投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

第72回東日本整形災害外科学会/学術奨励賞受賞報告(佐藤貴洋)

長かった夏も終わり,秋が徐々に深まっている今日この頃,9月22日・23日に北海道旭川市にて東日本整形災害外科学会が開催されました.旭川に到着してすぐに本州とは違う「寒さ」を感じました.

今回私が発表するセッションは,第71回学術奨励賞受賞者講演と若手優秀演題アウォードセッション(上肢)でした.前者は前回発表演題のうち,座長(野坂先生)が選出した演題を論文化し学会誌へ投稿,学会誌に収載された論文の中から選出されます.今回私の論文をこの素晴らしい賞に選出頂きました.日々ご指導頂いている宮腰教授,野坂先生,その他多くの先生方にこの場を借りて深謝致します.

実は,若手優秀演題アウォードと合わせてダブル受賞を狙っていたのですが,流石にそれには叶いませんでした.今回自分のセッションで受賞された先生は,由利組合総合病院で研修をされた斉藤徹先生でした.演題は「Fat pad signの初期研修医における診断精度の検討」と由利組での研修時代の内容をご発表されておりました.今後より多くの研修医を整形外科ローテーションに誘う非常に興味深い内容でした.斉藤先生およびご指導された由利組の先生方各位大変おめでとうございます.

私には今学会でもう一つ仕事がありました.それは,9連覇を狙う駅伝大会です.もともと私は補欠でしたが,急遽竹島先生が諸事情で来られなくなり,レギュラーとして参加になりました.常勝軍団の中に補欠参加でしたので非常に不安な気持ちがありましたが,主務の大屋先生,キャプテンの長幡先生,エースの佐々木研先生が温かく迎え入れて下さいました.唯一の3km区間を走らせて頂きました.ライバル千葉大学のランナーは大鳥教授でした.3位秋田大学,4位千葉大学で3km区間第3走者に襷が渡されました.大鳥先生にタイムでは敵いませんでしたが,前走者が作ってくれたアドバンテージのおかげで3位のまま襷を第4走者佐々木研先生に繋げることができました.レースの結果はというと,第2走者の時田先生が全区間区間賞という快走をみせてくれたものの,各校のレベルも非常に高く,2位と一歩及びませんでした.大鳥教授率いる千葉大学が悲願の優勝を果たしました.今回千葉大学に負けてはしまったものの,抜いては抜かれを繰り返し,最終的には2位という最後までハラハラドキドキの面白いレースとなりました.朝早くから応援に来てくださった宮腰教授,本郷教授,野坂先生,本当にありがとうございました.

本学会は同期の岡本先生,大屋先生と参加できた初めての学会でした.それぞれ発表もあり,駅伝もありと同期の絆を深められる非常に有意義な学会になったと思います.大学で一緒に過ごせる期間が徐々に少なくなってきておりますが,1日1日を大事にして今後も診療・研究を一緒に頑張っていきたいと思います.

【論文掲載報告】秋田労災病院奥山幸一郎院長 

秋田労災病院院長の奥山幸一郎院長が、North American Spine Society Journalに論文を発表されました。

https://www.nassopenaccess.org/article/S2666-5484(23)00074-4/fulltext

健常非高齢者においても、脊柱malalignmentは存在し、特にPI-LL≧10°では、ADL障害のない範囲でLBPが生じる可能性があること、また脊柱malalignmentがあると精神的HR-QOLが低下する可能性が認められました。

奥山先生の、院長職としてお忙しい中も臨床医として研究にも取り組まれるお姿、心より尊敬いたします。

新入局!

本日、大曲厚生医療センターで研修されている菅原聡馬(すがわらそうま)先生が入局の挨拶に来てくれました!

