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第29回べらぼう杯オープンテニス大会,優勝しました(野坂光司)

第29回べらぼう杯オープンテニス大会,シングルスAに出場し,優勝しました.

第1回日整会バスケットボール大会で見事優勝を飾ったノーザンバイソンズ(秋田大学整形外科バスケットボール部)の活躍に非常にいい刺激を受けました.

最近は,自分よりも若い人たちと打ち合えるだけで幸せで,神様に感謝したい気持ちになります.体力は現役時代の半分もありませんが,足りない分は精神力と心理戦でカバーして,これからも何とかテニス人生を送りたいと思います.一日で5試合戦いましたが,ケガなく終えることができてホッとしています.学会と重ならなければ今後も極力試合に出場して,秋田大学整形外科テニス部:ノーザンファルコンズの名を世に広められるよう頑張りたいと思います.

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2016年 阿仁運動器検診

2016年5月16日月曜日から19日木曜日,21日土曜日に北秋田市阿仁地区で運動器検診を行いました. 2009年から北秋田市阿仁地区の集団検診にあわせ,筋力や姿勢とロコモティブシンドローム(ロコモ)の評価を行っている本検診は,今年で8年目を迎えました.これまで握力,背筋力,下肢筋力の測定とスパイナルマウスによる姿勢の測定を行ってきました.さらに,昨年に引き続きロコモの評価を行うためにロコモ度テストを実施しました.これは,決まった高さから両脚または片脚で立ち上がれるかどうかと,大股で2歩進んだ歩幅を身長で割った2ステップ値を評価するものです.それぞれのテスト結果は,各年代の男女別の目安が提示されており,検診を受けられた方の結果をその目安と比べながら説明しました.ロコモの評価を行うことでロコモを多くの方々に知っていただけるように,また測定をされた方がご自分のロコモ度を知り,ロコトレなどで日常生活動作を維持し,転倒などの運動器障害を防ぐことにつながればと考えています.

今年も5日間の検診のうち月曜日と木曜日は医学科6年次臨床配属の学生さん,岡本憲人くん,西野顕吾くん,元野紘平くん,山田雅浩くん,渡邊康平くんの5名に参加頂きました.5名とも測定にいらした方々と笑いを交えながら会話し,丁寧に説明しながら測定を行っていただきました.4日間お疲れ様でした.北秋田市健康福祉部医療健康課の方々には,毎年検診前の準備やアンケート配布などご協力いただき感謝申し上げます.また,医局の先生方は,外来や手術,出張,日々の業務などお忙しい時間のなか,ご参加・ご協力いただきありがとうございました.今後も運動器検診が少しでも何かのお役に立てるように続けて行ければと思いますので,よろしくお願いいたします.

2016 阿仁検診集合写真HP

イギリス留学記 ~その9~ (工藤大輔)

先週、グレビット先生に紹介していただきバッキンガムシャー、アイルズベリーにあるストークマンデヴィル病院を見学する機会を得た。グレビット先生も若かりし頃、整形外科医として修練を積まれた病院とのことであるが、何と言ってもこの病院はパラリンピックが誕生した地である。調べてみるともともとコレラの治療から始まった病院であるが、第二次世界大戦を機に、負傷した兵士を治療するようになり、その後ドイツからイギリスへ亡命したグットマン医師が現在の病院の礎を築いた病院で、このグットマン医師はパラリンピックの父と呼ばれる。また脊髄損傷のFrankel分類を作られたFrankel先生がおられた大変歴史のある病院である。ノッティンガムから列車とバスを乗り継ぎ、ロンドン経由で向かうことにした。ロンドンの市街地を離れ、Berkhamsted駅でバスに乗り換えると住宅地と緑が広がるのどかな場所に病院が建っていた。病院の入り口にはパラリンピックのシンボルであるスリー・アギトスと呼ばれるオブジェが飾られており、アギトスとはラテン語で「私は動く」という意味とのこと(写真16、17)。

