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第8回 Murup Hospital Live Surgery(韓国 釜山)に参加して(齊藤英知)

8th Murup Hospital Live Surgery

I would so appreciate and be thankful with prof Jung who is a Director of the Murup hospital. The successful meeting finished with hot discussion between Korean and Japanese orthopedic doctors including two live surgery. The first one was TKA performed by prof Seo, with original measuring method. The last was TCVO performed by prof Yonekura. All surgery were so wonderful. I could have a good friendship with Korean orthopedic doctors through 2 night 3days. I hope we could meet next January, 3rd Korea Japan Knee Osteotomy Forum in Busan again, and discuss each other again.

 

この度、2015年11月21日に、韓国の馬山市のMurup病院で行われた本会に参加して参りましたので報告致します。Murup病院はJung Woon-Hwa先生が設立されたprivate clinicでJung先生はosteotomyに関する多くの論文をArthroscopyなどで発表されております。

3週間前に横須賀市民病院関節外科の竹内良平先生から、竹内先生が急遽行けなくなったので、長崎大学の米倉暁彦先生のTCVO(脛骨内側顆外反骨切り術)のライブ手術のmodulatorをやってくれ!とお電話を頂きましたので、” It’s my honor!’とうことで参加が決定しました。異国で慣れないスタッフと手術をする大変さは、自分もドイツでの執刀経験から十分承知しているつもりでしたので、少しでも米倉先生がやりやすいようにアシストするつもりで臨みました。日本からの参加者は、秋山先生(福岡)、中村先生(やわたメディカルセンター)、米倉先生(長崎大学)、立石先生(同愛記念)、長瀬先生(同愛記念)、松井先生(浜の町病院)、朴先生(焼津)、岡崎先生(長崎大学)で、皆さんがtopicを英語でプレゼンされました。自分もhybrid CWHTOと長方形骨孔ACL再建を同時に施行したcaseを発表しました。会のプログラムは、午前中はcase discussionや研究報告などが英語で行われました。ごごから、韓国の重鎮のSeo教授(元サムソンメディカルセンターのprofessor)がTKAのライブ手術を行い、それに引き続きて、米倉先生のライブ手術が行われました。MCLがかなり硬い患者さんだったらしく、骨切り部の開大に時間を要しましたが、完璧な手術で、術前の計画通り、TCVOにOWHTOを加える手術が無事に終了しました。ここで、影のヒーローであったのは、助手をされていた岡崎先生でした。たまたま、福岡ー釜山便では隣の席であったので、我々は、翌日に控えた手術に備え、手順を確認しておりました。岡崎先生は、原稿用紙4枚分程度の英語の原稿をすでに準備しており、すでに完璧でした。手術中も執刀医である米倉先生は手術の集中するため、要所要所での岡崎先生の英語での説明が光り輝いていました。韓国の先生も全くTCVOを見たことはないので、いろいろ質問がありましたが、basicな質問が多かったように思います。

懇親会では、ACIのKim教授、TKAのIn教授、Kyung教授、ホストのJung教授と多くのお話ができ、交流できたことは多くの収穫となりましたが、若手整形外科医からも多く声をかけられ、血気盛んな若手が非常に多いと感じました。10月にはうちの赤川学先生が、東北整形災害外科学会のトラベリングフェローですでに、In教授や多くの若手整形外科医と旧知の関係となっており、赤川学先生の韓流スターぶりも十分感じることができました。「ボーイ先生、さすがです!」この調子で、われわれのASAKG(秋田スポーツ膝関節鏡グループ)から多くのトラベリングフェローが輩出してくれればいいなと若手に期待してます。

秋田スポーツ膝関節鏡グループで現在研究を進めている内容などは、最新の知見であり、みんなが知りたいと思っていることも今回、改めて再認識したので、秋田からアジアに、そして世界へとどんどん情報を発信して参りたいと思います。

この会、このような機会をくださった島田洋一教授、竹内良平先生、関節グループの皆様、医局の皆様、同門の皆様に深謝申し上げます。ありがとうございました。

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第50回 日本脊髄障害医学会学術集会(水谷 嵩)

第50回日本脊髄障害医学会学術集会が2015年11月19〜20日グランドプリンスホテル高輪で開催されました。当教室でも毎年参加している学会で、今年もポスター6題、口演1題を発表してまいりました。メンバーは大学から島田洋一教授、松永俊樹准教授、佐々木研先生、益谷法光先生、木村竜太先生と私、能代厚生医療センターから安藤 滋先生、市立横手病院から大内賢太郎先生が参加しました。

