セミナーレポート」カテゴリーアーカイブ

第2回足部領域関節エコーセミナー (柏倉 剛)

2016年2月20日に第2回となる、AFG、AIMG合同足部領域関節エコーセミナーを開催しました。場所は前回同様、市立病院外来で行いました。今回は骨軟部腫瘍研究会と日程が重なり、時間的制約もあったため、下肢神経ブロックを中心に行いました。

最初にスライドを用いたミニレクチャーを行い、神経の描出の基本、こつ、安全に施行するためのテクニックなどについて概説しました。現在、下肢のエコー下ブロックでは膝関節以下のものであれば確実に手術可能ですが、今後、より近位の手術を目指すためには後大腿皮神経、伏在神経などの個別の神経のブロックの精度を上げていく必要があります。そのため、今回は実習として下腿での伏在神経の描出を参加者の皆さんに徹底的に行っていただきました。講師として参加してくれた青沼先生の伏在神経はとても太くて立派なので、是非、一度みなさんもご覧になってください。

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ついに開催!秋田大学イリザロフ法セミナー(野坂光司)

島田洋一教授のご高配により,2月14日,秋田大学イリザロフ法セミナーを開催することができました.

秋田県内に広く浸透したイリザロフ創外固定を,基本から学ぶ機会として,若手医師,手術室看護師を対象に行いました.『若手医師は全員イリザロフを使えるようにさせる』という,全国で最もIlizarov愛を持つ教授と呼ばれる島田教授の熱い思いに応えるかのように,会場には多くの若武者たちが,所狭しと集結,イリザロフワイヤーを刺しまくっていました.模擬骨を使用し,実際にワイヤー,ハーフピンを刺入しまくり,固定するという,臨床さながらの熱気に包まれたハンズオンセミナーとなりました.

参加最年長の阿部栄二院長先生は,『組織のトップとして,自分のところの若手が使いこなすデバイスを理解する義務がある』と述べられ,非常に感銘を受けました.

休日に集まってくれた参加者のみなさん,準備,テーブル講師,後片付けを手伝ってくれたAIMGメンバー,開催に多大なるご協力いただきましたSmith & Nephewの皆様,源川医科の佐々木さん,本当にありがとうございました.

秋田のイリザロフ,まだまだ伸びしろあり,を実感することができた貴重な一日でした.アドバンスコースも計画中ですので,次回もぜひよろしくお願い申し上げます.

 

AIMGから学ぶILIZAROV法 (BASIC COURSE)   【日時】2016年2月14日(日)

【会場】北臨床棟2階 カンファランスルーム

【内容】イリザロフの基礎.外傷で使うために.

【対象】イリザロフ法に興味のある医師,手術室看護師

プログラム

12:00~12:05  島田洋一教授ご挨拶

12:05~12:50  レクチャー(野坂)

12:50~15:00 ハンズオンセミナー

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第6回 秋田県骨粗鬆症PTH治療セミナー報告(水谷 嵩)

2015年11月11日、第6回 秋田県骨粗鬆症PTH治療セミナーが秋田ビューホテルで開催されました。高い高齢化率を誇る秋田県では、いっそう骨粗鬆症治療が重要になってきています。今回は一般演題と特別講演を各1題ずつご講演いただきました。

はじめに一般演題では、秋田労災病院の加茂啓志先生から「人工関節周囲骨折に対するPTH治療」と題して御発表いただきました。TKAや人工骨頭置換術が一般的に行われるようになった昨今、人工関節の周囲で骨折してしまう方々も見られるようになりました。背景には骨粗鬆症が合併していることがほとんどで、手術方法や骨粗鬆症治療など様々な問題が生じます。加茂先生からは手術を行った例も含め受傷後にPTHを併用した自身のご経験をご紹介いただきました。

特別講演では、埼玉医科大学准教授の宮島剛先生から「骨粗鬆症治療におけるテリパラチドの位置付け」と題して御発表いただきました。宮島先生は骨粗鬆症を専門とされており、テレビ出演もされ大変ご多忙な中はるばる秋田までお越しいただきました。前半は改訂された骨粗鬆症治療ガイドラインの話題を中心に、一般的な骨粗鬆症の話から基礎的な話題、治療薬の選択方法、など多岐にわたる御発表をいただきました。これまであまり意識していなかった副次的作用に関してもご説明いただき、治療薬選択の幅が広がりました。

