2017年6月4~7日、中国・上海にて国際関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会 (International Society of Arthroscopy, Knee surgery, and Orthopaedic Sports medicine: ISAKOS) が開催されました。秋田からは市立大森病院の嘉川貴之先生、市立横手病院の大内賢太郎先生、そして秋田大学から木島泰明の3名で参加してまいりました。
この学会は膝関節のみならず関節鏡やスポーツ整形に携わる世界中のドクターが集まる学会で、秋田大学整形外科の臨床グループとしてはASAKGが担当する分野の世界最高峰の学会で、日本のJOSKASの世界版です。
ISAKOSは2年に1回、奇数年しか開催されませんが、前回大会は第10回の記念大会でフランス・リヨンで行われました。2年前の当時、私はちょうどリヨンに留学しておりましたので初めてこの学会に演題を登録しポスターで発表したときに、秋田からASAKGメンバーが多数リヨンに参集してくださり、久しぶりに秋田のみんなに会えたのを懐かしく思い出しました。
今回は大内賢太郎先生が秋田県体育協会強化指定選手のメディカルチェックデータを利用した肩関節の演題、木島が宮腰准教授・粕川講師のご尽力で行われている秋田県阿仁町運動器検診のデータを利用した膝関節の演題を発表してまいりました。世界中から多数の演題が寄せられるため演題採択率は2割前後と言われていますが、その中で秋田大学整形外科から複数演題が採択されたのも、上記のような地域に密着した活動を継続して行ってこられたおかげだと思っております。(ちなみに木島の演題はすでにパブリッシュされております。興味ある方はぜひ→https://doi.org/10.1155/2017/6793026)
また学会ではキャダバーを利用したライブサージェリーの発表もあり、最近、肩関節鏡分野で目覚ましい技術発展を遂げている嘉川貴之先生も、新たな技術の習得ができそうな手ごたえを感じてくれていたようでした。
学会の合間には、三国志の時代に呉の孫権が建立した由緒あるお寺を訪ねたり、夕食には魯迅の小説に出てくるソラマメを食べられる中国の大衆食堂風なところに出かけたりすることもでき、中国語の得意な嘉川先生に来ていただき本当に助かりました。
次回のISAKOSはメキシコのカンクンです。2年後までにしっかり準備し、ぜひASAKGからより多数の演題を世界に向けて発信できるよう、みんなで楽しみにがんばりましょう!