2月25日(木)に秋田ビューホテルで第3回しらかみ疼痛セミナーが開催されました。平日にもかかわらず、特別講演2題ということもあり、多くの先生方にご参加いただきました。
特別講演1は札幌医科大学整形外科講師の加谷光規先生「股関節内病変から考える股関節疾患の病態」です。5年前から取り組んでおられる股関節鏡を中心にお話しいただきました。手術動画を交えながらFAI、寛骨臼形成不全(境界型など)、股関節弛緩症の治療方針をご説明いただき、股関節鏡の有効性を再認識しました。また後半でお話しいただいた円靭帯についてのお考えはとても刺激的でした。人工骨頭置換術やTHAで、なぜこの靭帯は切りっぱなしでいいのだろうか?なんのためにあるのか?の疑問に答えをいただくことができました。90歳でも残っている人、40歳でも消失しているOAの人、膝のACLのような存在、圧センサー等とても興味深いお考えで今後のこの分野の発展にわくわくしました。
来年度からは羊ヶ丘病院へ異動されるということで、秋田大学整形外科からも研修に行かせていただいていることから、直接ご指導いただけることを楽しみにしています。
特別講演2は横須賀市民病院関節外科診療部長兼人工関節センター長の竹内良平先生「変形性膝関節症に対する膝周囲骨切り術の治療戦略」です。膝OAに対する手術の第一選択はHTOである、というイントロから、closed wedgeからopen wedge、そしてhybrid HTO、double osteotomyへの進化の過程をご説明いただきました。また合併症である外側ヒンジ骨折、感染、骨癒合不全の具体的な予防・対策や、術後リハビリで翌日にはcalf raises、歩行時に荷重を内側にかけるだけで歩容がガラッと変わるなど、外科医として手術成績を上げるために術前後の取り組みの重要性も教えていただきました。OAの程度で骨切り術を使い分けられるというストラテジー、また最高齢87歳の実績は益々発展する分野であることを確信させられました。ぜひ秋田県でも、膝OAの第一選択手術として、そして身内に勧められる手術として発展していければと思います。