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甲子園−秋田県代表明桜高校帯同−(木村竜太)

夏の風物詩、甲子園 全国高校野球選手権大会の帯同ドクターとして今年も参加しました。2009年から行っているこの取り組みは、今回の出場校でもある明桜高校が、前回出場したときに始まりました。今年は井上純一先生、赤川学先生、木村でサポートしました。

 

理学療法士の先生2人と、3人1組となり、まず医師が診察、方針を設定、理学療法士がケアを行っています。また野球による障害以外にも、熱中症対策や、内科的疾患などへの対応も行います。

今年は試合日程が後半になり、選手は長期の待機時間になりましたが、幸い帯同期間中に大きな怪我はなく、試合に臨むことできました。

試合結果は残念でしたが、試合後選手から「痛みで走れるか不安でしたが、おかげで全力プレーできました。ありがとうございました。」というとても嬉しいコメントをもらう事ができました。

今後も秋田県のスポーツが盛り上がるよう、メディカルサポートの充実を図ってまいります。

第2回裏磐梯外傷Ilizarov法セミナー(野坂光司)

7月28~30日,第2回裏磐梯外傷Ilizarov法セミナーが開催され,私は7月29,30日の二日間,行ってまいりました.講演者は松下隆先生,門司順一先生,大関覚先生,寺本司先生,衣笠清人先生,正田悦朗先生,渡部欣忍先生,牧野佳朗先生,最上敦彦先生,竹中信之先生,大塚和孝先生,野澤大輔先生,加藤成隆先生,髙木基之先生,私と,様々な分野から集結いたしました.最新のIlizarov,プレート,髄内釘の,手術手技のコツ,ピットフォール,豆知識など,学会とは違った情報を,ハンズオンを行いながら,実際に学べるスタイルで私自身も大変勉強になりました.同門からは益谷法光先生,湯浅悠介先生が参加し,積極的に質問し,議論に加わっていて,非常に頼もしく感じました.

 

大関教授の『Ilizarov法はノーベル賞に値する発見だと思います』という講演中のお言葉には,全く同感でした.Ilizarov法は,健常部を傷つけることなく,組織再生を行える魔法の技術です.Bone Transportを含む仮骨延長法を必要とする多くの患者さんを,たくさんの地域から紹介いただくようになった今,秋田Ilizarov法グループの若手も,本気でIlizarov法の習得,Microsurgeryの習得をして,新しい扉を開いてほしいと切望しております.

 

第35回日本骨代謝学会(赤川学)

2017年7月27〜29日、福岡で開催された第35回日本骨代謝学会学術集会に参加しました。この学会は、整形外科はもちろんですが、基礎、内科、放射線科、歯科など多分野から参加者が集まる学会です。

秋田大学からもA-BONEメンバーから、宮腰准教授、粕川講師、土江先生、尾野先生、佐藤千晶先生、自分が参加し、また大学外からも佐々木聡先生、木下先生が参加しました。

今回の学会では、宮腰准教授の論文「Healing of bisphosphonate-associated atypical femoral fractures in patients with osteoporosis: a comparison between treatment with and without teriparatide」がJBMM論文賞を受賞され、総会で表彰されました。本当におめでとうございます。

また宮腰准教授は、最終日のランチョンセミナーでも「骨折の危険性の高い骨粗鬆症と骨形成促進剤」のタイトルで御講演され、生命予後に影響を与える脊椎椎体骨折や大腿骨近位部骨折の予防について、骨形成促進剤であるテリパラチドの効果を基礎・臨床両方の側面から大変わかりやすく示していただきました。

一般口演には比較的基礎の内容が多いため、発表内容や質疑応答もメ カニズムや分子機構まで踏み込んだものが多く、非常に難しい内容も多くありましたが、普段行っている日常臨床での骨粗鬆症治療に、基礎的背景を持つことができた部分もあり、大変勉強になりました。自分の発表に対しても多くの質問をいただき、これを持ち帰ってさらに研究内容を深めたいと思います。

第4回日本重度四肢外傷シンポジウム(野坂光司)

