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ついに開催! 第1回秋田県イリザロフケアセミナー (野坂光司)

島田洋一教授にご発案いただきまして、秋田県全域(18施設)で行われているイリザロフ創外固定の看護および管理の標準化を目標とした、第1回イリザロフケアセミナーが、看護師を対象に、10月24日、秋田大学医学部附属病院で行われました。

 

秋田大学医学部附属病院 整形外科病棟 坂谷慶子師長、門間りつ子看護師を中心に、チームイリザロフスタッフが手作りで準備、運営を行う初の試みです。秋田市内のみならず、全県各地から参加いただき、盛大なセミナーとなりました。

 

イリザロフ創外固定の管理は看護師さんが中心である特殊性を持ちます。秋田大学医学部附属病院イリザロフチームは全国トップの管理能力を持っていると自負しております。当院イリザロフチームがどのように感染ゼロと早期退院を達成しているのか、本セミナー受講により、その極意を参加者にお伝えすることができ、今後多くの施設でも同様の手技を取り入れていただくことにより、ますます、安全にイリザロフ創外固定の管理が行えるものと確信しています。

 

自分のチームのことを言うのもなんですが、当院のチームイリザロフ(病棟、外来、リハビリ)は、非常に高い看護レベルおよび研究レベルであるだけでなく、なんと言っても、イリザロフ創外固定患者へのあふれる愛情が素晴らしいと常々感じております。患者への愛情なくしてイリザロフ創外固定の管理に成功はありません。坂谷師長さん、門間さんが作って下さった土台に、若手看護師のチームイリザロフがしっかりと育っていっている、非常に素晴らしい流れの中に、いま秋田イリザロフ法グループはあることに感謝しております。この流れが全県に広まってくれれば、本当に万々歳です。

 

看護研究紹介では、ICUに異動した長谷部亘看護師も堂々たるご自分の研究成果を発表してくれました。また夜勤明けにも関わらず、佐々木学看護師の内容も素晴らしかったです。佐々木学看護師のオリーブ油の発表は全国的にも非常に反響が大きいものです。金悠佳看護師のスキントラブルと関連因子の発表内容は、もはや医師レベルと言っても過言ではありません。ぜひ論文にして貰いたい内容です。若手代表の高橋加苗看護師は毎晩遅くまで準備を頑張って下さり、セミナーでも大変有意義なプレゼンテーションをしてくれました。DVDは秋田イリザロフ法グループの宝です。

 

次回はパネルディスカッションも入れ、より充実した内容で開催したいと思います。

 

第1回 秋田県イリザロフケアセミナー

日時:平成27年10月24日(土)9:00~12:00

会場:秋田大学医学部附属病院第 一病棟8階カンファレンス室

プログラム (司会進行 門間りつ子看護師)

9:00~9:05  坂谷慶子師長ご挨拶

9:05~9:10  オリエンテーション(門間りつ子看護師)

9:10~9:30   講義 「イリザロフ創外固定の特徴」(野坂光司)

9:30~10:10  看護研究発表

  • 創外固定ケアを標準化するための工夫(長谷部亘看護師)
  • 創外固定器の自己洗浄の自立度と感染発生の関係性について(門間りつ子看護師)
  • オリーブ油塗布による創外固定中の患肢における皮膚水分量の変化(佐々木学看護師)
  • 創外固定部のピン周囲のスキントラブル過程と関連因子(金悠佳看護師)

10:10~10:40  創外固定患者の看護ケア(高橋加苗看護師)

10:40~10:50  質疑応答

10:50~11:00  休憩

11:00~11:30  実際の患者による下肢洗浄

11:30~12:00  ディスカッション

12:00~12:10   島田洋一教授ご挨拶

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2015年10月1日 第7回秋田リウマチ治療セミナー(粕川雄司)

