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The 55th ISCoS Annual Scientific Meeting inVienna帰朝報告(高橋靖博)

2016年のISCoS Annual Scientific Meetingがオーストリアのウィーンにて、9月14日~16日の3日間にわたり開催されました。当科のグループであるAkita Motion Analysis Group(AMAG)からは、水谷先生、木村先生、飯田先生、岩本先生、高橋の計5演題を発表してまいりました。演題内容は、上肢リハビリロボット、超音波ガイド下頚椎神経根ブロック、座位バランス型、FES cycling、髄腔内バクロフェン療法など基礎から臨床まで多岐にわたり、秋田大学整形外科の研究成果を世界にアピールすることができたと思います。このような機会を与えていただいた島田教授・引率してくださった工藤先生にはこの場をお借りして感謝申し上げます。

まず初めに驚いたことは、学会が開催される国際会議場がホーフブルク王宮という王宮にあったことです。会議場内部も王宮の敷地内には国際会議場以外に、オーストリア大統領府、礼拝堂、博物館、乗馬学校といった様々な施設がありました。

学会場の外観です。王宮の庭園はほぼ公園で誰でも敷地内に入れました。conv0019

王宮の周囲も歴史的建築物が多く、朝ランニングがてら名所を訪問しました。

 

学会場の内部です。レッドカーペット・シャンデリアがあり、豪華な造りでした。conv0010

 

大きな学会での機器展示は最新技術を備えた機器に触れることができるので、非常に興味があります。学会では脊髄損傷用の歩行アシストロボットの展示がありました。conv0022

 

総重量は10kg弱で従来よりもかなり軽く、かつスムーズに歩行できます。実際に歩行している様子も見ることができましたが、付き添いも要らないくらい安定した歩容でした。

 

 

ポスターをバックに参加メンバーの集合写真を撮りました。conv0009

 

ポスター発表ではつたない英語で質疑応答しました。英語学習の必要性を痛感させられました。

 

海外学会といえば、日本では味わえない料理を堪能できることも醍醐味の一つです。img_8194

写真はシュニッツェルという洋風カツです。発祥の店で注文したものは直径30cm大のサイズでしたがなんとが全員完食しました。

今回は天候にも恵まれて非常に有意義で刺激的な学会でした。この刺激を今後の基礎・臨床研究のエネルギーに変えて精進していきたいと思います。お世話になった先生方、本当にありがとうございました。

 

第24回日本腰痛学会 (工藤大輔)

2016年9月2日から9月3日の日程で甲府にて第24回日本腰痛学会(会長:波呂浩孝教授)が開催されました。椎間板や痛みに関する基礎研究から疫学、診断、保存療法、手術まで幅広い分野の発表があり、現在の日本における最新の腰痛研究について聴講できたと思います。特に今回はサルコペニアに関する研究が多く発表され、最近特に関心が集まってきている分野だと思われました。

秋田からは一般演題として本郷講師から職業歴と脊柱変形・腰痛の関連、菊池先生から多椎間PLIFとLLIFの比較、鵜木先生から固定下端レベルによる仙腸関節障害発生頻度、そして私からは下肢を含めた姿勢・筋力とQOL・腰痛の関連について発表させていただきました。2日目は島田洋一教授より高齢者腰痛への総合的取り組みと題してモーニングセミナーが開催されました。運動療法、特に背筋運動の重要性、さらに成人脊柱変形手術に伴って得られるQOL、逆に失うADL動作も多いことなど大変印象深い内容のご講演でした。また同じ日には宮腰准教授からも骨折予防のための骨粗鬆症対策-運動療法と薬物療法のエビデンス-と題して以前から秋田大学で推奨してきた背筋運動の効果についてエビデンスとともに大変分かりやすくご講演いただきました。治療手段としての手術療法ももちろん大切ですが、運動療法がいかに重要かということが聴講されていた先生方に伝わったのではないでしょうか。

シンポジウムでは疼痛は脳にも変化をもたらし、痛みの慢性化やうつ病との関連性も科学的に証明されてきていることなど、最新の研究について紹介されていました。しかし、腰痛の診断、治療は現在もなお未解決の問題が山積みです。今後もよりいっそう運動療法、手術ほか様々な観点から腰痛診療、研究を発展させていきたいと考えさせられた会でした。