写真16 写真17

今回お世話になった先生はベルーシ先生とニジェール先生で、ベルーシ先生のオフィスはなんと以前Frankel先生が使っていたお部屋ということで、何の変哲もないオフィスチェアが置かれていたが、Frankel先生が実際使っていたものと教えていただいた。許可を得て写真を撮らせていただいた。またすぐ近くにはISCoSのオフィスなどもあった。カンファレンス、病棟、外来、リハビリ等幅広く見学させていただいた。病棟では、人工呼吸器が必要な患者さんから、自立を目指してリハビリに励む患者さんまで様々で、入院期間は状態によりだいたい3-9ヵ月と教えていただいた。また病院の敷地内には実際の家を模した施設があり、自宅退院を目指す患者さんが家族とともに実際の生活をしながらリハビリをしているとのことであった。リハビリ室では平行棒など通常のリハビリ設備の他、FESによるサイクリング運動機器を利用している患者さんも見受けられた。外来では、ベルーシ先生の外来見学を中心にITBのリフィルなども見学させていただいた。痙性する治療方針、脊髄損傷後の痛みの治療などを教えていただいた。ITBは古くから行っているとのことで、昔のポンプを見せていただくことができ、また植込み手術でベルーシ先生が注意している点、ご経験されたトラブル例なども教えていただいた。フォローしている患者さんは数百人に及び、年1回のフォローでもかなり苦労されているとのことであったが、Skypeなどを使い、通院困難な患者でも状態が把握できるように工夫されているとのことであった。他にも横隔膜、横隔神経刺激によるFESの話も伺うことができた。

2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催予定となっている。いろいろと問題が報道されているが、是非成功して欲しいと心から願う。

第2回秋田大学イリザロフ法セミナー アドバンスコース MATILDA法の実際 (野坂光司)

島田洋一教授のご高配により,5月7日,第2回秋田大学イリザロフ法セミナー アドバンスコース(MATILDA法の実際)を開催することができました.

コンセプトは第1回と同様に,秋田県内に広く浸透したイリザロフ創外固定を,基本から応用まで学ぶ機会として,若手医師,手術室看護師を対象に行いました.『重度四肢外傷からの感染を秋田県から撲滅させる』という,島田教授の熱い思いに応えるかのように,30名の参加者全員が,模擬骨を使用し,実際にワイヤー,ハーフピンを刺入しまくり,固定するという,臨床さながらの熱気に包まれたハンズオンセミナーとなりました.

今回は大変ありがたいことに,日本のIlizarov創外固定をリードしてきた弘前大学さんから,上里涼子先生,佐々木規博先生,弘前大学に国内留学中の堀内先生(防衛医大卒,空手部)の3名にもご参加いただき,我々AIMGもいつも以上に気合いを入れて準備いたしました.島田教授が常々おっしゃるように,『これからはIlizarovとMicroの融合の時代だ』と考えます.今後も弘前大学さんと交流を深めさせていただければ幸いです.

土曜日のお忙しい中集まってくれた参加者のみなさん,テーブル講師ををしていただいたAIMGメンバー,開催に多大なるご協力いただきましたSmith & Nephewの皆様,源川医科の佐々木さん,本当にありがとうございました.

第3回も計画中ですので,次回もぜひよろしくお願い申し上げます.

AIMGから学ぶILIZAROV法 アドバンスコース,MATILDA法の実際

【日時】2016年5月7日(土) 9:15~11:30

【会場】北臨床棟2階 カンファランスルーム (整形外科医局隣)

【内容】イリザロフの実践応用編,MATILDA法の実際(レクチャー 40分 ワークショップ90分)

【対象】イリザロフ法に興味のある医師,看護師

プログラム

9:15~9:20  島田洋一教授ご挨拶

9:20~10:00  レクチャー(野坂)

10:00~11:30 ハンズオンセミナー

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イギリス留学記 ~その7~ (工藤大輔)

ここ最近も側弯手術を中心に勉強させていただいた。Consultantの先生により、テクニックの違いがあり面白い。どの先生もスクリュー刺入はフリーハンドで、大きな合併症はもちろんないが、プロービングの際の逸脱や、プローブがうまく進まないといったことはそれなりの頻度である印象だった。グレビット先生は主にDepuy SynthesのUniversal Spine System (USS)を使用されているが、腰椎の刺入から始め、スクリューについたガイドピンが順に並んでいくので椎体の回旋が明瞭となり、プロービングが困難な際もピンが指標になるので非常に有用と思われた。またプローブが内外側に外れた際も、角度をつけてハンマーで叩き込むなど逸脱したときの対処も難なくこなされ、さすがと思われた。先日は約130°の固い胸椎側弯の症例で、右開胸での6椎間の前方解離が行われた。Halo ringによる牽引を行い、後方手術はこれからであるが、どのように矯正されるのか興味深い。

