平成29年1月28日、仙台で開催された第27回東北脊椎外科研究会に参加して参りました。今年の主題は「脊椎・脊髄疾患の多数回手術」ということで、治療に難渋し再手術を要したような疾患の検討を中心に、東北の各病院からさまざまな演題が発表されました。秋田からは、秋田労災病院の阿部和伸先生、木戸忠人先生、佐々木寛先生、秋田厚生医療センターの井上純一先生、秋田大学からは鈴木真純先生、そして私が発表しました。主題の演題もさることながら、その他の臨床研究や症例報告もレベルが高く、「硬膜内脱出ヘルニアの診断や画像所見の見方」、「仙腸関節障害に対する新しいブロック方法」、「脊椎術後感染の早期発見のための指標の検討」、「転移性脊椎腫瘍に対する最小侵襲手術の有効性」や「内頸静脈穿刺による椎間孔内誤挿入の一例」(この症例報告が、一日の中で一番のどよめきがあがりました)など、どれも大変興味深い内容ばかりでした。前夜に開催された症例検討会に引き続き活発な議論が開催され、東北の脊椎外科医の勢いを感じました。また、会の途中では昨年のこの会の優秀演題賞が表彰され、同門の木村竜太先生が35歳以下の若手優秀演題賞を受賞されました。おめでとうございます。会では同世代の若手からの発表も多数あり、同じ東北地区で同じ専門領域を志す人たちと交流することもでき、大変良い刺激をうけました。この会で得た知識を日々の診療・研究に活かしていきたいと思います。
「学会レポート」カテゴリーアーカイブ
第8回東北MISt研究会(木村竜太)
第8回東北MISt研究会がH29年1月29日に仙台市で開催されました。前日の東北脊椎外科研究会に続き、本研究会では、「低侵襲」脊椎手術について熱い議論が交わされました。
側臥位での経皮的椎弓根スクリュー(PPS)刺入方法や、胸腔鏡を併用した固定術など全国から興味深い取り組みが報告されました。秋田からは水谷嵩先生が「精神疾患のある化膿性脊椎炎に経皮的S2 alar iliac screwを用いてMIS fixationを行った1例」を発表されました。
PPSを使用した固定術は、外傷、感染や転移性脊椎腫瘍、さらに変性疾患に対しても有用性が周知されており、今後さらなる高齢化社会において、必要性は増してくると考えられます。秋田県内でも低侵襲の脊椎手術で、患者さんにも、医療者にも優しい脊椎手術を行えるよう引き続き研鑽を積んでまいります。
第19回日本低侵襲脊椎外科学会学術集会(JASMISS)、第18回脊椎内視鏡下手術・技術講習会 (水谷 嵩)
2016年11月24日25日にステーションコンファレンス東京で第19回日本低侵襲脊椎外科学会(JASMISS)学術集会が開催され、秋田からは木村竜太先生と私が参加し、特別講演のために秋田厚生医療センター阿部栄二院長も御参加されました。この日は観測史上初めて11月に東京で積雪が確認されるという寒い日でしたが、寒さを感じさせない熱い討論が繰り広げられており、私も化膿性脊椎炎に対する経皮的固定術の症例報告を発表してきました。
今年のテーマは『脊椎外科の低侵襲化の現状と近未来展望』でした。脊椎の低侵襲手術は傷を小さくしたり出血量が少なくなるなど患者さんにとってはいい事尽くめのようですが、合併症や再手術、手術時間、執刀医の技術など未だ多くの課題が議論されています。このような低侵襲化の現状について再確認し、今現在取り組まれている施設で、今後技術をよりいっそう高め、新たに始めようとする人たちにもいかに教育していくか、という近未来の展望について話し合われていました。
阿部栄二先生のご講演は『成人脊柱変形の矯正手術のポイントと低侵襲化』という演題でした。個人的には阿部院長は低侵襲手術というよりは、大掛かりな変形矯正や椎体置換など侵襲の大きい大変な手術をバリバリやられているという印象が強かったので、低侵襲をテーマにした本学会でどのようなお話をされるのか大変楽しみでした。豊富なご経験から臨床で学んだ見解をもとに、これまでの歩みなどをお話されました。侵襲が大きい手術を多くご経験されてきた中で、低侵襲化の必要性を感じるようになり、新たな技術や考え方を導入してきた軌跡など大変興味深い内容でした。
私と木村先生はそのまま神戸に移動し、11月26日の脊椎内視鏡下手術・技術講習会を受講してまいりました。生きた豚を使って実際と同じような手術行い脊椎内視鏡手術の技術、知識を学べる絶好の機会でした。椎弓の幅や椎間高が狭く、1枚膜が多いなどヒトと解剖が異なる点もありましたが、モニターの見方や器械の設置の仕方、骨を削って除圧を行うなどの作業は問題なく学ぶことができ、硬膜や血管に気をつけて行う処置は実際の手術のような緊張感で挑めました。
