投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

第10回 JASA(笠間史仁)

2022年8月6~7日に横浜で開催された第10回JASA(Japan Association of Spine surgeons with Ambition)に工藤大輔先生と笠間が参加して参りました。

本会は10年前に当時30~40歳代の若きリーダーであった全国6名の先生方が設立し、高いマインドを持った「尖った」会として発展してきたと伺いました。50歳で本会からは卒業をするユニークな会であり、今年度より秋田大学からは工藤先生が主メンバーとなられました。「Ambition」を持った全国の若手・中堅脊椎外科医の発表と、極めて教育的で活発なディスカッションに強く刺激を受けました。JASAにおいては多施設共同研究も行われ、1500例の高齢者頚髄損傷をまとめた報告など貴重な発表を数多く拝聴することができました。

特別講演では、北里大学の高相晶士先生より脊柱変形・側弯症治療の歴史、「薔薇」の漢字の覚え方からポルシェはなぜ後輪駆動なのかまでご教示いただき非常に勉強になりました。

 本会で得た刺激を、秋田に戻っても燃やし続け、いずれ本会で発表できるように頑張りたいと思います。

第40回日本骨代謝学会学術集会(五十嵐駿)

2022年7月22~23日に岐阜県の長良川国際会議場、都ホテル岐阜長良川にて日本骨代謝学会学術集会が開催されました。


秋田県からは5演題の発表が行われました。粕川雄司准教授は「下位腰椎骨粗鬆症性椎体骨折の治療」と題し、頻度は低いながらも生じると全脊椎のアライメントやADL・QOLの悪化を来しやすい下位腰椎椎体骨折の患者背景や治療法に関する内容を御発表されました。土江博幸先生は「骨幹部発生非定型大腿骨骨折における危険因子とその病態 に関する検討」と題し、骨幹部発生の非定型大腿骨骨折の危険因子が骨吸収抑制剤の使用、大腿骨の過度な弯曲、鋸歯状変化であるという内容を御発表されました。東海林諒先生は「びまん性特発性骨増殖症(DISH)を伴う脊椎骨折患者の骨密度と骨代謝マーカーの検討」と題し、軽微な外傷で椎体骨折などを来し保存療法では骨癒合が得られにくいDISHの骨密度や骨代謝についての検討結果を御発表されました。原田俊太郎先生と笠間史仁先生と私は大学院の研究結果を発表致しました。原田先生は「アデニン誘発性慢性腎臓病モデルラットにおけるビスホスホネートと運動療法の骨と腎臓に対する効果の検討」と題し、CKDにおける安全性や有効性に議論の余地があるビスホスホネート製剤と、腎機能に良い影響を与えることが分かっている運動療法の併用効果についての検討結果を発表しました。笠間先生は「軟部肉腫と抗がん剤がマウスの骨代謝へ与える影響」と題し、明らかになっていない軟部腫瘍や抗がん剤(ドキソルビシン)が栄養状態や骨代謝へ与える影響についての研究結果を発表しました。私は「慢性腎臓病モデルラットにおけるエテルカルセチドとテリパラチドの海綿骨に対する効果」と題し、CKDに伴う骨ミネラル代謝異常や二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬であるエテルカルセチドと骨粗鬆症治療薬のテリパラチドの併用効果の研究結果を発表致しました。


本学会は整形外科のみではなく内科、歯科、そして理工学など様々な分野の先生が参加されており、質疑応答では今後の研究において重要となる点を指摘して頂くこともあり、とても有意義な機会となりました。本学会を通じ、骨代謝はあらゆる角度から研究され、発展しているのだと実感しました。今後も研究を続け、骨代謝の発展へ貢献できるよう努めていきたいと思います。

第13回秋田県小児整形外科研究会(河原木剛)

2022年7月9日(土)、第13回秋田県小児整形外科研究会がZoomによるオンラインにて開催されました。

一般演題では、小児の外傷や感染症、下肢変形、側湾症など多岐にわたるテーマで発表があり、活発な討議が行われました。私自身も「歩行可能な脳性麻痺児におけるはさみ脚変形への対応」という演題を発表させていただきましたが、幸運にも優秀演題賞を頂くことができました。この場をお借りして、ご指導いただいた先生方に深謝致します。