新しい仲間が増え、嬉しい限りです。

菅原先生のご活躍を心より期待しています。

第12回秋田・札幌整形外科合同セミナー(森下耀)

令和5年9月9日にホテルメトロポリタンにて第12回秋田・札幌整形外科合同セミナーが開催されました。コロナ禍によるオンラインのみでの開催が終了し、今回は現地参加も可能なハイブリット開催となりました。今回は私たちが札幌医科大学の先生たちをお招きして、秋田で開催しました。札幌から大勢の先生方にご参加いただき、厚く御礼申し上げます。

一般演題はまず札幌医科大学側から、札幌医科大学の小助川維摩先生から「骨SPECT/CTによるSUV解析を用いた人工関節感染の評価」、同じく札幌医科大学の池田康利先生から「Oxford UKAにおけるRadio Lucent Line出現群の検討〜新規開発した脛骨3°の内反シムの使用を含めて〜」の2題の発表をしていただきました。続いて秋田大学側から、中通総合病院の湯浅悠介先生から「中手骨頚部骨折の治療成績」、秋田大学の尾野祐一先生から「骨粗鬆症患者の筋量、骨量、および脊柱矢状面アライメントの経時的変化の検討」に関して発表がありました。股関節、膝関節の人工関節から手、脊椎まで幅広い分野に関してご講演いただき、大変勉強になりました。

特別公演1では札幌医科大学 黄金勲矢先生から、「運動器慢性疼痛の評価と治療」に関してご講演いただきました。ほぼ全ての患者さんの主訴である”痛み”に関して詳細に教えていただきました。慢性疼痛の患者さんなど普段の治療で悩むことが多いような症例を提示していただき、疼痛への理解が深まりました。全てが明日からの診療に活きる素晴らしい講演で、とても勉強になりました。

特別講演2では秋田大学 土江博幸先生から「テリパラチド研究あれこれ-非定型大腿骨骨折を中心に-」に関してご講演いただきました。今までの先生の行なってきた基礎・臨床研究の数々を紹介していただき、その膨大さに圧倒されました。臨床に真面目に取り組み、そこで生まれたクリニカルクエスチョンを研究に結びつける先生の姿勢には感銘を受けました。いつまでもリサーチマインドを持ちながら、日々の臨床に取り組んでいきたいと感じました。

非常に有意義なセミナーとなり、楽しく拝聴することができました。会の後には、久しぶりの秋田・札幌医大の懇親会が開催されました。私たち若手にとっては初めての懇親会でした。札幌医科大学の先生との交流は楽しく、とてもモチベーションが高まりました。これからの両大学の発展に貢献できるように、臨床に研究に取り組んでいきたいと思います。

来年は札幌で開催されるとのことなので、ぜひ勉強しにいきたいと思います。来年もよろしくお願いいたします。

本郷道生教授就任記念祝賀会(中西真奈美)

令和5年8月25日、本郷道生教授の就任記念祝賀会がパーティーギャラリーイヤタカにて執り行われました。本郷教授は本年度より保健学科理学療法学講座の教授に就任されました。この度は医局員のみの現地参加となりましたが、コロナ等の影響もなく無事に開催することができました。はじめに宮腰教授よりご祝辞を賜り、続いて粕川准教授より祝杯のご挨拶を頂きました。

関連病院の先生方からは、就任を祝福する沢山の祝辞が届いており、司会の工藤先生よりご紹介いただきました。また、歓談中には各関連病院の就任お祝いメッセージ動画が上映されました。木村先生より素晴らしく編集された動画には、本郷教授の若かりし頃の写真も織り込まれ、会場を沸かせておりました。コメディカル含め和気あいあいと撮影されたものや、TikTokのような面白い編集のお祝い動画など、関連病院それぞれの色が現れたどれも素敵なメッセージで、会の雰囲気がより和やかなものとなりました。また、今回学会のために参加がかないませんでした野坂准教授からも熱いメッセージを頂戴し、頭から華麗にイリザロフ創外固定器を纏ったその姿で、会場は大いに盛り上がりました。お忙しい中動画作製にご協力いただいた先生方、誠にありがとうございました。