 強力な温帯低気圧が近づくなか,第7回秋田リウマチ治療セミナーが開催されました.リウマチ(RA)治療のセミナーで,一般演題は,羽後町立羽後病院 阿部秀一先生から,「初心者にもわかるRA診断」と題して,RAの診断について丁寧にわかりやすく御講演いただきました.続いて,雄勝中央病院 浦山雅和先生から「関節リウマチ治療の評価:総合的疾患活動性指標」について,RAの病状を評価する複数の方法の実際や問題点について,AORAのデータも含めて御講演いただきました.日々お忙しいなか御講演いただいたお二人の先生方,ありがとうございました.御講演より,現在のRAの診断や評価法について理解を深めることができました.また,今後の評価法の問題点などについても議論されました.
特別講演は,大分大学医学部 整形外科 教授 津村 弘先生より「人工膝関節置換術-苦労した症例-」と題して御講演いただきました.数多くの手術をされている御経験より,難治な手術例についてもお話しいただき,今後手術を行う際や難しい手術を計画する際に大変勉強になる有意義な御講演でした.御講演のあと,ご学友である吉富健志教授も交えてとても楽しいお話しをたくさん聞かせていただきました.悪天候のため当日朝から大分を出発され,遠路はるばる秋田までお越しいただき,御講演いただき誠にありがとうございました.今後ともよろしくお願い申し上げます.
当日ご参加いただいた先生方,学生の方々,共催いただきました方々,ありがとうございました.今後ともよろしくお願い致します.
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2015年9月17日木曜日 第5回秋田県運動器疼痛治療セミナー (粕川雄司)

第5回となる秋田県運動器疼痛治療セミナーが開催されました.一般演題は,羽後町立羽後病院 阿部秀一先生から,変形性足関節症を伴った下垂足に対し手術を行い症状の改善が得られた症例を,市立秋田総合病院 柏倉 剛先生から,関節リウマチによる関節痛に対する薬物治療について御発表いただきました.貴重な御発表を頂きありがとうございました.

特別講演は,札幌医科大学整形外科 講師 吉本三徳先生より「腰椎変性疾患の病態からみた内視鏡下手術の適応と実際」と題してご講演いただきました.非常にわかりやすい術中の動画をたくさんご提示いただき,内視鏡を使用しての手術のメリットやその陰にあるご苦労などをお話しいただきました.内視鏡手術の実際についてご自身のデータをたくさん含めた御講演は,大変勉強になりました.誠にありがとうございました.これからも,よろしくお願い致します.

当日ご参加いただいた先生方,学生の方々,共催いただきました方々,ありがとうございました.今後とも引き続きよろしくお願い致します.

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秋田県腰痛セミナー 2015 ( 鈴木 真純)

 

 

 

8月21日(金)、岩手医科大学医学部整形外科学講座 准教授 村上 秀樹先生をお招きし行われました秋田県腰痛セミナー2015のご報告です。

一般演題1題目は、平鹿総合病院 櫻場 乾 先生の『掌蹠膿疱症性骨関節炎の4例』でした。自分はまだほとんど経験したことが無いのですが、他科からの頼診で時々診断の必要に迫られることのある疾患です。うち2例の詳細な経過、診断までの道筋、治療など非常に勉強になりました。特に、重要な鑑別疾患の一つとなる化膿性椎間板炎との画像的な違いに関しては、診断する上で非常にためになりました。2題目は、能代厚生医療センター 安藤 滋先生による『当科における化膿性脊椎炎、椎間板炎の調査』でした。化膿性脊椎炎・椎間板炎は、内科的な疾患を合併していることの多い高齢者の場合では特に診断・治療の選択に迷うこともある疾患であり、高齢者の特に多い秋田においては早期の診断が重要となる疾患の一つであります。この発表でも、発症時には47%の患者が他科を受診しているという結果でした。かつての、治療原則は安静と抗生剤という流れに対し、可及的早期に固定を行うという意見も多く聞かれるようになってきており、その点に関して会場が村上准教授も交えての熱いエンドレスなディベートになりかけたのには驚きました。

