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Rehabilitation Year Topic Seminar 2018(渡邉基起)

H30年12月2日,秋田県リハビリテーション研究会主催のRehabilitation Year Topic Seminar 2018が開催されました.

休日であるにも関わらず,全県から医師や理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,義肢装具士,エンジニアなどリハビリに関わる多職種150名程度の方に参加いただきました.

はじめに島田洋一教授から今年のトピックスが短時間で学習できるという本企画の趣旨と秋田県で行われている本研究会が県外でも注目されていることを述べられました.

以下,プログラムに沿ってご講演の概略を記載します.

脳卒中リハ:秋田大学大学院医学系研究科 医師 竹内直行先生

近年,技術の発達によりロボットやVirtual reality(VR)を用いた運動療法が報告されていることやニューロリハとしてCI療法や経頭蓋磁気刺激(rTMS),経頭蓋電気刺激(tDCS)を用いた報告が比較的効果が高いことを説明いただきました.また,それ以外に興味深い報告として全身振動刺激やビタミンDによる効果,体感ゲームなど,今後注目したい新しい治療方法についてもご紹介いただきました.従来の運動療法のみでは改善し得なかった症例についても他の技術と組み合わせることで高い効果を得られる可能性があることを学びました.

重度外傷リハ:秋田大学大学院医学系研究科 医師 野坂光司先生

重度外傷では死を回避することはもちろん大事だが,よりよく生きること(後遺障害を回避すること)も非常に重要なため近年注目さていることを学びました.後遺障害の3/4は運動障害(脊椎や四肢)であり,運動器外傷は整形外科医とリハビリテーションの腕にかかっていることが報告されていることなどをご説明いただきました.本県ではリング型創外固定器を用いた手術により早期離床を可能としており,リハビリテーションでも足底装具を作製し,痛みの軽減を図ることで早期荷重・歩行を可能としている.また,多数の症例をご紹介いただき,秋田県の重度外傷が多種職連携により高いレベルにあることがわかる内容でした.

呼吸器リハ:市立秋田総合病院 理学療法士 高橋仁美先生

今年の呼吸リハビリにおける最大のトピックスはステートメントが公開されたことであり,これまで,運動耐容能やQOLに注目されていたが,近年身体活動量に注目が集まっていることをご紹介いただきました.今回は特にCOPDに焦点を当て,そのガイドラインも5年ぶりに改定され,身体活動性の低下がCOPDを惹起させる可能性があることを学びました.身体活動量は呼吸リハのみでは向上させることが出来ず,カウンセリングを併用することで改善させる可能性があることを多くの研究から示していただきました.

股関節リハ:秋田大学医学部附属病院 理学療法士 畠山和利先生

今回は股関節の病態のひとつであるAIISpinitis(下前腸骨棘炎)に焦点を当てて,ご講演いただいた.Groin Pain(鼡径部痛)のひとつの病態であり,7つのタイプ(筋損傷,腸骨筋炎,股関節インピンジメントなど)に分類されることを学びました.AIISpinitisでは大腿直筋付着部損傷や脂肪体の線維化が起こっており,鏡視下関節外デブリドマンにより除痛されることが近年報告されていることを示していただきました.リハビリテーションでは,可動性や安定性,協調性の改善が重要であり,具体的な評価・運動療法の方法について実技を交えていたため,わかりやすい内容でした.

脊椎リハ:秋田大学大学院医学系研究科 医師 本郷道生先生

今回は腰痛と脊柱変形に対する運動療法に焦点を当てて,ご講演いただきました.腰痛については,急性腰痛では運動はあまり推奨されていないが,慢性腰痛では推奨されており,ストレッチングや筋力トレーニング,有酸素運動,VRなど運動によって改善されることを多くの文献を基にご紹介いただきました.また,脊柱変形(後弯・側弯)も同様に,運動以外に装具や全身振動刺激などでも改善されることについて文献を示していただきました.今回の分野は,運動療法の頻度や強度などまだ確立されていないが,他の治療と併用することで改善させる可能性があることを学びました.

