投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

整形外科留学だより―イタリア編6:イタリアの観光地 (土江博幸)

 

 

留学してはや5か月弱。夏場はあんなに暑かったのが、ここ1~2か月でどんどんと寒くなってきた。7~8月は毎日晴天で雨は1~2日程度しかなかったのが、最近は毎日曇りと秋田を思い出すような天気の悪さとなってきている。手術も大分見慣れてしまい、腫瘍の手術は様々な場所で発生するので決まった治療方法があるわけではないのであるが、一つの施設では治療方針はだいたい似ているので、術前写真を見るだけで、これはたぶんこの方法でやるだろうな、というのが予測できるようになってきた。こっちはアログラフトが使えるので、大概、アロ・インプラント・セメントの組み合わせが王道である。たまに、新しいmegaprosthesiaを用いたりする、といった感じであろうか。血管柄付き腓骨移植もまれにやるが、時間がかかる事などから、積極的には行わず、奥の手、といったポジションのようである。あとは、術中のエタノールや温熱処理など、そういった補助的な事や腫瘍骨を用いた再建は一切やらない。悪性度などにもよるが、再発の可能性がある場合は、術後Radiationをやる。日本のようにアロが使えないわけではないので、そういった感じになるのだろう。

 

イタリアの観光都市といえば、王道なのはやはりローマ・ミラノ・ベネツィア・フィレンツェ、ナポリの五大都市といったところであろう。しかし、イタリアは、それ以外にも数多くの世界遺産の都市が存在する。犬も歩けば、ではないが大概の町が世界遺産に登録されているようにも感じるくらいである。それらの中で自分達が訪れた場所を少しご紹介。

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ラヴェンナ - 初期キリスト教建築群

ボローニャから各駅停車の電車で1時間ほどの小さな町。教会にモザイク美術が数多く残っているのが見どころである。

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サン・ヴィターレ教会のモザイク装飾

サンタポッリナーレ・イン・クラッセ聖堂のモザイク装飾。羊が十二使途を表すとの事。

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バローロ・バルバレスコ(ピエモンテ州) ― ピエモンテのブドウ畑の景観

ワインの産地として有名な場所(私はあまり知らなかったが…)。別名「ワインの王様」といわれるワインの産地である。交通の便がとても悪く、最寄りのアスティという駅までは電車で行けるのだが、そこからは車を用いないとなかなかたどり着けない。

 

ブドウ畑の景観。のどかで癒されます。

家族経営の小さなワイナリー内部。

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トリノ  ― サヴォイア王家住居

トリノというとオリンピックを連想してしまうと思うが(自分は)、かつての王宮などが世界遺産に認定されている。上品な感じの町といった印象。

 

王宮内部の写真。きれいな感じ。

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サン・マリノ共和国  -  歴史地区とティターの山

世界で5番目に小さい国家であり、最も古い共和国。リミニという町からバスで山に登って到着。半日で回りきれるくらいの小さな国。

 

大きな要塞が2つあり、景観がとても素晴らしい。

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ドロミテ山塊

北イタリアのオーストリアの国境近くにある山々。電車で最寄りまで行く事も可能だが、ちょっと遠いのでヴェネチアからでているツアーに参加。自然が最高に美しい。

山々がとてもきれい。ハイジでも住んでそうな感じ。

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チンクエテッレ - ポルトヴェーネレ、チンクエテッレと島々

ジェノヴァの南に位置する、5つの小さな漁村の総称。村の間は電車かフェリーで移動。のどかな雰囲気ときれいな海がとてもいい。海水浴もでき、きれいな海で泳げました。

 

このような小さな村が点在している。

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線路が海沿いにあり良い景色。決して秋田の五能線ではありません。

 