脊髄障害がテーマのため、整形外科のみならず、脳神経外科、神経内科、泌尿器科、リハビリテーション科など様々な分野から演題が集まり、内容も臨床的な内容から基礎研究の話題まで幅広い知見を得ることができました。今回私はハンドリハビリテーションシステムの発表をさせていただきましたが、発表後他県の発表者の方からも質問を頂いたり、情報交換をすることもできました。また、教育講演では腰痛、慢性疼痛、首下り症候群など臨床的な内容にも触れることができ、今後診療の場で役立つ知識も身につけることができました。

本学会は国内でも歴史のある学会ですが、今回は記念すべき第50回ということで京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授の特別講演が企画されました。山中先生の基礎研究を志した経緯や、留学についてのご経験、iPS細胞を完成させた時のお話など盛りだくさんな内容でした。臨床応用に向けて課題の多い分野ですが、近い将来、より身近になって様々な場面で活躍できる可能性を感じました。最後の締めに、肝硬変で亡くなられたご家族を例に、昔は治せなかった病気も治療できる時代になったとお話され、自身の基礎研究に対する思いが込められた一言でした。

今回平日の日程にもかかわらずこのような貴重な機会を与えていただきまことにありがとうございました。

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第42回日本臨床バイオメカニクス学会(木島泰明)

2015年11月13日から14日の2日間、東京・お茶の水のソラシティ・カンファレンスセンターにて、第42回日本臨床バイオメカニクス学会が開催されました。学会長は東京医科歯科大学大学院運動器外科学教授の宗田大先生です。学会場のすぐそばに東京医科歯科大学、そしてそのすぐ隣に順天堂大学が見え、東京ならではの会場です。

この学会のテーマはバイオメカニクス(生体力学)ですが、”臨床”バイオメカニクスですので、生体力学的な手法で実際の患者さんに役立てられる技術や知識についてのたくさんの演題発表やご講演を拝聴することができました。

今回の学会長のご専門も膝関節ですが、理事長も史野根生先生であり、やはり膝の演題が多い印象ではありましたが、「圧迫性脊髄症のバイオメカニクス」や「骨折外科医によるバイオメカニクス研究」などのシンポジウム、手術支援ロボットや股関節・肩関節の解剖学の教育研修講演などもありました。

方法論としてはポイントクラスター法による動作解析や有限要素モデルによる応力解析などのスタディが多く、特に個人的には有限要素解析に関して興味深く勉強させてもらいました。どのような骨折、どのような骨形態には、どのような内固定材料、どのような人工関節デザインを用いるべきかといった、ある意味、究極の質問に対する答えもバイオメカニクス研究の中から出てくるのかもしれません。

そのような非常に価値ある本学会が2018年、島田洋一会長のもと、秋田市で開催されます。その準備も兼ねて、山田晋講師、野坂光司先生、そして木島が今回の学会に参加させて頂きました。

またAkita Sports, Arthroscopy, and Knee Groupの動作解析ワーキンググループリーダーの斉藤公男先生が、我々の行っている中学生アスリートに対するメディカルチェックにおける強化指定中学生の動作解析についてご発表されました。このワーキンググループから赤川学先生もバイオメカニクスについて勉強するために本学会に参加されていました。この学会においても秋田大学整形外科メンバーの今後の大活躍が予感されます。来年はぜひみなさんも参加してみませんか?DSC00645

第42回日本股関節学会(木島泰明)

2015年10月30日から31日の2日間、グランフロント大阪にて、第42回日本股関節学会学術集会が開催されました。秋田からは、Akita Hip Research Groupの山田晋会長、小西奈津雄副会長、久保田均副会長、そして、谷貴行先生、鈴木紀夫先生、加茂啓志先生、木島の計7名が参加致しました。

学会長は、先日の秋田県股関節研究会の特別講演をして頂いた大阪大学の菅野伸彦会長です。今回のテーマは「股関節外科医のあるべき姿」。学会の公式ポスターを見てもわかる通り、股関節外科医の治療のターゲットは、小児股関節を含む発育性股関節形成不全やそれに伴う変形性股関節症だけでなく、大腿骨近位部骨折や寛骨臼骨折、そして大腿骨頭壊死や股関節唇損傷など多岐に渡り、それらに対する外科治療の方法として人工関節や骨接合、骨盤骨切り術だけでなく、股関節鏡手術も股関節外科医には求められおり、これらに対する基礎的・臨床的研究のディスカッションを通して、すべての股関節の痛みや機能障害で悩んでいる患者さんに対する最善の治療法を見出していこうという熱意が感じられるプログラムとなっております。