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第2回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会    木島泰明

2016年8月27日、第2回秋田県関節鏡・膝・スポーツ整形外科研究会が行われました。これはISAKOSやJOSKASの秋田県版の研究会で、まだ第2回という若い研究会ですが、テーマも多岐に渡り、非常に盛り上がる研究会です。

前半の約2時間は一般演題とミニレクチャーでした。今年もASAKGメンバーの若手を中心にたくさんの演題が集まりました。上から与えられたテーマでなく、演者自身が日ごろの疑問を自分自身で調査して明らかにした内容ばかりで大変勉強になりました。塚本泰朗先生は膝10度屈曲位でAP像を撮るべきというご発表、佐藤千恵先生は脛骨後方皮質をリファレンスに統一してレントゲン計測をすべきというご発表、冨手貴教先生はNewKSSという新しい尺度で評価した100例のTKAのご発表、佐々木香奈先生はACL再建は受傷後3週以降6週以内にすべきというご発表、嘉川貴之先生はMRIでGapサインがあれば肩甲下筋腱断裂を念頭に置くべきというご発表、那波康隆先生は新しい貼付剤は有効成分の血中濃度以外の効果もありそうだというご発表、冨岡立先生は半月板単独損傷は変性が基盤にありそうだけれどもやはり縫うべきだというご発表をしてくれました。さらに、関展寿先生のご発表のおかげで、円盤状半月のMRIではその半月内の輝度変化の有無を確認すべきであり、輝度変化のない場合は円盤状半月であってもしっかり温存することが離断性骨軟骨炎の予防にも役立つかもしれないということが改めて認識できました。そして、最優秀演題賞を獲得したのは藤井昌先生でした。藤井先生は膝周囲Bone Marrow Lesionsと骨強度パラメーターとの関連を調べられ、膝OAの進行や痛みの発現などと骨粗しょう症との関連を見出す発表で、このご研究が進めば全く新しい膝OAの治療にもつながる素晴らしい内容でした。一般演題の後は斉藤公男先生がミニレクチャーをしてくださいました。膝OAに対する保存治療のひとつであるヒアルロン酸注射の日常診療における疑問点を英文雑誌のレビューから解明してくださり、最後には得意の動作解析でわずか3°のスラストを定量化することで膝周囲骨切りの痛みや不安定性に対する効果を定量化できるという内容で、今後の膝診療が大きく変わってくるということも実感できる内容でした。

後半はすばらしい特別講演を2つも拝聴することができました。特別講演Ⅰは全国からスポーツ傷害の患者さんが集まる行岡病院のスポーツ整形外科部長でいらっしゃる中川滋人先生が「コンタクトスポーツ選手の肩関節脱臼の診断と治療」というタイトルでご講演下さいました。ものすごい症例数のご経験から、肩関節脱臼症例では早期に3DCTを撮影し、関節窩骨欠損やHill-Sachs損傷の有無・大きさをしっかりチェックすることで手術適応や術式決定に役立つということをご自身が書かれたたくさんのAmerican Journal of Sports Medicineという非常にIFも高い論文の内容を含めて教えて頂き、明日からの臨床に役立つ内容でした。そして、メインイベントの特別講演Ⅱは世界が認める世界一のKnee Surgeonの史野根生先生が「スポーツ膝臨床2016」と題して感動的なご講演をして下さりました。その内容はもちろん一言ではまとめられませんが、Ligament surgeryはMechanical instabilityを完璧に治した上で、当然full ROMを獲得すべきで、そのためには真に正常の位置にligamentを再建することが必要である、そしてそのことがいかに大事で難しいかということだけでなく、それがどれだけ難しかったとしてもそれを達成することこそが患者さんに対して我々が行うべき当然のことであるから、それを最後まで追求すべきだという、本当に史野先生の哲学が聴衆全員に伝わった瞬間でした!

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大曲工業高校甲子園帯同(河野哲也)

夏本番!甲子園の季節がやって参りました!

