投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

第52回日本脊髄障害医学会総会 in千葉(飯田純平)

平成29年11月16-17日、三井ガーデンホテル千葉において第52回日本脊髄障害医学会総会が開催されました。

松永俊樹准教授、石河紀之先生、畠山雄二先生を筆頭に、秋田厚生医療センターの木下先生、大学の工藤先生、木村先生、岩本先生、井上先生、私が発表をして参りました。ロボットリハビリから、脊髄損傷患者における急性期管理、疫学、腰椎手術例における中殿筋筋力の定量評価、治療に難渋した頸椎病変の症例、脊髄腫瘍、脊椎バイオメカニクスなどと多岐にわたる発表であり、オーラル・ポスターともに会場内の至るところで同門の知った声の発表が聞かれました。

また、ランチョンセミナーでは島田洋一教授が「3次元動作解析の臨床応用」と題し、これまで脈々と続いてきたFESグループでの研究から、現在のロボットリハ・バイオメカニクスへの変遷とこれからの展望をご講演なさいました。

シンポジウムでは宮腰尚久准教授が「骨粗鬆症性椎体骨折の病態と治療」と題し、骨粗鬆症に伴う臨床的問題点や、骨粗鬆症に伴う脊柱変形の予防やリハビリテーション、手術治療の今後の展望などにつきわかりやすくご講演いただきました。

本学会は平成31年10月30-31日、秋田キャッスルホテル・にぎわい交流館AUにおいて、島田洋一会長の元、開催予定となっております。 学会全体をさらに盛り上げるべく研究・臨床と尽力していきたいと考えております。

 

 

 

 

 

2017 整形外科 市民公開講座(井上 純一)

2017年11月18日に2017市民公開講座が秋田市文化会館で開催されました。足元が悪い中、多くの方にご参加いただき、誠にありがとうございました。今年のテーマは、「健康寿命を延ばすために骨粗鬆症を知ろう!!」です。

例年どおり12時からデモンストレーションを行いました。ロコモ度テストと脊柱可動域・重心動揺・筋力測定(背筋力・下肢筋力)を実施しました。

14時からはパネルディスカッションでは、開会のご挨拶を秋田魁新報社の小笠原直樹社長、来賓のご挨拶を秋田市保健所の伊藤千鶴所長よりいただきました。総合司会を秋田テレビの石塚真人様にお願いし、はじめに島田洋一教授より「超高齢社会を生きる;運動器疾患の重要性」と題して基調講演をいただきました。骨粗鬆症の病態・問題点、秋田県の現状、予防・治療についてわかりやすく説明していただきました。

続いて東海林和弘先生と粕川雄司先生がコーディネーターとなり、パネリストとして石澤暢浩先生、佐藤毅先生、大沼信一先生、土江博幸先生、大内賢太郎先生をお招きし、パネルディスカッションを行いました。骨粗鬆症の予防に関して、食事療法や運動療法が重要という説明をいただきました。片足立ち、スクワットを会場の皆様と一緒に実践し、膝が痛い方には椅子に座りながら膝を伸ばす四頭筋訓練や雪の深い冬には大きなショッピングセンターなどでカートを押しながらウォーキングすると良いとアドバイスをいただきました。パネルディスカッション後はご参加いただいた皆様から医療相談を受け、今年の市民公開講座は閉会しました。足元が悪い中、ご参加いただいた方々、お手伝いをいただいた関係者の方々に心より感謝申し上げます。今後も市民講座を継続できるようにご支援・ご協力よろしくお願い申し上げます。

全学駅伝に参加しました(長幡樹)

