投稿者「akita-u-seikei」のアーカイブ

【論文掲載報告】脊髄神経根ブロック(US vs 透視/CT)systematic review & meta-analysis(木村竜太)

脊髄神経根ブロック(US vs 透視/CT)のsystematic review & meta-analysisの論文がEuropean Spine Journalに掲載されました。

https://link.springer.com/article/10.1007/s00586-023-07968-y

超音波ガイド下(US)の神経根ブロックが一般化されてきていますが、US vs 透視/CTのRCT 8件をsystematic review & meta-analysisしたものです。

臨床成績に優位性は認めませんでしたが、安全性と時間短縮においてUSが優れているという結果でした。

頚椎は、USの有用性が最も実感できる方法だと思います。

腰椎は、まだ神経根がUSのみでは視認が難しいですが、骨性のメルクマールをもとに神経根周囲に薬剤を投与することで、臨床的には効果を得られます。

ぜひエコー下神経根ブロックを、超音波ガイド下に施行いただければと思います。

第78回秋田県整形外科医会(河原木 剛)

令和5年10月7日(土)、第78回秋田県整形外科医会が秋田県総合保健センターで開催されました。今回も現地とウェブのハイブリッド開催で、専門医取得前の医師によるResident Award Sessionと、専門医取得後の若手医師によるYoung Specialist Award Sessionで多くの演題発表がありました。最優秀演題賞は、それぞれ中通総合病院の岩渕圭一郎先生、秋田厚生医療センターの原田俊太郎先生が受賞されました。大変おめでとうございます。岩渕先生からは、手の舟状骨骨折は、骨折型に応じて適切な手術アプローチを選択することで、とても良好な治療成績が得られることを報告していただきました。大変素晴らしい術後成績で感銘を受けました。原田先生からは、従来であれば切断されていた足部の重度骨軟部感染に対し、デブリードマンとCLAPを併用することで下肢を温存できた症例について発表していただきました。CLAPの有用性のほか、CLAP使用における留意点や、デブリードマンの重要性についても改めてお話いただきました。また、他の演題も大変勉強になるものばかりでした。

特別講演1は、昭和大学横浜市北部病院 副院長/整形外科教授の川崎恵吉先生より、高齢者に多い上肢骨折の治療戦略や手術治療のピットフォールを、骨粗鬆症治療に絡めて教えていただきました。自分自身今まで触れる機会がなかった人工肘関節についてもご講演いただき、超高齢の骨接合が困難な上腕骨通顆骨折に対しては、人工肘関節置換術が有用な治療選択肢となりうることを教えていただきました。

特別講演2では、東京医科歯科大学 運動器外科学教授の古賀英之先生より、半月板損傷の外科的治療の発展についてご講演いただきました。半月板損傷の基本的な事項から、治療の変遷、最新の治療戦略について、理論を交えながら詳細に教えていただきました。まるで教科書のような、あるいはそれ以上にまとまったプレゼンテーションで、手術動画も大変分かりやすく、目から鱗が落ちるような講演でした。

総じて、今回もとても勉強になる会でした。準備、企画、運営をしていただいた木島泰明先生をはじめ、会の運営に携わっていただいたスタッフの皆様、ありがとうございました。

第25回日本骨粗鬆症学会(尾野祐一)

2023年9月29日~10月1日に名古屋国際会議場で開催された第25回日本骨粗鬆症学会に参加しました。整形外科医だけでなく、内科、放射線科、産婦人科、リハビリテーション科に加え、コメディカルスタッフも多く参加しており、どの会場も多くの聴講者がいました。ランチョンセミナーでは早々に整理券が売り切れ、昼前には長蛇の列ができているのが印象的でした(私は整理券をゲットできず、会場に入れませんでしたので、仕方なく学会周辺で“ひつまぶし”を堪能(^^)/)。

秋田からも多くの参加者がおり、宮腰教授、本郷教授、粕川准教授、野坂准教授、田村先生、土江先生、木下先生、赤川先生、長幡先生、私が演題を発表しました。同門グループの堀川先生は静岡から参加されていました。

今回の学会では、優秀演題賞を土江先生が受賞されました。演題名は「非定型大腿骨骨折発症後の完全骨折再燃に影響する要因の検討」で、土江先生が長年、多施設でのデータをまとめた研究です。一つの研究テーマから、次々と新しい研究結果を生み出していく土江先生には尊敬の念が尽きません!土江先生、おめでとうございます!

