投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

第69回日本リウマチ学会総会・学術集会(佐藤貴洋)

2025年4月24日から26日にかけて,第69回日本リウマチ学会総会・学術集会が博多で開催されました.AORAメンバーからは6名が発表を行いました.

今回は会場までの距離もあり,私は26日と27日のアニュアルコースレクチャーのみの参加となりました.また,25日の夜には,同じく秋田から参加されていた秋田大学第三内科の先生方と会食の機会をいただきました.内科の先生方から得られる情報は,我々整形外科にとって非常に貴重であり,今後はぜひ診療・研究の両面で連携を深めていければと感じました.

私にとって本学会への参加は昨年に続いて2回目となります.今回は,相澤先生がまとめられたデータをもとに,「PMRにおける治療不応例の検討」という題目で発表を行いました.ポスター発表ではありましたが,隣の演題も同じPMRに関するもので,内科の先生による発表でした.内科の視点でのデータのまとめ方は非常に参考になり,また,臨床における異なる着眼点についても多くの学びがありました.

昨年,地方会に初めて参加した際には,リウマチ学の入り口として非常に学びやすい会だと感じましたが,本会においても,基礎的な内容から専門的な話題まで幅広く学べる,とても有意義な機会であると感じました.来年も博多での開催が予定されているとのことですので,ぜひ後輩を連れて参加し,ともに学びを深めたいと思います.

第54回日本脊椎脊髄病学会学術集会(井上純一)

2025年4月16日から19日の期間で、幕張メッセで第54回日本脊椎脊髄病学会学術集会が開催されました。本会は北里大学医学部整形外科学主任教授の高相晶士会長のもと開催されました。

秋田大学整形外科の同門からは20演題の発表がありました。昨年よりも発表演題が増加しており、口演やポスター発表の会場で秋田大学がその力を発揮していました。

普段から診療にあたることが多い骨粗鬆症性椎体骨折についての演題も多く、超高齢化県の秋田県のみならず全国的にもその対応の必要性が高まっていると感じました。高齢者が対象となり、より小侵襲でかつより固定力を得るための手術戦略や研究が盛んに議論されておりました。明日からでも取り入れられる知識ばかりで非常に勉強になりました。また、新しい手術技術やその合併症に関するセッションもあり、手術手技の習得だけでなく、術中のトラブルシューティングに関してもしっかり学んでいく必要があると痛感しました。
今回の学会で得た知識やモチベーションを、日々の診療や研究に活かしていきたいと考えています。

令和7年度秋田大学整形外科合同歓迎会

令和7年度秋田大学整形外科合同歓迎会が2025年4月12日ANAクラウンプラザホテルで開催されました。今年は、大学院生4名、看護部6名、リハビリテーション科4名と多くの新入職員の方を迎えての開催となりました。

 例年よりも早い4月中旬での開催となり、まだ名前と顔も一致しない方も多かったのではないでしょうか。歓迎会を通じて親睦が深まり、皆さんで協力して秋田大学学部附属病院で一番仲の良い病棟になればいいなと思います!

 歓迎会中に行ったミニゲームは皆さん楽しんでいただけましたでしょうか?あんな人やこんな人の昔の写真を見ていただきましたが、こんな機会はなかなかないのではないでしょうか?懐かしい写真があった方も多かったようで、楽しんでいいただけたならよかったです。思い出に残るように写真を残すのは大事なことだと感じました。  今年度も無事に歓迎会を終えることができました。新入職員の方はまだまだなれないことも多いかと思いますが、無理をせず助け合いながら頑張っていきましょう。これからの新入職員の皆様のご活躍をお祈り申し上げます。

歓迎会幹事 石垣 佑樹、久田 朱里

第68回 日本手外科学会学術集会 / 千馬誠悦先生が学会功労賞を受賞されました(中西真奈美)

2025年4月10日、11日に第68回日本手外科学会学術集会が開催されました。会場はパシフィコ横浜ノース、会長は横浜労災病院の三上容司先生です。 学会テーマは「Well-beingな手外科」で、近年注目の多いメノポハンドに関するセミナーやシンポジウム、義手や手外科に関する社会生活などに関するシンポジウムが開かれておりました。また、漫画「テノゲカ」の原作者である詩石灯先生と、漫画家の新井隆広先生とともに語らう会も企画されておりました。

整佑会同門からはおよそ7名の先生方が参加され、口演やオンデマンドポスターなどで各々の研究・症例発表を行いました。また、今回は市立横手病院から、冨岡先生と一緒にOTの柴田秀衡先生が参加して下さいました。以前は医師会病院で脳卒中のリハビリテーションを中心に、そして現在は冨岡先生に御指導を受けながら手外科領域のリハビリテーションを行われているとのことで、今回積極的に学会へ足を運んで頂いたとのことです。 同門会にもご参加いただき、ドクターとハンドセラピストという垣根を越えて、お互い勉強になりつつ楽しく親睦を深められたと感じました。

