留学だより」カテゴリーアーカイブ

留学報告⑥(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Instituteです.   今回はインフルエンザ流行と咳予防について 米国でもインフルエンザが猛威をふるっています. しかし,日本ではおなじみのあの風景が全くありません.そう,マスクです.

 

 

 

 

 

 

 

本当にほとんどしていません.咳をしている人も….流石にしてくれと言いたいところですが. 病院でも,手術前室でマスクをつけていると,逆に何かに感染していると怪しまれるということで外さないといけません. もう一つ.咳や仕方です.よく飛散しないように手を前に顔を塞ぐようにしますが,間違いです.これだと,手に菌やウィルスがついて拡散します.          

 

 

 

 

自分の娘が風邪を引いたとき,小児科の先生からは正しい咳の仕方の指導が入りました.この正しい咳の仕方を覚えていないと学校に行けません,と厳しく言われました.日本でもマスクをしていてもこの咳の仕方が合理的だと思います.是非とも啓蒙をお願い致します.

留学報告⑤(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.

 

③ZSFGH/OTI その3 OTIについて

現在お世話になっているのはZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)のOrthopedics Trauma Institute (以下OTI)です.今回はOTIについて.

OTIはDr. Theodore Miclauが主導で2009年に開設された比較的新しい研究所です.Dr. Miclauはミーティング前には自ら椅子や机を自分で並べたりと,屈託のない人柄の方です.身なりもいつもしっかりしていて,いいとこの出身なんだと勝手に思っていましたが,プエルトリコで路上生活していた経歴もあるとんでもない苦労人の先生でした.

https://ryortho.com/2011/06/dr-ted-miclau-part-i/

https://ryortho.com/2011/07/dr-ted-miclau-part-ii/

OTI立ち上げ前の状況を知るある先生は,2003年頃のSFGHの整形外科部門は3−4人の医師しかおらず,小さな一部屋にまとめられていたと教えてくれました.現在はOTIだけで職員が50人を超える大所帯です.現在の施設からは想像できませんが,Dr. Miclauは研究費や寄付を獲得し,たった9年ほどでOTIを立ち上げて世界的な研究施設にしたということで,ただただ驚嘆してしまいます。

ベイエリア日本人整形外科の会

下段中央が長尾正人先生,下段右がDr. Theodore Miclau

 

施設の概要

Building 9という3階建ての歴史深い旧病院の建物にOTIはあります.2回の地震を乗り越えたレンガ造りの築100年を超えるビルですが,中身はリノベーションされており,見た目は非常に綺麗な施設です.1階は装具部門,2階にスタッフ用の,2人1部屋のスタッフルームがあり,ミーティングルーム,図書室や受付などがあります.3階は研究部門でClinical research(臨床研究)部門,Laboratory for skeletal regeneration部門(基礎研究),手術室を完備したキャダバトレーニングセンターがあります.キャダバセンターではキャダバを用いたBiomechanics,インプラントの開発,レジデントのトレーニングなどがひっきりなしに行われています.

私はclinical research部門の一室に席を頂いて,ここを拠点に病院の見学や臨床研究を行っています.

Building9 骨格模型が静かに出迎えてくれます

中はペンキで綺麗にリノベーションされています

受付もおしゃれ

休憩室もおしゃれ

自分の机

 

つづく

留学報告④ ZSFGH/OTI その2(斉藤 公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.

③ZSFGH/OTI その2 ZSFGHについて

現在お世話になっている病院はZuckerberg San Francisco General Hospital(ZSFGH)です.かの有名なFacebookのマークザッカーバーグが多額の寄付をして冠にZuckerbergの名前がついています.奥さんがSFGHで勤務していた経験があるようです.今回はZSFGHについて.

ZSFGHは1850年に設立された歴史のある公立病院です.建物自体は寄付により新築された外傷センター,40年前に建てられた旧病棟(現在も外来等で使用),1906年のサンフランシスコ大地震に耐えた煉瓦作りの病棟(外来や研究棟)が混在しており,全体としてはかなり広い施設面積です.