認知症リハ:県立リハビリテーション・精神医療センター 医師 下村辰雄先生

はじめにアルツハイマー型認知症やレム睡眠時行動異常症,レビー小体型認知症,前頭側頭葉変性症など様々な認知障害を起こす病態について講義していただきました.認知症へのリハビリテーションでは,“○○療法や○○トレーニングは予防効果がある”という文言をみる機会があるものの,実のところその効果についてはまだcontroversialな部分があるため検討しなければならないことを学びました.また近年,認知症と交通事故が取り沙汰される機会がありますが,どのようなことが問題になるかを詳しくご説明いただきました.

一昨年より開催されている本会ですが、どの演者もその分野のスペシャリストであり,3時間で今年のトピックスが学べるため,参加者の方も集中して聴講していました.毎年,師走の忙しい時期に大勢参加されており,秋田県のリハビリが非常に盛り上がっていると感じる研修会でした.

第38回日本骨形態計測学会(阿部和伸)

第38回日本骨形態計測学会が6月21日~23日の3日間、大阪国際交流センターにおいて開催されました。近年、分子生物学、細胞生物学において骨代謝の機序、骨粗鬆症を含む代謝性骨疾患の病態の理解は飛躍的に進歩しています。しかし、分子生物学的手法による病態研究でも、その発現を組織レベルや器官レベルで観察し、さらに骨形態計測法による定量的計測によってよりその変化が把握できます。したがって、骨形態計測法は私たち研究者にとって非常に重要かつ必須の研究方法の一つであるといえます。

 

学会に先立ち、「骨形態計測ハンズオンセミナー2018ベーシックコース」が同会場で開催されました。これには私を含む当教室の若手研究者4名が参加し、動物実験の計画から実施、検体の採取、固定、標本作成、骨形態計測による評価まで、一連の流れに沿って基礎から学びました。ハンズオンでは実際に標本を作製する手順を確認したり、標本を観察し、どこで骨が作られ、どこで溶かされているかといった組織レベルの計測を実際に行ったりしました。セミナー終了後には修了証書をいただき、私たちが今後行っていく研究の大きな糧となったと感じた次第です。

 

本学会では、当教室の宮腰尚久准教授が学会2日目のシンポジウム「骨折防止のためのトータルケア-サルコペニア・フレイルの観点から-」の中でご講演されました。「サルコペニアと転倒に対する運動療法」という演題で、転倒の危険因子から転倒予防、骨折予防のための運動療法について当教室の研究を交えて非常にわかりやすくご紹介されていました。会場からも活発な質疑応答が繰り広げられ、全国的な関心の高さを感じました。

 

2日目終了後には全員懇親会が開催され、その会で若手研究者賞の表彰があり、当教室若手のホープである湯浅悠介先生が受賞されました。湯浅先生の行っている研究は、「卵巣摘出ラットにおける選択的エストロゲン受容体モジュレーターと低強度有酸素運動の骨と脂肪に対する効果」というもので、骨粗鬆症治療として薬剤と運動を組み合わせ、骨だけでなく脂肪との関連も観察した大変有用な研究です。受賞おめでとうございます。

 

私たち整形外科医にとって、骨粗鬆症をはじめとする運動器疾患の治療はADLの低下や健康寿命の短縮を防ぐために非常に重要です。そして臨床で用いられる治療はすべて、本学会で報告されているような基礎研究の上に成り立っています。本学会でそのことを再認識し、患者さんのADL向上、健康寿命延伸のため今後も研究に邁進していこうと決意を新たにしました。

第11回秋田県整形外科リウマチセミナー(佐藤千晶)

6月8日、第11回秋田県整形外科リウマチセミナーが開催されました。

一般演題では、雄勝中央病院の青沼宏先生より「高齢関節リウマチ患者に対するエタネルセプト投与継続率と有用性」として、高齢化日本第一位の秋田県において、高齢者リウマチ患者に対する生物学的製剤の実際の使用状況を臨床診療の立場より考察を交えながら講演していただきました。また、秋田労災病院の加茂啓志先生より「秋田県における関節リウマチ治療の地域間相違」として、秋田県内を中央、県南、県北に分けて様々な項目についての検討をご講演いただきました。秋田県内でのリウマチ患者の疾患活動性は地域ごとに差はなく抑えられておりますが、地域ごとに患者の併存疾患などの患者個人のバックグラウンドに偏りがあり、治療薬剤等についての検討が必要なことなど、改めてリウマチ治療の難しさを認識させられるご講演でした。