同門会会場では偶然にも、学会にいらしていた弘前大学整形外科の先生方にお会いしました。ご挨拶させて頂きつつ、同門の垣根を越えて語らい、楽しい時間を過ごさせて頂きました。 弘前大学の先生方、これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

また、今回の学会では千馬誠悦先生が学会功労賞を受賞されました。長年、手外科医として診療にあたられただけでなく、日本手外科学会の進歩・発展・教育研修等に多大な貢献・寄与のあった先生に送られるまさに名誉ある賞です。長らく秋田の手外科を支えてきた千馬先生だからこその受賞であると感じております。われわれ後輩も、千馬先生の背中を追いかけてさらに精進していかなければと思います。千馬先生、この度は本当におめでとうございます。

来年の日手会は福岡で開催されます。今年よりも多くの演題を出し、秋田県手外科グループ皆で現地に集えるよう、頑張ってまいります。

学会功労賞を受賞された千馬誠悦先生

弘前大学の先生方と。

共同研究している秋田大学理工学部森雪乃さんが日本機会学会三浦賞を受賞

当科と共同研究をしている秋田大学理工学部システムデザイン工学科機械工学コースの森雪乃さんが股関節の有限要素解析の研究と複数の論文の審査の結果、日本機械学会三浦賞を受賞されました。

・World Journal of Engineering and Technology Vol.12 No.3, August 2024
Finite Element Analysis of Coronal Shear Fractures of the Femoral Neck: Displacement of the Femoral Head and Effect of Osteosynthetic Implants
Yukino Mori, Hiroaki Kijima, Mei Terashi, Takehiro Iwami, Naohisa Miyakoshi

・大腿骨頸部基部剪断骨折における骨密度治療の目標値を検討するための有限要素解析
森 雪乃, 木島 泰明, 寺師 芽衣, 巖見 武裕, 宮腰 尚久
臨床バイオメカニクス(1884-5274)45巻 Page112-120(2024.10)

「三浦賞」は、大学院機械工学系修了者で、人格・学業ともに最も優秀であると認められた学生に対して贈られる賞です。

森さん、誠におめでとうございます。

タイからのSpine Fellow Program 修了(尾野祐一)

2025年3月、定期的に交流を行っているタイ、バンコクにあるRamathibodi Hospital, Mahidol UniversityからPheeraphon Yiamphiphatthana(ニックネームはPhee)が約1か月間、脊椎手術見学に来ました。

秋田大学医学部附属病院、秋田厚生医療センター、市立横手病院、北秋田市民病院に行き、秋田のさまざまな脊椎手術を体験してもらい、Dr.Pheeも非常に満足していました。

研修修了日には宮腰教授から修了証と記念ネクタイの贈呈がありました。代わりにDr.Pheeからは金色の像のぬいぐるみをいただきました。

国際交流として英会話の練習にもなり、我々としても非常に有意義な交流となっています。

引き続きタイとの交流を続けていきタイです!

留学だより3(赤川学)

気づけばボルドーでの留学生活も早くも折り返し地点に差し掛かりました。こちらでは暖かい日が続いていて、街のあちこちで桜の花がきれいに咲いています。

フランスで手術を学んでいて驚いたことのひとつは、日帰り手術がとても多いことです。フランスに限らず欧米では day surgery が当たり前のようで、THAやTKAもほとんどが日帰りで行われているそうです。再置換術の患者さんでも1~2泊で退院することが多いと聞きました。さすがに手術当日は車いすで帰るのかと思っていましたが、実際にはほとんどの患者さんが自分の足で歩いて退院していくのを見て本当に驚きました。日本ではTKAでも2~3週間ほど入院するのが一般的なので、その違いにはやはり驚かされます。もちろん医療制度や地理的な条件、リハビリ体制の違いもあるので、どちらが良いとは一概には言えませんが、DVTや筋力低下の予防という点では、早期離床を促し短い入院期間を目指すスタイルには理にかなった面があるのかなと感じました。

話は変わりますが、フランスではラグビーがとても人気です。つい最近まで「Six Nations」という、イングランド、フランス、アイルランド、イタリア、スコットランド、ウェールズの6か国が競う国際大会が開催されており、今年はなんとフランス代表が見事に優勝しました。最終戦のスコットランド戦のときは、街中のスポーツバーが人でいっぱいになり、大盛り上がりでした。またボルドーには「Union Bordeaux Bègles(UBB)」というプロチームがあり、もともとラグビー熱の高い地域でもあります。先日、そのUBBの試合を観に行く機会があったのですが、約3万人の観客による迫力ある応援にすっかり圧倒されました。日本代表のテビタ・タタフ選手もこのチームに所属しており、現地のファンから熱い声援を受けている様子を見て、日本人としてとても嬉しく感じました。 フランスでの生活を通して日々新しい気づきや刺激をもらっています。残りの期間も一日一日を大切にしながらたくさんのことを吸収していきたいと思います。à bientôt

