで,ここでは省かせていただき,自分の尻を叩きたいと思います.

島田洋一教授,宮腰尚久准教授のご指導のもと,A-BONEの一員として,ますます精進いたします.さて東北骨代謝骨粗鬆症研究会の優秀演題賞のA-BONEの獲得率,かなり高いのではないでしょうか.去年,一昨年は田村先生,木下先生が受賞したと記憶しておりますし,私も今回で3回目の受賞となりました.A-BONEの勢いを感じます.私,近いうちに偽関節と仮骨延長の動物実験も頑張って,来年は基礎でも発表したいと思っております.今後ともご指導よろしくお願い申し上げます.

賞状

 

第36回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会を終えて(木下隼人)

余寒厳しき折柄,皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます.

この度,2015年2月7日に宮城県仙台市で開催された第36回東北骨代謝・骨粗鬆症研究会において,今村記念クリニックの田村康樹先生共々優秀演題賞を頂き,私におきましては分不相応なため,恐縮であるとともに,望外な喜びを感じている次第であります.この成果を皆様にご報告致しますとともに,今年度の研究会で諸先生方より学ばせて頂いたことを簡単にではございますがご報告させて頂きます.

演題数は,基礎研究より6題,臨床研究より10題の計16題でした.歯科口腔外科の先生からは,ビスホスホネート関連顎骨壊死(BRONJ),産婦人科の先生からは,骨系統疾患の出生前診断について,外科の先生からは,副甲状腺機能亢進症術後の骨量変化について,その他非常に興味深いお話を拝聴致しました.整形外科領域では,CKD-MBD(Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder)との関連で,田村先生がエルデカルシトール投与患者を腎機能別に血中CaおよびPを比較検討した内容を御報告されました.また,経口ビスホスホネート製剤反応不良例でイバンドロネートに変更した際,骨密度や骨代謝マーカーの改善が期待できるという興味深い研究をされている方もおりました.

一般演題終了後,ミニレクチャー,特別講演と続きました.ミニレクチャーでは,東北大学腎・高血圧・内分泌学の森本先生により,内分泌異常による続発性骨粗鬆症について御講演頂きました.クッシング症候群や下垂体機能低下症などの内分泌疾患は,ともすると診断に到るまで時間を要し,骨代謝に対する視点を欠いてしまう症例があり,骨粗鬆症が重度に進行するまで見逃される危険性があるので,原疾患に対する精査・治療と併行して骨粗鬆症の治療を行わなければならない,という内容でした.特別講演には,長崎大学副学長の伊東昌子先生が演台に立たれ,皮質骨の放射線学的評価法について拝聴致しました.語弊を恐れずに大雑把に述べさせて頂くと,今までは骨に関しては海綿骨の評価が主流であったのに対し,近年では,皮質骨評価も注目されつつあるということでした.皮質骨微細構造の評価をHR-pQCTで行い,皮質骨の層を外側(皮質骨最表面),内側(海綿骨側),中央(皮質骨最表面と海綿骨側の間)に分けて評価.骨孔を各層で確認し,皮質骨内側の骨孔がいくら多くても骨強度には影響しないのに対し,皮質骨中央の骨孔の数が多いほど,骨強度は弱くなるという内容でした.今後,本邦においても次々とHR-pQCTが導入される見込みで,皮質骨微細構造の放射線学的評価が様々な施設で可能になるのではないかと,将来の展望について御教示頂きました.しかし,測定箇所が橈骨・脛骨の遠位部のみであるため,その結果が他の骨に対しても当てはめられるのか,という課題もあるようでした.最後に,このような発表の機会を与えて下さった島田教授ならびに宮腰准教授,粕川講師,その他ご協力を賜りました先生方に,厚く御礼申し上げます.