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第24回東北地区骨軟部腫瘍研究会(土江博幸)

この度、11月3日の文化の日に、秋田温泉さとみで第24回東北地区骨軟部腫瘍研究会が行われました。

私自身、昨年は留学していたためこの研究会への参加は今回でまだ2度目と参加回数が少ないのですが、数少ない骨軟部腫瘍を扱う研究会の1つであり、貴重な勉強の場でもあります。各病院で珍しい症例・診断に悩む症例を持ち寄り、整形外科だけでなく病理医、放射線科医と相談して話し合う、というのが基本スタイルであり、一般演題1つ(1症例)に25分も割り当てられています。やはり骨軟部腫瘍は、病理診断がとても重要であり、この骨軟部腫瘍という分野においては、病理医の中でも意見が分かれる事がしばしばあります。その際のDiscussionは白熱したものとなりましたが、通常の整形外科医では全くわからないような用語が次々と飛び出し、自分の知識の無さを痛感させられました。

 

一般演題終了後は、当科島田洋一教授に座長を務めて頂き、福井大学整形外科学教室教授の松峯昭彦教授から、「変貌する骨・軟部腫瘍の治療」というタイトルで御講演頂きました。自身の知識を整頓する事が出来る内容から、普段聞けないような新しい知見まで、幅広い内容の御講演をして頂き、大変勉強になりました。

 

更に会の終了後には、特別講師の先生や東北県内の骨軟部腫瘍を扱う先生方と一緒に温泉につかり、親睦を深めあう事もできました。私自信も松峯教授から色々な話を御伺いさせて頂く事が出来てとても勉強になりました。

 

今回は秋田大学が当番幹事でしたが、敏腕幹事の永澤講師により、無事に会を終える事が出来ました。来年は弘前大学が主幹ですが、今後も自身の向上のため、参加を続けていきたいと思います。

御講演頂いた松峯昭彦教授

第32回日本整形外科学会基礎学術集会に参加して (尾野祐一)

台風が続けざまに日本に襲来する最中、平成29年10月26日~27日に沖縄県の沖縄コンベンションセンターで開催された第32回日本整形外科学会基礎学術集会に参加しました。秋田大学の参加メンバーは、島田洋一教授、松永俊樹准教授、野坂光司先生、藤井昌先生、赤川学先生、井上純一先生、そして私の7人です。整形外科分野の基礎研究を主に発表する本学会に対して、藤井先生、赤川先生、私が大学院の骨代謝関連の研究を発表し、野坂先生は臨床データをまとめた演題を2題発表しました。特に野坂先生のイリザロフ創外固定器を用いた発表の際には、多くの方から質問を受けており、秋田大学のイリザロフ創外固定を用いた治療が注目を浴びていることが分かりました。

また、26日の我々の発表後には、琉球大学出身の井上純一先生のガイドの元、秋田大学の参加メンバーでちょっとした沖縄観光にも出かけました。井上先生が大学時代に過ごした思い出の地(デートスポット?)を回りつつ、巨大なシーサーと記念写真を撮影したのち、夜は沖縄料理を味わい、短い時間でしたが沖縄を満喫することができました。井上先生、ツアーガイドお疲れ様でした!

第44回日本股関節学会に参加して(岩本陽輔)

10/20、21日と第44回股関節学会に参加してきました。

秋田からはAHRGの若手メンバーを中心に7題(岩本、長幡、河野、佐々木、奥寺、木島、小西)の演題が採択されました。

学会では若手股関節外科医が知っておくべきシリーズとして多くの教育講演が行われており、我々若手股関節外科医にとってとても勉強になる有意義な学会でした。

また、前日19日には股関節学会主催の第3回教育セミナーにも参加してきました。

股関節周囲の解剖、股関節鏡について、小児のペルテス病や感染性股関節炎、骨盤骨切りの歴史、手技など盛りだくさんの内容でとても勉強になりました。

来年も是非とも参加したいと思います!!

第19回日本骨粗鬆症学会に参加して(湯浅悠介)

10月20日から22日までの3日間、大阪国際会議場にて第19回日本骨粗鬆症学会が開催されました。整形外科医、内科医、産婦人科医など様々な科の医師とコメディカルが参加しておりました。