7月22~23日,東京で行われた第4回日本重度四肢外傷シンポジウム(JSETS)に講師として参加してまいりました.『重度四肢外傷の標準的治療(南江堂)』を執筆された土田芳彦先生が立ち上げられ,今回は札幌徳洲会病院外傷センター長 辻英樹先生会長のもと,盛大に行われました.同門からは外傷スペシャリストのみなさま(湯本聡先生,谷貴行先生,白幡毅士先生,湯浅悠介先生)が参加しました.私は『重度四肢外傷における最新のIlizarov治療戦略』というテーマで講演の機会をいただき,辻会長には心より御礼申し上げます.

 

今回もMicrosurgeryの重要性とIlizarov創外固定の生きる道を深く考えさせられる内容でした.また,土田芳彦先生,辻英樹先生らJSETSの方々の『日本の外傷学を立派なものにしていく』という強い信念に心打たれる内容が多かったです.

 

懇親会では,やはり島田教授の秋田県におけるリーダーシップの実際について,最上敦彦先生,土田芳彦先生ら多くの方々から話題にのぼり,非常に誇らしかったです.

 

島田洋一教授会長のもとで行われる日本創外固定・骨延長学会に向けて,秋田大学,関連病院でもIlizarov,重度四肢外傷のすそ野をもっともっと広げていかなければならないと感じました.

第50回日本整形外科学会骨軟部学術集会(土江博幸)

この度、7月13日~14日にかけて、京王プラザホテルで行われた第50回日整会骨・軟部腫瘍学術集会に参加してきました。

数少ない骨軟部腫瘍の大きな学会のため、この2日間はみっちりと勉強してやろうと、初日の朝に教育研修講演やらセミナーやらを申し込みまくり、自分が逃げられないように追い込んでみました。普段そこまで勉強をしているわけではないので、午後になるとかなり頭の疲労感がでてきましたが、幸いずっと1人で行動していたため、さぼって遊びに行きたいとう誘惑にとらわれる事も無く、会場に残る事が出来ました。おかげさまで、かなり自分の知識を整理する事が出来ました。

昨年の留学のおかげで人脈も少しずつ広がり、毎晩、他病院の骨軟部腫瘍の先生方と飲んで語る機会があり、とても充実した2日間を送る事が出来ました。同じ留学先で一緒に研修した奈良医大の塚本先生とは、同世代で語り合い、とても楽しい時間を送る事が出来ました。さらに、宿泊したカプセルホテルが一緒かつ同じフロアーという事がわかり(この学会に参加したDrがカプセルホテルをチョイスすること自体そうないだろうに…)、不思議な縁を感じました。

今回は留学から帰国後すぐの締切だったため、演題の準備が間に合わず1例報告のみでしたが、来年は最低3演題、できれば5演題は出せるように精進しようと思います。

※下の写真は、専門医試験の単位用の特別講習会を受講しに来た大学院生達と。ほぼ1人行動だったため、この時でないと自分と会場が写った写真を撮る事が出来ず…。

第43回日本骨折治療学会 (JSFR2017) 木島泰明    

2017年7月7-8日、福島県郡山市の「ビッグパレットふくしま」にて第43回日本骨折治療学会が開催されました。2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)では、同施設内に福島県内最大の収容避難所が設けられ、一時は2,500人もの避難者が入所していたそうです。ここの駐車場は無料でしたので、私は秋田から車で会場入りしました。

本学会の主役の一人は何といっても我らが野坂光司先生でした。いきなり初日の第1会場のヌーンタイムレクチャー(ランチョンセミナー)を担当されており、一番広い会場にもかかわらず聴衆でいっぱいで、このブログ用の野坂先生の晴れ姿を写真に収めることができませんでした(申し訳ありません)。それ以外にも野坂先生は、イリザロフ創外固定と感染性偽関節、イリザロフ創外固定器とインプラント周辺骨折、イリザロフ創外固定器と足関節周辺骨折と立て続けに一般演題でもご発表され、秋田のイリザロフの応用範囲の広さを全国にしっかりアピールしてくださいました。