アメリカでは保険で受診できる病院が決まるという話がありますが,保険のない人も実際には沢山います.ZSFGHは公立病院なので,そういった患者さんも全て受け入れている病院です.

救急外来はサンフランシスコ市内では唯一のLevel 1 trauma centerとなっており,24時間重度外傷を受け入れています.当然,銃やナイフでの外傷なども多く(多くは麻薬がらみだそうです),病院には常に警察車両が常駐してセキュリティを保っています.

Level 1 trauma centerの施設基準はかなり厳格に決められているようです.この病院では一度に20台の救急車を一気に受け入れるキャパシティを持っているそうです.最初聞いたときは信じられませんでしたが,手術前室,手術後室が併せて50ベッド近くあり,マンパワーもそれに応じた人数を保っているとのことです.手術室は14室あるうちの1室は緊急用に常にセットアップされており,いつでも手術ができる状況を保っています.

2013年にサンフランシスコ国際空港で起きた,アシアナ航空着陸失敗事故の際,負傷者数180人うち重傷47人で,67人収容(入院をしない軽症を含めるともっと)したとのことでした. 救急隊との連携もしっかりしていて,現場でトリアージ後,一気に搬送されるのではなく,病院でも余裕をもって対応できるように3回に分けて患者が搬送されてきたとのことでした.

このように外傷患者が多いため,科を問わず”Trauma guy”達が集まる病院です.次回はZSFGHにある,Orthopedics Trauma Institute (OTI)について.

 

左が100年以上前の建物,真ん中が新しい外傷センター,右が旧病棟.

 

常にスタンバイされている緊急手術用の部屋.

 

スクラブ管理マシン.かなり厳重に管理されます.

 

つづく

米国留学報告②(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.これから少しずつ留学中の情報をブログに挙げていきたいと思います.

 

②家族と一緒に入国

留学前はあまり考える余裕も無かったので単純に家族と一緒に行こうということだけでしたが,実際にセットアップで米国に行き,言葉も文化もまるで違う異国の地に住むということが不安で不安で仕方ないまま一時帰国しました.そして,強烈な不安感に包まれたまま再渡航…正直,1人ならまだしも家族と一緒ってかなり大変なのでは?という思いでした.が,結果としては逆に家族に助けられることが多い毎日です.

まず,入国時,いつもいろいろ聞かれる入国審査は,家族がいると「Hi Kids! So cute!」で終了しました.こんな楽な入国審査は初めてでした.アメリカ人は犬と子供にはものすごく優しくて(偏見では無いと思う),かなり強面の人も子供の「Hi」の一言でにっこりしてくれます.最高に楽ちんです.セットアップ時にはいろいろゴタゴタしたアパートの契約も,子供がいると「Hi baby! So cute!」で終了です.英語話せなくてもこれで良好な関係を築けます.最高に楽ちんです.

この期間のセットアップは以下の通りです.

・ネット・TV:高速回線+ケーブルテレビを契約しましたが,高いです.日本よりも格段に高いです.しかも,ケーブルTVに税金かかります.これも高い!

・電気:電話での契約.英語が弱いと分かると途中で通訳が出てきてくれます.

・家具・食器一式:ネットショッピングで.ほとんどAma○○○.住むって大変ですね…

・娘の学校の申請:運よく公立の中でも人気の学校に行けました(公立はお金がかかりません).

・ソーシャルセキュリティナンバーの申請:無いと免許の配達が遅れるようです.

・在留届の申請:ネットでできます.

・運転免許:別の回で.

 

最初はレンジでチンした米を段ボールの上で食べて始まった生活ですが,9月末には大体必要物品が揃い,10月初旬には娘も学校に行き始め,公共交通機関も難なく使え,近所のスーパーに何が売っているかも分かるようになり…留学の基盤が整いました.

つづく.

 

 

 

 

 

 

 

 

ユニオンスクエアもクリスマスモードです.

 

米国留学報告①(斉藤公男)

秋田大学医学部附属病院 リハビリテーション科/整形外科の斉藤公男です.2017年9月から島田洋一教授の御高配によりアメリカサンフランシスコ UCSFに留学させて頂いております.これから少しずつ留学中の情報をブログに挙げていきたいと思います.