秋田からは一般演題が6題採択されました。佐々木聡先生は「イバンドロネート静注製剤とリセドロネート月一経口製剤における骨代謝マーカー変化の比較」と題して御発表され、田村康樹先生は「エルデカルシトール投与例における血中カルシウムおよびeGFRの変動と併用薬との関連について」、堀川明先生は「経年的に調査した経口と注射製剤の骨粗鬆症治療薬の使用割合の推移と要因」、粕川雄司先生は「経口ビスホスホネート製剤長期使用例の頻度とその休薬の可能性についての検討」、土江博幸先生は「非定型大腿骨骨折患者の血中ビタミンD濃度に関する検討」と題して御発表されました。また、湯浅も「大腿骨近位部骨折症例における術前移動能力と骨粗鬆症の関連性」で発表致しました。他科の医師やコメディカルからの発表も多く、新たな切り口から骨粗鬆症の知識を深めることができました。普段、外来で行う骨粗鬆症治療をただ漫然と行うのではなく、Clinical Questionを常に抱きつつ診療にあたることが大切であると感じました。

宮腰尚久准教授は「サルコペニアとフレイル、栄養、運動」というシンポジウムで「加齢に伴う脊柱後弯と体幹筋の運動療法」と題しご講演されました。脊柱後弯によってもたらされる様々な弊害、そしてそれを予防するためにどのように運動療法を行っていくべきかを順序立てて教えていただきました。またシンポジウムを通して、サルコペニアに対しロイシンを代表とする分岐鎖アミノ酸の摂取と運動がどれ程大切であるかも学びました。我々整形外科医は今後、骨だけでなく骨格筋に対しても治療介入をしていかなければならず、そのためには正確な知識を得る必要があるため、今回のような学会に参加し、知識のup dateをしていきたいと思います。

秋田県関節症セミナー(井上純一)

平成29年10月5日に秋田県関節症セミナーが開催されました。

一般演題では、秋田大学の木島泰明先生より、「変形性膝関節症に対するステージ別治療方針選択の検討」と題して、臨床・研究の経験から変形性膝関節症をステージ別に分類し、それぞれのステージ別の治療法をご教示していただきました。「変形性膝関節症はなぜ痛いのか」という基礎的な疑問に対して変形性膝関節症の進行の病態生理の視点からご解説いただきました。今後の臨床現場にすぐに活かしていきたいと思います。

特別講演では、佐賀大学の園畑素樹准教授から「運動器の疼痛に対する薬物療法―下行性疼痛抑制系の作用」と題して、ご自身の基礎研究から疼痛の生理を解説し、鎮痛剤の使い分けをご教授していただきました。また、股関節外科の立場から、特殊な股関節疾患に対する骨切りを併用したTHAの手術手技、有用性をご提示いただきました。整形外科医として、患者の痛みを取り除くためには、薬物療法、手術療法に精通しなければならないと感じました。

最後に、ご講演いただきました木島先生、園畑先生、ご参加いただきました先生方、本当にありがとうございました。

第66回秋田県整形外科医会(木村竜太)

H29年9月30日、第66回秋田県整形外科医会が開催されました。

本会では整形外科10年目を境に、一般演題とYoung Doctors Session(Youngの方がプログラム上後になります)にわかれ、最優秀演題賞をめぐり、熱い発表が毎回繰り広げられます。

今回は一般演題6題の中から秋田赤十字病院の湯本聡先生が「機能温存を目指した上肢重度外傷」で受賞されました。県内に三次救急指定は4病院ありますが、特に外傷に関しては秋田赤十字病院が県内の中心になっています。重度外傷に対して積極的な早期固定・軟部被覆、リハビリにより素晴らしい機能回復の症例を多数提示いただきました。

Young Doctors Session 7題の中から木村が「慢性腰痛に対する超音波ガイド下腰神経全後枝ブロックの効果」で受賞させていただきました。下位腰椎の腰神経後枝に対し、局所麻酔量を増やした広範囲のブロックにより腰痛の改善を得ることができることを当科宮腰准教授が報告しておりますが、超音波ガイド下で同結果が得られることを報告しました。

 

教育研修講演1では順天堂大学医学部静岡病院整形外科准教授,最上敦彦先生から「僕が整形外傷医になった理由〜整形外傷医を志す君へ〜(外傷の疼痛管理を含めて)」と題してご講演いただきました。

本邦屈指のネイラーとしてのご経験を余すことなく、開発されたインプラントや、解剖学的に検討されてベストな髄内釘を選択される方法など、上肢〜下肢全ての髄内釘適応について、手術時の注意点を交えながらご講演いただきました。また、外傷を本格的に取り組まれたのが約10年前とのことですが、本気で取り組めば時間は問題ではない、と力強いアドバイスをいただきました。

 