その後のミニレクチャーでは、秋田労災病院の関展寿先生より、「一般整形外科医にも知ってもらいたい成長期スポーツ傷害の知識」と題して講演をいただき、よく経験するスポーツ外傷から、足関節捻挫に対する靭帯再建術、膝のタナ障害(滑膜ヒダ障害)に対する手術治療についてレクチャーしていただきました。

特別講演では、千葉県こども病院の整形外科主任医長 及川泰宏先生より「こどもの化膿性関節炎・骨髄炎~発熱・痛みの診断・治療・鑑別~」のテーマで講演をいただきました。治療を遅らせてはならない化膿性関節炎・骨髄炎ですが、その診断にはPredictive factorが有用であることや、鑑別診断、治療等について解説していただきました。難治症例についてもご提示いただき、大変勉強になる講演でした。

今回学んだことを活かして、今後の小児整形外科診療に貢献できるよう精進してまいります。

第42回骨形態計測学会(原田俊太郎)

秋田はまだ梅雨が明けきっていない中、2022年6月30日〜7月2日に鳥取県米子コンベンションセンターにて「第42回日本骨形態計測学会」が開催されました。

秋田からは粕川雄司先生、野坂光司先生、五十嵐駿先生、笠間史仁先生、原田が参加いたしました。

粕川先生、野坂先生に座長席から見守っていただきながら五十嵐先生が「慢性腎臓病モデルラットにおけるエテルカルセチドとテリパラチドに皮質骨に対する効果」を、笠間先生が「軟部肉腫モデルマウスにおける骨代謝に与える影響」を堂々とした立ち振る舞いで口演され私自身も「慢性腎臓病モデルラットにおけるビスホスホネートとトレッドミル運動の骨と腎に対する効果の検討」発表させていただきました。会場の雰囲気もとてもあたたかく会終了後に個別にアドバイスをいただくこともでき大変勉強になりました。また会期に併せて開催された骨形態計測ハンズオンセミナーにも参加することができ、実際に計測機器を使いながら学べたことは今後の大学院研究にとって大変貴重な経験でした。

私自身は昨今の社会情勢の影響もあり、大学院進学後初めて現地参加できた学会でした。この時の鳥取は最高気温35度と真夏日ではありましたが気心知れた同期との学会参加は修学旅行のようで非常に有意義な時間でした。教育講演も自分達の研究に直結する内容が多く、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。今回学んだ内容を今後の研究に役立て行きたいと思います。

第59回日本リハビリテーション医学会学術集会(木村竜太)

2022年6月23日〜25日、パシフィコ横浜ノースで、第59回日本リハビリテーション医学会学術集会が芳賀信彦会長(東京大学大学院医学系研究科 リハビリテーション医学分野前教授)のもと開催されました。

秋田からは島田洋一名誉教授、粕川雄司先生、斉藤公男先生、千田聡明先生、渡邉基起先生、皆方伸先生、加賀美開先生、佐藤貴洋先生、木村がweb発表含め参加いたしました。

私自身の発表では、秋田大学整形外科の大先輩、加賀谷斉先生(国立長寿医療研究センター)とシンポジウムで一緒させていただき、リハビリテーションロボットについて、見識を深めることができました。今後より一層ロボットが診療の一部になってくると思いますが、やはり使う側の医療者が、その機器の特性と、患者さんの状態をしっかりと把握して、適切に用いることができるかどうか、そこが重要なんだと改めて実感いたしました。

初夏の横浜は晴天にも恵まれ、会場によってはほぼ満員となることもありました。隣接するパシフィコでは、日本骨折治療学会も開催されており、多くの整形外科医、リハビリテーション科医が集まる場になっていました。

今回の学びを現場に活かしてまいります。

第15回秋田県手外科研究会(岡本憲人)

2022年6月11日に第15回秋田県手外科研究会が開催されました。

研究会に先立ちエコーハンズオンセミナーも開催され、エコーガイド下神経ブロックの取得を目標に研鑽を積みました。

ハンズオンセミナーの冒頭では、市立横手病院の冨岡先生からランドマークを意識した神経同定について解説頂きました。腋窩や鎖骨上での神経ブロックの実際について教えていただき、初学者でも理解しやすい内容でした。その後実際にエコーを使用して神経描出を行いましたが、最後には全員神経描出が身についていた様でした。今後の診療への活用が期待されます。

研究会では一般演題から活発な討論が繰り広げられ、全ての演題が非常に勉強となる内容でした。優秀演題賞は中通総合病院湯浅悠介先生の「腱縫合後癒着に対しsoft wireを用いた腱剥離術を行った1例」が受賞されました。おめでとうございます。