そして特別講演、村上秀樹准教授による『腰椎変性疾患に対するOLIF法の適応と実際』でした。OLIFはXLIFと並び、腰椎変性疾患に対する全く新しい椎体固定術であり、TLIF, PLIFといった従来の後方よりアプローチする手技比べ低侵襲で革新的な手術方法と言えます。秋田県でも近年XLIFが導入されるようになり、次いで導入されることとなる手術方法となっています。手術体位に始まり、手技・適応症例など実際の動画や画像を交えて御講演頂き非常に分かりやすく勉強になりました。その中でも特に後方除圧の要不要に関しては、今まではまだ自分の勉強不足ということもあり不明な点が多々ありましたが、一切行っていないという村上先生のお話はとても興味深いものでした。最後の質疑応答までハイレベルで、OLIFに関して余すこと無く勉強することのできるセミナーとなりました。

最後に、OLIF,XLIFともに今後の腰椎変性疾患に対して主流となる可能性の高い手技ですので、この会に限らず今後もしっかり学んでゆくべきと感じました。

 

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第5回秋田・札幌整形外科合同セミナー in 札幌 (佐々木研)

4月27日,札幌市において,秋田札幌合同セミナーが開催されました.

セミナーに先立ち,朝9時より豊平川河川敷にて親善マラソン大会が開催されました.

結果は…1位佐々木研(秋田) 2位千馬誠悦(秋田) 3位房川先生(札幌) 4位根本晃(秋田) 5位成田裕一郎(秋田) …と,秋田大学が上位をほぼ独占しました.年代別・部門別では,20代の部1位:房川先生(札幌),30代の部1位:佐々木研(秋田),40代の部1位:山田晋(秋田),50代の部1位:千馬誠悦(秋田),女子の部1位:花香先生(札幌)と,秋田大学が3部門を制しました.上位3人で争われる団体戦では秋田大学の優勝!ということで,見事3連覇を達成しました.

セミナーでは,一般演題で秋田大学から石川先生の頚椎手術,野坂先生のイリザロフの発表がありました.

今回のセミナーでは,上肢がメインテーマとなっており,中通総合病院の成田裕一郎先生からは肘の主に外傷後循環障害について,同じく中通総合病院の千馬誠悦先生からは指の骨折,ピンニングなどについて,非常に勉強になる御講演を頂きました.

そしてトリは,島田教授自らが,「攻めのリハビリテーション」と題して,最新のロボットリハビリテーションの動向について,御講演されました.われわれは,そのスケールの大きさにただただ圧倒されるばかりでした.

夜の懇親会では,札幌医大の先生方と交流を深めることができました.1 2 3 4 5 6 7 9 10 11 12 13 14

H27.3.19 出羽リウマチセミナー (杉村祐介)

H27年3月19日、出羽リウマチセミナーが開催されました。

今回は特別講演の講師として、群馬大学整形外科准教授の飯塚伯先生にお越し頂きました。

一般演題1では秋田厚生医療センター整形外科、小西奈津雄先生が「関節リウマチ患者に対する人工膝関節全置換術」をご発表されました。関節リウマチ患者に対しての、多くの手術経験のデータをまとめて頂き、大変勉強になりました。

この度私は一般演題2での発表の機会を与えていただき、「シムジアの投与経験-関節エコー評価を交えて-」の演題を発表しました。AORAでのシムジア使用状況と、自験例を含め報告いたしました。

特別講演では、群馬大学整形外科准教授の飯塚伯先生に「関節リウマチの頚椎障害」についてご講演頂きました。前半は頚椎障害発生の原因や日常診療で見逃してはいけないポイントを分かりやすく説明して頂きました。後半は飯塚先生のリウマチ頚椎病変に関しての多くの研究内容の中で、上位頚椎固定術の後の骨癒合に関して術前の関節破壊の程度の違いにより癒合率に差があるという研究をはじめ、たくさんの研究内容をご講演頂きました。特に、上位頚椎固定術後の中下位頚椎のすべり発生に関する研究は、すべりの発生に術前、術後のアライメントとの関連はみられないということで、他の原因も考えさせられる大変興味深い内容でした。今後、研究、臨床ともに発展させていけるようさらに努力していきたいと思います。