今年も全学駅伝に参加しました。例年の太平山とは今年は違うコースになり、県立中央公園での開催でした。
 朝から雨が降るなかどうなるのかと不安でしたが、スタートしてから大きく天候も荒れることがなく走ることができました。
 今回我々、整形外科駅伝部は学会等でメンバー招集が難しく、テニス部のエースの笠間先生にも協力して参加しました。
 1区の佐々木研先生が3位という高順位で帰ってきて2区長幡、3区阿部先生が追い上げられながらも同順位でキープしてたすきリレーをしていました。4区は翌日にフルマラソンを控えた井上
先生が、4位と一つ順位を落としてしまいました。同区間で走っていた、第三内科の藤島先生は昨年からr驚くほど速くなった先生で、少し分が悪かったのかもしれません。
 例年3位以内、もしくは医学部陸上部に勝つことを目標にしていた我々駅伝部。そこから整形外科で最も歴史の深い部活の底力をみせ、徐々に前との差を詰めていきました。5区、木村先生、そして6区の急遽笠間先生が差を詰めて、7区の竹島先生がかなりの差をつけて逆転して帰ってきました。その後は高橋先生、成田先生、千馬先生と駅伝部常連のメンバーが安定の走りをみせてくれました。今回2位の「秋田市消防本部」には大差をつけられていたのですが、後半ではしっかりと差を詰めてくれました。
 結果は3位と優勝に絡むことは今回はできませんでしたが、来年以降につながる大会になったかと思います。今年度の駅伝は本大会が最後になります。
 来年は東日本整形災害外科学会が秋田県で開催されます。本学会では駅伝プログラムがあり、我々秋田大学は初代大会から負けなしの6連覇をしており、ディフェンディングチャンピオンとして迎える第7回大会に向けて今回の駅伝の反省点を改善しながら、練習に励みたいと思います。

第8回秋田県足の外科・創外固定研究会(長幡樹)

2017年11月11日に第8回秋田県足の外科・創外固定研究会が開かれました。一般演題からは7題、そして特別講演として清仁会シミズ病院 足の外科センター センター長 奥田龍三先生に「成人足部変形の病態と治療ー最近の話題を中心にー」という内容で、また湘南鎌倉総合病院 外傷センター センター長 土田芳彦先生に「重度四肢外傷の標準的治療」でご講演いただきました。
 一般演題では県内の重度外傷や、高度変形の治療への専門的な治療の発表があり、各病院の先生から活発な討論がありました。秋田県のお家芸でありIlizarov創外固定の有用性、また自家で行い手術の待機時間、患者負担を減らせる神経ブロックのまとめたDataなどとても勉強になる内容でした。
 またミニレクチャーとして「足部におけるinternal brace」という内容で市立角館総合病院の千田秀一先生にご講義いただきました。軟部組織・靭帯損傷に対する新しい治療方法を話をしていただき、今までの治療で生じていた合併症、後療法の短縮、機能改善を教えていただき、今後の治療の一助になる内容でした。
 特別講演Ⅰの奥田龍三先生は成人期扁平足と外反母趾を中心に解剖学的知識、診断に始まり、治療方針、様々な症例と、手術の動画を交えてとてもわかりやすくご講演をしていただきました。今までの知識に加えて、今後の診療でとても有用な勉強になるご講演をしていただきました。
 特別講演Ⅱでは土田芳彦先生が、高度四肢外傷のたくさんの激しい外傷症例とともに、治療方針、技術、治療のタイミングを教えていただきました。皮弁の重要性や、治療のタイミングの重要性、これからの秋田大学の医療の展望を示していただきました。
 両先生の講演はとても為になる内容で、今後の日常診療に役立てていきたいと思います。

第8回秋田県骨粗鬆症PTH治療研究会(湯浅悠介)

11月9日、第8回秋田県骨粗鬆症PTH治療研究会が開かれました。

一般演題では竹島正晃先生が「難治性骨折に対してPTHを使用した治療経験」と題し御発表いただきました。Hoffa骨折、人工股関節周囲骨折、ステロイド長期内服症例の骨折という具体的な3症例を提示いただき、それらに対するPTHの有効性を教えていただきました。骨癒合に不利な難治性骨折への治療としてPTHを積極的に使用していくことが大切であると感じました。

特別講演では千葉大学の大鳥精司教授から「腰椎疾患の現状と今後の展望」と題して御講演いただきました。千葉大学で行われている多くの素晴らしい研究結果をわかりやすくお示しいただき、大変勉強になりました。血液という身近なものからできている多血小板血漿(PRP)を用いることで骨癒合率の上昇、骨癒合期間の短縮をもたらすこと、そしてFreeze dryという方法により長期間栄養因子を失活させることなく保存が可能であることをご教示いただきました。また、腰痛との関連性を脊柱変形、筋量、骨密度といった様々な視点から検討し、上肢・下肢筋量と腰痛が相関することもご教示いただきました。多くの患者さんが訴える「腰痛」の原因はいまだ解明されていないのが現状ですが、腰痛に関連する事象をひとつずつひも解くことで、腰痛の原因解明、適切な治療選択へつながるのだと感じました。