今年は秋田県代表校である大曲工業高校に帯同させていただきました。

(8/5〜8/8 木村竜太先生、8/8〜8/11 河野)

甲子園遠征前、理学療法士の先生方と共にベンチ入りメンバーのメディカルチェックを行い、その結果のフィードバック、遠征期間中のケアを目的とした、医師1名、理学療法士2名での帯同となります。

発火しそうな炎天下の中、現地でも幸い大きな怪我をする選手はおらず、試合に臨めました。初戦はプロ注目の好投手を要する埼玉県代表花咲徳栄との試合でした。残念ながら初戦敗退となりましたが、ホームランが飛び出すなど日本中を驚かせた素晴らしい試合だったと思います。選手の皆さん大変お疲れ様でした。より質の高いサポートを行えるよう、理学療法士の先生方との連携を密にし、スポーツ整形分野の知識を深めたいと感じました。

頑張れ、秋田県勢!!

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第5回野球肘研究会夏合宿 in 秋田(大内賢太郎)

2016年7月23日、秋田拠点センターアルヴェにて野球肘研究会夏合宿in秋田が開催されました。今年で第5回を数えるこの研究会は、野球シーズン真っ盛りである夏の時期に朝から晩まで野球肘について語り尽くすという、野球に携わる者にとって正に垂涎の研究会となっています。症例検討やミニレクチャーに、野球界各方面から講師を招いての特別講演など、1日で野球肘についての知識や最新のトピックを学ぶことができます。今年は秋田開催ということで、ASAKG会長齊藤英知先生の先導のもとで様々な趣向をこらして会を盛り上げるべく臨みました。一体感を演出する2016野球肘ポロシャツの配布により会場は爽やかなブルーに染まりながら、終始アツい議論が展開され非常に盛り上がりました。

第一部は研究発表のセッションで、野球肘に限らずスポーツ全般に対する取り組みについて報告し、発表後は全演者がシンポジストとなり質疑応答する形式で進められました。ここではASAKGから半数近くの演題が発表され、メディカルチェックや高校野球甲子園大会への帯同、さらに秋田ノーザンハピネッツやモーグルワールドカップへのサポート体制など、秋田大学整形外科のスポーツに関わる活動について存分にアピールすることができました。

ランチョンセミナーはアスリートにおける腰下肢痛の診断とリハビリテーションというテーマで、福島医大の加藤欽志先生、健康科学大学の成田崇矢先生にご講演頂きました。アスリートにとって腰痛は切っても切り離せない問題であり、痛みのメカニズムから診察・画像診断時のポイント、各種ブロック治療の選択根拠や機能評価に基づくリハビリアプローチなど、明日の診療から役立てることができる内容が満載で、たいへん勉強になりました。

第二部からは野球肘にフォーカスをあてた講演のセッションで、早期発見と保存治療を福島医大の大歳憲一先生と京都府立医大の森原徹先生に、超音波診断とリハビリテーションを城東整形の皆川洋至先生と丸太町リハビリクリニックの松井知之先生に、OCDの手術治療を昭和大学の西中直也先生と北海道大の船越忠直先生に、それぞれご講演頂きました。野球肘は小中学生のように野球を始めたころから生じる可能性があり、適切な対応がなされないと後の障害へと進行し、野球をプレーすることを断念せざるを得ないこともあります。そのようなケースを防ぐためにも、医療に携わる側だけでなく実際に野球をする選手や関係者も含めて、正しい知識を学んでおくことは非常に重要です。一連の講演を通して、早期発見のためのシステマティックな方法や適切な初期対応、リハビリの経過、手術の実際など、野球に関わるすべての方にとって十分な知識を学ぶことができたのではないかと思います。

また特別講演として、慶友整形外科病院の伊藤恵康先生に重度のOCDに対する治療についてご講演頂きました。ここでは最も悲惨な野球肘というテーマで、伊藤先生の豊富な経験症例の中から一筋縄ではいかない症例を厳選し紹介して頂き、OCD治療の難しさと奥深さを学ぶことができました。

特別講演の余韻も冷めないまま、研究会終了後には全体懇親会が行われ、秋田が誇る名酒がふるまわれる中、参加者同士で活発な交流が行われ、非常にいい刺激を受けました。翌日には炎天下の中、親善野球大会と今回からの試みであるテニス大会が開催され、けが人もでずに無事に親睦を深めることができました。

今回の研究会を通して学んだ知識を糧に、日々の診療に生かしていきたいと思います。

第4回こまち疼痛を考える会(飯田純平)

去る721日,「第4回こまち疼痛を考える会」がビューホテルで行われました.