特別講演では、東京女子医科大学の整形外科・膠原病リウマチ痛風センターの猪狩勝則准教授に「RA治療における薬物治療と手術療法」についてご講演いただきました。

新興薬剤の開発により以前よりもリウマチの疾患活動性は確かに抑えられている一方で、活動性によらない関節破壊の進行する症例や、より高いQOLを目指した手指、足趾の手術が増えていることを最新の手術治療の症例を見せていただきながら興味深く拝聴することができました。また、機能障害、関節痛、外観問題を一気に解決できる手段としての手術は投薬コントロールが進んでいく今後でも重要な位置を占めることを改めて認識させていただきました。

今後とも猪狩勝則先生の御活躍をお祈りしております.この度は本当にありがとうございました。

第4回 出羽・阿賀リウマチフォーラム(齋藤光)

2018年6月2日、秋田ビューホテルで第4回の出羽・阿賀リウマチフォーラムが開催されました。昨年の第3回は新潟県で開催され、今年は秋田県での開催となりました。

 

関節リウマチとは、関節が炎症を起こし軟骨や骨が破壊され、関節の機能が損なわれる病気です。治療の第一目標は早期治療介入し、身体機能や社会活動を保ち、長期にわたる生活の質を最大限にすることであり、多職種の連携が重要です。一般演題では医師、看護師、検査技師、理学療法士の先生よりご講演をいただき、様々な視点からディスカッションが行われました。またフロアからも沢山の質問があり、盛り上がりをみせておりました。

 

教育講演では市立秋田総合病院の柏倉剛先生より「秋田県におけるリウマチ診療 AORAの取り組み」についてご講演を賜りました。秋田県での関節リウマチ治療の歴史から、AORAの活動内容、AORA registryから得られた秋田県内のリウマチ診療の特徴について、詳細なデータをお示しいただきました。また秋田県のリウマチ患者には高齢者が多いといった観点から、治療薬、腎機能、骨粗鬆症治療のポイントについてもご講演いただきました。

 

特別講演では、国立病院機構大阪南医療センター 統括診療部長 橋本淳先生より「我々の取り組んでいるチーム医療の考え方−リウマチのトータルマネジメントをめざして−」についてご講演を賜りました。リウマチ治療の歴史から、患者が求める医療の変化、最新の手術治療について、網羅的にご講演いただきました。リウマチ患者には多様なケアが求められ、全人的医療が必要となりますが、一人の医師には限界があるため、チーム医療が重要となります。体制作りには多くの時間と労力がかかりますが、長期的な治療を見据えた医療、予防医学のためにはコメディカルスタッフの協力が不可欠であり、各々がプロフェッショナリズムをもって診療にあたることが重要とのことでした。

 

リウマチ診療にあたる我々は、チーム医療を担う一員として、最新・最適の医療を提供できるよう、これからも日常診療に取り組んでいこうと思います。

 

UCSF サンフランシスコ外傷セミナー・キャダバーコース (長幡 樹)

4月22日〜30日と長期の時間をいただいて、サンフランシスコ外傷セミナー・OTIコース・キャダバーに参加させてもらいました。

サンフランシスコはほぼ毎日が快晴で驚くほど天気がよく過ごしやすい気候でした。風がつよく時々肌寒く感じることもありましたが、皆半袖で過ごすくらい暖かく良い気候でした。

まず最初は岡山大学の野田先生・福岡整形外科病院の徳永先生・秋田大学の野坂先生が講師のキャダバーコースに参加しました。足部・膝・股関節・さらには骨盤と下肢をほぼすべて網羅するような内容になっており、手術の皮膚切開や解剖上のピットフォールなどをとても丁寧に教えていただきました。コース外のことも自分の興味が部分をさらに掘り下げて学ぶことができました。また同世代・もしくは自分たちよりも若手の先生と一緒になって行うことで、自分たちに足りていない点や他の大学の話も聞けてとても刺激になりました。時間に余裕ができると本来のキャダバーコースに含まれていなかった骨盤の解剖などもご指導いただき最初から最後までとても充実したキャダバーコースでした。