この度はご講演いただき誠にありがとうございました。今後、日常診療においてもリサーチマインドを忘れず、研究を行い、その結果を論文化し世界へ発信できるように頑張りたいと思います。

第42回日本足の外科学会・学術集会に参加して(高橋靖博)

平成29年11月9日~10日に名古屋で開催された第42回日本足の外科学会・学術集会に参加して参りました。秋田からは柏倉剛先生、野坂光司先生、千田秀一先生、河野哲也先生、私の5人が口演で、計8題採択されました。内容はリウマチ・イリザロフ・靭帯/アキレス腱損傷・超音波・小児足部疾患の口演で、秋田の幅広い活動を全国にアピールできたと思います。

本学会では、子どもから成人の足および足関節に関する先天異常や麻痺性疾患をはじめとして、外傷やスポーツ傷害、変性疾患、腫瘍性疾患など、あらゆる足部・足関節の外傷や疾患、障害の成因や病態、診断、治療に関する臨床や基礎研究について学ぶことができます。私は「運動器エコーの診断・治療への活用 -足の外科領域において-」というハンズオンセミナーに参加しました。高倉先生(高倉整形外科クリニック)・岡田先生(岡田整形外科)・笹原先生(帝京大学スポーツ医科学センター)と著名な講師の方々が、描出のコツなどをわかりやすく解説してくださいました。足部・足関節の外傷ではATFLやCFL損傷・外果裂離骨折のようにレントゲンよりエコーの方が確定診断に有用な検査となることが多く、その技術を短時間で学ぶことができました。明日からの日常診療に役立てたいと思います。

夜は札幌医大の寺本先生・羊ヶ丘病院の倉先生にお招き頂き、秋田・札幌医大・羊ヶ丘病院の合同懇親会が開催されました。総勢20人を超える懇親会となり、他大学の年の近い先生やベテランの先生達、羊ヶ丘で研修した時にお世話になったスタッフ達と交流できたので、非常に刺激的かつ有意義な時間となりました。

今回この学会は初めての参加となりましたが、非常に楽しく学習できました。これを機会にもっと勉強していければと感じました。

第24回東北地区骨軟部腫瘍研究会(土江博幸)

この度、11月3日の文化の日に、秋田温泉さとみで第24回東北地区骨軟部腫瘍研究会が行われました。

私自身、昨年は留学していたためこの研究会への参加は今回でまだ2度目と参加回数が少ないのですが、数少ない骨軟部腫瘍を扱う研究会の1つであり、貴重な勉強の場でもあります。各病院で珍しい症例・診断に悩む症例を持ち寄り、整形外科だけでなく病理医、放射線科医と相談して話し合う、というのが基本スタイルであり、一般演題1つ(1症例)に25分も割り当てられています。やはり骨軟部腫瘍は、病理診断がとても重要であり、この骨軟部腫瘍という分野においては、病理医の中でも意見が分かれる事がしばしばあります。その際のDiscussionは白熱したものとなりましたが、通常の整形外科医では全くわからないような用語が次々と飛び出し、自分の知識の無さを痛感させられました。

 

一般演題終了後は、当科島田洋一教授に座長を務めて頂き、福井大学整形外科学教室教授の松峯昭彦教授から、「変貌する骨・軟部腫瘍の治療」というタイトルで御講演頂きました。自身の知識を整頓する事が出来る内容から、普段聞けないような新しい知見まで、幅広い内容の御講演をして頂き、大変勉強になりました。

 

更に会の終了後には、特別講師の先生や東北県内の骨軟部腫瘍を扱う先生方と一緒に温泉につかり、親睦を深めあう事もできました。私自信も松峯教授から色々な話を御伺いさせて頂く事が出来てとても勉強になりました。

 

今回は秋田大学が当番幹事でしたが、敏腕幹事の永澤講師により、無事に会を終える事が出来ました。来年は弘前大学が主幹ですが、今後も自身の向上のため、参加を続けていきたいと思います。

御講演頂いた松峯昭彦教授

抗RANKL抗体フォーラム in Akita(尾野祐一)