教育研修講演2では金沢医科大学整形外科主任教授の川原範夫先生より「脊椎転移癌の治療戦略」と題してご講演いただきました。

感染・骨折との画像鑑別の詳細から、各癌の特徴、治療方針をわかりやすくご説明いただき、さらに実症例を提示いただけたことで、理解が進みました。

解剖学的にHofmann ligamentやlateral root ligamentによる手術時の注意や、病理組織からthyroid carcinomaの場合pseudocapsuleがあることで周囲から剥くようにとれるなど、手術においても基礎と臨床のつながりが重要であることをご教授いただきました。TESの手術動画はとても美しく摘出されており、脊椎外科医としていつか川原先生のような手術をできるようになりたいと思いました。また、クイズ形式の際には、当科脊椎脊髄外科指導医の先生方が指名され答えられる形式もとても新鮮でした。

第10回東北スポーツ整形外科懇話会(長幡 樹)

9月23日(土)に東北スポーツ懇話会が開催されました。勉強会は夕方からですが、当会の特色として日中にスポーツプログラムを開催し、東北での親睦を深めるというイベントがあります。今年は、マラソンミーティング、テニスミーティング、そして、日整会でのサッカー予選会の3つの競技が開催されました。

私自身はマラソンミーティングに参加しました。今回は秋田大学から3人、弘前大学から2人と少数での開催となりましたが、天気にも恵まれ、太平山リゾート公園の山中の綺麗な景色を楽しみながら、走りました。平鹿総合病院の佐々木研先生が安定の走りで優勝しました。病院や、勉強会・学会会場でお会いするのと違いスポーツをしながら、外で交流し、普段以上に親睦を深めることができたと思います。

また他会場で開催された、テニスミーティング、サッカー予選会には島田教授もご観覧にいらしたとのことで、参加選手の皆さんはピリピリとした緊張感の中で力戦奮闘していました。

いい汗を流した後は2人の先生にご講演いただきました。船橋整形外科病院の高橋憲正先生の「肩のスポーツ障害・外傷の診断と治療〜オーバーヘッド競技を中心に〜」という内容で、また関西労災病院鳥塚之嘉先生が「3Dコンピューターモデルの解析から見た反復性膝蓋骨脱臼に対する治療戦」という内容でお話をしていただきました。

高橋先生は肩の基礎的な診察知識から、気をつけなければいけない稀なスポーツ障害など日常診療にすぐにでも役立つ内容で、鳥塚先生は反復性膝蓋骨脱臼を中心に、今までの解析とは一線を画した革新的な考え方、治療戦略についてお話をしていただきました。難しい内容ながらも大変勉強になりました。

今回も大変素晴らしいセミナーでした。遠方からもご参加いただいた先生方、また本会の開催にあたってご尽力いただきました方々に深謝申し上げます。来年は福島での開催となります。また楽しみにしています。

American Society for Bone and Mineral Research 2017 (佐藤千晶)

2017年9月8日から11日まで、米国骨代謝学会がコロラド州デンバーで開催されました。秋田からは粕川雄司先生、赤川学先生、尾野祐一先生、長幡樹先生、湯浅悠介先生、私が参加してきました。

同門からは宮腰尚久准教授、粕川雄司先生、赤川学先生、尾野祐一先生の4演題がポスターの部で通りました。

宮腰准教授はSpinal Alignment, Muscle Strength, and Quality of Life in Postmenopausal Osteoporosis -A Cross sectional Comparative Study with Healthy Volunteers-、粕川先生はIndication for drug holiday among Japanese patients after long-term(more than 5 years) bisphosphonate treatment、赤川先生はEffects of Low-intensity Aerobic Exercise and Activated Vitamin D, Alfacarcidol, on Blood Glucose, Bone, and Muscle in Diabetic Model Rats、尾野先生はEffects of eldecalcitol and ibandronate on bone mineral density, arthritis and muscle atrophy in rats with adjuvant-induced arthritisのタイトルで発表されました。

他の研究者の方たちの発表も見て回ることができ、自分の研究に何が足りないのか、何をすればよいのかなども考えることができました。

再来年自分もこの場で発表できるように一層研究、英会話に邁進しなくてはと心を新たにしました。

学会の合間を縫って、コロラドの歴史、地理についても学んで来ることができました。

米国在住の日本人ガイドさんの運転にてロッキー山脈のMt, Evansに登頂。高山病対策に途中の鉱山歴史博物館などを巡りながら、最終目的地のsummit lakeでは標高3912mと富士山よりも高い地点に到達しました。森林限界より上の荒々しい山肌と高山植物を堪能し、自然の雄大さを感じることができました。また、筋酸素消費量の差でしょうか、尾野先生と自分ははほぼ無症状でしたが、強靭な肉体を持つ赤川先生、長幡先生は口唇チアノーゼを呈しながらしきりに苦しいと言っておられました。

また、食事についてもコロラドを堪能することができました。アメリカでは定番のハンバーガーを皮切りに、アメリカンスタイルのピザ、ソウルフードのデンバーオムレツ。果てはサンダル・デニム・ハーフパンツで来店した私たちを温かく迎えてくれた、本当はドレスコードあったんじゃないかだろうステーキハウス…。地ビールと併せてとても美味しかったです。