渡英してまもなく英語の勉強もしたいと思い、英会話教室を探してみたが、日程がなかなか合わないのと値段もそれなりに高いので家庭教師を探してみた。何人かの先生をインターネットで見つけることができたが、そのうち日本語も話せるという先生がいたのでお願いし、週1回レッスンを受けている。とにかく明るい先生で日本での英語教育のご経験も豊富とのことで毎回楽しく勉強している。家まで来てくれるので、たまに気が乗らない日でも強制的に勉強できるので、そういった点でも家庭教師を頼んで良かったと思った。また英語の発音もとても分かりやすい。先生曰く、ノッティンガムの発音は少し分かりにくいとのこと。イギリス英語とアメリカ英語の違いも教えてもらったが、2ヵ月ちょっと暮らした感じでは特にアメリカ英語だから通じないということはなく、むしろ日本語のカタカナ英語に惑わされ、通じないことが多い。前にイタリアから来た先生と頚椎椎弓形成術の話になり、何を使って骨を切るか聞かれた際、drillが通じなかったのが悲しかった。

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ノッティンガム中心部、Old market square

第9回秋田県運動器リハビリテーション研究会 (鈴木真純)

2月13日に開催されました、秋田県運動器リハビリテーション研究会のレポートです。リハビリテーションという整形外科医のみに限らず幅広い分野、職種の関係するテーマという事もあり、会の開始前から会場は超満員の状態でした。会場後方のパーテーションをずらしてそこに応急的に椅子を並べて対応しなくてはならないほどでした。

一般演題1題目は秋田大学の木村竜太先生から御講演頂きました。先生の臨床研究テーマであるリハビリテーション用パートナーロボットに関する内容で、TOYOTAが藤田保健衛生大学と共同開発した歩行練習アシストロボット:GEARの概要、有用性について分かりやすくお話して頂きました。特に、strokeの40代男性患者の症例では、GEARを導入したリハビリプロトコルによりストライド・歩行速度の増加がみられ、劇的に歩容・歩行能力が改善した様子の実際の動画が衝撃的でした。その他、長下肢装具から短下肢装具への移行への時間短縮効果、脊髄損傷対麻痺への応用の可能性などもお話頂き、今後の更なる発展が楽しみな研究テーマでした。2題目は北秋田市民病院の冨手貴教先生の、コンポーネントの形状によってACLの機能を再現しているという特性を持つBCS TKAと従来型(決して古いという意味ではありません)conventional TKAの加速度センサーを用いた比較のご発表でした。加速度センサーを用いることで、双方のTKAの安定性を定量化し比較考察できる点が非常に有用であると感じました。ROM,満足度はともに改善傾向にありましたが、PCS TKAの脛骨、大腿骨センサーの加速度が低下したのに対し、Conventional TKAでは速度が増加したという結果で、ACL機能を再現しているため、膝の安定性に関わっているのかもしれないという非常に興味深い内容でした。

 

特別講演は、東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学教授、正門由久 先生より「転倒とその予防」を御講演頂きました。なぜ転ぶのか→長生きするようになったから、というシンプルですが深い導入から、地域高齢者の転倒頻度・転倒恐怖を有する割合など大規模なデータまで、実際の先生のご家族の事例を要所要所に実例として織り交ぜてお話頂きました。特に、先生がご専門とされいていることに関連し、電気生理学的な運動単位数の変化(60歳を境に単位数減少)のこと、そしてそれに対応するように歩行速度も低下していることなど実際の基礎研究のデータの解説も、転倒という実際の臨床のoutcomeにつながる内容は非常に興味深かったです。秋田大学でも今後のテーマとしている運動療法介入に関しても、転倒予防のためのプログラム導入によりデータで20%は転倒抑制になるということはとても参考になりました。下肢伸展筋力、片脚起立時間の延長などの効果だけでなく鬱の改善の可能性もあるということで、自殺率N0.1(最近は返上したようですが)の我が県が問題に抱えるうつ状態と関連した自殺予防効果の可能性もあるかもしれません。あくまで個人的な見解ですが。

今後さらに増加してゆく高齢者に備えて、転倒予防は最重要課題の一つになります。今回の講演を是非参考にさせて頂きたいと思いました。

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イギリス留学記 ~その5~ (工藤大輔)

ノッティンガム留学へ留学し,ちょうど1ヵ月経った.ノッティンガムはロビンフッドの伝説で有名ということで,いたるところにロビンフッドの像や絵が飾ってある(写真9).