初回は,セットアップに関してです.サンフランシスコへの留学に関しては非常に役立つ本なども出版されており,そちらに詳しいことが載っていますので,自分で体験した(失敗した)ことを備忘録的に記して起きます.

 

  • 出発前

・とにかくVISAが必要です.VISAが来ないと飛行機も予約できません.自分は始動が遅くて,アメリカ大使館の予約を8月9日にとり,無事に8月16日頃にVISA送付,それから飛行機の予約をしましたが,危ないです.

・VISAを取るためにはDS2019という書類が必要です.

・この書類のために,各種予防接種や,ツ反をしないといけません.

・DS2019は家族の分もしっかり申請しないと,家族のVISAがおりません.自分はこれで遅くなりました.

これ以外にもいろいろ手続きがあるのですが,結局VISAとお金があればなんとかなります.

 

セットアップのための入国

他大学のサンフランシスコで留学・研究されている先生方にお聞きしたところ,宿は一度場所と現地を見てから決めた方が良いとのことで,9/1〜9/11まで1人で渡航しました.セットアップは北大整形外科 清水智宏先生に多大にお世話になり(居候までさせて頂き),無事にアパートを決めることができました.

日系のリロケーションサービスを利用するのが手っ取り早いらしいのですが,1ヶ月分の家賃を手数料として取られます.自分は清水先生にお手伝い頂き,近くのアパートに直談判でした.結果として,見て決めて正解でした.サンフランシスコは通りが1本違うとガラっと雰囲気が変わるところが多々あります.実際に見てみないと分からないことも多く,特に家族を連れてくる身としては安全は絶対条件でした.今住んでいるところは裏手に警察署があり治安最高に良い場所です.

 

アパートを借りるために必要だったものは,以下の通りです.

・アメリカの銀行の口座(UNIONBANKなら日本で口座開設できるのですが,間に合いませんでした)⇒借りる予定の部屋を住んでることにして無理矢理口座を開きました…

・携帯電話(日本でSIMカード契約できます.現地の番号が信頼されます)

・パスポート

・DS2019

・現金

・アメリカの雇用主の名前,電話番号(長尾先生ありがとうございました.)

・保証人(いなければ多額のDeposit⇒お金で解決)

・手付金の小切手

☆契約する部屋の1年分の家賃以上の残高証明書(ドル建て,アメリカの銀行のみ):これが一番大変でした…

 

住居セットアップの合間に,サンフランシスコ周辺で医師として勤務されているAko Walter先生(湊正策会長の愛娘,湊貴至先生の妹,齊藤英知先生の同級生)に山火事に見舞われる前のナパ・ソノマ周辺のワイナリー巡りに誘って頂き大変貴重な経験をさせて頂きました.この場を借りて御礼申し上げます.

一時帰国.時差ボケ全開で青森の実家行ったり,仙台行ったり,大学病院行ったりであっという間に家族を連れて再び米国へ,途中何故か同期の奥寺先生に会って家族との集合写真撮ってもらったり…

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

ダウンタウン

 

整形外科留学だより―イタリア編6:イタリアの観光地 (土江博幸)

 

 

留学してはや5か月弱。夏場はあんなに暑かったのが、ここ1~2か月でどんどんと寒くなってきた。7~8月は毎日晴天で雨は1~2日程度しかなかったのが、最近は毎日曇りと秋田を思い出すような天気の悪さとなってきている。手術も大分見慣れてしまい、腫瘍の手術は様々な場所で発生するので決まった治療方法があるわけではないのであるが、一つの施設では治療方針はだいたい似ているので、術前写真を見るだけで、これはたぶんこの方法でやるだろうな、というのが予測できるようになってきた。こっちはアログラフトが使えるので、大概、アロ・インプラント・セメントの組み合わせが王道である。たまに、新しいmegaprosthesiaを用いたりする、といった感じであろうか。血管柄付き腓骨移植もまれにやるが、時間がかかる事などから、積極的には行わず、奥の手、といったポジションのようである。あとは、術中のエタノールや温熱処理など、そういった補助的な事や腫瘍骨を用いた再建は一切やらない。悪性度などにもよるが、再発の可能性がある場合は、術後Radiationをやる。日本のようにアロが使えないわけではないので、そういった感じになるのだろう。

