2023年5月20日, 第77回秋田県整形外科医会が行われました. COVID-19が5類感染症に移行し, 現地開催がメインの会となりました. 日頃より大変お世話になっている先生たちと久しぶりに対面でお話ができ, 大いに盛り上がりました.
まず, シンポジウムでは4名の先生がご講演をくださいました. 高齢化の進む秋田ならではのお話で、”高齢者に対する整形外科診療”と題し, 脊椎脊髄病, 骨軟部腫瘍, 関節疾患, 外傷疾患についてお話しいただきました. 高齢者の診療の現状と課題について語っていただき, 高齢者医療のモチベーションが高まるとても有意義なシンポジウムとなりました.
続いて, 若手のセッションが行われました. 今回からはResident Award SessionとYoung Specialist Award Sessionの2部門に分けられ, 若手により多くのチャンスをいただけるようになり, 若手のモチベーションもとても高かったと思います. Resident Award Sessionでは16題, Young Specialist Award Sessionでは7題のたくさんの発表があり, 各発表に対して活発なdiscussionが行われました. Resident Award Sessionの最優秀賞は大曲厚生医療センターの長岡佑樹先生が受賞され, Young Specialist Award Sessionの最優秀賞は秋田厚生医療センターの東海林諒先生が受賞されました. おめでとうございます.
その後, 教育研修講演1として, 奈良県立医科大学 骨軟部腫瘍制御・機能再建医学講座 教授 朴木寛弥先生より『骨・軟部腫瘍 最近の話題から』と題し, ご講演いただきました. 骨軟部腫瘍の診断・治療の基本的なお話, 腫瘍切除と人工関節のお話, 新規治療薬などをわかりやすくご教示いただきました. 最近では, がんゲノムプロファイリングによって臓器別の治療から遺伝子別の治療へ進歩していたり, リバース型人工肩関節置換術を用いて機能再建を行っていたり, 骨軟部腫瘍の治療が日々進化していることを実感しました.
教育研修講演2として, 東北大学大学院医学系研究科 整形外科学 教授 相澤 俊峰先生より『知って損のない脊椎外科とヒヤリハット-末梢神経障害の話題も含めて-』と題し, ご講演いただきました. 豊富な臨床経験の中から実際の症例を提示し, 脊椎外科医が気をつけなければならないことを教えていただきました. 研究の分野のヒヤリハットとして, いわゆるハゲタカジャーナルに関してご教授いただきました. なかなか普段の研究会では教えていただけないような内容で, 参加者全員が明日からの臨床, 研究に活かせる実践的なものでした.
今回のシンポジウム, 若手session, 教育研修講演とも大変勉強になる発表とご講演の連続でした. 本日学んだことを活かし, 秋田県の整形外科診療をより良いものにできるように精進していきたいと思います.