先ほど、Akita Hip Research Groupを代表して、小西副会長が人工股関節置換術の難症例というセッションでご発表されました。加茂先生や私も関わらせていただいた非常に治療の難しいケースを提示されることで、秋田だけでなく全国の股関節外科医の明日からの治療に役立つ貴重な情報を会場の先生方に届けて下さいました。

股関節学会では毎年、ドクターだけでなく、ナースやフィジカルセラピストの発表の場も設けられており、今年は学会に来られなかった田澤浩vice-directorの手術をリハビリの観点から解析された秋田赤十字病院リハビリテーション科の齋藤真紀子PTのご発表もございました。

我々の研究成果を発表するだけでなく、全国の先生方のいろいろな考え方に触れることで、秋田の股関節疾患の患者さんにとって有用な情報を少しでも多く還元できるような学会参加になるよう、残りの期間も、参加者一同、勉強してきたいと思います。

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第30回日本整形外科基礎学術集会 (佐藤千恵)

2015年10月22日23日の両日に、第30回日本整形外科基礎学術集会が富山市で開かれました。秋田大学からは松永准教授、工藤先生、大内先生、藤井先生、望先生と佐藤の6演題の発表がありました。また、宮腰准教授はシンポジウム、特別講演、座長など、多くの場面で骨粗鬆症研究のトップランナーとして発表されていて、下につかせて頂いている大学院生としてとても誇らしく思いました。少しでもA-BONEへの恩返しができるよう、努力をしていこうと感じた次第でした。私は、日頃の基礎研究の成果を発表してきたわけですが、視点を変えたご質問などを頂くと、また新たな研究のヒントを得ることができ、とてもよい機会になりました。その他、膝関節の軟骨代謝に関する研究などを拝聴し、大変有意義な時間を過ごすことができました。日々研究のご指導頂いております島田教授、宮腰准教授、粕川講師、A-BONEメンバーの皆様にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

さて、学会会場は富山城の真向かいという素晴らしいロケーション。街中をトラムが走る、とても風情のある町並み。初日の夜は、准教授お二方を囲んでの懇親会で、富山湾の豊富な海鮮物で舌鼓をうち、おいしい地酒を頂きながら准教授の学生時代のお話などを楽しく伺いました。

それから、学会前夜、工藤先生は以前研修に行かれていた総合脊損センターの先生方と遭遇され、あっという間にその輪へ溶け込まれていらっしゃっていました。さすが!全国どこに行っても人気者の工藤先生です。

私事ですがASBMR前から跛行がなかなか治りません。ただ今回は、珍しく(?)スポーツ大会参加のない学会で、穏やかに帰秋致します。

再び気を引き締めて精進して参りたいと存じますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

佐藤千恵

第8回東北スポーツ整形外科懇話会  (木村竜太)

2015年10月17日、第8回東北スポーツ整形外科懇話会、ならびにその前後にテニス大会・running meeting・サッカー大会が、絶好の秋晴れの中、青森市で開催されました。

秋田大学はもちろん全種目に参加して参りました。時系列に報告します。

 

まず17日朝。テニス大会では野坂先生、青沼先生、杉村先生、湯浅先生のノーザンファルコンズの精鋭が出場。素晴らしい結果を収められたので、詳細は別に野坂先生からご報告いただきます。

 

午後のrunning meetingは尾野先生、岩本先生、高橋先生、長幡先生、木村が出場。途中歩きながらも岩本先生が3位、次週末に抜釘術を控えながらも痛みに耐えて走った長幡先生が4位と健闘しましたが、残念ながら個人・団体ともに弘前大学に負けを喫してしまいました。来月の全学駅伝では良い結果を残せるよう練習に励みます。

 

夕方から、今回の中心となる特別講演会がありました。はじめに弘前大学耳鼻咽喉科准教授の佐々木亮先生から「耳鼻咽喉科領域のスポーツ外傷」と題しご講演いただきました。鼻骨骨折などスポーツに関わる医師として、避けられないものの、他科の分野となると気が引ける、そんな私達に多数の症例から実際の対応方法をご教示いただきました。次に川崎医科大学スポーツ外傷整形外科学教授の阿部信寛先生から「プロサッカー選手の傷害から学んだ診療提案」。阿部先生はファジアーノ岡山(J2)のチーフドクターを務められ、なでしこリーグの岡山湯郷ベルの選手の治療なども行われています。ファジアーノのサポート体制を一から構築されたお話や、実際にプロスポーツ選手に対して、医師がどう対応すべきかなど多くの実経験をお話いただきました。