ASBMRに参加し、海外学会のレベルを感じ、研究について考えを深めることができたのはもちろん、異国の歴史、文化に触れることで人間的にも成長できたのではないかと思います。このような機会を与えてくださった島田洋一教授、宮腰尚久准教授にはこの場をお借りし、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

第9回秋田県骨代謝エビデンスセミナー(井上純一)

平成29年8月31日第9回秋田県骨代謝エビデンスセミナーが開催されました。

一般演題では、北秋田市民病院の河野先生から詳細な研究データを元に骨折治療におけるアレンドロネートと低出力パルス低周波(LIPUS)の併用の効果と今後の展望についてお話がありました。また、平鹿総合病院の櫻場先生からは関節リウマチの骨粗鬆症リスク、骨折リスクとその予防・治療、その重要性についてお話しをしていただきました。

特別講演では、京都大学の坪山直生教授より、「歩行の科学~骨折予防との関連を含めて~」と題して歩行と転倒、骨折との関連性についてご説明していただき、歩行機能維持の重要性をご教授していただきました。また、腫瘍用人工膝関節置換術後の歩行機能解析や歩行支援ロボットの開発についてもご説明いただき、実臨床現場における様々な歩行機能の維持方法、最新の知見を示していただきました。患者の歩行機能の維持が私たち整形外科医の最大の目標の一つであり、そのために今後もさらなる努力が必要だと感じました。

最後になりましたが、講演をいただきました先生方、ご参加いただきました多くの先生方、この度は本当にありがとうございました。

第7回 秋田・札幌整形外科合同セミナー(粕川雄司)  

2017年8月26日土曜日、札幌のホテルマイステイズプレミア札幌パークにて第7回となる秋田・札幌整形外科合同セミナーが開催されました。7回目となる今回のセミナーも大変有意義なものとなりました。

これまで長距離走を行ってきたスポーツ親善ですが、今回は羊ヶ丘病院 理事長 岡村健司先生の多大な御尽力により早朝5時30分から親善野球試合が開催されました。日整会の野球大会で優勝経験のある札幌医科大学整形外科の野球チームと試合ができることは、大変光栄に感じました。我がノーザンデイモンズは、岡村健司先生に左肩の手術をしていただき、見事復帰を果たした大内賢太郎投手が先発しました。序盤に1点を先制されましたが、要所要所で巧みな投球術・審判術で長打を許さず、また内野・外野とも練習の成果がみられる安定した守備で追加点を与えませんでした。中盤には羊ヶ丘病院から4名のスーパースター選手に助っ人に加わっていただきました。4名の選手が1打席ずつで2点をあげ逆転し、秋田では見たことのないようなスピードと変化球によるピッチングでリードを守って頂きました。最終回、大内賢太郎投手が再登板し奮闘しましたが、1点を返され2対2の同点で試合が終了しました。とても素晴らしい試合となり、早朝からご準備いただいた札幌医大の先生方、羊ヶ丘病院の方々、岡村健司先生に心より感謝申し上げます。また、大内賢太郎投手が最優秀選手に選出されました。おめでとうございます。

午後からのセミナーでは、一般演題として札幌医科大学から「Bi-Cruciate Retaining TKAにおいて前十字靭帯は機能しているか?」岡田葉平先生、「腰椎分離症と脊柱アライメントの関連」家里典之先生、「Dupuytren拘縮に対する酵素注射療法と部分腱膜切除術の治療成績の比較検討」阿久津祐子先生の3題、秋田からは「AORA registryにおける高齢関節リウマチ患者治療の現状」杉村祐介先生、「秋田県における脊髄損傷の動向」工藤大輔先生、「続発性骨粗鬆症による脊椎脆弱性に対するテリパラチド製剤の効果」粕川雄司の3題のがあり、それぞれ活発なディスカッションがありました。続いて、教育研修講演Iは秋田大学の野坂光司先生より「Ilizarova創外固定による難治症例への挑戦」と題し、数多くの難治例に対する治療についてご講演頂きました。講演IIでは札幌医科大学の江森誠人先生より「骨軟部腫瘍に対する治療 -当科における基礎と臨床での挑戦-」というタイトルで、腫瘍に対する治療の基礎研究から、新しい治療の試みとその効果について詳細にご講演頂きました。それぞれの分野で行われている最先端の治療について勉強でき、とても理解が深まりました。

今回も大変すばらしいセミナーとなりました。札幌医科大学および関連病院の先生方、サポートいただきました方々に深謝申し上げます。来年も有意義なセミナーが継続できるように、今後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。