 

イタリアの観光都市といえば、王道なのはやはりローマ・ミラノ・ベネツィア・フィレンツェ、ナポリの五大都市といったところであろう。しかし、イタリアは、それ以外にも数多くの世界遺産の都市が存在する。犬も歩けば、ではないが大概の町が世界遺産に登録されているようにも感じるくらいである。それらの中で自分達が訪れた場所を少しご紹介。

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ラヴェンナ - 初期キリスト教建築群

ボローニャから各駅停車の電車で1時間ほどの小さな町。教会にモザイク美術が数多く残っているのが見どころである。

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サン・ヴィターレ教会のモザイク装飾

サンタポッリナーレ・イン・クラッセ聖堂のモザイク装飾。羊が十二使途を表すとの事。

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バローロ・バルバレスコ(ピエモンテ州) ― ピエモンテのブドウ畑の景観

ワインの産地として有名な場所(私はあまり知らなかったが…)。別名「ワインの王様」といわれるワインの産地である。交通の便がとても悪く、最寄りのアスティという駅までは電車で行けるのだが、そこからは車を用いないとなかなかたどり着けない。

 

ブドウ畑の景観。のどかで癒されます。

家族経営の小さなワイナリー内部。

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トリノ  ― サヴォイア王家住居

トリノというとオリンピックを連想してしまうと思うが(自分は)、かつての王宮などが世界遺産に認定されている。上品な感じの町といった印象。

 

王宮内部の写真。きれいな感じ。

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サン・マリノ共和国  -  歴史地区とティターの山

世界で5番目に小さい国家であり、最も古い共和国。リミニという町からバスで山に登って到着。半日で回りきれるくらいの小さな国。

 

大きな要塞が2つあり、景観がとても素晴らしい。

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ドロミテ山塊

北イタリアのオーストリアの国境近くにある山々。電車で最寄りまで行く事も可能だが、ちょっと遠いのでヴェネチアからでているツアーに参加。自然が最高に美しい。

山々がとてもきれい。ハイジでも住んでそうな感じ。

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チンクエテッレ - ポルトヴェーネレ、チンクエテッレと島々

ジェノヴァの南に位置する、5つの小さな漁村の総称。村の間は電車かフェリーで移動。のどかな雰囲気ときれいな海がとてもいい。海水浴もでき、きれいな海で泳げました。

 

このような小さな村が点在している。

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線路が海沿いにあり良い景色。決して秋田の五能線ではありません。

 

※犯罪

現在すんでいるボローニャはとても治安が良くて住みよい所であるが、やはり有名観光地などに行くとスリなどの小さな犯罪が多いようである。という自分も、ミラノとリミニ(サンマリノ共和国に行く途中)で計2回スリに狙われたのであった。自分はいつも、前ポケットに財布を入れ、ポケットの中で財布の上に小さな地図を乗せて、すぐに財布に触れないようにブロックしている。そのおかげでスリの手がポケットに入って地図に触るとすぐに感触で気が付いて防げるのである。ミラノでは地下鉄のエスカレーターで、10代の3人くらいのグループが周りを囲み、横の一人が体を寄せてポケットを見えなくし、斜め後ろの者が財布を取ろうとしてポケットに手が入ってきたがすぐに気が付いてブロック。リミニでは、バスが到着し、乗ろうとする人がバスの入口に密集したところを狙ってきたが、こちらもすぐに気が付きブロック。後ろを振り向くと、小汚いおっさんがそそくさと逃げていった。リュックを背負っているがこちらはダミーみたいなものでティッシュや水、観光本などしか入れてないのでいくらでも開けられてもいいようにしている。これまで何回か小さいポケットが開けられていたので、たぶん狙われたのだろう。被害はもちろん何もないが。他の日本人がスリの被害に会っているのを身近に聞いているので、まず日本人というだけで狙われるのだろう。イタリアに旅行に行く際はみなさんご注意ください。

 

 

