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秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.
今回はCHINA BASIN見学について
2017年9月1日から9月11日までセットアップのため渡米した際,北海道大学清水智弘先生にホームステイ,銀行口座開設,アパートの契約から野球観戦に至るまで,大変お世話になりました.その清水先生の御高配で,CHINA BASINという施設の見学させて頂きました.
清水先生はこれまで骨粗鬆症,RAと様々な分野に精通しておられる先生で,現在UCSFでは動作解析と画像機器を用いた研究をされております.
CHINA BASINは自分のアパートから徒歩で行ける距離にある研究施設とオフィスの共同ビルで,UCSFのDepartmentはEpidemiology,Biostatistics Radiology,Biomedical Imagingが入っています.
1Fにはイメージセンターがあり,high-resolution peripheral quantitative computed tomography (HR-pQCT)が導入されており,研究も盛んです.
フロアスペースは広大で整然としており,入り口ではタッチパネルの案内板が出迎えてくれました.
左が筆者,右が清水先生
このような機会を与えて頂いた北海道大学 清水智弘先生にこの場を借りて御礼申し上げます.ありがとうございました.
つづく
秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.
今回は臨床研究について
私の留学の目的は米国リハビリテーションの臨床研修です.それとともに,臨床研究も行う必要があり,現在進行中であります.
研究の指導医は,Dr, Saam Morshedです.彼はUCSF整形外科の准教授で,外傷を専門としている先生です.統計学に造詣が深く,M.D(Doctor of Medicine),Ph.D(Doctor of Philosophy; 医学博士)のほか,M.P.H(Master of Public Health; 公衆衛生学修士)も取得されている数少ない医師です.そのため,研究内容は大規模多施設での臨床研究を得意とされています.現在も10以上の多施設共同研究を行っており,そのグラントの総額は数億円を超えているそうです….
Dr, Morshedの下,OTIのClinical research部門にお世話になり,臨床研究の立ち上げ,IRB; Institutional Review Board,日本で言う倫理委員会の承認を経て,臨床試験が始まっています.
実際には,OTIでPhysiatristとして勤務されているDr, Karina Rosario,長尾正人先生の助力を頂き,臨床研究を行っています.発表前ですので詳細はお知らせできませんが,アナログ機器とデジタル機器を使った臨床研究を行っております.
週1回の研究ミーティングでは,現在進行中の研究の進捗状況や学会発表のスライドなどを逐一チェックし情報を共有していきます.
研究構想から研究チームの立ち上げまでのスピードがとてつもなく速く,データの管理方法や収集方法まで非常にシステマティックで統制されており,勉強になっています.日本との研究体制の違いも多々あり,うらやましかったり勉強になったりしています.
リサーチミーティング 左奥がDr,Saam Morshed,左手前がUCバークレーの学生.優秀です.
左からTgist(研究助手さん),筆者,Poul(ポーランドからのフェロー),Eleni(研究助手さん).いつもお世話になっています.
奥がDr, Karina Rosario,被験者が長尾正人先生 いつもお世話になっております.
つづく
秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.
今回はスポーツ外来見学 その1
いつもお世話になっている長尾正人先生に,UCSFでスポーツドクターとして勤務されているAnthony Luke先生を御紹介頂き,UCSFのスポーツ外来を見学してきました.
Anthony Luke先生はバンクーバー冬季オリンピックにも帯同された先生で,UCSF Orthopedics Instituteのスポーツ外来で診療されています.Luke先生は家庭医をバックグラウンドとしているため手術はされませんが,筋骨格系疾患全体を幅広く診療されて,時には脳振盪の患者も診療されます.
午前中は12人ほどの診療で,神経根性の腰痛,骨頭すべり後の若年性OA,半月板損傷,Hamタイトネス,こむらがえり,凍結肩,腓骨筋腱脱臼,痛脳振盪など部位も年齢も背景も人種も多様で,幅広い知識と気配りが必要となるようです.スポーツ外来ということもあり,患者さんの知識も相当なもので,文献レビューを行ってくる家族もいます.治療についても,他の治療法,どれくらいの効果があって,何%の人が良くなるのかまで細かく聞かれます.Luke先生は1人1人丁寧に診察し,病状・原因・治療について分かりやすい説明を行っていました.
