第6回秋田・札幌整形外科合同セミナー in 秋田 (長幡 樹)

4月23日に札幌医科大学、秋田大学の合同セミナーが開催されました。

朝8時一つ森公園での親善マラソン大会から始まる今回のセミナー。札幌からは7人、秋田から17人の参加、また教授、准教授をはじめとする多数の先生がたの応援もあり大変な盛り上がりでした。

 

桜が満開の中、景色を楽しんでエンジョイランニング...とはいきません。我々整形外科はいつだって本気です。熾烈なデッドヒートで景色を見る間もなく、走り終わると倒れ込むランナー達。

全力でぶつかりあったからこそ深め合えたと思います。優勝はダントツのタイムでわが秋田大学の佐々木研先生でした。おめでとうございました。

 

午後からは秋田大学、札幌医科大学の先生方による研究会。各大学から4題ずつの一般講演、また各大学2題ずつの特別講演の発表がありました。

 

一般演題では佐々木研先生が「三次元体幹筋骨格モデルを用いた後弯変形高齢者の評価」について発表をしました。脊椎アライメントの分析や高齢者の動態モデルなど臨床につながる研究内容の発表でした。野坂光司先生は「骨粗鬆症臨床におけるテリパラチド週一製剤の有用性」についての発表でした。骨粗鬆症患者の増加するなかでPTH製剤の治療効果等、再確認させていただける内容、また今後の治療展望など大変勉強になりました。土江博幸先生は「粘液繊維肉腫の遠隔転移症例の臨床像」という題での発表をされました。札幌医科との共同での臨床像の研究など2大学の協力体制もお話ししており、腫瘍に関してまだ知識の浅い自分にとって大変勉強になる内容でした。木島泰明先生は「関節痛の関連する因子の検討―股関節を中心に―」の秋田県阿仁地区での大規模なDataから各関節痛の原因を検討した興味深い内容の発表をお話しいただきました。超音波をつかった軟部の検討など、低侵襲でできる検査からの研究であり、今後の診療へすぐにでも役立てるようなお話でした。

札幌医科の江森誠人先生は「当科と秋田大学における非好発部位発生骨肉腫の臨床像」という題で秋田札幌での非好発部位発生骨肉腫の臨床像と双方での交流研究についての発表などお互いの深い交流についての興味深いお話しをしていただいました。高橋信行先生は「骨脆弱性骨盤輪骨折に対する観血的治療例の検討」と今注目を集めている脆弱性骨盤骨折に対する治療法、注意点などのご講演をいただきました。道家孝幸先生は「卵巣摘除マウスの疼痛行動に対するテリパラチドの効果」の演題で骨粗鬆症治療の根本だけでなく、疼痛に対するテリパラチドが及ぼす影響を研究した内容をお話しいただきました。館田健児先生は「前外側アプローチTHAと後外側アプローチTHAのJHEQによる術後成績の比較」と題して、お互いのTHAの利点、欠点を含め患者満足度や動作に対する詳細な評価を発表していただきました。

教育講演では当科から齊藤英知助教授から「変形性膝関節症に対する関節温存手術」についてのお話でした。大腿骨、脛骨の骨切りによる手術、海外での経験を踏まえての治療に対する姿勢などとても興味深いお話しでした。粕川雄司講師から「成人脊柱変形に対する側方進入椎体間固定術」についてのお話をいただきました。Approachの方法や、術前検討の仕方や、手術の手技、術後の経過等、詳細な内容のお話しでした。島田教授から椎体置換(X-core)や今後の側方進入法のあり方など今後の治療へのより積極的な介入が期待されるお話しでした。

札幌医科大学から鈴木智之助教授から早期OAに対する半月板の影響についてお話しをいただきました。多くの文献から基礎的な機能の話や、そこからの治療方法の選択等大変内容の濃いお話をしていただきました。また寺島嘉紀助教授は「低侵襲手術としての腰椎除圧術」とう題でご発表しました。低侵襲手術として手技、手法など大規模なDataからの検討内容のご発表でした。

 

年1回の交流会で今後も切磋琢磨してお互いを高め合っていきたいと思います。遠路はるばる足を運んでくださった札幌医大の先生方ありがとうございました。

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