東北整形災害外科学会トラベリングフェロー in 韓国 (河野哲也)

 2016/10/18から2016/10/29まで参加させていただきました、東北整形災害外科学会トラベリングフェローin韓国のご報告をさせていただきます。

今回は、過去に受賞された他大学の先生を含め、秋田大学は工藤大輔先生と私の2名、東北大学1名、新潟大学2名、山形大学1名と総勢6名での参加となりました。

10/19から10/22には、仁川にて日整会(JOA)総会にあたる、第60回韓国整形外科学会(The 60th Anniversary Congress of the Korean Orthopaedic Association)に参加しました。学会はKorean sessionとEnglish sessionに分かれEnglish sessionを中心に拝聴しましたが、どのsessionでも活発な討論がかわされ驚きました。また、今回は第60回記念大会ということで、日本の各病院から著名な先生が招かれ、Invited Lectureとして多数のご講演を拝聴することができました。また、記念セレモニーでは、仙台西多賀病院脊椎脊髄疾患研究センター長 国分正一先生より「JOAとKOA交流の歴史」についてご講演があり、その歴史は古く、かつ強いつながりを初めて知ることができました。

10/22ソウルへ移動し10/24から10/28には、Clinical attachmentとして、私はKyung Hee University Hospital at Gangdong、工藤先生はSamsung Medical Centerにて手術を中心に見学させていただきました。Kyung Hee Universtiy Hospital at Gandongは、ソウル市の東に位置する800床ほどの病院です。脊椎センターがあり、成人脊柱変形に対する手術を多く行っている病院ですが、周辺地域の外傷患者も多く受け入れる病院です。そのため手術は毎朝8時入室、毎日整形外科だけでも10例以上の手術が行われており、同年代のレジデント医師が休む間なく働いている姿が印象的でした。手術室には昼食が準備されていましたが、当たり前のようにキムチがあり、カップラーメンは辛ラーメンと、さすが韓国!という光景でした。

今回のトラベリングフェローで国内外の先生と交流を深められた事は大変貴重な財産となりました。誠にありがとうございました。

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整形外科留学だより―イタリア編5:食事 (土江博幸)

前回の留学だよりから気が付けば、はや2か月近く経ってしまった。この間にあった大きなイベントとしては、やはりビザ問題である。当初ビザなし(いわゆる観光ビザ)でイタリアに入国したため、90日以内にEU圏内から脱出しないといけず、9月末に日本に一時帰国。しかしながら苦労の末、学生ビザを入手する事ができ、すぐにイタリアに再入国する事ができたのであった。このイタリアのビザ事情、本当に入手は容易ではない。というか、ぶっちゃけResearchや研修目的ではもはやビザはとれないと思われる。これからイタリアに長期留学を考えているDrがいらっしゃったら少し考え直した方がいいかもしれない。ビザ入手までの戦いの記録は、留学記の最後に記そうかと思うので、ここでは詳細は割愛することに。

日本人が海外留学すると、食事が合わず日本食が恋しくなるとよく聞く。自分も日本に一時帰国する前は若干納豆やトマト味でない和風パスタなどの日本の味が恋しくなった。しかし今回一時帰国後、納豆ごはんを味どうらくとともにどんぶりで食べた後、翌日にはイタリアの食事が恋しくなってしまったのである。特にプロシュートクルード(生ハム)!留学前は家計節約のためトップバリューの生ハムをよく購入していたのだが、イタリアに来てからは現地の生ハムをほぼ毎日食べている。当初はスーパーで買ったものを食べていたが、最近はバルなどでワインとともに生ハム盛り合わせもしょっちゅう頼むようになった。とにかくイタリアの生ハムは安くてうまい。たまたま日本に一時帰国した際にスーパーでPARMAの生ハムが売っていたのだが、ちょっとの量で800円もしたのには驚いた。イタリアのスーパーだと、同じものが3倍くらいの量で4~5ユーロで変えてしまうのである。留学が終わった後やっていけるのかとても心配になった…。