低侵襲づくしの3日間で非常に多くのことを学ぶことができ、今回の経験させていただいたことを臨床にも還元していければと思います。
第17回日仏整形外科学会学術集会(木島泰明)
2016年11月25-26日の2日間、ラヴィール岡山と香川県直島のベネッセハウスにて、第17回日仏整形外科学会学術集会が開催されています。秋田からは木島泰明が参加致しております。
我が国において医学は、明治以降のドイツ医学、第二次大戦後のアメリカ医学を主流として発展してきましたが フランスは近代整形外科発祥の国であり、古くから大きな業績が見られ、Orthopédieという言葉が誕生したのもフランスであり、アングロサクソン系のものとは異なった天才的な独創性がある事は世界的に認められています。一度フランス医学を経験したものにとって、その独特の考え方は深く感銘を受けることから、かつてフランスに留学経験を持つ先生方が提唱して1987年に第1回の日仏整形外科学会が神戸にて、七川歓次先生(滋賀医科大学整形外科)を会長に行われました。
現在、日仏整形外科学会の会長は、金子和夫・順天堂大学教授ですが、今回の学会長は、藤原憲太先生(大阪医科大学)と青木清先生(旭川荘療育・医療センター、岡山大学)の御両名です。
第一日目はラヴィール岡山にて、帰朝報告や股関節・脊椎の教育研修講演、小児やハンド、股関節の一般演題の発表もワインの試飲をしながら和やかな雰囲気で行われました。参加されている先生方の専門領域としては、股関節が多いですが、次いで多いのは脊椎、肩、膝、小児、手外科でした。同会場でのウエルカムパーティーでも岡山ならではの料理を満喫することが出来ました。
二日目は朝、岡山をバスで出発し、直島入りをします。直島はアートの島として日本よりも海外での知名度が高く、3年に一度行われる瀬戸内国際芸術祭の中心です。直島では、DDH・膝・スポーツの教育研修講演や脊椎・膝の一般演題だけではなく、今後の国際留学や交流のヒントとなるような国際人4人による「地球人シンポジウム」なども企画されており、通常の学会とは違った、とても楽しい雰囲気で進行していきます。
一昨年、第1回から第7回までの学術集会の会長を務められ、初代のこの会の会長でもあった滋賀医科大学名誉教授の七川歓次先生が亡くなられました。この先生のお名前を残そうということで、今年の学術集会における帰朝報告の中で最も印象に残った帰朝報告が七川歓次賞(最優秀帰朝報告賞)として表彰されることとなりました。そういうこともあり、今年はなんと12演題もの帰朝報告がエントリーされましたが、参加者全員の投票によって決定された栄えある第一回七川歓次賞に私、木島泰明が選ばれました!これもひとえに私にフランス留学を薦めて頂いた島田教授をはじめ、留守中大変ご迷惑をおかけするにもかかわらず快く留学に行かせていただいた同門の先生方のおかげです。本当にどうもありがとうございました。
日仏整形外科学会学術集会(SOFJO: Société Franco-Japonaise d’Orthopédie)は2年に1回の開催で、毎回、日本の各地で行われますが、このほかに日仏整形外科合同会議(AFJO: Association France-Japon d’Orthopédie)も2年に1回開催されており、SOFJOとAFJOが交互に行われるので、毎年、日仏の整形外科医の交流の場が持たれています。AFJOは日本開催とフランス開催が交互に行われており、昨年のAFJOはフランスのサンマロという世界遺産モン・サン・ミシェルの近くで開催されました。そして来年のAFJOは船橋整形外科の老沼和弘先生と千葉大学の高橋和久教授を会長に世界遺産・日光東照宮社務所にて開催されます。2017年5月12-13日の2日間です。SOFJOもAFJOも、全国の先生やフランスの整形外科医と(フランス語ではなく)英語でディスカッションができる貴重な場です。英語でのプレゼンやディスカッションは場数(ばかず)が大事だと思うので、フランス整形外科に興味を持ってくれた先生、ぜひ一緒に参加しましょう。
第41回日本足の外科学会に参加して (雄勝中央病院 柴田暢介)
2016年11月17~18日, 奈良県の奈良春日野国際フォーラム甍にて第41回日本足の外科学会が開催されました. 秋田からはAFGメンバーの柏倉先生, 野坂先生, 千田先生, 冨岡先生, そして私の5人で参加して参りました.