また、本学会には秋田県のOLS/FLSチームのメンバーも多数参加しており、夜には市立秋田総合病院、由利組合総合病院、大曲厚生医療センターのスタッフ間での交流会が行われたようです。秋田県全体に骨粗鬆症・骨折リエゾンサービスを普及していく“All Akita Associationプロジェクト”の成功には、各病院間の交流はとても重要です。本学会をきっかけに、今後の秋田でのOLS/FLS活動のさらなる発展を願っております。

第33回日本リウマチ学会北海道・東北支部学術集会(若林玲奈)

2023年9月30日~10月1日に岩手県盛岡市のアートホテル盛岡で開催されたリウマチ地方会につきましてご報告させていただきます。秋田からは5つの演題が発表されました。すべてが一般演題「関節リウマチⅡ(外科)」の同セッションにまとめられ、このセッションはほぼ秋田の独壇場でした。杉村先生の単関節炎とRAの関連のご発表に始まり、小林先生の後期高齢者のMTX使用について、櫻場先生の生物学的製剤の検討、最後2題は連続で柏倉先生のリウマチ足に関する新しい知見のお話でした。沢山の質疑応答で活発なご発表でした。特に柏倉先生のご発表はご自身の似顔絵?(現在本格的なものを作成中とのことです)を交えたユーモラスなスライドを2題の最後に立て続けにご提示され、リウマチ足とロコモ/リウマチ外反母趾の全く新しい見方、という大変印象的な内容とともに、ご聴講の皆様の心に残るものとなったと存じます。

現地とオンラインのハイブリット開催の学会がまだ散見される中、この度はAORAメンバーの皆様にお誘いいただき現地へ赴きましたが、やはりPC前に座ってWebで拝聴するよりも、現地で参加したほうがしっかりと集中して勉強をできることを再認識できた会でした。また、集合写真に写られておりますように、ほかの病院から参加されていたコメディカルの方とご挨拶ができたことも、大きな成果でした。リウマチチーム医療として役を担ってくださっている、看護師、薬剤師、MSWの方々でした。チームへのリクルートのされ方、された時の気持ち、専門資格の取得や継続の大変さ、実際の仕事内容などを直接聞くことができ、問題点も浮かんできました。湖東病院でもぜひチームを作れたらと思い、参考にさせて頂きたいと思います。

最後に、日々ご指導頂いております宮腰尚久教授はじめAORAメンバーの先生方、不在の期間に業務を代行して下さいました先生方に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

第72回東日本整形災害外科学会/学術奨励賞受賞報告(佐藤貴洋)

長かった夏も終わり,秋が徐々に深まっている今日この頃,9月22日・23日に北海道旭川市にて東日本整形災害外科学会が開催されました.旭川に到着してすぐに本州とは違う「寒さ」を感じました.

今回私が発表するセッションは,第71回学術奨励賞受賞者講演と若手優秀演題アウォードセッション(上肢)でした.前者は前回発表演題のうち,座長(野坂先生)が選出した演題を論文化し学会誌へ投稿,学会誌に収載された論文の中から選出されます.今回私の論文をこの素晴らしい賞に選出頂きました.日々ご指導頂いている宮腰教授,野坂先生,その他多くの先生方にこの場を借りて深謝致します.

実は,若手優秀演題アウォードと合わせてダブル受賞を狙っていたのですが,流石にそれには叶いませんでした.今回自分のセッションで受賞された先生は,由利組合総合病院で研修をされた斉藤徹先生でした.演題は「Fat pad signの初期研修医における診断精度の検討」と由利組での研修時代の内容をご発表されておりました.今後より多くの研修医を整形外科ローテーションに誘う非常に興味深い内容でした.斉藤先生およびご指導された由利組の先生方各位大変おめでとうございます.