一般演題では,斉藤公男先生が秋田・弘前の若年者の体幹バランスの比較や、スポーツ強化指定中学生のメディカルチェックについて興味深い研究結果をお話しいただきました.

また,齋藤英知先生からはTKAや様々な骨切り,靭帯再建術における疼痛管理の工夫や,その最新の知見についてお話しいただきました.

さて,特別講演では 弘前大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座 教授 津田英一先生にご講演をいただきました.弘前大学の各診療科が参加し,青森県の平均寿命・健康寿命の延伸を目的に行っている岩木健康プロジェクトや,住民健診におけるロコモの有無や,全身の筋力・柔軟性・動的/静的バランスの関係性などについて,またそれらと膝痛との強い関連性をわかりやすくお話しいただきました.地域の住民に根差したお話であり,少子高齢化では負けず劣らずの秋田県整形外科医として,非常に興味深い内容でありました.

また,疼痛管理に関しても詳しく教えていただきました.特に心に残ったのが「人工膝関節術後の医師満足度と,患者満足度の相関が低い」ということでした.衝撃的なことでもあり,よくよく考えれば当然のことでもあり・・・これは人工膝関節だけでなく,その他すべての手術・日常診療にかかわることであり, 自分を律するために心に焼き付けておきたいと思います.

また,津田先生は青森ワッツのチームドクターもされており,ノーザンハピネッツのチームドクターをしている当科医局員として,バスケも、陸上も、野球も、臨床も(当然剣道も.)負けてはいられないと心が奮い立ちました.

津田先生,今後とも御指導のほどよろしくお願い申し上げます.

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7月28日骨粗鬆症と糖尿病を考える会(湯浅悠介)

7月28日骨粗鬆症と糖尿病を考える会が開催されました。この会は我々整形外科と内分泌・代謝・老年内科が科の垣根を超えて、骨粗鬆症・糖尿病について考える貴重な会であり、今回で二回目となります。

まず初めに秋田大学整形外科准教授宮腰尚久先生から「骨粗鬆症性椎体骨折に対する保存療法のエビデンス」と題して、日常診療でよく遭遇する椎体骨折に対する最新の知見をわかりやすくご講演いただきました。椎体骨折に対する薬剤はエビデンスレベルがAであるだけではなく、さらに各薬剤の特徴を踏まえて選択することが重要であるとご教示いただきました。また、椎体骨折を来さないためには転倒と脊椎後彎を予防することが大切であることも学びました。そのためには背筋運動が推奨され、またバックパックを使うことも予防効果を生むといった研究もご紹介いただきました。椎体骨折患者は多く存在し、整形外科のcommon diseaseといえる疾患であるが故に、正確な知識で治療にあたることは我々整形外科医の義務であると感じました。

次に秋田大学内分泌・代謝・老年内科准教授成田琢磨先生から「超高齢社会における糖尿病診療の目指すもの~健康寿命延伸のために:転倒・骨折予防を含む総合的視点から~」と題して、糖尿病に対する最新の知見をご講演いただきました。高齢糖尿病患者には、患者それぞれの背景に合わせて適切な薬剤選択をしていくことが必要であると学びました。また糖尿病合併症の一つに腎障害がありますが、講演で「腎臓を守ることは命を守ること」と話されており、その予防・治療の重要性を実感いたしました。整形外科患者の中にも糖尿病を抱えている方は多く、我々も最新の知識を持って接することがより高い医療の提供につながると感じました。

今後も科を問わず最新の知識を吸収し、日々の診療に役立てていきたいと思いました。

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整形外科留学だより―イタリア編2:病院にて研修開始(土江博幸)