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(写真9)

中心街やノッティンガム城(写真10)周辺もバスでほとんど行けるので,車が無くても困らない.

写真10

(写真10)

グレビット先 生には、本当に良くしていただいており,側弯手術だけでなく,腰椎人工椎間板置換術なども見せてもらうことができ,手術は毎回楽しみにしている.先日,たまたま病院の玄関先でメディアン先生にお会いし,日曜日に側弯の手術を予定しているとのことで,それも見学させていただいた.AISの後方矯正固定術であったが,グレビット先生の手術法とは異なり,どちらかというと我々の方法に近かった.全椎体にフリーハンドでスクリューを設置後,rod rotationで矯正していた.術前にはメディアン先生が考えるLIVの決め方について教えていただいた.また,前回聞けなかったGrowing rod法(modified Shilla法)を行っている理由なども教えていただいた.先週はUniversity Hospitals of Leicesterのセル先生の側弯症手術も見せていただいた.というわけで1月後半もたくさんの側弯症手術を見学することができた.また何例かTLIFも見学する機会があったのだが,使われていたcageがT-palで約1万km離れた異国の地でいつも見慣れた器械を見ることができ,なんだか懐かしい気持ちになってしまった.

話は変わり,日本とイギリスの違いをいくつか.イギリスの医師は白衣を着ない.イギリスの国営の病院(NHS; National Health Service)では2007年から感染対策のため,白衣の着用を禁止したらしい.またネクタイも禁止.というわけで服装はいつも長袖のワイシャツの袖をまくり,スラックス,革靴というスタイル.島田教授より渡英前に服装の違いで医師の位が分かると教えていただいたが,もちろんグレビット先生はカフスを使用していた.おそらくスーツもオーダーメードの上等のものだと思われる.そしてDr.ではなくMr.と呼ぶ.専門医の受診は,日本のように紹介状なしでいきなり大学病院を受診することはできず,まずは家庭医(GP; General Practitioner)を受診し,必要に応じて専門医を紹介されるというシステム.専門の診療に集中できるので,仕事の高率が良いと思われた.最後に,これは個人差があるかもしれないが,わりと皆昼食はあっさりしていて,最近は自分も合わせて軽く済ませている.写真はある日の昼食で,パンとコーヒーとチップス(写真11).

 

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イギリスの食事はおいしくないと聞いていたが,今のところそんなことはないと思う.

 

イギリス留学記 ~その3~ (工藤大輔)

2016年1月4日月曜日。今日も夜明け前に病院に向かう。病院までは無料のシャトルバスがあり30分くらいかかり、病院に着くころにようやくうっすら空が明るくなる(写真5)。新年明けて最初の研修は、毎日の朝の全体カンファレンスの後、グレビット先生の外来見学であった。イギリスでは日本とは違い、かかりつけ医(GP)からの紹介がないと専門医を受診することができない。フェローの先生と一緒にグレビット先生の外来につき、Consultantであるグレビット先生がフェローを教育し、またフェローの先生もグレビット先生に適宜質問し、一つ一つの症例をディスカッションするというスタイルであった。新患が多いせいか一人一人の患者さんとの面接や診察の時間が日本よりも長く丁寧であると感じた。ちなみに診療録の記録は一通り診察した後にまとめて病歴や所見を音声として記録するというものであった。また腰痛のみの症状で紹介された患者は日本のようにすぐ薬を処方したり、注射をしたりすることもなく、多くは運動療法を指導し、特に所見や画像に問題無く、手術適応がない場合にはもとのGPに再紹介していた。この日の午後は、グレビット先生のご高配でUniversity Hospitals of Leicesterの側弯外来を見学させていただいた。こちらの病院で手術適応の患者さんが来ればQMCへ紹介し、手術を行っているとのことであった。ちなみにイギリスでは小児の側弯症に対する装具療法はほとんど行われていないとのことで、理由はイギリス人の女の子の多くがタイトな服を好み、装具を付けたがらないためコンプライアンスが悪く、多くは装具ではなく手術を望むからと教えていただいた。また側弯の学校検診も現在では行われていないとのことであった。日本では検診でなるべく早く発見して、装具療法でなるべく手術を回避しようとしているが、こちらでは装具療法を行う程度の側弯はさほど問題ではなく、進行したら手術をすれば良い(するしかない!?)というコンセプトなのだろうか。