※犯罪

現在すんでいるボローニャはとても治安が良くて住みよい所であるが、やはり有名観光地などに行くとスリなどの小さな犯罪が多いようである。という自分も、ミラノとリミニ(サンマリノ共和国に行く途中)で計2回スリに狙われたのであった。自分はいつも、前ポケットに財布を入れ、ポケットの中で財布の上に小さな地図を乗せて、すぐに財布に触れないようにブロックしている。そのおかげでスリの手がポケットに入って地図に触るとすぐに感触で気が付いて防げるのである。ミラノでは地下鉄のエスカレーターで、10代の3人くらいのグループが周りを囲み、横の一人が体を寄せてポケットを見えなくし、斜め後ろの者が財布を取ろうとしてポケットに手が入ってきたがすぐに気が付いてブロック。リミニでは、バスが到着し、乗ろうとする人がバスの入口に密集したところを狙ってきたが、こちらもすぐに気が付きブロック。後ろを振り向くと、小汚いおっさんがそそくさと逃げていった。リュックを背負っているがこちらはダミーみたいなものでティッシュや水、観光本などしか入れてないのでいくらでも開けられてもいいようにしている。これまで何回か小さいポケットが開けられていたので、たぶん狙われたのだろう。被害はもちろん何もないが。他の日本人がスリの被害に会っているのを身近に聞いているので、まず日本人というだけで狙われるのだろう。イタリアに旅行に行く際はみなさんご注意ください。

 

 

第41回日本足の外科学会に参加して (雄勝中央病院 柴田暢介)

2016年11月17~18日, 奈良県の奈良春日野国際フォーラム甍にて第41回日本足の外科学会が開催されました. 秋田からはAFGメンバーの柏倉先生, 野坂先生, 千田先生, 冨岡先生, そして私の5人で参加して参りました.

基調講演では, 秋田にイリザロフを教えていただいた現理事長の大関覚教授が, 「日本足の外科学会の未来に向けた今日の取り組み」という演題で, まだまだ会員数の少ない足の外科学会をどう盛り上げていくかということに関してご講演されました. また特別講演では, 国際足の外科学会(IFFAS)の初代理事長で, 奈良県立医科大学の名誉教授でいらっしゃる高倉義典先生が, 「日本足の外科学会が国際交流ではたした役割と今後の展開」という演題で, 日本と国際足の外科学会の歴史と今後についてご講演いただきました. 恥ずかしながらIFFASの初代理事長が日本人の先生であったことをこのときはじめて知り, 誇らしく思いました.

そして今回, 秋田からの発表では, 千田秀一先生が優秀ポスター賞を受賞されました! タイトルは「超音波を用いた足関節鏡 anterolateral portal の解剖学的位置関係」で, 今ホットな話題を扱った臨床にもすぐ生かせる素晴らしいご発表でした. 秋田大学初の快挙です. 本当におめでとうございました. また, 野坂光司先生も今までの輝かしいご業績により, 今回新たに学会の評議員になられました. おめでとうございました.

今回の千田先生の受賞を機にこれからも足の外科を盛り上げていきたいと思います.

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転倒予防教室in北秋田市(木村竜太)

11月17日(木)に北秋田市内2ヵ所で転倒予防教室を、秋田労災病院と共同で開催いたしました。骨折・転倒予防に関して、全国各自治体で様々な取り組みがありますが、本企画の特徴は多職種からのアプローチです。医師、理学療法士、作業療法士、栄養士、薬剤師からグループワークを行いながら、骨折・転倒予防指導を行いました。

我々医師ブースでは、骨粗鬆症の説明とロコモチェック、ロコモ体操を行いました。ロコモの認知率は6割を超えており、徐々に周知されてきていましたが、逆に骨粗鬆症の未検査の方が多くおり、検診を含めた検査へのアクセスしやすさを検討する必要性を感じました。また80歳代の参加者の方もたくさんいらっしゃいましたが、手放しで片足立ちが出来る方もいて、その身体機能、若々しさに驚かされました。

今後医療の役割として、予防医学の必要性は拡大していくとされています。秋田大学整形外科でも骨折・転倒予防をはじめとした予防医学活動を継続してまいります。
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秋田大学全学駅伝大会に参加して(長幡 樹)

11月5日に秋田大学体育会主催の全学駅伝大会が開催されました。今年は市民公開講座と同日に行われたため、例年のように2チームではなく1チームの精鋭のみの参加となりました。