イタリアの食事はチーズなど太りやすそうなイメージがあるのだが、日本に一時帰国した際に体重計に乗ると、3か月で5kgも痩せていた…。確かにズボンのベルトも2穴も変わったし、ジーンズがブカブカになってる気がする。手術でたちっぱなしの時間が多い事や、通勤で毎日計1時間歩くこともあるが、食事も大きく影響している気がする。日本にいるときは、ビール+おかずの後、締めのごはんで満腹になるまで食べていたのだが、こっちに来てからはビールまたはワイン+生ハム、チーズなどでつまむのが主体で、それで満足し、締めのごはんなどはそれほど食べていなかったかもしれない。塩分+アルコールの摂取量は極端に増えたが…。

 

今週で奈良医大の塚本先生が自分と同様にビザ取得のため、日本に一時帰国する事となった。塚本先生はまたしばらくしたら戻ってこられるが、奥様、2人のお子さんはビザが取得できず、3か月しないと再びイタリアに入国できないのである。何度か家族間で食事もし、お近づきになることができたので少し残念。このような機会があるのも留学の良い経験だと感じた。ここで食事風景の写真でも載せようと思ったのだが、いつもワインやビールを飲み、自分はいい気分になるためか写真を撮っておらず、食事写真が1枚も無い事に気が付いた…。今度は是非ご家族で秋田に遊びに来てください!その時は写真も撮りますので…。

 

 

※ハムつながりではあるが、今週末は家の近くのマッジョーレ広場で、年に1度のハム祭りが行われた。ボローニャのご当地ハムはMortadellaという、生ハムというよりは加工ハムみたいなやつである。広場では、たくさんの屋台がでており、Mortadellaのパニーニや焼きハム、ビール、ワインなどが食べれたり、ミスMortadellaみたいな女性が立っていたり、お持ち帰り用販売コーナーでは複数のハム業者が試食を出し、気に入ったものをカウンターで言えば、その場で大きな塊を切って売ってくれるというシステムである。通常ハムは薄切りで食べるので、受付で「Fetta? 」と聞かれ、当然スライスの意味かと思い、それでお願いしたら、結構な厚切りの状態でパックに入れられてしまった…。後で調べたら、Fettaは通常のスライス(日本的には厚切りか)で、Fettinaが薄切りのようである。それまでの客はみなFettinaだったのになんでうちらだけ…。イタリア語の難しさをまた実感したのであった…。

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盛り合わせの1例。ワインがよく合う。

 

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スーパーで買った安い生ハムとプチトマト。少し暗く映ってしまいおいしそうに見えないかもしれないが実際はうまいです。1パックにこの倍以上の量の生ハムが入って2.5ユーロ程。安すぎ。

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マッジョーレ広場の会場、屋台が色々出てます。この日は最終日のため、もはや商品が無くなった屋台もあり、ちょっと寂しめ。

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ハム販売エリア。たまたま人が少ない時に撮影したが、試食が出た時は人がうじゃうじゃとなり道が通れなくなる。

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注文すると各業者のでかい塊ハムを取り出し、おじさんがその場でスライスしてくれる。レジに並んでいるときに、妻とともに奥のおじさんを見ていたら、笑顔でナイフを研ぐポーズをサービスしてくれた。やるぜ、おじさん。

韓国St Marry Hospital (齊藤英知)

Thank you professor In for inviting us to Early osteoarthritis symposium in Catholic University Medical College 2016 in Seoul. I could present our works on knee joint preserving surgery for advanced knee osteoarthritis in Akita University. Professor Nakamura from Yawata medical center also presented ” Various osteotomy around the knee” . I hope the joint preserving surgery will be accepted all over the world at least in young active age.