午後は10人ほどの診療で,主にエコーを使った診療で,エコー下の関節内注射や診断目的の注射,膝蓋腱障害に対するPRP治療などを行っていました.HA注射の多用はなく(保険とガイドラインの関係かもしれません),ステロイドを最低3ヶ月以上間隔あけて注射することが多いようです.
診察スタイルはSFGHと同じで,医師が部屋に出向く形をとっており,Luke先生は3-4部屋を行ったり来たりする形です.ここにはSFGHほど多くのレジデントはおらず,レジデントが予診を行ったりはしていませんでした.
また,診療補助を行ってくれる看護師さんもおらず,担当のAthletic Trainerが患者の入れ替えや部屋の整理などを行っている状況で,人件費はできるだけかけないようにしている印象を持ちました.
目新しいこととして,Luke先生はGoogleグラスを用いた診療アシストのTrialを行っているようで,Googleグラスをつけた状態で診療されていました.アシストの内容は,カルテ記述のディクテーションの補助,電話,メモなどです.Luke先生曰く,ペーパーワーク業務の約20%の負担軽減になっている感じがするとのことでした.見た目はそれなりに目立ってしまうものなので,患者さんには診療前に必ず説明を行い,簡単に同意を得ていました.今後,もしかしたらこのような技術がだんだんと流入してくるのかもしれません.
動作解析の部屋を見学させて頂いたり,オリンピック帯同時の裏話などを教えて頂いたりもして,大変興味深く,勉強になる外来見学でした.
Orthopedics Institute ビル1個,全部整形外科用です.
Googleグラスを着用したAnthony Luke先生と
Human Performance Center
秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.
今回はUCSF Medical Center @Parnassusについて
UCSFには4つの中核関連施設があります.私の所属しているZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)の他に,UCSF Medical Center @Parnassus,@Mt. Zion,@Mission Bayがあり,それぞれ日本の大学附属病院のような教育病院的な役割を果たしています.それぞれの病院に特色があります.
正面玄関
浜松医科大学整形外科で脊椎がご専門の小林祥先生の御高配の下,UCSF Medical Center @Parnassusを見学しました.小林先生はUCSF Medical Center @Parnassus でDr. Vedat Devirenに従事され,研修,臨床研究をされています.データベースの作成などに携わっておられ,既に論文も投稿されているそうです.
UCSF Medical Center @Parnassusには多数の施設があり,規模が大きく,素晴らしい眺望で,図書館の蔵書も豊富です.病院は,手術室と基礎研究の教室が同じ棟にある,研究に有利な構造をしていました.
外来からの風景 天気が良ければゴールデンゲートブリッジも見えます
小高い丘の上に建てられた外来棟からはゴールデンゲートブリッジを望むことができます. ちなみに,ここの外来診療はアメリカでよくある,ジーンズなどのラフな格好は禁止されているそうです.
また,脊椎外科は脳外科と整形外科の医師合わせて24人で,手術も一緒に組むことも多いそうです.これはアメリカでもよくあることではなく,珍しいそうです.
このような機会を与えて頂いた浜松医科大学 小林祥先生にこの場を借りて御礼申し上げます.ありがとうございました.