大会当日はあいにくの雨のスタートとなりましたが、競技中は豪雨になることもなく比較的走りやすい天候だったと思います。

秋田大学整形外科駅伝部は1区から長幡→千馬誠悦→阿部和伸→佐々木研→斎藤光→木村竜太→小林 志→高橋靖博→成田裕一郎→山田 晋の10人で臨みました。

1区長幡が2年前と同じコースにもかかわらず、あまり奮わず5位と出遅れましたが、強豪選手がひしめく2区を千馬先生が年季の入った走りでつなぎ、3区阿部、4区佐々木先生が若い力とエースの圧巻の走りで3位まで挽回をし、駅伝部としての底力を見せつけました。5区斎藤先生、6区木村先生も後ろから全学陸上部の猛追をなんとかしのぎきり、3位でたすきをつないでくれました。現役陸上部員からはさすがに逃げ切れず、7区小林先生で4位となってしまいましたが、アップダウンの厳しい7区を心折れることなく力強い走りでつなぎました。8区高橋先生、9区成田先生が、次のチームとデットヒートを繰り広げ、最終区の山田先生へとたすきリレー。山田先生は同日に大阪で学会発表をし、昼に帰ってきた直後という厳しい条件の中で、4位でゴールテープを切りました。

タイムは例年よりも遅いタイムでしたが、大健闘の駅伝になったと思います。

 

来年こそは3位以内、そして陸上部に追いつけ追い越せとなれるように研鑽を積もうとおもいます。

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第51回日本脊髄障害医学会に参加して(尾野祐一)

2016年11月10〜11日、千葉県幕張メッセで日本脊髄障害医学会が開催され、秋田赤十字病院から石河先生、佐藤先生、秋田労災病院から木戸先生、能代厚生医療センターから安藤先生、中通総合病院からは畠山先生、秋田大学からは松永准教授、本郷先生、粕川先生、石川先生、斉藤先生、鈴木先生、益谷先生、水谷先生、木村先生、飯田先生、岩本先生、高橋先生、私と18人で参加して参りました。

本学会は脊髄障害を扱う学会のため、整形外科だけではなく、脳神経外科や神経内科、泌尿器科、リハビリテーション科などの多くの科から、脊椎・脊髄疾患への手術方法や、内科的脊椎脊髄疾患について、神経因性膀胱、脊髄再生医療などの基礎研究、ロボットリハビリテーションなど多岐にわたる分野の口演を聞くことができました。中でも、iPS細胞を用いた脊髄再生医療に関しては、動物実験でかなりの成果をあげており、近々治験も開始されると報告され、大変興味深く講演を聞くことができました。

今回は同門から7口演、14ポスターと多くの演題を出し、島田洋一教授が学会長を務める第54回の本学会に向けて、秋田大学として多いに盛り上げることができたのではないかと思います。今回得た知識を臨床や研究に活かし、引き続き学会報告ができるよう精進してまいります。

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秋田県慢性腰痛フォーラム(粕川雄司)

2016年11月4日金曜日、ビューホテルにて秋田県慢性腰痛フォーラムが開催されました。寒さが厳しくなり天候も悪かった当日ですが、非常に熱気があり盛り上がったフォーラムとなりました。

はじめに、秋田厚生医療センターの阿部利樹先生より「慢性腰痛に対するデュロキセチンの使用経験」と題して御発表いただきました。有訴者が最も多い腰痛に対する薬物治療は、近年複数の薬剤が使用可能となり進歩しています。その慢性腰痛に対する薬物治療の成績について、詳細なご検討をお話しされ大変勉強になるご講演でした。

次いで、千葉大学大学院医学研究院整形外科学の折田純久先生より「腰痛の診断と治療、そのおもしろさとむずかしさ~基礎研究から低侵襲手術まで~」と題した特別講演を頂きました。腰痛に関する基礎実験で新たな治療法について検討されていること、診断が難しいことが多い病態を新たな画像診断法を用いて診断していること、さらに低侵襲の手術法である側方進入による椎体間固定術により腰痛の軽減を目指して治療されていることなどをご講演されました。基礎から臨床まで幅広いお仕事について多くのエビデンスを提示いただきながらのご講演は、大変勉強になりました。特に、折田先生の素晴らしいプレゼンテーションは秋田県の整形外科医にとっては衝撃でした。今後、秋田の先生方のプレゼンテーションスタイルにも大きな変革がもたらされるかもしれないと感じました。冬の足音が近づく秋田まで遠路はるばるお越しいただきご講演いただいた折田純久先生、誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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整形外科市民公開講座(粕川雄司)

2016年11月5日土曜日、2016整形外科市民公開講座が秋田市のさきがけホールにて多くの方々にご参加いただき開催されました。今年のテーマは、「知らないうちに骨が折れる~ぜいじゃく性骨折を正しく知ろう~」です。