こまち骨粗鬆症セミナー (鈴木 真純)

2015年2月27日(金)ビューホテルにて開催されました、こまち骨粗鬆症セミナーのご報告です。同日より急激に寒くなり,天候も一時荒れましたがたくさんの先生方々のご参加を頂きました。今回は、一般演題2題・学術講演に慈恵医科大学整形外科 斎藤 充准教授をお招きしての開催となりました。

一般演題1題目は「男性骨粗鬆症の検討」、不肖ながら鈴木が発表させて頂きました。続発性であればまだしも、原発性男性骨粗鬆症となると、そう外来で見かける頻度は多くない疾患だけに、発表という機会を頂きつつ勉強する機会を頂いたという実感でした。今回は時間の関係もあり4例に厳選しての報告になりましたが、これを機にまた何か新しい知見があれば発表してゆきたいと思います。2題目は秋田労災病院の佐々木 寛先生の「当院通院中の骨粗鬆症患者における血清25(OH)ビタミンD濃度」のご発表でした。骨粗鬆症治療において、筋や中枢への作用の可能性などを秘めたビタミンDの、血中濃度と、動的バランスなど項目をご検討されたものでした。外来で頻用される治療薬だけに、とても興味深い結果と内容でした。

最後は、斎藤 充准教授の学術講演「新たな骨粗鬆症病型分類をもとにした治療薬の使い分けの実際—骨質劣化は骨折重症化の危険因子」でした。骨強度の30%を占めると言われている骨質を中心に、種々の骨粗鬆症の病態・それに合った治療戦略・ビスホスホネートの最近の知見などのお話を頂きました。実際の臨床で様々な骨粗鬆症治療薬が治療のツールとして使えるようになってきている現在、「使い分け」を強く意識していなかった(理解していなかったという方が良いか)自分にとても勉強になるご講演でした。特に自分の研究テーマにしているminodronateの、resedronateからの切り替えのお話や、Vit B6の骨粗鬆症治療における影響のお話などは衝撃的でした。感銘を受けると同時に己の不勉強が恥ずかしくなる、正に教育的な御講演でした。

この会の後は、斎藤 充准教授を囲む会が川反某所でひらかれ、野坂光司先生の奥様、野坂恵子先生にもご参加頂きました。アカデミックな話は勿論ですが、先程の会とは打って変わって非学術的なお話も大いに盛り上がりました。特筆すべきは野坂恵子先生よりカミングアウトされた「ぶるぶるチェアー」のお話でした。プライバシーの問題がありますので、詳細はここでは控えさせて頂きます。

セミナーも、そしてセミナーの後も非常に充実した内容の1日となりました。

 

秋田大学整形外科 大学院 鈴木 真純

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第12回秋田県骨軟部腫瘍セミナー (永澤博幸)

第12回秋田県骨軟部腫瘍セミナーが、2015年2月14日に開催されました。

本セミナーは県内整形外科医を主な対象とし、骨軟部腫瘍に関する診療技術向上のため年1回開催されております。今回の特別講演は、JA北海道厚生連旭川厚生病院整形外科主任部長の川口哲先生をお招きして、「米国テキサス大学アンダーソンがんセンターでの整形外科診療」というご講演をしていただきました。川口先生は米国医師免許試験に合格し、いくつかの州で医師免許を取得されております。このうち、テキサス大学アンダーソンがんセンターでのご勤務時代の経験をもとに日米の整形外科医療制度、骨軟部腫瘍診療の違いについてご講演いただきました。

米国医師免許を持たない医師の研修は基本的に見学のみになりますが、米国医師免許を取得され実際に勤務なされていたご経験による講演は、特に若い先生にとってインパクトがありました。セミナー終了後の情報交換会では、もっと詳しい話を聞かせてもらうべく多くの県内若手整形外科医が川口先生の周りに集まっていたのが印象的です。