今週は側弯症手術と腰椎人工椎間板置換術であった。側弯症手術では執刀前のレベル確認のマーキング針の打ち込みはなく、まず腰椎のみ展開し、術中所見と肋骨の触診などで見当をつけてスクリューを挿入(術前のX線と術野の終椎の傾きを見比べればほぼ間違いそうにないのだが。)し、術中にX線側面像を撮影してレベルを確認。腰椎にスクリューを入れ終わったら、胸椎を展開し、胸椎にスクリューを挿入していた。ちなみにグレビット先生のお考えでは、アウトカムに対するエビデンスが弱いとのことで回旋変形の矯正はあまりこだわっておらず、頂椎レベルでは凸側にしかスクリューを挿入しないとのことであった。もう一つの理由は脊髄が凹側によっているため、安全性を考慮してとのことであった。スクリューは刺入点の骨をリュエルで咬除してから、全てフリーハンドで素早く挿入していた。スクリューを入れ終わると、頂椎凸側の肋骨形成(肋骨切除)を行っていた。これはいつも行っているわけではなく、見ためを考慮してとのことであった。続いてCapener lamina gougeで次々と両側の下関節突起の切除を行っていく。骨から出血するのだが、手際よくサージセルとガーゼで圧迫するのでそんなに出血しない。凸側にロッドを設置すると側弯が矯正される。コンプレッション、デコンプレッションをかけてさらに側弯を矯正してから再頭側は横突起にフックを設置していた。凹側も同様にロッドを設置し、最後に棘突起を基部を少し残して切除、移植骨とし、ノミで残った棘突起基部と椎弓外板を削ぐようにdecorticationを行い、切除骨を置いて閉創していた。骨切り操作を手術の終盤に行うことで出血が押さえられ、また手数を少なくすることで手術時間が短縮されていると思われた。別の日は小児の後側弯で、Ponte Osteotomyを併用した矯正術であった。骨切りはノミで両側下関節突起を切除し、残った正中の骨を棘突起ごと一気にリュエルで切除するというやり方であっという間に、骨切りが終わってしまった。ちなみにこの手術では長い手術だから・・・ということでみんな途中で手を下ろしてランチタイムをとっていたのに驚いた。

グレビット先生は脊柱変形を主に手がけられているようであったが、今週は腰椎前方進入による人工椎間板置換術も見せていただいた。実はこれまで腰椎前方進入を見たことがなかったので、すべてが驚きであった。術中は一つ一つ丁寧に解説していただいたので非常に分かりやすかった。まだ1週間しか経ってないが、非常に勉強になった1週間であった。

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チームイリザロフ,秋田大学附属病院プロジェクトコンペ最優秀演題賞表彰式!!

昨年末に行われました,秋田大学附属病院プロジェクトコンペで,チームイリザロフが最優秀演題賞受賞したニュースを先日お伝えいたしましたが,2016年1月7日,その表彰式が盛大に行われました.プロジェクトを支えて下さった坂谷慶子師長,門間りつ子看護師はじめ,中心メンバー(高橋加苗,金 悠佳,朝倉愛子,照井ゆかり 敬称略)が列席いたしました.病院長から,『附属病院発展のため,益々頑張ってほしい』と激励いただき,堂々たる発表をした高橋加苗看護師が賞状を,金 悠佳看護師が目録を受け取りました.その瞬間を目にしたときは,ちょっと目頭が熱くなりました.イリザロフ創外固定のケア,退院支援は年々進歩しており,病棟に次々と新しいスタッフが入っても,ケア,退院支援のレベルが維持,発展しているというのは,チームイリザロフが成熟した組織である証しだと感じています.今年もたくさんの患者さんと共に歩みながら,大きな研究成果を挙げていけるように,みんなで頑張りましょう(^^)/

最後に,師長さんから一言いただきました

第一病棟8階の坂谷慶子です。病棟の退院支援ワーキンググループが院内のプロジェクトコンペ(医療サービス部門)で最優秀賞をいただきました!!日々の病棟スタッフのがんばりを院内に発信できればと思いコンペの参加を思いついたのですが、こんなに素敵なご褒美がいただけるとは想像しておりませんでした。とてもうれしく、スタッフのがんばりを誇りに思っております。これからも、スタッフとともによいケアができるようがんばっていきたいと思っております。イリザロフケアセミナーでご支援いただいた島田洋一教授はじめ、野坂光司先生に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

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