翌日からは島田洋一教授と大学時代の同期に当たり、現在Zuckerberg San Francisco General Hospitalで勤務している長尾先生の元に施設見学と症例検討をさせていただきました。日本の病院とはだいぶ勝手が違うことはなんとなくは理解していましたが、改めて説明を受けると驚きの連続でした。入院期間の短さや、手術室・術後の麻酔管理のための場所の確保などとても興味深く見学をさせてもらいました。また日本よりも各職種の仕事が明確に細分化されており、また違った世界なんだと改めて実感をさせられました。

外傷セミナーでは現在行われている治療の選択方法や、体の各部位ごとのピットフォール、トラブルの対処方法などを10分単位という短い講義で聞いてきました。英語がなかなか不得意な自分でも頑張ればかろうじて聞き取れるような内容であり、少し、本当に少しは英語力も身についたのではないかと思っています(なんとなく聴き慣れただけかもしれません)。さらには肘や手関節などで模擬骨を使った手術手技のハンズオンなども受け、盛りだくさんのセミナーでした。

ゴールデンゲートブリッジや、フィッシャーマンズワーフ、ユニオンスクエアなど有名どころへいき普段触れることのないアメリカの文化に触れてきました。日本では見ることがないくらい広大な自然に触れることができとても楽しい時間を過ごしました。

最後になりますが、今回OTIの長尾先生をはじめ、たくさんの先生方にアメリカの地でお世話になりました。ありがとうございます。また今回の機会をくださった島田洋一教授、宮腰尚久准教授をはじめ、通常業務や当番を担当してくださった各グループの先生、大学院の皆様に感謝いたします。ありがとうございました。

第8回秋田・札幌整形外科合同セミナー(髙橋靖博)

平成30年4月7日アトリオンにて第8回秋田・札幌整形外科合同セミナーが開催されました。
今回は我々が札幌医大の先生をお招きして、秋田で開催する運びとなりました。
札幌医大より、20数名の先生方がお越しいただきました。
大勢の皆様にご参加いただき、厚く御礼申し上げます。
一般演題は秋田から2題、
塚本泰朗先生より「9軸慣性センサを用いた膝動作解析」、
土江博幸先生より「非定型性大腿骨骨折に対するテリパラチドの効果」
に関して発表していただきました。
続いて札幌側から、
札幌医大の舘田健児先生から「三次元コンピュータシミュレーションによる大腿骨頭すべり症の変形評価」
同じく札幌医大の道家孝幸先生から「ゾレドロン酸の急性期反応に対する予防策」
北海道医療大学リハビリテーション科学部の青木光弘教授から「随意性咳嗽時に於ける体幹深部筋の筋電発現」
以上3題の発表がありました。
実臨床における最近の取り組みから基礎的な研究まで、多岐にわたる発表を拝聴することができました。
特別公演1では「重度四肢外傷を治療するということ」という演題で、
札幌徳洲会病院の副院長・外傷センター部長である辻英樹先生がご講演をしていただきました。
前半はたくさんのGastiloⅢA以上の重度四肢外傷の症例を提示しながら、
一般整形外科医として、デブリードマンの作法など、初期に我々がどのように対応すべきかご教示いただきました。
後半はマイクロサージャーの目線からFix &Flapに関してお話いただきました。
本公演でも「重度四肢外傷ではマイクロとイリザロフを融合」に関して再認識するきっかけとなりました。
明日からの外傷初期対応に生かしていきたいと思います。
特別公演2では秋田労災病院の副院長・整形外科部長である奥山幸一郎先生から、
「腰椎椎体間固定術の変遷と将来像」に関してご講演をしていただきました。
椎体間固定をやり始めた頃の苦労や、多椎間固定における合併症に関してご発表されました。
また手術以外にも、勤労者における腰痛に関する研究に関してもご講演いただきました。
先生のように、いつまでもリサーチマインドを持ち続けながら日々の診療に情熱を注いでいきたいと感じました。
非常に濃密で有意義なセミナーであり、4時間楽しく拝聴することができました。
会の後は、恒例の秋田・札幌医大の懇親会が開催されました。
年齢が近い他大学の先生方との交流は、楽しく且つモチベーションもあがる良いきっかけとなります。
これからも切磋琢磨して、両大学の発展に貢献していきたいと思います。
来年は札幌で開催される予定なので、今後も積極的に参加をして最新の知見を学んでいきたいと思います。