後半は宮島先生の専売特許とも言える研究分野で、性同一性障害の方の骨代謝変化についてご紹介いただきました。なぜ性同一性障害が発症するのかという疑問について性分化の段階からご説明いただきました。研究のため実際に新宿2丁目まで足を運び、被験者を探されたというエピソードには驚きました。また、現在適応はありませんが、男性の骨粗鬆症に対してもSERMは有効であるという結論に至るまでの研究内容は大変興味深かったです。

今回は普段と異なるテーマのご講演も拝聴することができ、貴重な知識を得ることができたセミナーでした。

ついに開催! 第一回AFG、AIMG合同足部領域関節エコーセミナー(柏倉剛)

H27年10月24日にAFG、AIMG合同で足部領域の関節エコーセミナーを行いました。

かねてから、若手の先生に足の外科に興味を持っていただく機会を考えていたのですが、この度、有志の方からの希望もあり、開催させていただきました。

エコーや実際の画像を供覧するため、PCのある場所ということで市立秋田総合病院の整形外来で行いました。

最初に足関節外傷に対するエコー診断について、頻度の高い骨折、靭帯損傷、裂離骨折などを実際の症例の動画・画像なども交えながらレクチャーを行いました。その後のハンズオンでは各先生方に実際にプローブをあててもらい、足関節周囲の損傷頻度の高い部位を一連の走査でやっていただけるように、我々が行っているのと同様な方法で行っていただきました。参加された先生方は、普段から日常診療にエコーを使われている方々ばかりで、かなり高レベルなディスカッションもでき、当方にとっても非常に有意義なものでした。

また参加者全てが,秋田大学整形外科が誇る優秀なアスリートであったため、たくさんの異常所見にも恵まれ非常に勉強になりました。

今回は初回ということもあり、試行錯誤の中での開催であったため、広くアナウンスできませんでしたが、これからもこのようなセミナーをたくさん計画する予定です。

興味のある先生がいらっしゃいましたら、是非とも参加していただけましたら幸いです。

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ついに開催! 第1回秋田県イリザロフケアセミナー (野坂光司)

島田洋一教授にご発案いただきまして、秋田県全域(18施設)で行われているイリザロフ創外固定の看護および管理の標準化を目標とした、第1回イリザロフケアセミナーが、看護師を対象に、10月24日、秋田大学医学部附属病院で行われました。

 

秋田大学医学部附属病院 整形外科病棟 坂谷慶子師長、門間りつ子看護師を中心に、チームイリザロフスタッフが手作りで準備、運営を行う初の試みです。秋田市内のみならず、全県各地から参加いただき、盛大なセミナーとなりました。

 

イリザロフ創外固定の管理は看護師さんが中心である特殊性を持ちます。秋田大学医学部附属病院イリザロフチームは全国トップの管理能力を持っていると自負しております。当院イリザロフチームがどのように感染ゼロと早期退院を達成しているのか、本セミナー受講により、その極意を参加者にお伝えすることができ、今後多くの施設でも同様の手技を取り入れていただくことにより、ますます、安全にイリザロフ創外固定の管理が行えるものと確信しています。

 

自分のチームのことを言うのもなんですが、当院のチームイリザロフ(病棟、外来、リハビリ)は、非常に高い看護レベルおよび研究レベルであるだけでなく、なんと言っても、イリザロフ創外固定患者へのあふれる愛情が素晴らしいと常々感じております。患者への愛情なくしてイリザロフ創外固定の管理に成功はありません。坂谷師長さん、門間さんが作って下さった土台に、若手看護師のチームイリザロフがしっかりと育っていっている、非常に素晴らしい流れの中に、いま秋田イリザロフ法グループはあることに感謝しております。この流れが全県に広まってくれれば、本当に万々歳です。

 

看護研究紹介では、ICUに異動した長谷部亘看護師も堂々たるご自分の研究成果を発表してくれました。また夜勤明けにも関わらず、佐々木学看護師の内容も素晴らしかったです。佐々木学看護師のオリーブ油の発表は全国的にも非常に反響が大きいものです。金悠佳看護師のスキントラブルと関連因子の発表内容は、もはや医師レベルと言っても過言ではありません。ぜひ論文にして貰いたい内容です。若手代表の高橋加苗看護師は毎晩遅くまで準備を頑張って下さり、セミナーでも大変有意義なプレゼンテーションをしてくれました。DVDは秋田イリザロフ法グループの宝です。

 

次回はパネルディスカッションも入れ、より充実した内容で開催したいと思います。

 

第1回 秋田県イリザロフケアセミナー

日時:平成27年10月24日(土)9:00~12:00

会場:秋田大学医学部附属病院第 一病棟8階カンファレンス室

プログラム (司会進行 門間りつ子看護師)