ミニレクチャーでは北秋田市民病院の加賀望先生からは橈骨遠位端骨折の保存療法について、町立羽後病院の益谷法光先生からは切断指への初期対応から治療までについて、それぞれ解説いただきました。今回のレクチャーを通じて初期対応に少しは自信がついた先生も多いかと思います。

特別講演では、産業医科大学病院の善家雄吉先生より「教訓的な上肢・手外科症例を検討する」と題してご講演いただきました。診断や治療の遅れが機能予後の悪化に直結することを痛感する、タイトルの通り非常に教訓的な内容でした。

最初から最後まで非常に内容の濃い研究会でした。今後の県内の手外科診療に貢献できるよう精進していきたいと思います。

第119回東北整形災害外科 若手症例報告セッション優秀演題賞受賞(富永健太)

2022年6月3日、4日に東北医科薬科大学の小澤浩司教授を会長として第119回東北整形災害外科が開催されました。仙台国際センターでの現地開催とオンラインのハイブリッド型での開催となりましたが私は残念ながら現地開催は叶わずオンラインでの参加となりました。

私は若手症例報告セッションで“骨折を伴わない足関節開放性脱臼に外傷性後脛骨筋腱脱臼を合併した1例”という演題を発表させていただき、幸運にも優秀演題賞をいただくことができました。

稀な外傷である足関節開放脱臼に、これもまた稀な外傷である外傷性後脛骨筋腱脱臼を合併した症例に対し外科的治療で良好な成績を得たという報告です。

バスケットボール中の受傷でしたが術後早期にバスケットボールに復帰することができ整形外科冥利に尽きる症例でした。

昨年の東北整形災害外科学会でも優秀演題賞をいただいており2年連続で受賞することができました。

ご指導いただいた先生方、診療に関わっていただいた全てのスタッフにこの場をお借りして深謝いたします。

今後ともご指導の程何卒よろしくお願い申し上げます。

新入局!

秋山 美穂子(あきやま みほこ)先生

秋田厚生医療センターで初期研修中です。

スポーツを医療から支えたいとの思いから、整形外科に興味を持っていただき、

本日入局となりました。

秋山先生のご活躍を心より期待しております。

STOP! 側弯症

側弯症について、秋田県では、モアレ検診などを用いて積極的に早期発見に努めています。


6月は世界的に側弯症啓発月間とされております。
日本側彎症学会より、早期発見ならびに病気の理解のための動画が作成されました。

ぜひご覧いただき、早期発見、
また周囲の方の病気に対する理解が深まっていただければと思います。

理解と治療のための側弯症TOWN
https://www.sokuwan.jp/patient/

第119回東北整形災害外科学会(笠間史仁)

2022年6月3日~4日に仙台国際センターで第119回東北整形災害外科学会が開催されました。今回はハイブリッド開催でしたが、秋田県からの座長・発表者のおよそ半分は現地参加されており、久々に顔を合わせた同門の先生方も多く感じました。

 若手症例報告セッション・一般演題においては、若手の演題に対しベテラン医師からの温かい教育的な質疑応答があり、本学会の「若手を育成する」雰囲気を改めて感じ、私自身も現地での発表は良いものだなと感じました。また東北の地方会ということで顔見知った先生方との再会に刺激を受けました。

 若手症例報告セッションでは、富永健太先生が優秀演題賞をまた受賞されました。秋田県代表として、学生セッションでは医学科6年生の橋本総くん、若手English Award Sessionでは五十嵐駿先生が発表しました。橋本総くんには「大腿骨近位部骨折ではエリア分類を用いれば学生でも治療方針決定ができるか」という演題を発表いただきました。股関節医・大学院生・学生の3名で、エリア分類とAO/OTA分類などの検者間一致率を検討した演題で、データ収集から発表準備、そして完璧な発表と質疑応答をこなしてくれました。惜しくも優秀賞は受賞できませんでしたが、現在間違いなく秋田県(日本国内?)で最もエリア分類に詳しい男の一人です。治療方針に迷われた際には、ぜひ橋本くんにご一報ください(笑)

 秋田県はおそらく全国的にみてもまだ県外出張に厳しい県かと思われますが、学会への現地参加を通して知識・刺激を得られたらと思います。来年の学生セッションで発表したい学生さん、連絡をお待ちしております!