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整形外科留学だより―イタリア編4:バカンス  土江博幸

 

気が付けばもう8月末、早いもので留学して2か月近く経ってしまった。8月はイタリアはバカンスシーズンであり、病院もバカンス体制となり、スタッフの先生方は3週間の休暇で多くがいなくなってしまった。手術数もいつもの1/3程に減るが、待たせるわけにはいかない患者もいるためゼロにはならないようである。膝など他のグループはほとんど手術がないので、この期間は腫瘍班と外傷班、小児整形班が手術をやっているようであった。ちなみにレジデントの先生方に聞くとバカンスは全くないとの事。イタリアは医師が過剰なようなのでその影響なのだろうか。かわいそうに…。そのバカンス体制でゆったりになった中、今月初めから奈良医科大学の塚本先生が3か月間研修にいらっしゃった。大学院なども腫瘍をやってこられた先生なので、自分なんかよりも知識が遥かに豊富であり、教えてもらってばかりでかっこわるいがとても勉強になる。塚本先生がこられて気が付いたのだが、他の留学生と自分は手続きが違っていたようで、色々対応が異なっていた。通常はResearch centerに手続きをして留学することになるようなのだが、私は直接コネでProfessorにお願いだけしてくることになったので、その手続きをしていなかった(というか秘書さん、何度もメールでやりとりしたのに、何故その事教えてくれないんだ…)。Research center をちゃんと通していると、あまりきれいではないが寝泊りできる部屋が与えられ、無限に使える食券が与えられ、名札も提供されるのである。しかしながら、私は最初に1万円近く払わせられ(未だに理由が良く分からず…)、採血を受けさせられ、部屋も食券も名札もない…。幸いレジデントの先生が、食券割引券をめぐんでくれたので、1食1ユーロくらいで食べれていた(通常8ユーロくらいするのを)。しかしその券も尽きてしまい、どうしようかと思っていたが、塚本先生がタダ券をめぐんで下さり昼食代を節約する事ができた。ほんと助かります。

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左から、奈良医大の塚本先生、私、Dr. Marco

土2

 

 

 

 

 

 

 

ある日の昼食。よく見ると野菜が一つもない…。

※私もバカンス

自分も1週間ちょっとのプチバカンスを頂く事ができたため、遠くに旅に出ることにした。イタリアに来てからヨーロッパ的建築物などばかり見ていて少し飽きが来ていたのと、自然に触れていない事にストレスを感じていたのもあり、ヨーロッパを離れて北アフリカのモロッコに旅に出ることにした。モロッコはボローニャ空港からロイヤルエアモロッコという、今後一生乗ることはないであろう航空会社からの直通便もでており、わずか3時間でカサブランカについてしまうのである。やはりアフリカ大陸であるため、めちゃくちゃ暑い…。あとは食事の度にハエがたくさん飛んでいる。しかし料理はタジンやモロカンサラダなど色々おいしいものがあり、慣れてハエなど気にならなくなってしまう。外の景色も自然の中を移動するので、とても新鮮であった。そしてモロッコといえばやはりサハラ砂漠である。サハラ砂漠では、あえてシャワーなども無い砂漠の中のキャンプに泊まることをチョイス、夕方ラクダに揺られて砂漠の中へ移動。キャンプ地では寝床のテントが与えられるが、中はサウナのようにめちゃくちゃ暑く、とても寝れないため、屋外にマットを敷き、夜空を見ながら寝ることにした。砂漠の中で星空を見て、と言えばすごい星が見えるのか、と想像するかもしれないが、結構雲が多く、星もそれほど見えず、秋田の羽後町近辺の方がよっぽど星が見えたのであった(朝日も同様)…。その後もフェズやマラケシュなどの都市で、メディナと呼ばれる雑多だが雰囲気のある世界遺産な町を散策したり、屋台で食事したりなど旅を満喫するのだが、おなかが強くない私は、イタリアに帰国する頃から案の定下痢になり、1日横になるのであった…。

土3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂漠とおじさんとラクダ

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朝日を見ようと早起きして砂丘に登るも、雲が多くて朝日は見えず…

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青と白に塗られた家が並ぶシャフシャウエン

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フェズのメディナ内。人が多く道が狭いので、すぐに迷子になります。ガイドさんから夜は治安が悪いので出歩かないように言われたため、明るいうちのみウロウロ。

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マラケシュ・フナ広場の屋台の一つ、エスカルゴ屋台。鍋の中には煮込まれた大量のエスカルゴが。

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カタツムリのツノもリアルにあるので若干抵抗が…。感触は貝と一緒で出汁はスパイスが効いてうまい。汁まで飲み干した。1杯約100円。