平成29年11月1日、秋田ビューホテルで抗RANKL抗体フォーラムin Akitaが開催されました。特別講演1は秋田大学整形外科の宮腰尚久准教授から「骨粗鬆症患者の転倒・骨折予防と医療安全」についてのご講演でした。転倒・骨折の疫学から、骨粗鬆症と転倒との関係、転倒予防のための運動療法のエビデンス、入院患者の転倒・骨折予防対策に至るまで、過去の論文や秋田大整形外科グループの研究を交えて、詳細にご講演いただきました。我々整形外科医は、骨折予防のために骨粗鬆症の薬物治療を普段の外来で行っていますが、転倒予防に関しては、歩行能力の著しく低下した人にどうやって筋力を増やすかなど、まだまだ課題が多く、高齢者の多い秋田県において、今後も取り組むべきであると再認識しました。

特別講演2は近畿大学整形外科・リウマチ科の宗圓聡教授の「骨粗鬆症の薬物療法に関する最新の話題」というタイトルのご講演でした。骨粗鬆症治療に用いている薬のガイドラインにおけるそれぞれの推奨度や、デノスマブ、テリパラチド、ビスホスホネート製剤の腰椎・大腿骨骨密度へ及ぼす影響の違い、顎骨壊死を意識したデノスマブの休薬の要否、骨粗鬆症治療の目指すべきゴールなど、すぐにでも臨床で使えるような事柄ばかりで大変勉強になりました。長期followしている骨粗鬆症患者の治療薬の選択については、悩むことも多く、本日得た知識を参考に、臨床へ活かしていければと思います。

第1回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会(木村竜太)

H29年10月28、29日に大阪国際会議場で第1回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会が開催されました。大阪大学の菅本一臣教授が会長をされ、「すべてがかわるリハビリテーション」というワクワクするテーマでした。

リハ医学会の秋季学術集会は初めての開催で、急増するリハビリの需要に対応し、エビデンスのある医療を提供するため今年度から春季と秋季の年2回の開催となりました。

当科からは島田洋一教授、松永俊樹准教授、工藤大輔先生、加賀望先生、岩本陽輔先生、塚本泰朗先生、木村の7人が参加し、FES(機能的電気刺激)、脊髄損傷の疫学、ロボットリハ、3Dプリンター装具、超音波などの発表を行いました。

療法士の先生も多く参加されており、どの会場でも立ち見が出るほどの盛況ぶりで、各会場で熱のこもった討論が行われておりました。

 

東京オリンピック・パラリンピックに向けての、障がい者スポーツのシンポジウムでは、カヌーでリオ8位になった瀬立モニカ選手も登壇され、「障がい者スポーツ医に望むこと」を提言されていました。海外では医師から障がいが生じた方へスポーツへの参加を積極的に促すそうですが、日本ではそのようにしてスポーツを始めた選手は少ない、ということでした。まだ日本国内では障がい者スポーツに理解がある医師は少なく、障がい者スポーツ医は秋田県内には2人しかいません(1人は当科の藤井昌先生です)。ぜひ自分も取得し、障がい者スポーツ発展の力になれればと思います。

第32回日本整形外科学会基礎学術集会に参加して (尾野祐一)

台風が続けざまに日本に襲来する最中、平成29年10月26日~27日に沖縄県の沖縄コンベンションセンターで開催された第32回日本整形外科学会基礎学術集会に参加しました。秋田大学の参加メンバーは、島田洋一教授、松永俊樹准教授、野坂光司先生、藤井昌先生、赤川学先生、井上純一先生、そして私の7人です。整形外科分野の基礎研究を主に発表する本学会に対して、藤井先生、赤川先生、私が大学院の骨代謝関連の研究を発表し、野坂先生は臨床データをまとめた演題を2題発表しました。特に野坂先生のイリザロフ創外固定器を用いた発表の際には、多くの方から質問を受けており、秋田大学のイリザロフ創外固定を用いた治療が注目を浴びていることが分かりました。

また、26日の我々の発表後には、琉球大学出身の井上純一先生のガイドの元、秋田大学の参加メンバーでちょっとした沖縄観光にも出かけました。井上先生が大学時代に過ごした思い出の地(デートスポット?)を回りつつ、巨大なシーサーと記念写真を撮影したのち、夜は沖縄料理を味わい、短い時間でしたが沖縄を満喫することができました。井上先生、ツアーガイドお疲れ様でした!