第55回 秋田県脊椎脊髄病研究会(飯田純平)

去る317日秋田県脊椎脊髄病研究会が開催されました。

研究会では木村先生と尾野先生に症例提示をしていただき,それに対し秋田大学神経内科 華園先生より脊椎脊髄疾患と神経内科疾患の鑑別のポイントや日常診療におけるテクニックについてレクチャーしていただきました。整形外科医にとって非常に有用なお話であり、明日からの診療に役立てたいと思います。

また、ミニレクチャーとして本会の当番幹事の工藤先生が化膿性脊椎炎の治療に関する最新の知見としてPPSの有用性などをお話していただきました.一般演題では関連病院から4演題あり,秋田労災病院の東海林先生の演題「小児陳旧性頚椎回旋位固定の1例」が優秀賞を受賞されました。おめでとうございます。

 待ちに待った特別講演では岡山病院機構岡山医療センター整形外科医長の竹内一裕先生から,「脊椎外科手術 –低侵襲化の歩みとその実際」と題し,最前線の低侵襲脊椎手術についてご講演いただきました.総論からMED/PEDの違い、胸椎におけるVATSまで様々なMISの手技から歴史,最新の知見まで、幅広く教えていただきました。新潟大学整形外科准教授の平野徹先生から,「小児脊柱変形における治療の進歩と今後の課題」と題し、側弯症の歴史としてScoliScore、日本での遺伝子解析などの研究、手術治療の実際や合併症についてわかりやすくご講演いただきました。平野先生は公私ともに秋田県になじみが深いということも伺い、大変うれしく思いました。

  本研究会で拝聴したことを、自分の脊椎外科医としての礎としていきたいと思います。

 今後の先生方のご盛栄を心よりお祈り申し上げます。

整形外科若手セミナー(長幡樹)

2018年2月10日に整形外科若手セミナーが開催されました。

昨年から若手主催の若手による、若手のための会としてはじまりました。

今回はSpecial lectureとして厚生医療センターの阿部俊樹先生、秋田赤十字病院の鈴木哲哉先生による頚椎、 腰椎の診察手技の講義をしていただきました。細かい部分から、また診察室でのスムーズにみるためのテクニックなどすぐに日常診療で役立つような講義をしてもらいました。講義に続き、すぐに手技をハンズオンで練習することでより深い知識として身に付けることができたのではないかと思います。

続いて赤川・尾野・木村先生から「膝の変形解析 基本の「き」」、「脊椎の変形解析 基本の「き」」、「臨床研究ことはじめ」という内容で各分野の導入になる知識をおもしろおかしく講義をしてもらいました。3人の先生がたは大学院3年目でほぼ自分たちとは同世代で若手のはずなのに、専門的な知識をとてもわかりやすく講義をしてもらいました。

解析だけでなく、どういう時に紹介が必要かなど、外来での対応の仕方も含めて講義をしてもらいました。木村先生は「論文」という書き始めるのに少し労力がいると思っていた仕事や、「臨床研究」をいかに楽しく進めていくか、それを「論文」に繋げることでのメリット、やりがいについて講義をしてもらいました。自分の置かれている立場や、今やっていることからもとても身が引き締まるような内容でした。執筆活動、もう少し頑張ろうと思います。

最後に赤十字病院の斎藤光先生と厚生医療センターの三田基樹先生から膝蓋骨骨折、脂肪塞栓症について症例提示をしてもらいました。一般的な手技のTBWの若手の工夫や、リハビリの方法、また整形外科の合併症で注意すべき脂肪塞栓症の対応など屈託のない意見でみんなでディスカッションすることができました。

これから整形外科になる若手ドクターも、今若手としてバリバリ手術をしているドクター、大学院で少し手術から離れた我々もどの若手にとっても有意義な時間であったと思います。

講義をしてくださった先生方、また今回開催をしてくれた先生に感謝し、明日からの日常診療で応用していこうと思います。

第5回しらかみ疼痛セミナー(湯浅悠介)