中通総合病院の千馬誠悦先生も参加されており、PIP背側脱臼骨折の治療というタイトルでご発表されておりました。この千馬先生のご発表を含めて、本学会での秋田大学整形外科関連の発表は合計10演題あったのですが、そのうちの半数、5演題を占めたのは何と我ら股関節グループ(Akita Hip Research Group; AHRG)メンバーによる大腿骨近位部骨折(Hip Fracture)の演題でした。

ご存知の通り秋田県は世界有数の高齢化地域であり、高齢者に多く、生命予後にも直結する骨折が大腿骨近位部骨折です。何よりも予防が大切な骨折で、予防に関して秋田ではA-BONE(Akita Bone and Osteoporosis Network)メンバーがその先進的な研究に携わっておりますが、それでも起こってしまったこの骨折に対しては、どのように治療すればよりよく患者さんに生活に復帰して頂けるのかが大切になってきます。

そのために我々AHRGが考案し、世界に向けて発表しているものが、大腿骨近位部骨折のAkita分類(Area Classification of Hip fracture)です。このAkita分類に関する演題を長幡樹先生、谷貴行先生、久保田均先生、木島が発表してきましたが、私の発表に対して聴衆の方が質問して下さったときに、この分類は非常にわかりやすく有用だと思っていますとお話ししてくださいました。まだAkita分類に関する英語論文は2つ(下記参考文献)のみですが、少しずつ国内外で地道にアピールしていくことで、世界的に使われる分類にしていくことがAHRGの目標の1つです。ぜひこのブログを読んで下さった整形外科医の皆さんにも利用して頂きたいと思います。

参考文献1→http://dx.doi.org/10.1155/2014/359689

参考文献2→http://springerplus.springeropen.com/articles/10.1186/s40064-016-3206-1

第7回秋田県運動器疼痛セミナー(飯田純平)

一般演題では,大学の木村先生が日常診療にすぐに役立つ,超音波を用いた低侵襲かつ効果的な腰痛治療について最新の知見を,まだ市立横手病院の大内先生が腱板断裂に対する保存治療や手術治療の効果について詳しくお話いただきました.

特別講演では,新潟大学医歯学総合病院整形外科 講師でいらっしゃる渡邊 慶先生に「高齢者の脊柱変形に対する取り組み 保存治療から矯正手術まで」という内容でご講演をいただきました.脊柱アライメントやバランスの概念の基本から,Hip-Spineを通じた全体のアライメントやCoronalアライメントの重要性について,また,重度脊柱変形に対するPSOの適応やその注意点についても、大変貴重なご経験をお話いただきました. また,成人脊柱変形に対する早期診断と適切な介入の必要性とその方法といった,日常外来診療にもすぐに役立つような知識も得ることができ,大変勉強になるご講演でした.

今後とも渡邊 慶先生の御活躍をお祈りしております.この度は本当にありがとうございました.

タイ キャダバーコースに参加して(長幡 樹)

6月27日、28日の2日間に渡ってタイで行われたキャダバーコースに参加してきました。単大学での海外キャダバーコースとしては国内での初の試みでした。

タイは日本と比べ気温も高く、湿気がかなり高くまとわりつくような暑さでした。気温だけであれば、自分の地元の群馬も同じくらい上がることもありますが、年間を通して似たような気温のようで、常に汗がにじみ出るような状態でした。その中で食べたトムヤムクンなど現地の料理は日本で体感しないような辛さと香草の香りが漂い、汗が流れ落ちるような状態でした。日本向けのお店は手加減をしているということに初めて気付きました。

今回のキャダバーコースには脊椎グループ、肩関節グループ、股関節グループ、膝関節グループに総勢20名で参加しました。各分野の若手3〜4名に対して指導者が秋田大学の各分野のエキスパート、脊椎からは宮腰尚久准教授、粕川雄司先生、肩関節からは畠山雄二先生、膝関節では斎藤英知先生、股関節では木島泰明先生がつき、基礎的な部分から代表的な手技、また解剖に至るまで、余すところなく指導していただき、勉強してきました。