会も終盤に差し掛かり、本郷教授へ宮腰教授より記念品の贈呈がなされ、差し出がましく私中西より花束を贈呈させて頂き、そして本郷教授よりご就任のご挨拶を賜りました。本郷教授がこの医局で積み上げてきたもの、情熱を注いでこられた脊椎診療、同門の先生方への感謝のお気持ちをお話され、そして医局員一人ひとりへの温かいお言葉を頂きました。本郷教授のお人柄が現れたご挨拶であったと感じます。 最後に永澤講師のご挨拶で締めていただき、記念撮影を行い、名残惜しくも無事に閉宴となりました。本郷教授は理学療法講座での業務と併行し、引き続き臨床でも脊椎診療に携わっていかれます。お身体には十分お気をつけて、今後とも我々若手へのご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

第105回全国高等学校野球選手権大会(甲子園)帯同③(阿部寛道)

8月7日〜11日まで第105回全国高等学校野球選手権大会の秋田県代表 明桜高校野球部硬式野球部に帯同させていただきました。

初戦が8月12日ということで、初戦に向けて秋田県内で理学療法士として働く方々と共に、選手たちのコンディショニング、ケアの他、全身状態の確認を行いました。ホテルの一室に設けられたコンディショニングルーム内は非常にリラックスした空間となっており、練習の疲れを癒す最適な場であったと思います。

スポーツの場で活躍するPTの方々の姿を今回の帯同で初めて目の当たりにし、自分自身非常に勉強になり、そして刺激になりました。大変貴重な5日間だったと実感しております。

結果は残念ではありましたが、勝利を目指して直向きにプレーする高校球児たちの姿に胸をうたれ、感動しました。今後もそれぞれの目標に向かって突き進んでくれることを期待しています。

第50回東北北海道ボディビル選手権大会(浅香康人)

8月20日に札幌で開催された第50回東北北海道ボディビル選手権大会に出場しました。考え得る最大限の準備をして挑みましたが、結果は2位で惜しくも優勝には手が届きませんでした。

東北北海道地区から19名の筋肉漢が一つのステージ上に集い、我こそはと己の肉体をアピールし合う、火花が散るような熱い真剣勝負が北の大地で繰り広げられました。

勝負の行方は極限まで除脂肪されたハードな仕上がりの3名による優勝争いとなり、あと一歩というところまで善戦しましたが、1点差という僅差で苦杯を喫することとなりました。今回の敗因はただただ筋量不足、特に大胸筋・広背筋・内転筋群といったメジャーマッスルのボリューム不足であったと分析しています。

今後も運動器の専門家を志す者として臨床・研究・鍛錬の全てにおいて妥協することなく精進して参ります。応援してくださった方々には深く感謝申し上げます。今後ともご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。

写真撮影:北海道ボディビルフィットネス連盟 出口憲次様

【論文掲載報告】単純レントゲンでの内側半月版逸脱の検出について (雄勝中央病院 村田昇平)

この度、単純レントゲンでの内側半月版逸脱の検出に関する論文がJournal Citation Reportsのインパクトファクターが3.9のジャーナルであるJournal of clinical medicine.に掲載されました。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37629311/

宮腰尚久教授、野坂光司准教授、齊藤英知講師、木島泰明講師をはじめ、ご指導やコメントをいただきました全ての先生方にこの場を借りて深謝申し上げます。

変形性膝関節症は日本国内に約2530万人いると推計されており、痛みや可動域制限などのため日常生活に支障をきたし、要介護の原因となりうる疾患です。近年、変形性膝関節症に半月板逸脱という病態が関連していることが多く報告されていいます。一般的に半月板逸脱の診断や観察にはMRIが必須とされていますが、検査枠や費用的な問題から、全ての膝痛患者さんに検査を行ったり、半月板逸脱の診断がついた後に画像的にこまめに逸脱の経過をフォローアップしたりすることは難しいという問題がありました。