9:00~9:05  坂谷慶子師長ご挨拶

9:05~9:10  オリエンテーション(門間りつ子看護師)

9:10~9:30   講義 「イリザロフ創外固定の特徴」(野坂光司)

9:30~10:10  看護研究発表

  • 創外固定ケアを標準化するための工夫(長谷部亘看護師)
  • 創外固定器の自己洗浄の自立度と感染発生の関係性について(門間りつ子看護師)
  • オリーブ油塗布による創外固定中の患肢における皮膚水分量の変化(佐々木学看護師)
  • 創外固定部のピン周囲のスキントラブル過程と関連因子(金悠佳看護師)

10:10~10:40  創外固定患者の看護ケア(高橋加苗看護師)

10:40~10:50  質疑応答

10:50~11:00  休憩

11:00~11:30  実際の患者による下肢洗浄

11:30~12:00  ディスカッション

12:00~12:10   島田洋一教授ご挨拶

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2015年10月1日 第7回秋田リウマチ治療セミナー(粕川雄司)

 強力な温帯低気圧が近づくなか,第7回秋田リウマチ治療セミナーが開催されました.リウマチ(RA)治療のセミナーで,一般演題は,羽後町立羽後病院 阿部秀一先生から,「初心者にもわかるRA診断」と題して,RAの診断について丁寧にわかりやすく御講演いただきました.続いて,雄勝中央病院 浦山雅和先生から「関節リウマチ治療の評価:総合的疾患活動性指標」について,RAの病状を評価する複数の方法の実際や問題点について,AORAのデータも含めて御講演いただきました.日々お忙しいなか御講演いただいたお二人の先生方,ありがとうございました.御講演より,現在のRAの診断や評価法について理解を深めることができました.また,今後の評価法の問題点などについても議論されました.
特別講演は,大分大学医学部 整形外科 教授 津村 弘先生より「人工膝関節置換術-苦労した症例-」と題して御講演いただきました.数多くの手術をされている御経験より,難治な手術例についてもお話しいただき,今後手術を行う際や難しい手術を計画する際に大変勉強になる有意義な御講演でした.御講演のあと,ご学友である吉富健志教授も交えてとても楽しいお話しをたくさん聞かせていただきました.悪天候のため当日朝から大分を出発され,遠路はるばる秋田までお越しいただき,御講演いただき誠にありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.
当日ご参加いただいた先生方,学生の方々,共催いただきました方々,ありがとうございました.今後ともよろしくお願い致します.
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2015年9月17日木曜日 第5回秋田県運動器疼痛治療セミナー (粕川雄司)

第5回となる秋田県運動器疼痛治療セミナーが開催されました.一般演題は,羽後町立羽後病院 阿部秀一先生から,変形性足関節症を伴った下垂足に対し手術を行い症状の改善が得られた症例を,市立秋田総合病院 柏倉 剛先生から,関節リウマチによる関節痛に対する薬物治療について御発表いただきました.貴重な御発表を頂きありがとうございました.

特別講演は,札幌医科大学整形外科 講師 吉本三徳先生より「腰椎変性疾患の病態からみた内視鏡下手術の適応と実際」と題してご講演いただきました.非常にわかりやすい術中の動画をたくさんご提示いただき,内視鏡を使用しての手術のメリットやその陰にあるご苦労などをお話しいただきました.内視鏡手術の実際についてご自身のデータをたくさん含めた御講演は,大変勉強になりました.誠にありがとうございました.これからも,よろしくお願い致します.

当日ご参加いただいた先生方,学生の方々,共催いただきました方々,ありがとうございました.今後とも引き続きよろしくお願い致します.

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秋田県腰痛セミナー 2015 ( 鈴木 真純)

 

 

 

8月21日(金)、岩手医科大学医学部整形外科学講座 准教授 村上 秀樹先生をお招きし行われました秋田県腰痛セミナー2015のご報告です。

一般演題1題目は、平鹿総合病院 櫻場 乾 先生の『掌蹠膿疱症性骨関節炎の4例』でした。自分はまだほとんど経験したことが無いのですが、他科からの頼診で時々診断の必要に迫られることのある疾患です。うち2例の詳細な経過、診断までの道筋、治療など非常に勉強になりました。特に、重要な鑑別疾患の一つとなる化膿性椎間板炎との画像的な違いに関しては、診断する上で非常にためになりました。2題目は、能代厚生医療センター 安藤 滋先生による『当科における化膿性脊椎炎、椎間板炎の調査』でした。化膿性脊椎炎・椎間板炎は、内科的な疾患を合併していることの多い高齢者の場合では特に診断・治療の選択に迷うこともある疾患であり、高齢者の特に多い秋田においては早期の診断が重要となる疾患の一つであります。この発表でも、発症時には47%の患者が他科を受診しているという結果でした。かつての、治療原則は安静と抗生剤という流れに対し、可及的早期に固定を行うという意見も多く聞かれるようになってきており、その点に関して会場が村上准教授も交えての熱いエンドレスなディベートになりかけたのには驚きました。