 

翌18日は日本整形外科学会予選会を兼ねたサッカー大会でした。昨年から本参加した当大学は堀川先生、齊藤先生、嘉川先生、鈴木先生、益谷先生、尾野先生、岩本先生、高橋先生、長幡先生、木村の10人で出場。8人制ですが、年齢制限のため30歳以上は交代要員がいないという厳しい中での闘いとなりました。トーナメント制で行われ、結果は4位。ただ「秋田大学のヒデ」こと齊藤先生の2ゴールもあり、今後の伸び代はまだまだあるチームです。強化のためにはファジアーノ岡山がやっているような雪山登山が必要でしょうか。

 

秋田大学整形外科ではバスケのノーザンハピネッツチームドクターや、サッカーJ3ブラウブリッツ秋田のサポートなどを行っております。ぜひ秋田のプロスポーツがより一層活躍し、アマチュアの方も怪我で悩むことなくスポーツを満喫できるよう、スポーツ選手がスポーツ選手をサポートする体制で、今後も診療を充実させて参ります。

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ASBMR 2015 Annual Meeting in Seattle 参加報告 (藤井 昌)

2015年のASBMR Annual Meeting が米国シアトルにて、10月9日~12日の4日間にわたり開催されました。当科の骨代謝グループであるA-BONEからは、宮腰director、粕川vice-director、野坂先生、土江先生、木下先生、千恵先生、藤井の計7演題を発表してまいりました。演題内容は、各先生方のご専門、研究テーマに沿ったもので、脊椎から関節、リウマチ、動物実験など基礎から臨床まで多岐にわたり、A-BONEの最先端かつ幅広い研究成果を世界にアピールすることができたと思います。個人的には、国内学会では味わえない長時間の討議がとても刺激になりました。その中で骨質評価、健康食品と骨粗鬆症についてなど、自分の興味のある分野に関する新しい知見も得られ、また先日研修したタイの病院の整形外科医とも情報交換でき、非常に有意義な時間を過ごすことができました。このような機会を与えていただいた島田教授、宮腰准教授にこの場をお借りして感謝申し上げます。

学会時間外もKawana ”Pets” Tatsuo隊長により、ボーイング社工場見学、ワインツアー、スターバックス1号店(と偽1号店)訪問など、バラエティーに富んだアクティビティが企画されました。夕食では、テーブルに無造作に置かれたカニをハンマー(軽ハン)でたたき割り食べるという、シアトルならではの名物料理を堪能することができました。みなさん整形外科医の本領を発揮し、無言でハンマーを振り回していたのが印象的でした。

まだ時差ボケが抜けきらない帰国直後ですが、またこのような楽しく有意義な学会に参加できるよう、日々の仕事をがんばっていきたいと思います。

今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます。

 

①学会場にて ②藤井ポスター ③ボーイング工場にて ④チキンラップが食べきれなくて泣く尾野先生

 

 

 

第42回 日本肩関節学会に参加して(市立大森病院 嘉川 貴之)

2015年10月9日~10日の二日間,仙台にて日本肩関節学会が開催されました.市立横手病院の大内先生と共に,前日夜に開かれた「肩関節鏡手術セミナー」と併せて参加してきました.
「肩関節鏡セミナー」では,以前函館五稜郭病院に在籍,今開業された永澤 雷太先生と東京医科歯科大学の二村 昭元先生のレクチャーを拝聴いたしました.特に二村先生には解剖学的な最新の知見を御講義いただき,目から鱗でした.
翌日からの学会では,かなり濃密な時間を過ごせました.今までは学会場に一日中とどまっているということがなかった自分ですが,今回は臨床や今後の研究で行かせる何かを見つけて帰ろうと集中していました.永澤雷太先生が「学会は自分の立ち位置を知る場所」と仰っていましたが,その言葉通り,自分の立ち位置も再認識し,やる気がわきました.
その夜は,前週にお世話になった岡村先生はじめ羊が丘病院の皆さんと夕食をともにしました.大内先生は僕の前では肩痛い,荷物持ってなどと言いますが,岡村先生の前では痛くないっすと言い張っていて,今後彼が肩が痛くて投球できないと言っても優しくしないでおこうと決意しました.
2日間かなりみっちりと肩について勉強したと思います.あまりに勉強したためか自宅に帰ってから訳もなく嘔吐しました.知恵熱は出ていませんでしたが,知恵嘔吐だと思います.
今回学んだことは11月8日のASAKGのミーティングで皆様にお伝えできるかと思います.まずは手術をしっかりと,そして来年は学会発表できるよう,今後ともご指導の程よろしくお願い致します.