研修初日、病院に着いたら教授室に直接来るか、分からなければ電話を頂戴、と秘書さんから連絡を受けていたので、まず受付に聞いてみるか、と考えていたのだが、入口を入っても受付らしき所が無い…。歴史的な建物で趣があるのだが、売店と奥には庭がある。仕方がないので秘書さんに電話してみる事に。「今どこにいるの?」と聞かれるも、なんて表現したらよいか分からず、「正面玄関で、売店と、奥に庭があります」と言うも、伝わってないのか、そんなんじゃわかんねえよ、といった感じなのか、ちょっと困った感じの雰囲気を漂わせ「今行くからそこで待ってて」と言われる。あとからわかったのだが、入口真正面の建物は教授室や事務的な事がメインの建物で、向かって左にあるのが病院であり、どっちの入口なのか、を聞きたかったようだ。程なく秘書さんが登場。そのまま教授室へ。色々と事務的な書類のサインなどのやりとりをしているところにprof. Donattiが登場しご挨拶をする。しかし、予定があるのかすぐにいなくなる。秘書さんからも「今日はこれでおしまい。明日Medical checkにきてね」と言われる。緊張して来たのだが、なんともあっけない初日であった…。

後日、medical checkなども終えて、ついにカンファに初参戦の日となる。毎週火曜日がカンファレンスの日で、カンファレンスは朝8時から病棟にある小さい部屋で行われ、prof.Donattiの率いる第3整形外科にはレジデント達も含めて、大体15~18人くらい所属しており(まだ把握できず)、全員骨軟部腫瘍をやっている。カンファは1週間の間に行われる患者の紹介がメインなのだが、容赦なく完全にイタリア語なため、内容の理解は難しい…。しかもスライドなどのプレゼンテーションは作成しておらず文字が無い。電子カルテ上の写真を画面に出して、みんなで討論するという、事前準備ほとんどなさそうなカンファである。なんだか一般病院と似た雰囲気を感じた。これを大体2時間弱やった後に教授回診、という流れであった。入院患者さんはほとんど3人部屋で、総回診も日本と似た雰囲気で、なんだか違和感がない。人種と外の景色が違うだけのようだ。教授回診が終わると、後は各自仕事に戻り、午後に、放射線科や化学療法の先生達との、治療方針を決定するための合同カンファがある。この日、実は自己紹介があるだろうと思い、あらかじめイタリア語でいくらか準備していて、挨拶のカンニングペーパーを前日の夜など何度も見返していたのだが、全くそんなイベントは無くすべてのカンファレンスが終わってしまった…。うーん、イタリア人はドライだ。

レジデントの先生に聞いたのだが、イタリアも日本と同じように、大学が6年あり、その後専門医の資格をとるため、5年間レジデントとして働くようである。ただ日本とは違い、すぐに専門をやるとの事。なんとなくレジデントの先生が誰かはわかってきたが、やはり欧米人なので日本人より年を取っているように見える。レジデントの先生に年齢を何度か聞かれたが、37歳というと、一瞬間が空くのはそういう事だろう。イタリア人は、髭を生やしている人が多く、若い人でのメジャーな生え方は、もみあげからあご、あと頬に無精ひげが伸びたような感じの髭が多いようだ。これは白人であるからカッコよくなるのであり、また、日本人でもイケメンならいいのだろうが、ブサメンの私には到底不可能である。遭難から帰ってきた汚らしいおじさんになってしまう。もう少し大人に見えるように、自分も良い髭の生やし方を考えてみようか、と思うのであった。

※写真説明

Fig.1: 正面玄関

Fig.2: 正面玄関の向かって左にある、病院の正面玄関

Fig.3: 正面玄関を入った建物。趣がある。

Fig.4: 中庭Fig.1 %28800x600%29 Fig.2 %28800x600%29 Fig.3 %28800x600%29 Fig.4 %28800x600%29

 

 

第6回秋田県運動器疼痛治療セミナー(高橋靖博)

2016年7月15日秋田ビューホテルにて愛媛大学整形外科の准教授である尾形直則先生をお招きし第6回秋田県運動器疼痛治療セミナーが開催されました。

運動器とは、「筋肉・腱・靭帯・骨・関節・神経・脈管系などといった身体運動に関わる組織や器官によって構成される機能的連合」と言われています。運動器に関連する疾患や状態として、骨粗鬆症・変形性関節症・リウマチ・スポーツ外傷・身体障害・要介護状態などがあり、我々整形外科医が中心になって運動器疾患を治療していく必要があります。今回のセミナーには整形外科医だけでなくPT・OT・看護師といったコメディカルのほかに医学生も出席しており、非常に活気のある勉強会でした。