今回の研究では、 一般的に普及してる放射線装置や画像処理装置で、特殊な撮影を行うことなく半月板を視認し、逸脱の有無や程度を検出する方法を開発し報告しました。

デジタルレントゲンを採用している施設であれば、今日から誰でも、すぐにでも実践可能な方法です。初診時のレントゲンで患者さんの目の前で一緒に半月板の逸脱具合を確認することができ、病態の共有や説明にも役立つと考えております。本研究は大変幸運なことに第96回日本整形外科学会学術集会の優秀口演の候補にも選んでいただき、論文作成の励みになりました。

もし本方法にご興味を持っていただき、不明な点やコツなどをお知りになりたい先生がいらっしゃいましたらご連絡いただけますと幸いです。

これからも日々少しずつ精進していければと考えております。今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

北秋田運動器検診の活動報告(能代厚生医療センター 塚本泰朗)

公益財団法人地域社会振興財団より令和5年度人生100年時代づくり・地域創生ソフト事業交付金をいただきまして、北秋田運動器検診事業を北秋田市医療健康課の協力のもと開始しています。この度第1回の運動器検診を8月19日に北秋田市民ふれあいプラザコムコムを会場にして開催させていただきました。

運動器の障害のため移動能力の低下をきたした状態であるロコモーティブシンドローム(通称ロコモ)は、本人が自覚する前から生じていることが多く、進行すると将来介護が必要となるリスクが高くなります。 ロコモに対する運動器の予防医学的観点からの取り組みは地域に暮らす人たちにとって非常に重要です。

検診は、北秋田市民病院の石垣先生をはじめ、関連病院リハビリテーションスタッフ、工学部巌見教授などにもお手伝いいただき、午前・午後にそれぞれ20名程の対象者に対して、ロコモ度テストに加えて、ウエアラブルセンサ(9軸慣性センサ)を用いた簡易歩行解析、理学療法士による全身の可動域や筋柔軟性のチェック、足部アライメントの評価などをさせていただきました。

また、ロコモの原因のひとつとして変形性膝関節症がありますが、今回の運動器検診の大きな特徴として高性能超音波エコーを用いた膝の関節軟骨の摩耗や半月板の逸脱や損傷の評価も行いました。

検診を受けられた方々からは非常に好評で、『病院で単純レントゲン写真をとってもらってなんともないと言われたけど、膝のことが心配ですごく楽しみにしていた』などのお声を多数いただき、運動器検診の需要そして重要性を再認識する機会となりました。 9月10月にも開催予定ですが、今後も運動器検診事業を継続し、さらに広めていけるよう活動していきたいと思いますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

第105回全国高等学校野球選手権大会(甲子園)帯同②(浅香康人)

第105回夏の全国高校野球選手権大会の帯同で阪神甲子園球場に行かせていただきました。

理学療法士の先生方と一緒に選手のメディカルチェックを行い、試合前のコンディショニングを行いました。すべての選手が万全の体調で試合に臨めるよう、コミュニケーションをとりながら入念にケアを行っていきました。

新型コロナウイルス蔓延のためここ数年は様々な制限が設けられてきましたが、久々に制限なしという形で開催されました。満員の会場、吹奏楽団の演奏、応援団の歓声、全てが従来の盛り上がりを取り戻していました。8/12の初戦は天候にも恵まれ、第一試合のため朝8時のプレイボールでしたが、太陽はすでに最高出力で球場を照らしており、選手たちの熱い闘志と混ざり合って甲子園は灼熱のコロッセオと化していました。前半は両校譲らない展開でしたが、後半に得点を重ねられてしまい惜しくも次戦に駒を進めることはできませんでした。

結果は残念でしたが、期間中に選手たちが大きなけがをしたり熱中症になったりせずに日程を終えることができ、ほっとしています。今後もこのような形で陰ながら選手たちを支えていくことで秋田県のスポーツが発展するための一助になればと思います。