第19回日本骨粗鬆症学会に参加して(湯浅悠介)

10月20日から22日までの3日間、大阪国際会議場にて第19回日本骨粗鬆症学会が開催されました。整形外科医、内科医、産婦人科医など様々な科の医師とコメディカルが参加しておりました。

秋田からは一般演題が6題採択されました。佐々木聡先生は「イバンドロネート静注製剤とリセドロネート月一経口製剤における骨代謝マーカー変化の比較」と題して御発表され、田村康樹先生は「エルデカルシトール投与例における血中カルシウムおよびeGFRの変動と併用薬との関連について」、堀川明先生は「経年的に調査した経口と注射製剤の骨粗鬆症治療薬の使用割合の推移と要因」、粕川雄司先生は「経口ビスホスホネート製剤長期使用例の頻度とその休薬の可能性についての検討」、土江博幸先生は「非定型大腿骨骨折患者の血中ビタミンD濃度に関する検討」と題して御発表されました。また、湯浅も「大腿骨近位部骨折症例における術前移動能力と骨粗鬆症の関連性」で発表致しました。他科の医師やコメディカルからの発表も多く、新たな切り口から骨粗鬆症の知識を深めることができました。普段、外来で行う骨粗鬆症治療をただ漫然と行うのではなく、Clinical Questionを常に抱きつつ診療にあたることが大切であると感じました。

宮腰尚久准教授は「サルコペニアとフレイル、栄養、運動」というシンポジウムで「加齢に伴う脊柱後弯と体幹筋の運動療法」と題しご講演されました。脊柱後弯によってもたらされる様々な弊害、そしてそれを予防するためにどのように運動療法を行っていくべきかを順序立てて教えていただきました。またシンポジウムを通して、サルコペニアに対しロイシンを代表とする分岐鎖アミノ酸の摂取と運動がどれ程大切であるかも学びました。我々整形外科医は今後、骨だけでなく骨格筋に対しても治療介入をしていかなければならず、そのためには正確な知識を得る必要があるため、今回のような学会に参加し、知識のup dateをしていきたいと思います。