基調講演では, 秋田にイリザロフを教えていただいた現理事長の大関覚教授が, 「日本足の外科学会の未来に向けた今日の取り組み」という演題で, まだまだ会員数の少ない足の外科学会をどう盛り上げていくかということに関してご講演されました. また特別講演では, 国際足の外科学会(IFFAS)の初代理事長で, 奈良県立医科大学の名誉教授でいらっしゃる高倉義典先生が, 「日本足の外科学会が国際交流ではたした役割と今後の展開」という演題で, 日本と国際足の外科学会の歴史と今後についてご講演いただきました. 恥ずかしながらIFFASの初代理事長が日本人の先生であったことをこのときはじめて知り, 誇らしく思いました.
そして今回, 秋田からの発表では, 千田秀一先生が優秀ポスター賞を受賞されました! タイトルは「超音波を用いた足関節鏡 anterolateral portal の解剖学的位置関係」で, 今ホットな話題を扱った臨床にもすぐ生かせる素晴らしいご発表でした. 秋田大学初の快挙です. 本当におめでとうございました. また, 野坂光司先生も今までの輝かしいご業績により, 今回新たに学会の評議員になられました. おめでとうございました.
今回の千田先生の受賞を機にこれからも足の外科を盛り上げていきたいと思います.
第51回日本脊髄障害医学会に参加して(尾野祐一)
2016年11月10〜11日、千葉県幕張メッセで日本脊髄障害医学会が開催され、秋田赤十字病院から石河先生、佐藤先生、秋田労災病院から木戸先生、能代厚生医療センターから安藤先生、中通総合病院からは畠山先生、秋田大学からは松永准教授、本郷先生、粕川先生、石川先生、斉藤先生、鈴木先生、益谷先生、水谷先生、木村先生、飯田先生、岩本先生、高橋先生、私と18人で参加して参りました。
本学会は脊髄障害を扱う学会のため、整形外科だけではなく、脳神経外科や神経内科、泌尿器科、リハビリテーション科などの多くの科から、脊椎・脊髄疾患への手術方法や、内科的脊椎脊髄疾患について、神経因性膀胱、脊髄再生医療などの基礎研究、ロボットリハビリテーションなど多岐にわたる分野の口演を聞くことができました。中でも、iPS細胞を用いた脊髄再生医療に関しては、動物実験でかなりの成果をあげており、近々治験も開始されると報告され、大変興味深く講演を聞くことができました。
今回は同門から7口演、14ポスターと多くの演題を出し、島田洋一教授が学会長を務める第54回の本学会に向けて、秋田大学として多いに盛り上げることができたのではないかと思います。今回得た知識を臨床や研究に活かし、引き続き学会報告ができるよう精進してまいります。
第43回日本股関節学会学術集会(木島泰明)
2016年11月4-5日の2日間、大阪国際会議場にて、第43回日本股関節学会学術集会が開催されました。秋田からは、Akita Hip Research Groupの山田晋会長、小西奈津雄副会長、久保田均副会長、田澤浩vice director、加茂啓志先生、奥寺良弥先生、河野哲也先生、木島の計8名が参加致しました。
学会長は、関西医科大学整形外科教授の飯田寛和先生です。今回のテーマは「Back to the Future」。この学会は1974年に第1回股関節研究会として発足し、学会になったのが1986年ということで、ちょうど30年だそうです。そしてあの有名な映画、Back to the Futureの公開が1985年であり、映画の中で30年後の未来として2015年が描かれていたなんて、みなさん、ご存じだったでしょうか。
股関節疾患の治療は、長期にわたる経過に基づいて反省と発展が繰り返されてきた分野でもあります。数10年前を振り返り、もし未来を知っていればそのときどのような選択をしたかを考えることで、今後の未来に向けてより良い治療を考えようという、熱意が感じられるプログラムとなっていました。
Akita Hip Research Groupとしてはおそらく過去最多と思われる6演題を発表してまいりました。山田会長の棚形成に関するシンポジウムでのリバース法の発表、非常に多い症例数にもかかわらず、かなり細かい臨床評価をされた田澤先生の人工股関節置換術の発表、A-BONEメンバーでもある加茂先生の人工股関節症例に対する骨粗しょう症治療についての発表、非常に珍しく、治療法をみんなで検討した奥寺先生の症例報告、命にもかかわる合併症でもある静脈血栓塞栓症が起こりやすい症例はどれかという斬新な河野先生の発表、そして、大腿骨近位部骨折に関するAkita分類についても木島が報告してまいりました。秋田だけでなく全国の股関節外科医の明日からの治療に役立つ貴重な情報を会場の先生方に届けることができただけではなく、股関節分野での秋田の活躍をアピールできたと考えています。