自分は股関節グループとして参加し、人工関節置換術(DAA)と股関節鏡の手技を学びました。どちらもまだやったことのない手技であったこと、また股関節鏡については実際にやっているところも見たことがなかったため、とても有意義なプログラムでした。今回のキャダバーコースに臨むに当たり、参加前にドライモデルの模型で数回股関節鏡の手技を練習してから参加しましたが、実際の御遺体を使用すると関節包を貫く感触や、実際の見え方など全く違っていて細かい注意点など本当に学ぶことが多く、すぐ近くに指導してくれる先生がいるという状況は悩むことなく疑問を解決できるため、とても楽しく勉強をできたと思います。

2日間のキャダバーコースを終えて、なかなか実践の機会で試すことはないですが、今までよりも一層深い知識を得られたと思います。今回のキャダバーコースで指導してくださった先生がた、また参加を了承してくださった島田教授、留守の間病院で勤務してくださった先生がたに感謝します。今回の勉強を糧にこれからみんなで秋田の整形外科を盛り上げていきましょう!

第37回日本骨形態計測学会に参加して (尾野 祐一)

2017年6月22日〜24日に大阪で開催された日本骨形態計測学会に参加しました。大学院で行っている基礎研究から、赤川学先生が「糖尿病モデルラットにおける低強度有酸素運動と活性型ビタミンD製剤の血糖と骨密度に対する効果」を、私が「アジュバント関節炎ラットの骨密度と関節炎に対するエルデカルシトールとイバンドロネートの効果」を発表し、臨床からは長幡樹先生が「組織学的診断により骨軟化症と診断された脆弱性骨盤骨折の1例」を発表しました。

“医歯薬工連携による骨形態計測学の新たな展開”というテーマで、演題にはHigh Resolution peripheral Quantitative CT(HR-pQCT)や定量的超音波法(QUS)、Trabecular Bone Score(TBS)といった評価方法を用いた演題が多くみられました。秋田に導入するのはまだまだ難しいのですが、DXA法による骨密度測定だけでは評価しきれない骨粗鬆症を治療していく上で、こういった新しい評価方法が今後は普及していくのだろう、と感じました。また、生活習慣病と関連した骨粗鬆症についての発表も多数あり、慢性腎臓病や糖尿病に伴う骨粗鬆症は、それぞれ病態が異なり、使用すべき薬剤や評価方法もそれぞれ異なることを学びました。自分たちは、整形外科医ではありますが。骨粗鬆症診療をするにあたっては内科疾患についての理解も深めておくことが必須であることを感じました。本会で得た知識を日々の診療や自分の実験に活かし、また、後輩の基礎研究のテーマの参考にしていければと思います。

最後に、赤川先生の演題が本会の若手研究者賞を受賞されました。日々、ラットへの薬剤経口投与やトレッドミルなど、苦しい実験を共に経験した大学院A-BONEメンバーにとっても、この賞は大変うれしいものでした。赤川先生、おめでとうございます!!

 

第54回日本リハビリテーション医学会学術集会(齋藤光)

平成29年6月8日から10日にわたり、岡山コンベンションセンターをメイン会場に第54回日本リハビリテーション医学会学術集会が開催されました。島田洋一教授をはじめ多数の医局員の先生、リハビリテーション科の先生と参加して参りましたので報告させていただきます。

日本リハ学会は約1万人が参加する国内トップレベルの規模を誇ります。秋田大学からは21題と多数の演題が採択され、それぞれ発表を行い、大きな注目を集めました。私も「大腿骨近位部骨折地域連携パス使用患者の骨粗鬆症治療について」というテーマで地域包括ケアに関する発表をさせていただきました。

我が国は2025年には4人に1人が75歳以上という超高齢社会を迎えるとされ、高齢者のQOLの維持向上のためリハビリテーション医療の重要性は今後さらに増してきます。また医工連携や再生医療の発展により急速な発展が期待される分野であり、最先端の知識を常に吸収していく必要性を感じました。今回の学会参加の経験を日常診療に活かし、整形外科医として、関係職種の方と協力しながら、リハビリテーション医療に取り組んでいきたいと思います。