私には今学会でもう一つ仕事がありました.それは,9連覇を狙う駅伝大会です.もともと私は補欠でしたが,急遽竹島先生が諸事情で来られなくなり,レギュラーとして参加になりました.常勝軍団の中に補欠参加でしたので非常に不安な気持ちがありましたが,主務の大屋先生,キャプテンの長幡先生,エースの佐々木研先生が温かく迎え入れて下さいました.唯一の3km区間を走らせて頂きました.ライバル千葉大学のランナーは大鳥教授でした.3位秋田大学,4位千葉大学で3km区間第3走者に襷が渡されました.大鳥先生にタイムでは敵いませんでしたが,前走者が作ってくれたアドバンテージのおかげで3位のまま襷を第4走者佐々木研先生に繋げることができました.レースの結果はというと,第2走者の時田先生が全区間区間賞という快走をみせてくれたものの,各校のレベルも非常に高く,2位と一歩及びませんでした.大鳥教授率いる千葉大学が悲願の優勝を果たしました.今回千葉大学に負けてはしまったものの,抜いては抜かれを繰り返し,最終的には2位という最後までハラハラドキドキの面白いレースとなりました.朝早くから応援に来てくださった宮腰教授,本郷教授,野坂先生,本当にありがとうございました.

本学会は同期の岡本先生,大屋先生と参加できた初めての学会でした.それぞれ発表もあり,駅伝もありと同期の絆を深められる非常に有意義な学会になったと思います.大学で一緒に過ごせる期間が徐々に少なくなってきておりますが,1日1日を大事にして今後も診療・研究を一緒に頑張っていきたいと思います.

【論文掲載報告】秋田労災病院奥山幸一郎院長 

秋田労災病院院長の奥山幸一郎院長が、North American Spine Society Journalに論文を発表されました。

https://www.nassopenaccess.org/article/S2666-5484(23)00074-4/fulltext

健常非高齢者においても、脊柱malalignmentは存在し、特にPI-LL≧10°では、ADL障害のない範囲でLBPが生じる可能性があること、また脊柱malalignmentがあると精神的HR-QOLが低下する可能性が認められました。

奥山先生の、院長職としてお忙しい中も臨床医として研究にも取り組まれるお姿、心より尊敬いたします。

新入局!

本日、大曲厚生医療センターで研修されている菅原聡馬(すがわらそうま)先生が入局の挨拶に来てくれました!

新しい仲間が増え、嬉しい限りです。

菅原先生のご活躍を心より期待しています。

第12回秋田・札幌整形外科合同セミナー(森下耀)

令和5年9月9日にホテルメトロポリタンにて第12回秋田・札幌整形外科合同セミナーが開催されました。コロナ禍によるオンラインのみでの開催が終了し、今回は現地参加も可能なハイブリット開催となりました。今回は私たちが札幌医科大学の先生たちをお招きして、秋田で開催しました。札幌から大勢の先生方にご参加いただき、厚く御礼申し上げます。

一般演題はまず札幌医科大学側から、札幌医科大学の小助川維摩先生から「骨SPECT/CTによるSUV解析を用いた人工関節感染の評価」、同じく札幌医科大学の池田康利先生から「Oxford UKAにおけるRadio Lucent Line出現群の検討〜新規開発した脛骨3°の内反シムの使用を含めて〜」の2題の発表をしていただきました。続いて秋田大学側から、中通総合病院の湯浅悠介先生から「中手骨頚部骨折の治療成績」、秋田大学の尾野祐一先生から「骨粗鬆症患者の筋量、骨量、および脊柱矢状面アライメントの経時的変化の検討」に関して発表がありました。股関節、膝関節の人工関節から手、脊椎まで幅広い分野に関してご講演いただき、大変勉強になりました。

特別公演1では札幌医科大学 黄金勲矢先生から、「運動器慢性疼痛の評価と治療」に関してご講演いただきました。ほぼ全ての患者さんの主訴である”痛み”に関して詳細に教えていただきました。慢性疼痛の患者さんなど普段の治療で悩むことが多いような症例を提示していただき、疼痛への理解が深まりました。全てが明日からの診療に活きる素晴らしい講演で、とても勉強になりました。