筆者と小林先生
つづく
本講習会は障がい者スポーツの発展のため、年1回、埼玉県所沢市にある国立障害者リハビリテーションセンターで行われています。
今回は2月23日〜25日に行われ、秋田県からつつみ整形外科の堤祥浩先生と木村の2名が参加しました。
障がい者スポーツといえば、メディアで取り扱われる肢体不自由(脊髄損傷や肢体切断)のイメージが強いですが、他にも視覚障がい・聴覚障がい・内部障がい(心機能・呼吸機能・腎機能障がいなど)、知的障がい、精神障がいがあります。
本講習会ではパラリンピックのような競技スポーツだけでなく、病院内で行われるリハビリテーションスポーツ、在宅・施設内で行われる生涯スポーツについても学ぶことができました。
知的障がいのある人たちの大会を、スペシャルオリンピックスと呼びますが、知的障がいのマラソン世界記録保持者は日本人だとご存知でしょうか?時間は2時間23分09秒と素晴らしく、世界選手権ではこのような選手が、サインを求められているそうです。日本もいつかそんな雰囲気になって欲しいです。
実技では車椅子バスケとゴールボールを体験しました。ゴールボールでは、ロンロンパラ金メダリストの女子選手など、ナショナルチーム選手から直接指導頂きながら行いました。アイシェイドという、光も一切通さないマスクをつけ、何も見えない中で行うスポーツの経験は貴重でした。車椅子バスケは、下肢を使えない難しさがありますが、障がい者の方と同じ目線で一緒に楽しむことができるスポーツだと思います。初めてのブザービートも経験でき大満足でした。
パラスポーツはまだまだ知られていないだけで、オリンピックスポーツと同じくらい楽しめます。ぜひ盛り上がっている平昌でも、パラスポーツも注目してみてください!今年はNHKでも初の実況つきです。
懇親会では他県の整形外科の先生と、切断術の是非について議論できました。重度四肢外傷において、四肢を温存することが理想と考えていますが、機能としては切断し義肢や車椅子などを使うことで世界で活躍するアスリートになれる可能性もあります。このようなパラアスリートの活躍が、今後の治療方針にも大きく影響してくるかもしれないと考えさせられました。
今回の講習会を終えた69名を合わせ、全国で計524名が障がい者スポーツ医として登録されます。年々講習会の人気は上がっており、倍率は1.5倍ほど、受講資格を得るのも大変になってきたようです。ご興味のある方はお早めに!
秋田県内の障がい者スポーツ医は当科の藤井昌先生を含め、4名になりました。IPC(国際パラリンピック委員会)のmottoである「To enable Para athletes to achieve sporting excellence and inspire and excite the world」のように、秋田でも障がい者がスポーツを楽しむことができる環境、活躍できる環境を作り、さらにそれが健常者のスポーツ環境改善、意欲向上につながることを信じ、サポートしていきたいと思います。
2/23-24に東京で開催された第48回人工関節学会に参加してきました。
今回の人工関節学会には秋田の同門からはAHRG、ASAKGのメンバーを中心に多くの先生方が参加されました。AHRGからは小西先生、田澤先生、木島先生、佐々木研先生、鈴木紀夫先生、長幡先生、三浦先生からの発表がありました。
学会ではステム選択の考え方や脊椎、骨盤アライメントに対するカップ設置の考え方など多岐にわたり勉強することができました。この学会で得た知識を日々の診療・研究に活かしていきたいと思います。
発表をするAHRG若手と小西副会長、田澤人工関節センター長
島田教授と札幌医科大学の吉本三徳准教授のご高配により、脊椎内視鏡手術の見学のために、平成30年2月13日~16日に木村竜太先生が、2月19日~23日に私が札幌に行ってまいりました。私は、吉本先生の手術(MED 2件、ME-MILD 2件)と関連病院である麻生整形外科医院の坂本直俊先生の手術(MED 1件、MEL 1件)を見学させていただきました。吉本先生は脊椎内視鏡術をこれまで1000例近く行っており、手術前のセッティングから術中の注意点、術後管理に至るまで、私の基本的な質問にも丁寧に解説していただき、大変勉強になりました。また、札幌医大整形外科の1週間のカンファレンスにも参加させていただき、脊椎だけでなく四肢の手術患者のプレゼン・ディスカッションもみることで、秋田大学との違いを感じつつ、良い刺激を受けることができました。
お忙しい中、手厚い歓迎をしていただき、とても有意義な一週間を過ごせたと感じております。この経験を活かして、秋田県で自分でも脊椎内視鏡手術を導入していけるよう頑張りたいと思います。
秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.