桜の花がきれいに咲いています。

UBBの試合直前の様子。スタジアムはほぼ満員で大盛り上がり。試合はUBBの快勝でした。

会場でもらったお菓子の中にマスコットキャラクターの小さなおもちゃが入っていました。

第10回 秋田・関西医科大学合同カンファランス(渡辺学)

3月16日に秋田大学医学部付属病院の40周年記念会館で第10回秋田・関西医科大学合同カンファランスが開催されました。秋田からは秋田厚生医療センターの長岡先生、秋田大学の木村先生、中通総合病院の鈴木先生、城東整形の阿部先生が症例を提示し素晴らしい発表をしておりました。関西医大からも研修医の先生をはじめとても興味深い発表を多くの先生にしていただき質疑応答が盛り上がっておりました。OLIF51などまだ見たこともない手術手技に関する発表もありとても勉強になりました。

夜には懇親会を開催していただき若手の先生方と交流させていただきました。関西医大のお話をいろいろ教えていただき勉強に行きたいなと思いました。

17日には秋田厚生医療センターで手術を見学していただきました。

来年はおそらく関西医大で開催されると思うので次回はぜひ現地へ行き手術見学したいと思いました。 関西医大の先生方、今後ともよろしくお願いいたします!

第37回日本肘関節学会学術集会(中西真奈美)

2025年3月14〜15日に第37回日本肘関節学会学術集会が開催されました。会場は岡山市、会長は岡山済生会総合病院の今谷潤也先生です。 「肘関節外科の最適解」というテーマのもと、肘周辺難治性骨折や小児顆上骨折、モンテジア骨折のディスカッションなど、各所で白熱したディベートが展開されておりました。

整佑会同門からはおよそ7名の先生方が参加され、1日目午後のポスターセッションにて、白幡先生や湯浅先生が肘周辺の筋腱障害や神経障害に関する演題で発表されました。 その日の夜には同門会を行うことができました。千馬会長はじめ、水野記念病院で勤務されている飯田聖先生にもお越し頂くことができ、同門の話に花を咲かせました。

2日目は、筆者は朝から肘エコーのハンズオンセミナーに参加しました。キャノンメディカルシステムズ主催で、同社のエコー機器を使用させて頂きましたが、とても明瞭に神経や軟骨面を描出でき感動しました。 OCDだけでなく、普段エコーをあてることのない肘内障での見え方などを講義で教えて頂き、非常に勉強になりました。明日からの外来診療に活きる充実した内容でした。

今谷潤也先生の会長講演では、これまでの肘関節外科医としての歩みや、師匠や弟子を含む様々な人との出会いによりライフワークが形作られていったことをお話しされておりました。「他流試合」がいかに大事かという点も強調されており、胸に響くご講演でありました。

来月には、横浜で日本手外科学会学術集会が開催されます。見識を深めつつ、また同門の先生が現地に集えることを楽しみにしながら、本学会で学んだことを活かして日々の診療にあたっていきたいと思います。

第62回秋田県脊椎脊髄病研究会(渡辺学)

2025年3月1日秋田市にぎわい交流館AUで午前中にハンズオンセミナー、午後に第62回秋田県脊椎脊髄病研究会が開催されました。今回の当番幹事は秋田労災病院の佐藤千晶先生でした。

ハンズオンセミナーは例年通りメーカーの方々へ協力いただきドライボーンを用いたスクリュー刺入を経験させていただきました。実際に入れたことのあるスクリューも多いですが講師の先生方へ質問しながら手を動かしているとTipsなど聞けて勉強になりました。そろそろ講師側に回るのかなと思うと緊張します! また今年はFESSもありました。実際にはあまり触れる機会がなかったですが、小さい傷で手術ができるため今後必要な手技になるかなと思いました。

午後の研究会ではまずは秋田労災病院の奥山院長先生から高齢者の脊椎手術後せん妄の検討という事でレクチャーいただきました。全国No1の高齢化率を誇る秋田県では特に必要な内容であり勉強になりました。一般演題では若手の先生を中心にたくさんの演題発表がありました。質疑応答も活発に行われており興味深かったです。

特別講演にはドイツのオッフェンバッハにあるSana ClinicからAndrei Slavici先生に来ていただきご講演をいただきました。以前尾野先生と幹事の千晶先生が勉強に行ったことのある病院の先生で、とても若いですがたくさんの手術経験のある先生でした。脊椎の腫瘍性病変へのセメントスクリューを用いた症例がたくさんありました。

今回最優秀演題賞には秋田赤十字病院の間杉先生が選ばれました。難しいOVFに対して治療を行った1例でしたが術後症状の改善ときれいなレントゲン画像が得られており素晴らしい治療だと思いました。また今回からベストディスカッサー賞が新たに創立され、栄えある第1回目のベストディスカッサー賞には秋田労災病院の奥山先生が選ばれました!

今年も昨年と同様に講師を囲う会が開催されました。少し若手が多い印象でしたがとてもたのしく交流ができました。ご講演いただいた先生方、本会開催に当たりご尽力いただきました方々に心より感謝申し上げます。