例年どおり12時からデモンストレーションを行いました。骨密度測定と筋力・姿勢測定にわけ、多数の方々にご参加いただきました。時間の都合でご希望通りに検査いただけなかった方々がおり、申し訳ありませんでした。

14時からのパネルディスカッションでは、開会のご挨拶を秋田魁新報社の小笠原直樹社長、来賓のご挨拶を秋田市保健所の秋山 渉次長よりいただきました。総合司会を秋田テレビの石塚真人様にお願いし、はじめに宮腰尚久准教授より「いつのまにか骨折ってなあに?」と題した基調講演を頂きました。いつの間にか骨折が生じてしまう脆弱性骨折について、複数の部位に生じることが多く、骨粗鬆症が原因となりその予防には食事療法・運動療法・薬物治療が重要であることをお話しされました。

続いて宮腰尚久准教授と工藤 透先生がコーディネーターとなり、パネリストは渡部英敏先生、田村康樹先生、木下隼人先生、佐藤千恵先生、粕川で、ぜいじゃく性骨折についてのパネルディスカッションを行いました。これまで治療した脆弱性骨折の具体的な状況についてお話しいただき、原因として骨粗鬆症があるため検診などで骨密度を測定することが重要であること、日常生活では重い物を持つことや雪かきをすることはできるだけ避けたほうがよいことや、カルシウムやビタミンD・蛋白質などの栄養素をバランスよくとることが骨や筋肉に有用であることなどがディスカッションされました。転倒・骨折予防に有用であると言われている片足立ちとスクワットを参加いただいた方々と一緒に実践し、最後に骨粗鬆症の治療薬について解説し、骨折の予防についてみんなで考えることができたと思います。パネルディスカッション終了後には、参加いただいた方々からの医療相談を受けて市民講座を閉会しました。

 

寒さが厳しくなった当日、ご参加いただいた方々、お手伝いを頂いた関係者の方々に心より感謝申し上げます。今後も市民講座を継続できるようにご支援・ご協力よろしくお願い申し上げます。

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2016 整形外科 市民公開講座 (粕川雄司)

2016年11月5日土曜日、2016整形外科市民公開講座が秋田市のさきがけホールにて多くの方々にご参加いただき開催されました。今年のテーマは、「知らないうちに骨が折れる~ぜいじゃく性骨折を正しく知ろう~」です。

例年どおり12時からデモンストレーションを行いました。骨密度測定と筋力・姿勢測定にわけ、多数の方々にご参加いただきました。時間の都合でご希望通りに検査いただけなかった方々がおり、申し訳ありませんでした。

14時からのパネルディスカッションでは、開会のご挨拶を秋田魁新報社の小笠原直樹社長、来賓のご挨拶を秋田市保健所の秋山 渉次長よりいただきました。総合司会を秋田テレビの石塚真人様にお願いし、はじめに宮腰尚久准教授より「いつのまにか骨折ってなあに?」と題した基調講演を頂きました。いつの間にか骨折が生じてしまう脆弱性骨折について、複数の部位に生じることが多く、骨粗鬆症が原因となりその予防には食事療法・運動療法・薬物治療が重要であることをお話しされました。

続いて宮腰尚久准教授と工藤 透先生がコーディネーターとなり、パネリストは渡部英敏先生、田村康樹先生、木下隼人先生、佐藤千恵先生、粕川で、ぜいじゃく性骨折についてのパネルディスカッションを行いました。これまで治療した脆弱性骨折の具体的な状況についてお話しいただき、原因として骨粗鬆症があるため検診などで骨密度を測定することが重要であること、日常生活では重い物を持つことや雪かきをすることはできるだけ避けたほうがよいことや、カルシウムやビタミンD・蛋白質などの栄養素をバランスよくとることが骨や筋肉に有用であることなどがディスカッションされました。転倒・骨折予防に有用であると言われている片足立ちとスクワットを参加いただいた方々と一緒に実践し、最後に骨粗鬆症の治療薬について解説し、骨折の予防についてみんなで考えることができたと思います。パネルディスカッション終了後には、参加いただいた方々からの医療相談を受けて市民講座を閉会しました。

 

寒さが厳しくなった当日、ご参加いただいた方々、お手伝いを頂いた関係者の方々に心より感謝申し上げます。今後も市民講座を継続できるようにご支援・ご協力よろしくお願い申し上げます。

