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秋田労災病院 奥山幸一郎院長先生が日本経済新聞に取材を受けた記事 長寿社会のリアル~迫る「老老医療」の危機 が掲載されました

秋田労災病院 奥山幸一郎院長先生が日本経済新聞に取材を受けた記事 長寿社会のリアル~迫る「老老医療」の危機 が掲載されました

https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/aging-society/aged-doctor/

ASBMR 2020 (2020.9.11-15)、Plenary Poster選出の喜び(阿部和伸)

今年の米国骨代謝学会(ASBMR 2020)は、新型コロナウイルス感染症の全世界的な流行の影響により、バーチャルイヴェント形式で開催されることとなり、当教室からは2題の発表が予定されています。

 

私の演題は「Effects of Teriparatide and Low-Intensity Aerobic Exercise on Osteopenia and Muscle Atrophy in Type 2 Diabetes Mellitus Model Rats」というもので、2型糖尿病に伴う2次性骨粗鬆症に対し、骨代謝促進薬であるテリパラチドと運動療法を組み合わせることで、より骨や筋肉を強くできるかどうか、研究した成果をまとめたものです。今回この演題がPlenary Poster選出され、大変嬉しく思っています。

近年、世界的な高齢化や、生活習慣病の代表格といえる糖尿病の増加などを背景に、糖尿病性骨粗鬆症患者は増加し、その治療や骨折・転倒予防の必要性は増しています。そのような背景のもと本研究を開始し、その成果が由緒ある本学会において評価されたことは至上の喜びです。

 

島田教授、宮腰准教授をはじめ、骨代謝グループの先生方全員のご指導と、切磋琢磨しあった他の大学院生、実験助手の工藤さん、実験に関わる全ての方々のご協力があってこそ、このような身に余る栄誉を、教室を代表して、いただけたのだと思います。この場を借り、改めて皆様に感謝申し上げます。学会に向けて、いいポスターを発表ができるよう努めるとともに、この成果を論文として世に送り出すために今後も頑張ります。

第93回日整会親善e-スポーツ大会 ウイニングイレブンの結果報告(笠間史仁)

2020年6月11日~8月31日にオンライン開催となった第93回日本整形外科学会学術総会で、初の試みとなるe-sports大会に参加しました。

 

e-sportsとは、複数人のプレイヤーがパソコンやテレビゲームなどのオンラインゲームで対戦するものであり、昨今規模・人気ともに急上昇し、いずれオリンピック正式種目になるともいわれるジャンルです。今回は日整会のオンライン開催に伴い、例年のスポーツ大会が中止となり、PlayStation4のウイングイレブン2020というサッカーゲームでのオンライン開催となりました。

 

全国から21大学が参加があり、当大学からは村田昇平、佐藤光、笠間史仁の3名で大学院生室から大会に臨みました。

 

1回戦岡山大学戦は相手校が棄権したため不戦勝となり、迎えた2回戦、主幹校で第1シードの慈恵医大との試合は激戦となりました。前半、笠間のゴールで1-0リードで折り返し、後半1-1と追い付かれた後、笠間のゴールで2-1と再度リードしたものの2-2に追いつかれ、延長戦に突入。延長前半はノーゴールに終わり、延長後半に慈恵医大のゴールでリードを許し、そのまま2-3で終了のホイッスルとなりました。

 

第1シードから2度のリードを奪い最後まで苦しめましたが、健闘虚しく敗れてしまいました。来年以降も機会があればリベンジを果たしたいと思います。

応援ありがとうございました。

工藤大輔先生が脊髄損傷に対する神経再生医療研修を終了

札幌医科大学整形外科学講座ならびに神経再生医療科で研修されていた工藤大輔先生が、2020年4月をもって研修を修了されました。今後は秋田大学においても、ステミラック注を用いた脊髄損傷に対する神経再生医療の開始が期待されます。

https://web.sapmed.ac.jp/orsurg/news/2020/pgsps60000000cg3.html

 

 

 

 

 

 

 

工藤大輔先生から

『脊髄損傷の従来の治療法は、外固定、薬物などの保存療法、骨折・脱臼に対する手術、リハビリテーションが主体でしたが、重度の麻痺の場合は手術を行ったとしても重篤な機能障害を残すため、リハビリテーション治療の目的、ゴールは残存機能を生かし、機能残存レベルに応じた日常生活動作を獲得するというものでした。

札幌医科大学神経再生医療科 本望 修教授が開発された骨髄間葉系幹細胞を用いた脊髄再生医療の医師主導治験が2013年に開始され、2018年12月には条件及び期限付承認を取得、そして2019年2月の薬価収載を経て、同年5月13日より治療の受付が開始されました。本品は販売名ステミラック注として外傷性脊髄損傷の機能障害改善目的にASIAの機能障害尺度A、BまたはCの重度麻痺に対して適応があります。受傷後31日以内を目安に脊髄損傷患者の腸骨から骨髄液を採取し、これを細胞培養施設にて目的の細胞を分離、約1万倍に培養し、約1億個の幹細胞を細胞製剤として静脈内投与するという治療法で、世界に先駆けて本邦で実用化されました。ただし、一般の薬剤のようにあらかじめ大量生産できず、さらに治療のために患者さん自身が札幌に移動する必要があります。