股関節学会では毎年、ドクターだけでなく、ナースやフィジカルセラピストの発表の場も設けられており、今年は学会に来られなかった谷貴行先生の手術などをリハビリの観点から解析された秋田赤十字病院リハビリテーション科の齋藤真紀子PTのご発表もございました。
我々の研究成果を発表するだけでなく、全国の先生方のいろいろな考え方に触れることで、秋田の股関節疾患の患者さんにとって有用な情報を少しでも多く取り入れられるようにしっかり勉強してまいりましたので、これを今後の臨床や研究に生かしていきたいと思います。
18th Asia Pacific League of Associations for Rheumatology Congress (APLAR 2016) (市立角館総合病院 青沼 宏)
18th Asia Pacific League of Associations for Rheumatology Congress (APLAR 2016)に参加しました
今年もAPLARに参加しました。今年は上海でした。柏倉隊長、櫻場先生、私の3名参加です。特に、柏倉先生は忙しい外来の合間に残った夏休みを利用して駆けつけてくださいました(深夜便を利用して0泊の強行スケジュールで)。
上海はとてもとても蒸し暑く、ホテルと会場の移動はうんざりしましたが、暑さにめげず毎日涼しい学会会場に足を運び、ポスター展示を見たり講演を聴講したりしました。スポンサーブースでは、聞いたことのない漢方のコマーシャルがされていて中国らしさを感じました。あと、会場で来年のAPLARの案内が出ていました。来年はドバイです!
発表の合間をぬって世界で2番目に高層ビルの上海タワーに上りましたが、雨のため景色はまったくみえず。来年、ブルジュ・ハリファでリベンジです。上海のラーメン(蘇州麺)と小籠包はおいしかったです。夜には3人で青島ビールと上海蟹で発表の労をねぎらいました。
3泊4日のスケジュールで、あっという間のAPLARでしたが、EULARやACRとは一味違った雰囲気を味わうことができました。若手の先生方、来年はぜひ一緒にドバイに行きましょう。
第31回日本整形外科学会基礎学術集会 (水谷 嵩)
2016年10月13日と14日の二日間、福岡で日本整形外科学会基礎学術集会が開催されました。秋田からは宮腰尚久准教授、松永俊樹准教授、本郷道生先生、粕川雄司先生、木島泰明先生、千田秀一先生、工藤大輔先生、佐々木研先生、佐藤千恵先生、鈴木真純先生、河野哲也先生、赤川学先生と私が参加してきました。
今回秋田大学関連からの発表は口演が7題、ポスター発表が5題と昨年度の倍以上の多くの演題が採択され、我々大学院生も発表の機会を得ることが出来ました。宮腰准教授と松永准教授も座長として円滑な進行をされておられました。
他施設からの発表も興味深いものが多く、動物実験から動作解析、基礎的な内容から比較的臨床的な内容まで様々な研究のテーマで発表がされており、どの講演を聞くか目移りするくらいでした。個人的に興味があった腰痛や椎間板変性、慢性疼痛などの発表も聴講してきました。
私が聴講した中で、多くの人を集めていたのはiPS細胞に代表される再生医療のセッションでした。各施設で企業と協力し治験を進めている分野ですが、適応の選択や安全性などの面で課題が多いようです。企業との連携の難しさや、薬事認可に対して日本と欧米との違いもあるとのことで、大変勉強になるお話を聞くことが出来ました。
また、秋田大学とも関連のある札幌医大の脊髄損傷に対する間葉系細胞の経静脈的移植療法の研究の発表では、AIS Cの脊髄損傷の方が移植翌日から機能改善が見られ、最終的に走ることもできるようになるなど驚くような効果が発表されていました。まだ治験段階ですが今後臨床応用につながることを期待したいと思います。
全国から様々な基礎研究の発表が集まる学会ということもあり、普段以上にアカデミズムを味わうことが出来ました。今後の研究にも生かしていくよう精進したいと思います。このような機会をいただき島田教授、宮腰准教授、松永俊樹准教授、AMAGメンバーの皆様には御礼を申し上げます。