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秋田県慢性腰痛フォーラム (粕川雄司)

2016年11月4日金曜日、ビューホテルにて秋田県慢性腰痛フォーラムが開催されました。寒さが厳しくなり天候も悪かった当日ですが、非常に熱気があり盛り上がったフォーラムとなりました。

はじめに、秋田厚生医療センターの阿部利樹先生より「慢性腰痛に対するデュロキセチンの使用経験」と題して御発表いただきました。有訴者が最も多い腰痛に対する薬物治療は、近年複数の薬剤が使用可能となり進歩しています。その慢性腰痛に対する薬物治療の成績について、詳細なご検討をお話しされ大変勉強になるご講演でした。

次いで、千葉大学大学院医学研究院整形外科学の折田純久先生より「腰痛の診断と治療、そのおもしろさとむずかしさ~基礎研究から低侵襲手術まで~」と題した特別講演を頂きました。腰痛に関する基礎実験で新たな治療法について検討されていること、診断が難しいことが多い病態を新たな画像診断法を用いて診断していること、さらに低侵襲の手術法である側方進入による椎体間固定術により腰痛の軽減を目指して治療されていることなどをご講演されました。基礎から臨床まで幅広いお仕事について多くのエビデンスを提示いただきながらのご講演は、大変勉強になりました。特に、折田先生の素晴らしいプレゼンテーションは秋田県の整形外科医にとっては衝撃でした。今後、秋田の先生方のプレゼンテーションスタイルにも大きな変革がもたらされるかもしれないと感じました。冬の足音が近づく秋田まで遠路はるばるお越しいただきご講演いただいた折田純久先生、誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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第43回日本股関節学会学術集会(木島泰明)

2016年11月4-5日の2日間、大阪国際会議場にて、第43回日本股関節学会学術集会が開催されました。秋田からは、Akita Hip Research Groupの山田晋会長、小西奈津雄副会長、久保田均副会長、田澤浩vice director、加茂啓志先生、奥寺良弥先生、河野哲也先生、木島の計8名が参加致しました。

学会長は、関西医科大学整形外科教授の飯田寛和先生です。今回のテーマは「Back to the Future」。この学会は1974年に第1回股関節研究会として発足し、学会になったのが1986年ということで、ちょうど30年だそうです。そしてあの有名な映画、Back to the Futureの公開が1985年であり、映画の中で30年後の未来として2015年が描かれていたなんて、みなさん、ご存じだったでしょうか。

股関節疾患の治療は、長期にわたる経過に基づいて反省と発展が繰り返されてきた分野でもあります。数10年前を振り返り、もし未来を知っていればそのときどのような選択をしたかを考えることで、今後の未来に向けてより良い治療を考えようという、熱意が感じられるプログラムとなっていました。

Akita Hip Research Groupとしてはおそらく過去最多と思われる6演題を発表してまいりました。山田会長の棚形成に関するシンポジウムでのリバース法の発表、非常に多い症例数にもかかわらず、かなり細かい臨床評価をされた田澤先生の人工股関節置換術の発表、A-BONEメンバーでもある加茂先生の人工股関節症例に対する骨粗しょう症治療についての発表、非常に珍しく、治療法をみんなで検討した奥寺先生の症例報告、命にもかかわる合併症でもある静脈血栓塞栓症が起こりやすい症例はどれかという斬新な河野先生の発表、そして、大腿骨近位部骨折に関するAkita分類についても木島が報告してまいりました。秋田だけでなく全国の股関節外科医の明日からの治療に役立つ貴重な情報を会場の先生方に届けることができただけではなく、股関節分野での秋田の活躍をアピールできたと考えています。

股関節学会では毎年、ドクターだけでなく、ナースやフィジカルセラピストの発表の場も設けられており、今年は学会に来られなかった谷貴行先生の手術などをリハビリの観点から解析された秋田赤十字病院リハビリテーション科の齋藤真紀子PTのご発表もございました。

我々の研究成果を発表するだけでなく、全国の先生方のいろいろな考え方に触れることで、秋田の股関節疾患の患者さんにとって有用な情報を少しでも多く取り入れられるようにしっかり勉強してまいりましたので、これを今後の臨床や研究に生かしていきたいと思います。

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