私は、2019年11月より6ヵ月間、札幌医科大学神経再生医療科に所属、研修させていただきました。本品の性質上、適格性判定のための検査が非常に厳密で、残念ながら投与に至らなかった症例も経験しました。しかし、投与された症例において治療前後で明らかに機能が改善している症例の数々に驚かされました。もちろん薬剤の効果のみならず適格なリハビリテーション治療により、治療効果がさらに高まっているのだと感じますが、これまで一度損傷した脊髄は治らないため残存機能を生かし、残存レベルに応じたゴールを設定するという脊髄損傷のリハビリテーションの考え方が変わる可能性があります。

札幌医大には全国から多くの脊髄損傷患者さんが紹介されてきておりました。スポーツや事故などで受傷された若い患者さんには特に心が痛みました。脊髄再生治療と最先端のリハビリテーション治療により、このような患者さんのすべてに笑顔が戻ることを切に願うとともに、一人でも多くの患者さんが治療を受けられるよう引き続き研鑚を積んでいきたいと思います。』

第50回日本人工関節学会に参加して(三浦隆徳)

2020年2月21日(金)~22日(土)に愛媛大学整形外科、三浦裕正教授のもと福岡で開催された第50回日本人工関節学会に参加させて頂きました。

本会は「半世紀の軌跡と未来への提言」というテーマのもと開催され、半世紀にわたり人工関節を専門とした唯一の国内学会として本邦の人工関節医療の発展に大きな役割を果たしてきた伝統ある学会であります。テーマにふさわしく、人工関節発展の軌跡の振り返りとしてのレジェンドセミナーや人工関節の歴史展示、各種シンポジウムやディスカッションなど人工関節を専門とする医療者にとって非常に興味深い内容と感じました。

同門ではASAKG、AHRGから多数の演題を発表し、当教室の取り組みを全国に発信することができたと思います。人工股関節、膝関節のほか手関節、足関節、肩関節のセッションもあり興味がありましたが、主に股関節関連の演題を聴講しました。転子下短縮骨切り併用のTHA、ステム周囲骨折や再置換時の骨欠損の対処方法、DAAにおけるrevision手術など日常診療ではなかなか得られない難治例への対応を勉強することができました。

写真は機器展示にありました、今日の人工股関節の普及に最も影響を与えたとされるCharnleyの人工股関節とその書籍になります。人工関節は先人の絶え間ない研究のもと、現在では安定した成績が得られるようになってきましたが、他の治療手段を含めた適応に対する吟味検討や、さらなる臨床成績の向上、使用インプラントや開発される新機器の検討などこれからの課題は多いと思われます。今後も治療手段の一つとして研究、手技向上に努めて、患者さんへよりよい医療を提供できるように精進して参りたいと思いました。本学会に参加する機会を頂いた島田教授を始め、AHRG、ASAKGグループの皆様、ご指導頂いた木島泰明先生に深く感謝申し上げます。

第3回秋田県骨と腫瘍セミナー(井上純一)  

 

2020年2月22日第3回秋田県骨と腫瘍セミナーが秋田温泉さとみコンベンションホールで開催されました。

一般演題では、秋田大学大学院医学系研究科整形外科学講座の村田昇平先生より、「診断に難渋するデスモイド型線維腫症の検討」と題してご講演いただきました。デスモイド型線維腫症はEnigma(謎)の腫瘍と言われており、自然停止・退縮する性質や広範切除術後の高い再発率などの特徴があり、慎重な経過観察が必要です。症例を提示しながら、デスモイド型線維腫症の診断から治療についてご講演いただきました。

基調講演では、秋田大学医学部附属病院整形外科土江博幸先生より「高齢化社会における骨軟部腫瘍」と題しましてご講演いただきました。全国平均を10年先取りした高齢化率の上昇傾向がある秋田県における骨軟部腫瘍の現状をご講演いただきました。秋田県内の骨軟部腫瘍のデータの解析から、1番の予後不良因子として手術を行わないことが挙げられており、非常に感銘を受けました。高齢でも合併症をしっかり管理して手術を行うことで、確実に救命、QOL、ADLを上昇させることができ、その重要性を再認識しました。

特別講演として、名古屋大学医学部附属病院リハビリテーション科西田佳弘先生をお招きし、「希少がんである軟部肉腫に対する集学的診療と学術的研究」と題してご講演いただきました。神経線維腫症1型(NF1:Type 1 neurofibromatosis)に合併する悪性末梢神経鞘腫(MPNST:malignant peripheral nerve sheath tumor)、デスモイド型線維腫、横紋筋肉腫に関して適切な診断、治療に対する取り組みを中心にご講演いただきました。名古屋大学病院では院内でNF1の臨床ネットワークを構築し、多科・多職種で連携してMPNSTの早期発見・早期治療へつなげているとのことでした。また、デスモイド型線維腫症の診療ガイドラインを構築し、患者さんの特徴や遺伝子解析によって治療法を選択しているとのことでした。リハビリテーションや包括的ケアも生活機能の回復に重要とおっしゃっていました。

