2017年6月22日〜24日に大阪で開催された日本骨形態計測学会に参加しました。大学院で行っている基礎研究から、赤川学先生が「糖尿病モデルラットにおける低強度有酸素運動と活性型ビタミンD製剤の血糖と骨密度に対する効果」を、私が「アジュバント関節炎ラットの骨密度と関節炎に対するエルデカルシトールとイバンドロネートの効果」を発表し、臨床からは長幡樹先生が「組織学的診断により骨軟化症と診断された脆弱性骨盤骨折の1例」を発表しました。
“医歯薬工連携による骨形態計測学の新たな展開”というテーマで、演題にはHigh Resolution peripheral Quantitative CT(HR-pQCT)や定量的超音波法(QUS)、Trabecular Bone Score(TBS)といった評価方法を用いた演題が多くみられました。秋田に導入するのはまだまだ難しいのですが、DXA法による骨密度測定だけでは評価しきれない骨粗鬆症を治療していく上で、こういった新しい評価方法が今後は普及していくのだろう、と感じました。また、生活習慣病と関連した骨粗鬆症についての発表も多数あり、慢性腎臓病や糖尿病に伴う骨粗鬆症は、それぞれ病態が異なり、使用すべき薬剤や評価方法もそれぞれ異なることを学びました。自分たちは、整形外科医ではありますが。骨粗鬆症診療をするにあたっては内科疾患についての理解も深めておくことが必須であることを感じました。本会で得た知識を日々の診療や自分の実験に活かし、また、後輩の基礎研究のテーマの参考にしていければと思います。
最後に、赤川先生の演題が本会の若手研究者賞を受賞されました。日々、ラットへの薬剤経口投与やトレッドミルなど、苦しい実験を共に経験した大学院A-BONEメンバーにとっても、この賞は大変うれしいものでした。赤川先生、おめでとうございます!!