European Orthopaedic Research Society (EORS), 24th annual meeting, in Bolognaに参加して(鈴木真純)
2016/9/14〜16、イタリア・ボローニャで開催されましたヨーロッパ整形基礎学会の参加報告です。主催する施設が土江博幸先生の留学されている、Instituto Ortopedico Rizzoli(リッツォーリ整形外科研究所)ということで演題登録の機会を頂き、採択されましたので今回の参加へと至りました。学会ホームペジからモダンなデザインで、会場写真も歴史に満ちあふれた風景で参加がとても楽しみでした。
と、ここまでは良かったのですが、出発当日まず秋田空港で羽田行きの搭乗手続きの際に職員から衝撃の出来事を聞かされました。経由地であるフランスのシャルル・ド・ゴール空港において、ちょうど学会期間中に管制部門でのストライキ発生との知らせでした。同様のことが過去にもあったようで、基本的には全便欠航なんてことにはならないようですが、不安は膨らむ一方でした。トムハンクス主演の、某国の旅行者が諸事情から国に帰れなくなり空港にしばらく住み着くという映画がありましたがそのシーンが頭をよぎりました。各方面に問い合わせてみましたが、行ってみないとどうなるか分からないとのこと。とりあえず出発。羽田国際線の方では特に問題なくフランスには飛ぶよう。そしてフランス着。午前4時着ということもあり空港内は閑散としていました。問題のボローニャに向けての乗り継ぎでしたが、空港職員に訪ねてみましたが全く問題なく予定通りフライトするとのこと。電光掲示板で他の便も見てみるが、ほぼ問題なく運航しているようだ。こんなもんなのだろうか。と、不安だけあおられながら特に影響なく無事ボローニャ空港に到着しました。空港ではすでに、土江先生が迎えに来てくださっており、慣れた感じですぐにバスまで案内してくださりホテルまでの道順まで分かりやすくレクチャーしてくださいました。すっかり伊達男になっておられるのを感じました。ボローニャはフィレンツェ、ローマ等などと比べれば観光地と呼ぶにはマイナーな土地ということもあり、地元の人々の活気と歴史的建造物にあふれた素晴らしい雰囲気でした。しかも夜も至る所にバーのオープンテラスが開かれており、22時過ぎても普通に女子供が闊歩しており、実際治安もまずまず良いとの事でした(もちろん日本よりは悪いです)。昼過ぎについたため、土江先生に昼食をごちそうになりましたが、シンプルなマルゲリータや生ハム、チーズはとても美味でした。「わりと普通だよー」とおっしゃる土江先生、すっかり伊達男だなとまた思いました。その晩は、過去にリッツォーリに短期留学されていたという筑波大学整形外科講師 船山徹 先生、今回の会でoral presentation に採択されているJA茨城 県北医療センター 塚西敏則 先生、そして現在土江先生と同様に留学しておられる奈良県立医大骨軟部腫瘍専門 塚本真治 先生達とお食事する機会を作って頂きました。素晴らしい実績をお持ちの先生達のなかで大変恐縮な思いでしたが、気さくに色々話しを聞いてくださり、留学の話など色々と盛り上がり楽しい会となりました。
さて翌日肝心の学会ですが、ASBMR や日整会の規模とはやや小さめな感じで、リッツォーリのresearch center (基礎研究棟みたいなものか)の廊下の一角にポスター展示場所が設けられているという状態でした。(基礎研究学会でしたが、普通に臨床研究の発表も多々ありました(TKA後のopioidの使用頻度の比較〜〜など・・・)。しかし、敷地はとても広く、敷地内で輸送迎バスや車が運行しておりました。研究所含め敷地内の建物もやはり歴史情緒あふれており、発表が終わった後に土江先生に病院内を案内頂きましたが、昔の関節鏡や義肢、側彎用のブレースなど博物館レベルの物が展示されていました。歴史的情緒にあふれた雰囲気だけ見れば、とても現役で最先端レベルの研究を行っている施設には見えませんでしたが、日本にはないギャップでとても興味深かったです。
初イタリアが学会ということで不安しかありませんでしたが、買ったばかりのカメラを紛失した以外は、素晴らしい貴重な経験となりました。発表ご指導頂きました宮腰准教授はじめとするA-BONEメンバーにこの場を御借りして御礼申し上げます。