肩1

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第50回 国際側弯症学会に参加して (水谷 嵩)

 2015年9月30日~10月3日の日程で,ミネソタ州のミネアポリスで開催された第50回国際側弯症学会(Scoliosis Research Society)に参加しました.参加メンバーは本郷道生先生,三澤晶子先生,工藤大輔先生と,今年初めて参加する私と尾野佑一先生の5人でした.
Scientific programでの口演発表は129題とEポスター94題で,合わせての採択率は約15%とハードルが高いですが,その分発表はどれも質の高いもので,どのセッションに参加しても得られるものの大きい会でした.主に小児から成人の脊柱変形をテーマに,保存療法から手術療法までの発表を世界各国から集まった先生方が,連日議論を繰り広げるマニアックな会,という印象でした.
 初日のpre-meeting courseでは側弯症治療の歴史や分類,装具,手術治療の変遷など一般的な内容の発表を聞くことができ,一日いると側弯症の大体のことが分かるようになるセッションでした.経験の浅い私はどの発表も学ぶことが多く,特に側弯症治療の歴史に関する発表では過去に多くの反省すべき症例があったことを知ることができました.海外の手術症例の発表も刺激的で,検診制度のある日本ではほとんど見ないような重症側弯症例の治療報告も散見されました.また,Lenke分類で有名なLenke先生を見ることができたのも貴重な経験でした.
 今回は50回記念会ということで,学会の創立時からのメンバーや,過去の学会プレジデントなどが一同に集まり,学会に功労のあった方々への受賞式もありました.印象に残った講演は,金銭的に手術を受けることができない子供たちに手術を行うことができるように制度をかえ,治療を行ったことで受賞されたインドの先生の発表でした.高額医療になる側弯症治療を,貧しい地域の子供たちにも提供できるように様々な工夫や努力を行った情熱に感動しました.
 また,学会会場内に特別ブースが用意されており,側弯症の博物館のようなコーナーを見学することもできました.世界で初めて使用されたロッドや手術器具の変遷の歴史,360°に曲がった側弯の実体模型,診察グッズの数々,第1回からの学会ポスターなど,専門家にはたまらない催しだったのではないでしょうか.
 今回初めて参加させていただいた本学会では,数多くの質の高い発表を聞き,見分を深めることができました.このような貴重な機会をいただきありがとうございました.今回の経験を今後秋田での診療に役立てられるよう努力したいと思います.
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第41回 日本整形外科スポーツ医学会 学術集会 (藤井 昌)

2015年9月11日〜12日にわたり、京都で第41回日本整形外科スポーツ医学会学術集会が開催され、ASAKGからは齊藤英知Director、木島泰明Vice-Director、藤井昌というメンバーで参加してまいりました。英知Directorは代議員として会長招宴に出席され、全国にASAKGをアピールするとともに、全日本クラスの先生方と芸妓を堪能されました。木島Vice-Directorは「スポーツ選手の痛みと筋・腱の弾性および股関節の回旋可動域との関連」という演題名で、秋田県のスポーツ強化指定中学生の超音波エラストグラフィーを含むメディカルチェックの結果について報告され、大きな注目を集めていらっしゃいました。自分は、「バスケットボールにおけるスポーツ傷害」というテーマのパネルディスカッションに、パネリストとして参加させていただきました。同じパネリストには日本バスケットボールリーグ関係者の方もおられ、傷害予防のみならず戦術面や今後のバスケットボール界の方向性についてなど、専門性の高い議論が交わされ、整形外科医として、また一競技者として非常に楽しみながら参加できました。また、当科の秋田ノーザンハピネッツに対するサポート体制が極めて高い評価をいただきました。特にチームとは未契約かつ資金援助がない中でのシステム作りという点では、他の真似できないクオリティーであるとのことで、大きなインパクトを残すことができました。今後も新たな試みにどんどん挑戦し、秋田のスポーツ医学のレベル向上に貢献していきたいと思います。引き続き皆様のご指導、よろしくお願い申しあげます。

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鴨川沿いにて(練習)

写真④

 

 

 

 

鴨川沿いの川床にて(本番)

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