今回はサンフランシスコの街並みについて
サンフランシスコは移民の街です.多種多様な人種がここに住んでおり,街並みも驚くほど多様性に富んでいます.
典型的な,坂にビクトリアンハウスが並ぶ風景.この辺の家は写真の家の1つが売りに出されていて,お値段は…
ミッション地区 ここはスパニッシュ系の人たちが多く住む場所.個性的で小洒落た店も多く,最近は若い人にも人気.
中華街.世界でも類のない大きさとのこと.通りも公園も,完全に中国です.英語が通じません…
小さいですがジャパンタウンもあります.アメリカ式にモディファイされています.
エンバーカデロ(ファイナンシャルディストリクト) オフィス街です.ケーブルカーはここから出発するカルフォルニアラインに乗るのがおすすめ.いつも空いています.
イタリア人街 中華街とファイナンシャルディストリクトに隣接していて,境目の交差点にいると,今どこの国にいるか分からなくなります.
カストロ 虹色の横断歩道はLGBTの社会運動を象徴しています.
ヘイト・アシュベリー ヒッピー発祥の地.家族でも絡まれるのはここくらい…
家の近所のミッションベイ地区.新興住宅地なので一番個性がないかもしれません.
つづく
秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.
今回はLaguna honda hospital見学について
2018年1月22日から25日まで,長尾正人先生の御高配で,ラグーナホンダホスピタルという病院を見学させて頂きました.創設150年になる非常に歴史のある病院です.
「神様のホテルー奇跡の病院で過ごした20年間」という本の舞台がこのラグーナホンダホスピタルの旧病院だそうです.また,「States of Grace」というドキュメンタリー映画の主人公であるグレース医師が勤務されている病院です.詳細はリンク先を御参照下さい.
もともとはゴールドラッシュ時代の開拓者や炭坑夫のための救貧院として機能していた施設です.施設の老朽化のため,閉鎖の可能性もあったようですが,住民投票により存続が決定し,2010年頃に現在の新病棟が建設され今に至っています.
旧病棟は1部屋10数人収容し,カーテンで仕切られるような昔ながらの施設で,最大1000床以上あったトのことですが,現在の新病棟は760床になったそうです.旧病院時代から勤務されている,今回お世話になったLisa Pascual先生に苦労話を伺いました.
敷地は広大で,62エーカー(東京ドーム5.3個分)あり,敷地内には旧病棟は現在使用されていない部分も昔の雰囲気のまま取り壊されずに残されています.
760床のうち, Acute care unit(集中リハ)約20床,Skilled nurse facility(日本でいう慢性期?あまり手のかからない患者さん)約20床の合計約40床程度があるようです.
医師は常勤2人,非常勤1人のPhysiatrist (日本でいうリハビリテーション医ですが,少し違う気がします.詳細は後日報告致します),PT,OT,STは合わせて30人程度で規模にしては多くない印象です.ここもブログに記載したZSFGHと同様公立病院ですので,保険のない患者さんやmedicareと呼ばれる年金生活の患者さんが対象になっています.病院の成り立ちからして富裕層の病院ではありません.しかし施設は非常に整っており,Therapistから非常に人気のある病院と伺いました.
施設の特徴として,いろいろなセラピーが行われており,アート,ミュージック,瞑想,更には施設内に動物園や植物園もあり患者さんを癒やしています.
動物園,時々病棟にも彼らが登場します.
リハビリテーション部門では基本施設はもとより各種トレーニングマシン,大小2つのプールも完備されています.自宅・社会生活復帰のための擬似的生活環境施設もあり,非常に充実している印象でした.サンフランシスコ近郊でここまで充実しているのはここだけとのことです.
レール,階段,バスケットゴール
キッチン.実際に料理をすることもあるそうです.隣にはトイレやお風呂の訓練施設も.
プール
リフト付きの部屋
Lisa Pascual先生と
Nancy Fung先生と