一般演題の1題目は「外来診療でトラムセット配合錠が著効した2症例」とういう演題で由利組合総合病院の鈴木紀夫先生が講演をしていただきました。腰椎椎間板ヘルニアと肩鎖関節障害の2症例におけるトラムセット使用例を紹介していただきました。本処方にあたって過度な副作用の説明は寧ろ悪影響を与える場合があることや、副作用を予防するにあたっての併用剤に関して、本剤の漸増投与について、急性期・収受付きの使用に関してといった明日から日常診療に直結する御発表であり、大変勉強になりました。

2題目は「頸椎疾患の外科的治療」という演題で秋田大学の石川慶紀先生が講演をしていただきました。秋田大学で行っている頸椎前方固定・後方固定の手術について動画を交えながらご紹介いただきました。椎弓根スクリューのテンプレートといった最近の取り組みや、Virtual RealityやAugmented Realityといった今後の頸椎手術の展望についても説明していただき、大変興味深い内容でした。

特別講演では「腰下肢痛の保存的治療」という演題で愛媛大学整形外科准教授の尾形直則先生がご講演していただきました。痛みの長引く原因や、腰痛診断のアルゴリズムなどをわかりやすいスライドで説明していただきました。慢性疼痛に対する鎮痛剤の使い方に関してもご教示いただき大変勉強になりました。また患者さんに説明する腰痛に関するパンフレットを頂きました。今後の臨床に使用していきたいと思います。

2時間と短い時間でしたが非常に濃密で有意義な勉強会でした。今後も積極的に参加し、最新の知見を学んでいきたいと思いました。

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第9回秋田県整形外科リウマチセミナー(長幡 樹)

平成2878日に第9回秋田県整形外科リウマチセミナーが開催されました。秋田県では臨床グループとしてAORAというリウマチグループがあり、秋田県でのRAについての大規模Dataの研究を行っています。また情報交換をしっかりすることで県内での統一した治療方針での治療を行えるようになってきています。

一般演題1題目は市立角館総合病院の青沼宏先生がAORAでのエタネルセプト(ETN)継続率についての講演をしていただきました。秋田県で最も使用されているバイオ製剤であるETNはクリニックでの導入数の多い薬剤であること、Steinbrocker分類でStageⅢ、Ⅳと関節破壊が進んでいるがADLは自立している症例での導入が多いことなど秋田県での使用傾向について細かなDataを発表していました。昨年の発表で生じた疑問点などについても更なる詳細な研究について教えていただきました。

2題目ではAORAにけるcsDMARDs併用療法の調査について秋田赤十病院の谷貴行先生から発表をしていただきました。csDMARDsについての基礎的な解説、また全体の約使用例の約20%で行われている併用療法について詳細な発表をしていただきました。併用療法ではDAS28ERでの活動性が高く、生物学的製剤が使いにくい症例に使用されていることが多いことなどについてとても勉強になる講演でした。

また特別講演として大阪市立大学整形外科学准教授乾健太郎先生に「トファシチニブ(TOF)によるRA治療の現状とRA患者の術後感染症」の演題でご講演をいただきました。まずリウマチ治療の一般液な変遷についてわかりやすく教えていただきました。近年ではRA患者に対する手術が少しずつ減ってきている、つまりは重症RAが減ってきているだろうことなど多くのDataからの考察を教えていただきました。またRAがあるだけで術後感染のRiskと言われていて、肘、足部の感染が多いなどの部位別でのRisk評価など大変勉強になりました。帯状疱疹は最も注意しなければならない合併症であり、その対応、注意点などについてご講演いただき、すぐに今後の診療に役立たせられそうなご講演でした。また休薬による感染リスクの減少など、なんとなくわかっていた知識について補填し、Dataに基づいた知識で講演していただきました。

2時間という短い時間ではありましたが、とても有意義に勉強をさせていただきました。まだ自分自身はあまりRA治療に直接的にかかわることは少なかったのですが、今後の外来治療などに生かしていきたいと思います。

 

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