2019年9月11日水曜日、第15回秋田県運動器疾患セミナーが秋田ビューホテルで開催されました。
はじめに、大曲厚生医療センター整形外科 診療部長 阿部利樹先生より「骨粗鬆症性椎体骨折に対する椎体形成術」と題しミニレクチャーをいただきました。高齢化に伴い増加している骨粗鬆症性椎体骨折に対する椎体形成術についての詳細なご講演は、大変勉強になりました。実際の手術手技やその注意点、また数多くの治療例についてその効果・有用性をご提示いただきました。今後益々適応が増えてくると考えられる重要な手技ということを改めて認識致しました。
特別講演は、大阪大学大学院医学系研究科 器官制御外科学 講師 海渡 貴司先生より 「脳バイオマーカ-を用いた頚髄障害に対する外科・保存治療の効果予測」と題しご講演頂きました。椎間板の再生や骨形成の可視化、また骨形成促進能を有するBMPについての基礎的なお仕事の歴史について、多くの先生方とのかかわりを含めてお話しいただきました。さらに頚髄症の臨床症状、特に上肢症状の改善は、Resting state fMRIという脳機能画像解析による脳機能的結合の変化と関連し、また脳活動(ALFF)の術前後での変化も臨床症状の変化と関連することから、頚髄症の保存治療や手術治療の効果予測・判定が可能であるという、最先端の知見を教えていただきました。最後に基礎と臨床の仕事を進めるにあたっての心構えをお話しいただき、今後の仕事の姿勢について改めて考えることができました。大変お忙しいところ秋田までお越し頂き、ご講演頂きありがとうございました。今後ともよろしくお願い申し上げます。