川口先生におかれましては、新千歳空港が雪まつり状態の中、岩手県花巻空港より秋田市入りすることになり、ご足労をお掛けしました。今後ともご指導よろしくお願いします。

 

第2回しらかみ疼痛セミナー(水谷 嵩)

第2回 しらかみ疼痛セミナーの報告(水谷 嵩)

2015年2月12日、秋田ビューホテルで第2回しらかみ疼痛セミナーが開催されました。整形外科医として日常診療でもっとも関わりの多い疼痛に関するセミナーで、第2回となる今回も平日にもかかわらず多くの先生方にお集まりいただきました。

今回は特別講演2題をご講演頂きました。1題目は九州大学病院整形外科講師の播广谷勝三先生から「脊椎腫瘍性疾患に伴う疼痛-診断と治療におけるknack & pitfalls-」の演題でご講演頂きました。播广谷先生は脊椎と腫瘍を専門とされており、今回は脊椎腫瘍について豊富な経験から手術症例、診断に至るまでをご発表していただきました。最近注目されている低リン症誘発性骨軟化症に関する話題や、脊索腫、骨巨細胞腫の手術治療など大変興味深い内容でした。

2題目は大阪大学大学院医学系研究科運動器バイオマテリアル学の准教授富田哲也先生から「整形外科医のためのNSAIDの使い方」という演題でご講演いただきました。富田先生の専門は関節リウマチで、他にも様々な分野でご活躍されておられます。そのご経験の中で、今回は我々整形外科医には切っても切れないNSAIDsに関する話題でご発表いただきました。NSAIDs潰瘍とその予防、NSAIDsと骨粗鬆症についてなど明日から使える知識を自験例を含めお話ししていただきました。

秋田大学大学院  水谷 嵩

秋田県骨粗鬆症学術セミナー報告(木下隼人)

2014年11月19日、特別講演の講師として、北海道大学整形外科の高畑雅彦講師をお招きして、秋田ビューホテルで開催されました。自分も一般演題を出させていただきました縁にて講師控室でご挨拶をする機会を得ました。物静かで控えめな印象を受け、穏やかな方でした。脊椎を専門とされており、秋田オリジナルとされるPAVRECを非常に高く評価して頂きました。

一般演題では、最初に自分の拙い学位研究について述べさせて頂きました。

次に、山本組合総合病院の伊藤博紀先生より『橈骨遠位端骨折治療のピットフォール』という題にて御講演頂きました。橈骨遠位端骨折のプレート適応が、関連病院で手術全体の96%に達したとの報告や、術中に肘を20°屈曲することで橈骨手根関節面がきれいに抜けて見え、スクリューが関節面に突出しているかどうか確認しやすいなど、実臨床に役立つ内容で、大変勉強になりました。

高畑雅彦講師におかれましては、『関節リウマチおよび類縁疾患患者に発生する骨質異常と脊椎再建手術における問題点』について御講演を賜りました。高畑講師は骨質に関する構造面からの解析に非常に造詣が深く、また、関節リウマチおよび類縁の自己免疫疾患の頸椎変性疾患をご専門とされており、この度は、これら基礎研究から臨床研究までの幅広い範囲にわたり学ばせて頂きました。その中で特に印象に残ったのは、脊椎変性の一環で生じる骨棘が、実は脊椎の安定化に寄与することがあり、自己免疫疾患でステロイドを内服すると、この骨棘形成が抑制されるために、脊椎の不安定性がより生じやすくなる危険性があるというお話でした。また、このような患者さんに対しての手術には、力学的に椎体間固定が有利であることを、実例を交え示して頂きました。この際にも、推奨される手術の一つとしてPAVRECを加えて頂いたご配慮に、只々感銘を受けるばかりでした。

今回、残念ながら講演の模様をおさめた写真はございませんが、拙い基礎研究しかやっていない自分は、高畑講師のように基礎・臨床いずれの研究においても深く追求できるような人間になりたいと思いました。