どのご講演も明日からの診療に活かすことのできる内容ばかりで非常に有意義な機会となりました。今後の診療に積極的に活かしていきたいと思います。最後になりましたが、ご講演いただきました先生方、ご参加いただきました先生方、大変ありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。

AKITA MUSCULOSKELETAL FORUM (齋藤光)

今年は暖冬の影響で雪の少ない秋田市。しかし直前の大雪であたり一面は雪景色となり、特別講師の先生を秋田らしい冬景色でお迎えすることができました。2020年2月6日にAKITA MUSCULOSKELETAL FORUMが開催されましたので報告いたします。

本研究会では「手の外科」についての講演を、中通総合病院の千馬誠悦先生と、広島大学大学院医学系研究科上肢機能解析制御科学教授の砂川融先生からいただきました。

千馬先生からは「手指変形性関節症」のテーマでご講演いただきました。手指の変形性関節症は年齢を重ねるほどに有病率が高くなる疾患であり、外来でもよくみかけます。2019年にヘバーデン結節がテレビで取り上げられたことにより、最近ではさらに相談が増えた印象をうけます。治療法のうち内服治療、装具治療、手術治療について、先生の日頃行っている方法を教えていただきました。特に近年話題となっているサプリメントや、指に装着する8の字装具に関する情報は、明日からの診療に役立つ情報であり大変勉強になりました。

砂川先生からは「手外科に対する脳科学的、運動学的アプローチ」というテーマでご講演いただきました。砂川先生が大学で行っている基礎研究のうち、動作解析や脳機能マッピング、運動イメージや経頭蓋直流電気刺激、電流知覚閾値検査などについて多彩な研究結果を披露いただきました。特に手指の知覚障害についての話が印象にのこりました。手指の知覚低下、しびれや痛みについては、直接障害されている末梢神経の治療に注目しがちですが、中枢の脳を騙すことで症状を改善させるというアプローチがあることは驚きでした。また動作解析の話題もあり、当教室で基礎研究にあたっている大学院生は大変な刺激をいただきました。砂川教授、お忙しい中、大変ありがとうございました。

秋田大学整形外科若手セミナー開催!!!(村田昇平)

記録的な暖冬で雪の少ない今冬ですが、更に寒さを吹き飛ばすような熱い勉強会、「秋田大学整形外科若手セミナー」が2020年2月1日に開かれました。本セミナーは若手が中心となって、若手にLectureを行う、若手の若手による若手のためのセミナーです。

 

今年は河野先生からRA、三田先生より救急外傷、佐藤千晶先生から脊椎外傷に関する講義をいただきました。また、「四肢関節実習、第一線からのclinical pearl」と第して、赤川先生より膝の所見のとり方、大内先生より肩の所見のとり方を実技も踏まえながらご指導いただきました。

 

自分としても大変勉強になる内容ばかりでした。また、今年は秋田全域から研修医の方々、さらには学生の方々まで参加いただいて、皆さん真剣な表情で講義を聞いたり、実習に取り組んでいて、本勉強会が今後の秋田大学整形外科の益々の発展につながっていくことを強く予感させる雰囲気でした。

 

また、明日からの臨床、研究に若手一同で一層励んで行きたく存じます。

東北脊椎研究会(東海林諒) 

この度2020/1/25仙台フォーラムで行われました東北脊椎外科研究会に参加して参りましたのでご報告させていただきます。

本回は秋田含め東北7大学で行われる研究会であり、今回で第31回を数える歴史ある研究会となっております。同門からは本郷道生講師、菊池一馬先生、笠間史仁先生、岡本憲人先生と自分が演題を採択いただき、発表させていただきました。自分自身としては秋田労災病院時代に続き、2回目の参加となっており、討議が白熱するこの研究会の参加には胸が震える思いでした。

午前の部では、菊池先生から成人脊柱変形術後における PJK の値について、笠間先生からは胸腰移行部脊髄損傷における脊髄円錐部・円錐上部症候群についての発表があり、どちらの討議も大変盛り上がりを見せました。また総会においては前年度の優秀若手演題賞の授賞式があり、この名誉ある賞を同門の飯田純平先生が受賞されました。

午後の部では、本郷講師よりAkita Spine Group データベースを用いた臨床研究という題でご発表いただき、ASGの歴史から現在の取り組みついて広くご発表いただきました。ASGには膨大なデータの蓄積があり、これは旧帝大にも負けない素晴らしいデータで、今後このデータをさらに活用し、論文製作・発表に生かしていきたいとモチベーションが上がった次第です。自分は小児脊椎感染症について、岡本先生は診断・治療に苦慮した胸椎血管腫の1例を発表し、中でも岡本先生の質疑応答は名物である東北大学国分先生からの愛のある質問で大いに盛り上がりを見せました。岡本先生が今後も同研究会に参加していただけることを心から願っております。

研究会全体としてはコンドリアーゼや、仙腸関節の話題が多く、広く勉強させていただきました。このような研究会に参加する機会をいただいた島田教授始め、ASGグループの皆様、ご指導いただいた本郷道生講師、坂本仁センター長に深く感謝申し上げます。