特別講演2では秋田大学 土江博幸先生から「テリパラチド研究あれこれ-非定型大腿骨骨折を中心に-」に関してご講演いただきました。今までの先生の行なってきた基礎・臨床研究の数々を紹介していただき、その膨大さに圧倒されました。臨床に真面目に取り組み、そこで生まれたクリニカルクエスチョンを研究に結びつける先生の姿勢には感銘を受けました。いつまでもリサーチマインドを持ちながら、日々の臨床に取り組んでいきたいと感じました。

非常に有意義なセミナーとなり、楽しく拝聴することができました。会の後には、久しぶりの秋田・札幌医大の懇親会が開催されました。私たち若手にとっては初めての懇親会でした。札幌医科大学の先生との交流は楽しく、とてもモチベーションが高まりました。これからの両大学の発展に貢献できるように、臨床に研究に取り組んでいきたいと思います。

来年は札幌で開催されるとのことなので、ぜひ勉強しにいきたいと思います。来年もよろしくお願いいたします。

本郷道生教授就任記念祝賀会(中西真奈美)

令和5年8月25日、本郷道生教授の就任記念祝賀会がパーティーギャラリーイヤタカにて執り行われました。本郷教授は本年度より保健学科理学療法学講座の教授に就任されました。この度は医局員のみの現地参加となりましたが、コロナ等の影響もなく無事に開催することができました。はじめに宮腰教授よりご祝辞を賜り、続いて粕川准教授より祝杯のご挨拶を頂きました。

関連病院の先生方からは、就任を祝福する沢山の祝辞が届いており、司会の工藤先生よりご紹介いただきました。また、歓談中には各関連病院の就任お祝いメッセージ動画が上映されました。木村先生より素晴らしく編集された動画には、本郷教授の若かりし頃の写真も織り込まれ、会場を沸かせておりました。コメディカル含め和気あいあいと撮影されたものや、TikTokのような面白い編集のお祝い動画など、関連病院それぞれの色が現れたどれも素敵なメッセージで、会の雰囲気がより和やかなものとなりました。また、今回学会のために参加がかないませんでした野坂准教授からも熱いメッセージを頂戴し、頭から華麗にイリザロフ創外固定器を纏ったその姿で、会場は大いに盛り上がりました。お忙しい中動画作製にご協力いただいた先生方、誠にありがとうございました。

会も終盤に差し掛かり、本郷教授へ宮腰教授より記念品の贈呈がなされ、差し出がましく私中西より花束を贈呈させて頂き、そして本郷教授よりご就任のご挨拶を賜りました。本郷教授がこの医局で積み上げてきたもの、情熱を注いでこられた脊椎診療、同門の先生方への感謝のお気持ちをお話され、そして医局員一人ひとりへの温かいお言葉を頂きました。本郷教授のお人柄が現れたご挨拶であったと感じます。 最後に永澤講師のご挨拶で締めていただき、記念撮影を行い、名残惜しくも無事に閉宴となりました。本郷教授は理学療法講座での業務と併行し、引き続き臨床でも脊椎診療に携わっていかれます。お身体には十分お気をつけて、今後とも我々若手へのご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

第105回全国高等学校野球選手権大会(甲子園)帯同③(阿部寛道)

8月7日〜11日まで第105回全国高等学校野球選手権大会の秋田県代表 明桜高校野球部硬式野球部に帯同させていただきました。

初戦が8月12日ということで、初戦に向けて秋田県内で理学療法士として働く方々と共に、選手たちのコンディショニング、ケアの他、全身状態の確認を行いました。ホテルの一室に設けられたコンディショニングルーム内は非常にリラックスした空間となっており、練習の疲れを癒す最適な場であったと思います。

スポーツの場で活躍するPTの方々の姿を今回の帯同で初めて目の当たりにし、自分自身非常に勉強になり、そして刺激になりました。大変貴重な5日間だったと実感しております。

結果は残念ではありましたが、勝利を目指して直向きにプレーする高校球児たちの姿に胸をうたれ、感動しました。今後もそれぞれの目標に向かって突き進んでくれることを期待しています。