そして特別講演、村上秀樹准教授による『腰椎変性疾患に対するOLIF法の適応と実際』でした。OLIFはXLIFと並び、腰椎変性疾患に対する全く新しい椎体固定術であり、TLIF, PLIFといった従来の後方よりアプローチする手技比べ低侵襲で革新的な手術方法と言えます。秋田県でも近年XLIFが導入されるようになり、次いで導入されることとなる手術方法となっています。手術体位に始まり、手技・適応症例など実際の動画や画像を交えて御講演頂き非常に分かりやすく勉強になりました。その中でも特に後方除圧の要不要に関しては、今まではまだ自分の勉強不足ということもあり不明な点が多々ありましたが、一切行っていないという村上先生のお話はとても興味深いものでした。最後の質疑応答までハイレベルで、OLIFに関して余すこと無く勉強することのできるセミナーとなりました。

最後に、OLIF,XLIFともに今後の腰椎変性疾患に対して主流となる可能性の高い手技ですので、この会に限らず今後もしっかり学んでゆくべきと感じました。

 

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第5回秋田・札幌整形外科合同セミナー in 札幌 (佐々木研)

4月27日,札幌市において,秋田札幌合同セミナーが開催されました.

セミナーに先立ち,朝9時より豊平川河川敷にて親善マラソン大会が開催されました.

結果は…1位佐々木研(秋田) 2位千馬誠悦(秋田) 3位房川先生(札幌) 4位根本晃(秋田) 5位成田裕一郎(秋田) …と,秋田大学が上位をほぼ独占しました.年代別・部門別では,20代の部1位:房川先生(札幌),30代の部1位:佐々木研(秋田),40代の部1位:山田晋(秋田),50代の部1位:千馬誠悦(秋田),女子の部1位:花香先生(札幌)と,秋田大学が3部門を制しました.上位3人で争われる団体戦では秋田大学の優勝!ということで,見事3連覇を達成しました.

セミナーでは,一般演題で秋田大学から石川先生の頚椎手術,野坂先生のイリザロフの発表がありました.

今回のセミナーでは,上肢がメインテーマとなっており,中通総合病院の成田裕一郎先生からは肘の主に外傷後循環障害について,同じく中通総合病院の千馬誠悦先生からは指の骨折,ピンニングなどについて,非常に勉強になる御講演を頂きました.

そしてトリは,島田教授自らが,「攻めのリハビリテーション」と題して,最新のロボットリハビリテーションの動向について,御講演されました.われわれは,そのスケールの大きさにただただ圧倒されるばかりでした.

夜の懇親会では,札幌医大の先生方と交流を深めることができました.1 2 3 4 5 6 7 9 10 11 12 13 14

H27.3.19 出羽リウマチセミナー (杉村祐介)

H27年3月19日、出羽リウマチセミナーが開催されました。

今回は特別講演の講師として、群馬大学整形外科准教授の飯塚伯先生にお越し頂きました。

一般演題1では秋田厚生医療センター整形外科、小西奈津雄先生が「関節リウマチ患者に対する人工膝関節全置換術」をご発表されました。関節リウマチ患者に対しての、多くの手術経験のデータをまとめて頂き、大変勉強になりました。

この度私は一般演題2での発表の機会を与えていただき、「シムジアの投与経験-関節エコー評価を交えて-」の演題を発表しました。AORAでのシムジア使用状況と、自験例を含め報告いたしました。

特別講演では、群馬大学整形外科准教授の飯塚伯先生に「関節リウマチの頚椎障害」についてご講演頂きました。前半は頚椎障害発生の原因や日常診療で見逃してはいけないポイントを分かりやすく説明して頂きました。後半は飯塚先生のリウマチ頚椎病変に関しての多くの研究内容の中で、上位頚椎固定術の後の骨癒合に関して術前の関節破壊の程度の違いにより癒合率に差があるという研究をはじめ、たくさんの研究内容をご講演頂きました。特に、上位頚椎固定術後の中下位頚椎のすべり発生に関する研究は、すべりの発生に術前、術後のアライメントとの関連はみられないということで、他の原因も考えさせられる大変興味深い内容でした。今後、研究、臨床ともに発展させていけるようさらに努力していきたいと思います。