第11回Orthopaedic Trauma Course、Orthopaedic Trauma Institute in San Francisco General Hospital見学 (水谷 嵩)

島田洋一教授のご高配により、2016年4月28日〜30日にサンフランシスコで開催されたOrthopaedic Trauma Courseに参加してきました。参加メンバーは河野哲也先生、鈴木真純先生、益谷法光先生、水谷の4人で、初の同期だけでの海外出張となりました。

 

学会前日は、島田教授のご学友で、現在はOrthopaedic Trauma Institute in San Francisco General Hospitalでご活躍されている長尾正人先生に同院を案内していただきました。市立病院ということで要請のあった急患を受け入れる病院で、数年前の航空機事故では60名ほどの救急患者さんを一度に受け入れたこともある程のキャパシティを持つそうです。米国では個人で入っている保険が異なるため、民間施設では入っている保険によって受診できない場合もありますが、同院では保険に加入していなくても基本的に全ての市民が受診できるそうです。そのため、受診料や外来予約時間など市立病院ならではの問題も抱えているようです。救急初療室や手術室、外来診療室を見学しながら米国での診療事情などを詳しく教えていただき、大変興味深い病院見学になりました。

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Orthopaedic Trauma Courseはサンフランシスコのインターコンチネンタルホテルで行われました。米国で開催される骨折治療関連の学会では最大規模で、今回は世界100カ国以上の国から参加者がいたそうです。内容は骨折治療の内容がほとんどで、海外ではどのような治療をしているか、骨折治療について今どのようなことが議論されているかを学ぶことができました。手術で使用される器械も差があり、米国では医療費の関係で、高価なチタンより安価で丈夫なステンレスの器械が日本より多く使用されているようです。Oral sessionの合間にwork shopで模擬骨を使用した手術手技の練習も経験することができました。海外の先生方と意見を交わしながら(ほとんど教えてもらいながらでしたが)手術の練習をするのは日本では味わうことのない経験でした。

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一般口演では日本ではあまり見ない治療の発表もいろいろと聞くことができましたが、特に印象が強かったのは、骨癒合に難渋した橈骨遠位端骨折のstudyで、時には規格外のアイディアも必要だという思いを込めた “Think out of the box.”という言葉で締めた発表でした。基本が大事なのはもちろんですが、時には柔軟に対応する能力も身につけられるよう今回の経験を生かしていきたいと思います。