2月9日、秋田ビューホテルにて第5回しらかみ疼痛セミナーが開催されました。

特別講演1として羊ケ丘病院整形外科股関節外科部長の加谷光規先生より「股関節痛を考察する~股関節鏡手術からの検証」と題して御講演いただきました。普段何気なく行っているPatrick testから、股関節痛をより詳細に診断し、それぞれに対する治療法をお示しいただきました。治療法の一つである股関節鏡視下手術は、今や股関節外科医にとって必須手術手技となっており、その重要性、必要性をご教授いただきました。加谷先生には、診察法・手術手技はもちろん、整形外科医としての考え方までいつも優しくご教示いただいており、大変感謝しております。今後も秋田大学をご指導いただけたら幸いです。宜しくお願い致します。

特別講演2として福島県立医科大学医学部整形外科学講座の紺野愼一教授より「慢性腰痛の病態」と題して御講演いただきました。慢性腰痛のリスク因子としてストレスは欠かすことができず、その治療法としてストレスを溜めないことが大切であるとご教授いただきました。適度な運動を行い、好きな音楽を聴くことは下行性抑制系の改善につながることもお示しいただきました。日々の診療にて慢性腰痛を訴える患者さんは極めて多く、様々なアプローチからその症状を改善させるよう導いていく必要があると感じておりました。今回のご講演を明日からの診療に生かしていきたいと思います。この度はご講演いただき誠にありがとうございました。

足の外科バルセロナキャダバートレーニングに参加して(長幡樹)

2017年12月14日〜16日でスペインのバルセロナでFoot and Ankle International courseに参加してきました。

秋田からは市立秋田病院の柏倉先生と自分の2人の参加でした。

バルセロナは滞在した3泊4日の間は常に晴天で秋田県に比べると比較的暖かく過ごしやすい気候でした。冬にみる晴れ間はとても気持ちがいいものでした。

全国から40人の参加者で整形4〜5年目から20年以上の先生方と様々でした。講師には日本で足の外科では著名な講師の先生方である大関覚教授、熊井司教授、高尾昌人教授、松井健太郎先生、またBarcelona大学のXavier Martin教授、CanadaからきていたMark Glazebrook教授のもとで足関節鏡や、変形足矯正の骨切り術の手技や、ピットフォールを含めた基礎的な解剖知識を勉強してきました。

参加者の中でも若手に属していた自分にとってはとても刺激的な勉強の機会をいただいたと思っています。関節鏡では前方鏡視、後方鏡視の方法、長母趾屈筋腱のインピンジに対する治療法、靭帯再建のための適切な鏡視位置などを学び、外反母趾や尖足、凹足変形に対する骨切りなど、自分ではほとんど経験のない手技を細かく学んできました。自分の知識の足らなさを自覚させてもらったのと同時に、一緒の検体でキャダバーをした上級の先生からも優しく指導してもらい、同世代からはお互いに意見し合って、刺激をもらってきました。Case Presentationなど英語で行われたDiscussionも全力で耳を傾けて話を聞いて勉強してきました。日本では見ないような、難渋症例を見て治療方針を検討するなど、自分の頭では及ばないような話もきけてとても勉強になりました。またもう少し英語を勉強しなければ・・・と強く心に誓いました。

また午後に数時間余裕ができた日があり少しだけ観光にも行ってきました。2026年に完成予定のサクラダファミリアも観光してきました。完成前に一度は見たいと思っていたため、とても感動しました。

今回のキャダバーでの1番のイベントはまさか自分がなるとは思ってもいなかったLost Baggageを経験したことです。1度は聞いたことあるけど、まぁ噂話程度でしょう・・・。と思っていたのですが、空港に着いてからキャリーバッグは待てど暮らせど流れて来ず・・・。連絡先を伝えホテルに向かいましたが、結局3日間洋服は一度も届かないままでした。夜な夜な来ている服を洗い、限界を迎え服を買いに行くと安い店舗は発見できず、高級パンツを買う始末。とてもいい人生経験になりましたが、もう一度は経験したくないと心から感じました。キャダバーを通して最も伝えたいことは『海外に行くときは手持ちに常に1日分の着替えを持ち歩け』です。Lost Baggageには十分にご注意ください。

また今回の参加を勧めてくださった野坂先生、快く送り出していただいた島田教授をはじめ、ご迷惑をおかけした大学職員の皆様に深く感謝します。ありがとうございました。