第9回秋田リウマチ治療セミナー(高橋靖博)

平成29年10月19日、第9回秋田リウマチ治療セミナーが開催されました。

一般演題の一題目は、羽後病院の阿部秀一先生から「当院における関節リウマチ手術の動向」について御講演いただきました。近年のリウマチの早期診断、薬物療法の進歩で大関節の人工関節手術は減少し足部の手術の割合が増加してきているという内容でした。

二題目は雄勝中央病院の浦山雅和先生が「AORA registryにおける高齢のリウマチ患者に対するトシリズマブ治療」について御講演いただきました。秋田県内の2000人を超える大規模データをまとめて発表されました。傾向として継続率は高く、高齢者にも有効性は高いことや、若年者と比べて有害事象は同様であるものの、やはり有害事象は要注意であることなど、様々な情報を教えていただきました。

また特別公演として、大阪大学の蛯名耕介先生に「関節リウマチにおける骨関節破壊機序とその対策」の演題で御講演をいただきました。まずリウマチにおけるコツ破壊機序の基礎的な部分からわかりやすく教えていただき、リウマチ患者さんへ治療により関節破壊の進行が抑えられることや治療経過をしっかり説明することや、患者さんが自分の病気に対してどう思っているかをフィードバックして治療に生かしていくことの大切さを改めて感じました。また治療ではTAAや足部手術に関して、さらに現在研究中である滑膜の再生治療についても御講演いただき、非常に興味深く拝聴することができました。

2時間という短い時間でしたが、非常に有意義に勉強することができました。今回のセミナーでは整形外科がリウマチの患者さんを診察することの重要性を改めて感じました。今後の外来治療に生かしていきたいと思います。